バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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小説の説明欄少し変更させました。今の雰囲気にはこっちの方があってるはず……。
高評価、感想お願いします。



91 古VS運命② 電脳

その背中に脚を生やした少女、青は地面にそのままどさりと落下する。

私はそれを見て後ろに跳ぶ。

わからない。

まさか白と呼ばれる蜘蛛が死んだことによるショックで気絶したのか?

まさか、そのまさかなのか?

私ですら殺せるかもしれない化け物が?

 

 

私は勇者から逃げるようにして平原の逆端かつ人のいない場所へ移動する。

青が気絶してしまった以上私がここにいる意味もない。

青が起きていたならば私も迎え撃たないといけないけれど気絶してしまったからにはしょうがない。

 

 

次の瞬間だった。

空中から雨のように大量の銃弾が降り注ぐ。

そしてその銃弾は私の、そしてギュリエの結界すらも削り崩していく。

神であるギュリエの結界をだ。

 

 

化け物め。

そう思いながら手のひらで目を覆って見上げると、いつの間にか生まれている紫色の空間の裂け目。

そっから大量の銃弾が飛び出してくる。

あの中に銃が収納されているのか?

どちらにせよこのままだと結界が切り崩される。

神による魔法不可の結界が。

 

 

裂け目から勢いよく少女が飛び出すとともにその勢いのまま踵落としが結界へ繰り出される。

同時に響くベキベキと結界がひび割れていく音。

そのまま、そこを中心に魔法不可の結界が割れたガラスのような破片を落としながら崩れ始める。

 

 

バキリ。

結界が完全に割れ少女は体勢を崩して地面に落下した。

私は舞い上がった砂埃の中、急いで暴食を発動する。

けれど同時に立ちはだかった土壁によって本体にダメージを与えられなかった。

く、ギリギリ魔法が使えるようになってたか。

 

 

私が歯噛みする中、黄色い髪の少女は土埃を祓いながら立ち上がる。

けれど服は着直しているし目には瞳孔がなくそれがあるはずの場所は青白く光っているから、青の見た目はしているけども青には見えない。

さっきとは全く違う、まるで機械みたいな動きで動揺が感じられない。

そんなことを考える私を横目に少女は手を変形させて銃にしていく。

 

 

 

 

くっそ。

もう頭を抱えたい。

青には本気で敵対されているし、白を殺したはずなのに私の精神が元に戻ってない。

クソッ、白もこれじゃどっかで生きている。

 

 

しかも青の様子がおかしいときた。

どのスキルが作用しているかはわからないけどおそらく精神干渉を受けている。

こんな目が青くなる、機械化みたいな精神干渉は知らないけど。

 

 

だけどその答えはすぐにわかった。

 

 

『こちら電脳。魔王に対して通達を行う。

 現在の状況について整理、白は死亡、青は精神的ショックのため気絶中。

 生き残る手段は3つ。

 ひとつ目、オレ様の体力を8割削る。

 ふたつ目、オレ様の脳を破壊することでショックをもいちど与え青の意識を取り戻させる。

 みっつ目、オレ様に有用だと認めさせる。

 以上だ』

 

 

一方的に矢継ぎ早に言ってきたか、そちらの裏の人格の電脳。

私に向けた通達ということで嘘が混ざっている可能性も十分にある。

いや、共生を持っているこいつが白が死んでいないなんてわかってないはずがない。

なら嘘はそこの部分で白は生きているのだろう。

 

 

ともかく、真正面から戦っても私に勝ち目はほとんどないから会話での解決を済ませたい。

これは白を襲ってた時から分かってたんだけどな。

それでも後先考えず白のことを攻撃してしまったあたり、精神汚染は恐ろしいものだとしみじみと思う。

4000年間戦ってきた私をこんな蜘蛛が簡単に上回れるようになってしまうのだから。

 

 

「私はアリエルだ。

 一方的で申し訳ないが、停戦を申し込みたい。

 君も分かっているはずだが白は生きている。

 確かに君は強いが私だって強いのだし、君が勝ったとしても後遺症を残すかも知れない!

 この勝負に決着がついたとして誰も利益は得ないし、私は停戦を望む!

 そちらの返答をくれ!」

 

 

分かっている。

これが理不尽な交渉であることも。

私は奴の身内、しかも最も近しい存在であろう蜘蛛を殺そうとしたのに、その暗殺が失敗した瞬間に赦しを乞うなど。

私だったら当然許さない。

だけど、だけど。

私の性根は腐っている。

もちろん戦ってはきたけども、こうやって、乞いて、足掻いて、逃げたのも含めて私は4000年間生き延びてきた。

だから分かってる。

認められなくとも、こう言ってしまう私の意地汚さを。

だからこの答えはイエスでもノーでも構わない。

私は責任を取る。

 

 

だから、正しい判断を電脳は下してくれた。

『もちろんノーだ。

 身内が殺されかけたのを許すバカがどこにいる。

 しかもこれによってうちの露出きょ、いや青が気を失っている。

 なにより貴様はこうなるのを知って攻撃しただろう?

 喜べ。本気で潰してやる』

 

 

うん。

私が選んだ道だ。

君の全力を、私は受け止めて見せる。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

魔法阻害結界が破壊された空間。

大魔王は残ってるけど、私たち二人とも逃げるつもりはないから関係ない。

そもそも、私はこいつに勝てるかわからない。

 

 

 

雷斬銃(らいざんじゅう)雷牙(らいが)

奴の銃から放たれる銃弾。

でもそれはポティマスのものとは比べものにならない殺傷能力を持っている。

雷光魔法だけでなく超強化された斬撃まで付与されているのだから。

 

だけど私も暴食というスキルを持ってるし、弾速がポティマスのより2倍程度である程度で十分対応は可能だ。

大罪系スキルはその存在自体が脅威となりうるもので、私の暴食もその名に恥じない力を持つ。

だから対処できる。

 

 

そのはずだった。

暴食を発動させて口を閉じた瞬間、口の中に広がる重み。

そして金属を噛み砕いたような鉄の味。

弾の中に鉄が入ってたのか?

 

 

違う。

私の口の中が斬撃で削られたんだ。

削られて、顎を支える筋肉が減ったから相対的に重く感じたんだ。

急いで手で顎を押さえてそのまま飲み込み、一気にエネルギーに変換する。

 

 

やばい!

顎を抑えた私に襲いかかる横なぎの蹴り。

頭を狙って放たれるそれを、しゃがんで回避する。

 

 

しゃがんだ瞬間、お腹に強い衝撃が響く。

吹っ飛んだ衝撃で頭を打つけどその間に顎は回復した。

もう一度暴食を発動することで電脳を牽制して距離をとる。

 

 

ヤバい。

見ると私のいたところに時空の歪みがいつの間にか発生していて、消えた。

マジか。転移魔法で蹴りを無理やり当ててくるか普通!?

 

 

私が体勢を整えている間電脳は攻撃で破れた服を補修している。

これが奴の本気なのか。

私のHPがいくらすぐ回復するからといって連続で食らい続けると死ぬかもしれない。

少なくとも、こんな調子でハメられ続けたら死ぬ。

 

 

これは素直に電脳の言った手段に従うべきなのか?

それでも怪しいけど。





フルで活用すると、電脳ほんとインチキになるから焦りが止まらない
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