バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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感想、高評価よろしくお願いします。

ついにポのやつと遭遇。


97 美食家降臨

私は白と魔王を巻き込んでの範囲転移魔法を展開する。

目標はあの人形。

あの人形には施設にもなかった性能のいい加工された金属もありそうだし、なかなか良さそうだ。

ソフィア?

そんなやつ私は知らない。忠告したし。

 

 

『もともと日本人で平和かぶれのやつに忠告しても無理があるだろ。あいつは悪くなくね?』

正論パンチやーめーろ!

私は忠告したもん!!

 

 

転移。

迷宮内から私たちの姿は消える。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

とうちゃーく!!

開いた扉からお屋敷に侵入。

だけど、入った途端に深くフードを被った人たちの矢が飛んでくる。

やーばいなこれ。

 

体にビュンビュン飛んでくる矢を受けながら魔王と白を待つ。

うーむ、別に殺すのも悪くないんだけどね。

ここまで貫き通してきたものをいきなり破るのは良くないし。

 

 

でもなぁ。

私の目には人間とは映ってないんだよなぁ。

耳が長いし、電脳に確認しても不純らしいしからエルフか。

まあどっちにしろ改造人間みたいに遺伝子が結構いじられてるからロクな存在じゃない。

 

 

「奴らはエルフ。この世界においてはポティマスが使ってる害悪な生き物だよ。

 青が別に殺すの躊躇うのなら私が殺るけど、別に殺していいと思う。

 てか大量の矢刺さってるけど、平気なの?」

「平気平気。あと頼んだ。

 じゃあ白行こう」

 

 

遅れてきたアリエルに周りのエルフたちの処理を頼んで、ポティマスがいるであろう入り口ホールへ壁を叩き割る。

矢を体内に吸収して、周りの様子を確認。

すると階段の下に突っ立っている金属が護衛の人に剣を向けていた。

あー、これ想定以上にキマってる状況だな。

私は希少金属の前に飛ぶ。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

「白、やりたいなら彼ら回復してね」

「たくもー!正直じゃないんだから!」

ポティマスの前にいたソフィアと彼女を守ろうとしていた男の人を掴んで、軽く回復をしながら白の方へぶん投げる。

ついでにポティマスの剣も吸収してしまおうと思ったけどもとりあえず今はいいからポティマスごと磁力で吹っ飛ばす。

そんなポティマスに構わず剣やらを振るってくる護衛たち。

私ポティマスの周りにいる護衛のエルフたちになにもできないじゃん。

 

あ、アリエルも飛び降りてきた。

彼女に頼もう。

 

 

「アリエル、ポティマス以外のエルフはもう殲滅してほしい。

 逆にポティマスにはなにも手出ししないで。

 私に対する試金石として、ね?」

「いいけど青また剣とか突き刺さってるじゃん。

 いいなら別にこちらは言わないけどさー、服とか気をつけてよ?

 血も出てるしいたたまれないぞー?」

「へーきヘーき」

 

アリエルに殲滅してもらってる間、ポティマスの方を見る。

うーむ。

流石に傷つけないように吹っ飛ばしただけあって元気だ。

でも思ったより硬いみたい。

流石に4000年積み重ねてればいくら資源不足でも技術は発展するか。

 

 

よし、状況整理。

白がキャッチして庇った彼ら2人はとりあえず元気。

毒矢とかも刺さってたのに回復してるのはさすが白だ。

だけど彼ら以外は死んじゃってる……、のか?

 

 

『電脳!』

『全滅だ。領主込みでももちろんオールデス。

 なかなかやりやがったな、このクソロボ』

 

 

チッ、マジか。

領主さんにも色々お世話になったのに。

無理な依頼も大量に押し付けたし大量の発注もした。

街の人たちの食糧事情を解決するために一緒に尽力したのに。

さらっと死ぬとか私なにその間に歌ってたんだよ。

 

 

私を蜘蛛の姿で受け入れてくれた人なのに。

奥さんもお弁当とか作ってくれてたまに配給所に顔出してくれたのに。

まじでふざけんな。

 

 

あー、キレた。

キレちゃったよ、私。

私キレると何するかわからないよ?

 

 

『あーはいはい、お前の精神が狂うとオレ様の精神も狂うからやめてなー。

 よし喰らう』

 

 

「アリエル、殲滅終わったら白と一緒に彼ら守ってて」

「わかったけど私を顎で使うのアンタだけだよ!?」

 

 

そろそろ殲滅が終わりそうなアリエルに叫んで、ソフィアたちを守ってもらう。

せめて彼らが守ろうとしたものを絶対に守ろう。

これから一番きつくなるのは彼女自身だろうしね。

 

 

 

「なんだ貴様……?

 なぜアリエルに命令できる?

 なんだ、言ってみろ?」

 

 

おおいつの間にか立ち上がってたかポティマスくん。

 

「壁まで吹っ飛ばしたのに、不具合なかったんだね!!」

「なんだ貴様本当に……、気味が悪い。

 ともかく迅速に処理させてもらうぞ」

 

 

あっ、口に出てた。

別にいいんだけど。

私実は機械特効なんだよねー。

 

 

「鑑定!」

「無駄だ。抗魔術結界を起動させてもらう」

 

ポティマスが叫ぶと同時に、立体のキューブみたいなものが見えて私にかかっている魔法系のバフが全て消滅した。

白たちまで範囲は及んでないみたいだからソフィアたちを回復できないっていう最悪の事態は避けられるかな。

ならばヨシ!

 

 

どうせだしちゃんと調べ尽くさないとね!

「すっご!この結界外殻無しでも発生させられたの!?」

「貴様は何を言っている?」

いっーや、4000年ってすごい!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ポティマスが剣を振るってくる。

私はぴょんと跳んで回避かつ地面に着地。

 

 

「は?」

いや、は?じゃないけど。

別に避けられるし、そんなスキルもステータスも乗ってないただの剣。

 

 

いつも通り体内で完結する爆雷を使えばまあ、目で問題なく視認できるし躱せるし。

まあ体力回復速度は遅くなるけど爆雷便利だからなー。

結界でステータス自体も下がってるぽいけどそれでも避けれるもん。

 

 

ポティマスの攻撃をいなしながら結界の仕組みを観察する。

特に気になるのはキューブの端っこの部分だ。

おそらく角があるから立方体にできているのだろう。

昔の魔術結界だと球体ばっかりだから、端っこになにか結界を引き延ばすエネルギー放出の効果でもあるのだろうか。

全方位にエネルギーが向かってるなら球体の結界にならざるを得ないはずだし。

 

 

攻撃を再びひらりと避ける。

同時に視界の端に見える歪んだポティマスの顔。

すっごい機嫌悪そう。

どうせだし機嫌取りのためにも一発喰らっとこうか。

 

 

振るわれた剣の先に左手を突き出す。

それと同時にスッと切り落とされる腕。

え、普通に切れるのか火力舐めてた。

 

 

よーしじゃあ再生するぞー!!

ほい!

 

 

シーン。

 

は?

シーン。

 

 

「おっとっと!!」

 

ビュン!!

いつの間にか迫っていたポティマスの刃を体を剃らせてギリギリで避ける。

マジか、再生妨害まで4000年前から進化してるのか!

昔の結界なら出来てた筈なのに。

 

 

「なるほど、再生は流石に出来ないか。

 貴様が機敏に動くのは未だ理解ならないが、ここまで脆ければ問題なさそうだな」

 

うっさい。

後ろに跳んでポティマスからとりあえず距離を取る。

けれど、4000年前からあったものを考慮するとおそれくあれが来るはずだ。

 

 

パァンパァン!!

ああやっぱきやがった!

ポティマスの指から発射された銃弾をギリギリで避ける。

まだ余裕はあるけど、流石に研究してるだけの余裕は無くなってきた。

 

 

しかも片腕飛んだせいでそこから血液が流れ落ちてきている。

ああもう、こんな余裕ないなら見せてやるよコンニャロ!

 

 

左腕の肩近くの体内に壁を形成していく。

ポティマスの銃弾を避けながら。

しかもなんだかエネルギー弾なのか、全然弾切れする予期がない。

エネルギーだとしても相当な量消費してると思うんだけど。

 

 

できた!

左腕を自切し新たにできた壁を皮膚として代用して無理やり出血を止める。

あくまで一時的だし、少しは血が溜まるから応急処置だ。

 

 

「チッ、ーー化け物が」

 

 

あいつは舌打ちをして、右腕をキャノンの形に変更させる。

なんだあの面白変形ロボ。

バリエーション豊富すぎるだろ。

 

 

ドドドド!!

キャノンのくせにこれはエネルギー弾じゃなくてガチモンのマシンガンなのかよ!

さっきより上がっている弾速にビビったけど、足に鞭を打って一気に天井まで跳ねて回避。

背中に生やした脚で天井を掴みながらさも台所に現れる嫌な虫のように高速で回避する。

予想以上に銃のバリエーションもあってわりかし危ない。

 

 

ドドン!

あ、やばい。

あのクソエルフ、私が一瞬目を離したスキにソフィアの方に銃撃ちやがった。

いくら爆雷バフありでも銃弾以上の速度は出ない。

つまり防げない。

 

 

「さすがゴミ、慣れた手つきだね。

 どうやら死にたいみたいだな」

 

 

だけど立ちはだかるのはアリエル。

彼女はそう言って飛んできた銃弾に左手をかざす。

そして、手のひらを貫通して速度の落ちた金属の弾を右手でつまんで潰した。

ああ相当狂ってるよあの人も。

 

 

「ほお、防がれたか。

 まあいい、今は貴様だ」

 

こっち向いてきたけど、貴様だじゃねーよクソエルフ!

浮気したのお前じゃねえか!

しかも白にめっちゃジト目で見られてるよ!

あんたを観察してる間に銃撃たせちゃったから!

 

 

一瞬で終わらせる!

『アンチアンチ魔法領域!』

「は?」

 

 

呆けてるポティマスの結界を弱めて、奴につかみかかる。

蹴り倒してから馬乗りになってそのまま背中の脚でしがみつく。

そして口の入り口を拡大。

奴も行く末を理解したのかマシンガン乱発してくるけどあいにく魔法領域を弱めた空間でのそれは無意味。

発射された弾は、私を貫通する前に吸収される。

私の資源として還元されるために。

 

 

首を握る。

ぐにゃりと捻りちぎられる。

足で体を軋ませる。

中身の金属が捻じ曲がる。

鋭く硬い脚を体に突き刺す。

バチバチとショートが始まる。

 

 

「ーーチッ。想定に組み込まなければ。

 面倒だ」

うっさい!

 

 

頭を丸ごとごくりと飲み込む。

広がる喉。

それを体内の空納に送り込んで分析。

体の中の体積としてはゼロでも、確実に私の栄養へと変化している。

挟んでいた足で体をふたつに分ける。

これもまた空納へ送る。

貴重な金属を確実に食うために。

 

 

背中に生えた6本の脚の先端を刃物に変形させ、獲物を細かく切り刻む。

それを焼き鳥のように脚に刺し、一つずつゴクンと飲み込む。

これら全部、私の知識と力になるんだ。

 

 

ーーポティマス、ごちそうさまでした。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

私はとんでもない少女を拾ってしまったようだ。

まさかあのクソエルフを跡形もなく喰いつくすとか。

正真正銘の化け物だ。

 

 

今も彼女は天井に背中の脚を突き刺して避けた分のマシンガンの弾を探している。

それも弾の金属と火薬を食べるためなのだろう。

あーあ、えげつない存在が生まれちゃったんだなぁ。

 

 

私、こんな色んな意味で凄い子、初めてだ。

仲良くなれるかなぁ?





なんでも食べます
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