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『お、おはよう。
何作ってるの?』
次の朝目を覚ましたソフィアがビビりながら聞いてきた。
ヤバそうな食材も机の上に置いてたから見えないかなー、って思ってだんだけど無理だったか。
「ご飯」
『鍋が紫色の煙出してるんだけど!
しかも灰色って感じじゃなくて青色に近い感じの!』
おー、まだ昨日出発したばっかりなのにギリギリ歩けてる。
さすが吸血鬼、人とは違う。
てか白が昨日作った時の煙も緑だったじゃんか、私が今更言われる筋合いはない。
『あー、オプションあるけどどうする?』
『オプション……?』
『HP減少を呼び起こす毒花、MP減少を呼び起こす閻魔草、SP減少を引き起こす魂の実、痛覚を呼び起こす破砕種……』
『待って!
とりあえず無しで!』
後退りしてめちゃくちゃガチビビりしとるやんけ。
せっかく朝から集めてきたのに。
しかも電脳さんの監修済みだぞ。
『言っとくが全部効力あるからなー?
しかもオレ様が0.1mg単位でスキル獲得とレベルアップできるように調整してる。
いつか後悔しても知らねーぜ』
『うう……』
怖い、ヤクザです。
脅迫の仕方が嫌なヤクザ。
私これ言われたら泣く自信あるぞ。
『ちなみにゼルギズには全部ぶちこんである。
アイツ、龍になりたいなんてほざくから追加でさらに入れといてはあるが』
『えっ、その人可哀想じゃない……?』
わかるー。
すごいわかるー!
ゼルギズは龍の精巣詰め合わせとか食わされてんだぜー。
まじで可哀想なんだよな、本人が龍になりたいなんて言って聞かないからしょうがないけど。
ま、電脳のおかげで遺伝子操作すれば龍になれるんだしアイツにとっては良かったか。
なんだかんだ電脳が全て快適にはしてくれてるからなー。
文句言えない。
『で、どうする?
てかどっちにしろ毒は食うんだからもうヤケクソで全部ぶち込もうぜ。
そっちの方が飯でスキルを得るって点では100億倍効率的だ』
『う、うん……』
さてどうする。
強くなりたいなら食っとけ。
てかメラゾフィスと魔王が今起きたから早く決めてくれ。
待たせることになる。
『じゃあ、全部食べる!
その代わり一ついい!?』
『あー、どした』
『あんた、そこまでいうなら一緒に食べて!』
『ハァ!?』
頭の中に電脳の声が響く。
てか、は、はぁ?
マジですか……?
ーーーーーーーーーーー
「あー、マジで呼び出すのかよ。
フツー考えてすっか、こんなこと?」
『赤ちゃんに毒食わせてるのによく言う』
結局電脳はソフィアの圧に引きずり出されて出てきた。
コイツ、無虚空間から出て来れるんだ。
初めて知った。
ただ、引きずり出された電脳はかなり不快そう。
そして紫色の煙を見てさらに不快そうな顔をした。
ここまで私の料理嫌がられると流石に傷つくんだけど。
「白ー、ご飯の時間だよー!
出てきてー!」
カンカンとお玉で鍋を叩いて音を出す。
この時間まで白はよく寝てるな。
人と関わるのは苦手だからしょうがないか。
『アンタ、前世からそのノリの軽さは変わらないわね』
うっさいこれか私だ。
ポトリ。
ん!?
白巣から落下したぞ!
人間部分から落ちたけど平気か!?
助けに行かなければ!
『昔よりは人のこと考えるようになったんじゃない?』
白に向かって走っていく私に、ソフィアはそう言い放った。
知らない、私は私のままだ。
変わっちゃいない。
ーーーーーーーーー
『まずい』
「あー、クソ痛いクソ不味いクソ疲れる。
なんだこのわけわからん料理は」
なんだ貴様ら文句あんのか?
特に電脳、レシピもアンタがくれてその通り作ってんのになにソフィアの数倍文句言ってんだ。
そもそもどこがどうなってどうアンタは存在してんだ。
痛みも感じてるっぽいし。
「まあねー、無理はしなくていいよ。
最悪この食事抜きでも死なないと思うし」
優しいように見えてアリエルは一番キツいこと言ってるし。
どうやら慈悲はないようだ。
ま、メラゾフィスも黙って食べてるし白も嬉しそうに食ってるし私の料理は間違っていなかった。
これが現実だ。
あきらめろー。
でも、たまにえづきながらもみんな後半は文句も言わず食べ切っていた。
なんだかんだ心は強いと思う。
尊敬尊敬。
ーーーーーーーーーーーー
あのー。
一ついいですか?
電脳、さすがに可哀想じゃない?
ご飯食べた後、草むらの中とか山の中をゆっくり進んでるんだけどなぜか電脳がソフィアから解放されなかった。
彼女が言うには、自分たちだけ苦しい思いをするのは間違っていると言うことらしい。
だからって電脳を追い込みます?
しかも一応電脳言い返してたのに完封され切ってたぞ。
転生者怖い。
というかもう一つ言いたいことあります!
あ、電脳こけた。
フラフラだけど頑張れー。
電脳がヘタレすぎる。
流石に生後一年の赤ちゃんよりは体力がある。
でも、どうして重魔法かけてるメラゾフィスより先に倒れ込む。
わけわからんぞ私の別人格。
肉体ステータス終わってるんだよね。
たぶん前世の私の推しであった石神千空に色々似せすぎてるんだろう。
そいつ、研究とか化学調べるのに対する興味はすごかったけど体力は終わってるからな。
姿形性格だけでなく肉体強度までコピーしちゃったか、ナンマイダブナンマイダブ。
ただ、見てるとあまりにも可哀想になってきたから苦しんでるソフィアに聞いてみるか。
絶対こいつはステータス育たんだろうし。
「ねぇ、帰してもいいんじゃない?
無虚空間に」
『帰さない』
「うっ」
駄目でした。
怖い怖い。
ソフィアもへんな性格になってきてないか。
睨まないでくれ。
みんなの体力がついてきたら足を引っ張ることになりそうだな、このアホ研究者。
巻き込まれて、嫉妬の対象にもされかけている可哀想な人。