バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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旅は突然に。



104 旅に出る

なんだかんだで、もう街の再建が見えてきた。

まだ騒動があってから5日も経ってないんだけどね。

たた、ソフィアとメラゾフィスがまた裕福な暮らしに慣れちゃうとめんどくさそうということで、もう出ることにした。

反論は聞かない。

 

 

「で、なんで夜に?

 女神様のくせに夜逃げみたいじゃないか」

 

 

うるさいアリエル。

私だって好きで女神様みたいに扱われてる訳じゃないんだ。

下手な一挙一動すら神格化されかねないのに大手振って出れる訳ないだろう。

コケたら女神様おコケの場所になるかも知れないんだぞ。

 

 

『私、今日も疲れてるんだけど……。

 特に心が』

 

 

ソフィアもうるさい。

疲れてるならなんかスキル獲得出来るんじゃないの知らんけど。

でも荷物は無虚空間に突っ込んだからな、諦めろ。

 

 

ちなみに、魔王やソフィアには言ってないが魔族領まではひとっ飛びでいける。

てかもう昨日一回行ってきた。

蜘蛛世界中にばら撒いちゃってるしそら行けるわな。

前星の裏側に転移した時も使ったし。

 

 

まー、これを白以外にはこれからも言うつもりはない。

白にはさっき言ったけど、彼女もあまり人前で話さないし多分大丈夫。

あと納得させるための理由は十二分にあるしね。

私も歩いてまでやりたいこと、あります!

 

 

「えーと、街には昼間一緒に周ったプロテクトタラテクトたちとアースは10体くらい置いてあるし、大丈夫か。

 

 さて出発だ。

 じゃ、みんなアースエレテクトに掴まって!

 走るよ!」

 

 

元気いっぱいに言って、アースエレテクトを召喚する。

それを聞いて嫌な予感を察知したのか、急いでしがみつくアリエルと白。

メラゾフィスとソフィアはいま糸で蜘蛛に縛ったからヨシ!

 

 

「じゃあ、レッツゴー!」

『『狂ってんのか、お前!!』』

 

凄い勢いで走り出す蜘蛛。

伴って街はどんどん離れていく。

なんだ、電脳とソフィア、結構君たち仲良いじゃないか。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

『馬鹿かテメー、そんぐらいは転移使えよ!

 人にバレたくねぇっても言ってもな!』

 

はい、正論です……。

 

あれから私は、5分ほど走ってめちゃくちゃ電脳に怒られている。

近くには転移しても全く問題ないことをすっかり忘れていた。

でも、街から私たちが見えないところまで来ることは出来た。

メラゾフィスとソフィアも恐怖耐性はついたし結果オーライじゃないか?

 

 

『オレ様に謝るんじゃねぇ、2人に謝っとけよ。

 あいつら、こんな経験ねーだろ』

「はい」

 

 

とりあえず2人を蜘蛛糸から解放して土下座する。

流石に今回は私が悪いのもあるししょうがない。

以後、こんなことは言ってからやろう。

 

 

「誠に申し訳ありませんでした。

 以後気をつけます」

「いや青様。

 確かに、危なかったですが……、

 はい、以後、お気をつけて下さい」

『てか普通に危ない。

 死にそうだからやめてほしい』

「はい、すいません」

 

 

ああ、メラゾフィスのフォローしようとしたけど出来なかった感が辛い。

すまん私が悪かった許してくれ。

そうだよな、ソフィア危険に晒したらそりゃメラゾフィスも私をフォローしようとは思わないよな!

すみませんでした!

 

 

「ま、まぁ?

 みんな無事だったからね?

 なにより私たちはビビってないし死にそうになったらやるししょうがない部分もまぁ…‥、あるんじゃないかな?」

 

 

アリエル、頭に手をやりながら捻り出しても、フォローがフォローになってないよ。

確かに私悪かったからもう許してくれないか。

 

 

『まー、もう終いにするか。

 青も懲りたことだし。

 で、白。

 やりてーことがあるんだろ?』

「うん、ソフィア、特訓、歩く」

 

 

ワ、ワァ……。

し、白、遠慮ないね。

お、お疲れ!

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「えっ、え?

 ほんとにやるんですか?」

「もちろん」

 

白の前に糸で吊り下げられて立たされているソフィア。

その隣でメラゾフィスがオロオロ心配そうに見たい聞いたりしている。

そりゃそうだ、まだ一歳ちょうどくらいの奴を無理やり立たせてるんだから。

 

 

「歩く。一歩、ほら」

『よ、よ……』

『歩け。

 これで付くスキルはHP自動回復と、MP回復速度と、MP消費緩和と、SP回復速度と、SP消費緩和……』

 

 

おお、電脳全部説明してるの凄いな。

てか歩くだけでこんなにたくさんのスキル手に入るの?

赤ちゃんって凄い。

 

 

『メラゾフィスもやるぞ。

 オレ様が重魔法かけるから普通に歩いてこい』

 

 

次の瞬間、メラゾフィスが膝をつく。

どうやらそこそこの重さをかけられているようだ。

それでも倒れないあたりかなりガッツがある。

嫌いじゃない。

 

 

『これで得られるスキルは、SP回復速度と、SP消費緩和だな。

 ま、赤ん坊でもねぇから少しは余裕生まれちまう。

 だから得られるスキルも結果的に少なくなっちまうな。

 やらねーよりは格段にマシだが』

 

 

それを聞いたメラゾフィスは、糸でほぼ完全に操られているソフィアを見て立ち上がる。

どうやら自分よりも苦しい動きをさせられている主人を見て自分が挫けているのを情けないと思ったみたいだ。

頑張れ頑張れ、応援してるぞ。

 

 

『なぁ、人里離れたが我はいつになったら出ていいんだ?』

『今はまだ卵孵化に専念しろー、なー、いつか出してやるからー』

『ちょ、いや、待って……』

 

 

無虚空間に閉じ込められた悲しきカタツムリの声が聞こえた気がする。

かわいそう。

 

 

 

こんなわけで、魔物と美少女と私は、死にかけの赤ちゃんと男を連れて歩き出した。





限りなく虐待に近いなにか
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