バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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仕事



血2 女神様のお仕事

電脳の空間から出て、みんなが起きた後、私とメラゾフィスは外に出るよう青から伝えられた。

アリエルさんと白は屋敷の片付けをしてくれるらしい。

結構大掛かりな片付けらしく、これからの生活でいるものは予め集めておいて欲しいと言われた。

そのくせに外に出ろとか、矛盾してるんじゃないか?

そもそも一日で片付くわけでもないのか。

 

メラゾフィスが外に出る準備している間に青が作っていた空間についてアリエルさんに聞いたら、

 

「奴以外にとっては訳がわからない。

 アレは技術面ではこの星一のバケモンだよ。

 世界の理を歪ませている」

 

とため息を吐かれた。どうやら魔王なんて比較にならないバケモノって思われているみたい。

だけど、実際アイツの別人格と仲良く喧嘩している姿を見てしまったから考えられないレベルには達していることはわかる。

てか元々変な男だったやつがどうしてこうなったんだ。

 

「ソフィア、メラゾフィス。

 準備出来たら外に出てね。

 私待ってるから」

 

私たちは、いそいそと準備を進める。

 

 

 

 

外に出ると、男女のワンピースのような服を着た人が待ち構えていた。

 

「お二人様、こちらです」

 

なんてことを男の人が仰々しく言うと、着いてくるように手招きしてくる。

青の知り合いだろうか。

それにしてはあまりにも仰々しいし服装もアイツに似ている。

あー、また訳のわからないものを見せられそうな気がしてきた。

 

「ありがとう。君らも着いてくるように。

 事務作業は全部覚えてね」

「わかりました」

 

私たちが歩いて行った先で執事さんにニコリと笑う青。

10代中盤くらいの見た目に加え、白いワンピースのような服を着ているから正直女神様と言うよりいいとこのお嬢様と言う方がしっくりくる。

けれど私以外のこの街の人はほぼ全員女神と見做しているから、事実とは恐ろしい。

 

「それじゃあ2人も来たことだし、出発しようか」

 

急に6mくらいの蜘蛛が現れる。

急にそれに乗せられる。

急にその蜘蛛が歩き出す。

 

待って、怖い。

理解出来ないことが多すぎる。

 

 

 

 

 

 

『あ、あの、今の状況は?』

「ああ、説明してなかったか。

 これからこの街を本格的に再建していきたいんだ。

 街の7割は無傷だからうまく生かしていきたいね」

 

いや違う。

蜘蛛のお腹部分にに乗せられたメラゾフィスと私は、困惑しながら青の話を聞いている。

そして、蜘蛛の手綱を馬のように持っているのはあの急に現れた2人。

この状況について聞きたかった。

青、考えていることがズレている。

こういうところは昔と変わらないのか。

 

『いや、なんで私たち乗って?』

「そっちか。

 プロテクトタラテクトたちと、君らに私の仕事をお見せしようかなと思ってね。

 今後いろんな街に行くにあたって知っといてほしい」

 

鼻唄混じりに青は言ってくるけど、正直私は屋敷で片付けしていたかった。

知ったところで手伝えることはなさそうだし。

ただ、口には出してないから奴はどんどん話を進めてきた。

 

「なによりいちばん大事なのは、この慈善活動はあくまで慈善活動であること。

 宗教と交わらせるとろくなことが起きない」

 

は?

あんたは女神様じゃないのか。

早速の矛盾だ。

けど、メラゾフィスも同じことを思ったみたいで、

 

「青様は女神様では無いのですか?

 いや、実際にはわからないですが、私たちからすれば女神様にしか見えません」

 

と聞いている。

すると、青は首を横に振ってこう言ってのけた。

 

「私は人を救うだけ。

 私が人を救うことで、連鎖的に失われる命だってあるはず。

 例えば独裁国家の守衛が革命で亡くなったりね。

 その時、誰が悪い?私?」

『いや、その、じゃあ救われた人?』

「さあね。

 ただ、私が殺しの主犯になるのだけは勘弁かな。

 流石に殺人とかは責任とってもらわないと。

 唆されたって話になると誰も幸せにならない争論になる。

 だから私はただ救う。

 ただそれだけ」

 

「ま、そんな私を宗教として祭り上げてくれるなら私は喜ぶさ。

 勝手に信じて勝手に幸せになってくれ」

 

 

そんなことを言う青の髪は風に吹かれて軽くなびいている。

私の知らないところで、ただのクラスメートであったはずの佐野蒼生という人間は勝手に成長していたみたいだ。

現実の厳しさを知った上で、それにめげずに明るく生きている。

まだ私には難しい。

でも、彼女が女神様と呼ばれる理由はわかった気がする。

 

 

 

 

 

あれから私たちは、たくさんの人たちが避難していた建物を渡り歩いた。

その間で伝えられる、私のパパとママが亡くなったこと。

慌てる人もいれば、涙を流し始める人もいた。

本当に私の両親が良い人であったんだと実感する。

 

その後で青が言った、彼女自身が街に出ることには苦言を呈する人もいちおういた。

タイミングがタイミングだしね。

青を信仰している人も数多くいるから、思い切り口に出す人は少なかったけれど。

 

 

『あー、テメーら、安心しろ……、』

 

 

そっから急に出てきてペラペラ喋り始める電脳。

青自身は話すのもうまくはないし、誤魔化さなきゃいけない時は電脳に頼ってるみたいだ。

てか電脳も当たり前のようにこの街の人には浸透していたのか、ビックリした。

結局、防衛設備とかについて延々語ってこのタイミングで出ることをうやむやにしたのは流石としか言いようがない。

 

 

 

そして、空き家の解体と建築。

これも青の傘下の蜘蛛たちがやるみたいだ。

ひとりひとりが人智を超えた強さと計算能力を持っているから、数日でどんどん立つ見込みらしい。

ほんととんでもない。

 

 

 

 

 

 

そんなことを巡回でしていると、すぐに一日が終わる。

精神面でも肉体面でも疲れる。

ああ……。

 

 

私が疲れて苦しんでいる間に、あっという間に3日は経過した。





働く。
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