バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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汚いのに、美しいもの。




99 人族の奴隷がLVアップしました。最高の奴隷になりました

避難民の人たちを正門で誘導して、屋敷の一階玄関ホールへと移動させていく。

チッ、なんで私が人なんかを助けなくちゃいけないのかな。

女神様はコイツらの先祖に殺されたも同然なのにのうのうと生きてやがって。

いくら4000年前のことと言ってもムカつくものがある。

 

「ありがとう、女神さまの眷属さま!」

「ーーッ。あ、ああ。わかったから、早く入ろう、な?

 死にたくはないでしょ?あ、あっちだから」

 

 

キ、キレそう。さっきたまに青のことを女神さまとか抜かす奴らがいるし、何故か私が眷属に思われてたりする。

私の女神様は彼女一人なのに。

なんで青なんかが。

 

 

『あー、こりゃ思ったよりも被害者が多い。

 アリエル、そちらにアークエレテクトを5体送る。

 炊き出しの時のメンバーだから人間もビビらねぇはずだ。

 事務作業は出来るから3体には屋敷内で整理と点呼とらせてくれるとありがたい。

 残りの2体は中庭で誘導とかで働かせてくれ、想定以上の働きはするはずだ。

 よろしく頼む』

 

頭に声が響いた瞬間、庭に転移して現れるアークエレテクトたち。

しかもそのエレテクトたちを見て人間たちが上げるのは歓声。

そのまま彼らは電脳の言われた通りに動いて、人間たちを誘導し始める。

 

 

ただの蜘蛛がここまでの信頼を勝ち取って信じられて生きている。

すごいな青、本当にすごい。

種族なんて関わらず人間みんなを幸せにしてるなんて。

身内しか愛せない私には無理だよ。

 

 

私が人間だったら、彼女が女神にーー。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

よし全部鎮火終了!

兵士は殲滅させたしまだ潜伏してる住民たちに潜伏してるエルフや人間どもはいるけど、全員濡らしてあるし武器ないのも確認してるからもうテロ行為は出来ない。

助けるべき生命反応ももう確認できない。

いろんな意味で全部終わったな。

 

 

私が助けられなかった人もたくさんいた。

私が助けた人はそれ以上に多いけれど。

だけど街の人口の5%以上は負傷していて、死者も1%を超えてしまった。

 

 

本当に駆けつけたのが遅かった。

私が魔王なんかと戦ってる間にもこの街は襲撃を受けていたのに。

そのせいで一番大事な奴らを生かしておくことが出来なかった。

ああ、ケレン領主夫妻よ。

申し訳ない。

 

 

街は3割燃えた。

人も死んだ。

何よりあなた方が死んだ。

 

 

けれどあなた方は娘さんを残した。

護衛の方も今思えばメラゾフィスという執事の方だろう。

その二人を確実に残した。

 

私の心を生み出したあなた方に感謝を。

彼らは、私が絶対に守り抜きます。

 

 

「電脳、転移。領主宅へ」

『ああ』

 

 

空間は破れ少女は消える。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ザシュという音とともにエルフを切り裂く。

どうやら、青の方も鎮火終了したっぽい。

私も今最後の余ったエルフを殺したしベストタイミング。

 

 

殺したエルフの肉を下の方の蜘蛛の口で食べながら、腕組みをして考える。

というのもこれからについて。

正直、無知な私から見てもこの街の被害はとんでもない。

特に南側の一部の区画は壊滅的な被害を受けている。

完全な復興には年単位かかってしまうだろう。

チッ、あのクソエルフなんてことをしてくれやがった。

決めた。

エルフは悪で経験値だ。殲滅しよう。

 

 

「まー、青が転移で帰ってるってことはとりあえず終わったんだろねー」

 

 

わたしは転移で屋敷へと帰る。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

私が屋敷に帰ってきたときアリエルは門のところに突っ立っていた。

ーーなんとなく予想できるけど聞いておくか。

 

 

「魔王!今の状況は!?」

「とりあえず人は集まってる。

 庭まで使えば全然入るはず」

「ダメダメ!プライベートを守れるだけのスペースは確保できない!あくまで最低限度の生活は目指さないと!仮設トイレは準備した?街の人2週間くらい賄える食療と水は?この屋敷での規則は作った?」

「いや、……まだ出来てない」

「ーーツ。食糧に関しては私の空納の中に入ってる肉を使う!干物とかに加工するからパペットタラテクトとか出して手伝って!」

 

はい、しょうがない。

なんなら私だってアリエルには期待していなかったし、そんなもんだとは思っていた。

だって昔の私と同じ嫌な匂いがするもん。

今を生きようとも思わず過去に囚われていて檻の中に籠る。

そんな味方が減っていくしかない生き方で、今となっては勿体無いとしか言いようがない生き方だ。

私も昔はその生き方でいいと思っていた。

この世界に来るまでは。

 

 

だけど白と出会って私は変わった。

今の私は両手両足を引きちぎってでも檻から抜け出して、地面を這いずるように生きている。

その傷口がどんなに疼き消えないものであってもその痛みを無視して這っている。

それで這ってきた結果がこの街の人たちだ。

最高じゃないか。

 

 

愛されるなら。

ただの人間たちに。白に。領主さんに。アリエルに。ソフィアに。そして、私に。

愛されればいい。

 

 

愛されるなら、私は世界の理すら砕いて食ってやる。

私はそう思ってるからアリエルにもそうなって欲しい。

過去に後悔があるならでいいから。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

翌朝。

炊き出しのために巨大な調理器具を作ったり水竜を狩りに行ったりした疲れで床に眠りに落ちていた私は、頭の中に響く話し声で目を覚ます。

 

 

 

「あー、やばいなこれ。

 協力出来たならよかったが逆に協力された立場だしな。

 なあ電脳、我もいくべきか?」

『絶対来い。

 マンパワーが足りてねーから進化の補助してやったんだ。

 一刻も早く飛びやがれ。

 転移使えねーのか?』

「いや、使えるが我そっち行ったことない。

 中層に蜘蛛よこしてくれん?」

『あークソ、今から行くから待ちやがれ』

 

 

 

『青、飛ぶぞ?』

え。

ぼんやりした頭を叩き起こして目を開けると、目の前のマグマがボコボコ音を鳴らしているのが見えた。





青について。
寝る必要はないですが、精神的に疲れると現実逃避で寝たりします
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