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私は閉口する。
追いついたと思ったら深淵魔法魔王が撃ってるんだ。
ギリ間に合ったけど、あと1秒遅れてたら白は消し炭にされてたし冗談じゃない。
こんな馬鹿げたことしやがって。
ただ、白がいる以上私は下手に身動きができない。
当の本人は意識を失っているし、今動けば確実に後ろにいる白が狙われてやられる。
だから私はここからは動かない。
うごかないけど攻撃はさせてもらおう。
あいにく、私にはそれができる。
「電脳。容赦なし。
こいつはちょっとやそっとで死にやしない。
やっと追いついたんだ、覚悟の準備もできているだろう」
まずは私の半径1キロメートル以内にいる兵士たちの頭に念話で通達をする。
その内容は逃げろというもの。
というのも、私と魔王がガチでやり合い始めたらクレーターが出来る。
私だって人殺しの称号を得たくないし人も殺したくない。
何より、こんな状況で発令しないと人が勝手に死ぬ。
そしてその後白がやったみたいに受動的に称号を押し付けられるって流れだけは勘弁だ。
まあいい、それはそれ。
私は電脳とのリンクを最大限に強化する。
それに伴って気分も怒りに満ちていく。
もう止められない。
『スキル「終末」を発動。
魔術、錬成も同時使用』
次の瞬間片腕が消えた。
大罪系スキルの暴食か。
ただ、スキルである以上対応できる。
錬成で機械の腕を生成し勢いよく生やし、即座に傷口を埋める。
地下施設から手に入れた金属は山ほどあるから尽きることはない。
魔王も猛毒を持っているから、ダメージを受けた部分はすぐ直さないと徐々に悪くなりかねない。
そこは注意せねば。
着ているもの全部消滅させて、錬成を使用。
対象は私の肉体。
特に背中。
バキバキという効果音を立てながら、背中に蜘蛛の脚のような体節のある触手が6本生える。
そしてその先端に仕組まれるのは銃口。
触手の先端が銃となり、アリエルに向かう。
ロボたちには悪いが、食った時に最も殺傷能力があった奴らのデータを解析させてもらった。
その時の仕組みをそのまま利用させてもらう。
致命傷は与えられなくとも魔王の体に十分な傷をつけることはできるだろう。
同時に魔王の目が赤くなった。
怒が発動したのかな。
強い殺意が感じられるから、アリエルも機械に対しては何か思うことがあるのだろう。
機械のためにこの4000年間苦しめられてきたんだろうし。
まあ関係ないから撃つか。
作った6本の脚の先端から放たれる銃弾は、魔王目掛けて放たれる。
それを全てギリギリで回避していく魔王。
さすが魔王、伊達に生きてきたわけでもない。
避けながらも少しずつ近づいてきてるあたり、このままでも私不利になるのか。
こりゃ白が勝てないわけだわ。
回避しながらもジリジリと近づいてくる魔王。
それに対して銃撃で対応する私。
残念だけど、このままでは私が不利。
いつかは肉弾戦になるからその時はちゃんとやらなきゃ負ける。
今はその時じゃないがな!
魔王が眼前まで突っ込んできた瞬間私は胸の間で銃を生成して発射。
突っ込んできた魔王は暴食を使ってその弾を食べようとしたけど間にあわない。
間に合わないと気づいた魔王は回避を選択する。
けれど、私だって確率補正は持っているし元から避けようとするであろうことは想定してる。
そのまま避けきれなかった魔王にの脇腹に直撃して血を流させることに成功した。
私が発射した弾には終末が付与がされている。
カミゴロシが進化した、私が生み出した最強の斬撃攻撃だ。
魔王のステータスなら効かないかもしれないけど、使って損することはない。
事実、貫通はしなかったけど結構なダメージを与えることはできた。
ここからが勝負だ。
魔王は今この瞬間は、予期しない攻撃への対応で咄嗟に後ろに跳んだ。
けれど、魔王が魔法不可の結界の中で深淵魔法を使うことが出来たのは魔王の力で支えられている結界が勇者の存在で弱まったから。
だから魔王が私から離れれば、近くにいる勇者からも離れることになるしそうなると魔王も治癒魔法使うことが出来ない。
かといって近づくと銃撃を喰らう。
そして魔王は私に勝てるか怪しいことわかってるだろうし、半分自殺のつもりでここにいることも想定できる。
てなると、ここからくる展開は決まっている。
ちくしょう、やっぱ捨て身覚悟で突っ込んできやがった!!
同時に暴食で消し去られる頭。
くっそ!
頭がやられるとこっちも思考処理速度落ちるんだよ!
てか魔王も私の不死身性わかってやがるな!
サリエルのこと考えたら普通はそんなことやらんだろ!
急いで爆雷を使って自身の身体強化。
そして上に飛び魔王の突進を回避。
そのまま両腕にも銃を生やして魔王に向かって発射したのち、頭を回復させる。
頭が破壊されても、私の精神はもう全身に巡らせてるから死ぬことはないし、深淵魔法以外で死ぬことはない。
だから単純に視界が奪われるのと計算処理能力がガタ落ちするだけだ。
だけどこの時、私はそのせいで優先順位をとり違えた。
一番大事なものを置いてきてしまった。
完全に見えるようになる私の視界。
それと同時に私の銃弾が掠り意識を取り戻す白。
その開けた視界の中心に、白を掴んで片手で深淵魔法を放つ魔王が見えた。
慌てて私は魔王に向かって銃弾を放つ。
だけどその弾は、白に向かう深淵魔法とさほど速度が変わらなかった。
鋭い消滅のドリルが白を襲う。
手を伸ばしても届かない。
私の最愛の存在よ。
私を救ってくれた存在よ。
私の目の前で白き蜘蛛の体は崩れ去った。
あ、あああ、ああ……。
私はここで意識を失った。
最愛、砕け散る。