バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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愛される神と暴れる神。


108 神と神の違い

その日の夜。

私は考える。

どうでもいいように思えるけれど大事なことだ。

 

 

「最近考えてばっかりだからなんかぶん殴りたい」

『「え?」』

 

 

アリエルとソフィアがハモるのは珍しいな、白はもう巣に入っちゃったから反応はないけど。

 

 

「いやー、最近なんもちゃんとした戦いやってない。

 うーむ命に関わらない優しさのある人で戦ってくれる人いないかな」

『いや、ポティマスって奴と戦ったじゃん』

「私との戦いも同じ日だしねー」

 

 

でももうあれから一週間も経つ。

魔王が敵対していた時はばちばち警戒心マックスで良かったんだけど、ポティマスはエサだったからなぁ。

対等なんてものじゃなかったし、金属素材としてしか意味なかったわ。

 

 

「青は蜘蛛の進化とか出来るんでしょ?電脳に頼んで色々やって貰えばいいじゃん」

「まあねー。いかんせん私より弱い個体しか作れんし精神汚染も入っちゃうから戦闘にならない」

『逆に強かったらヤバいでしょ……』

 

 

それはそうだ。

でもどうするか。

今エルロー大迷宮の下層で増えてるポケモンたちと戦ってもなんもならんしなー。

せいぜい少しいい経験値となるだけ。

 

 

「なんなら宇宙から龍呼び寄せてみるか?」

「おい、ギュリエに勝てないくせにそれは悪手じゃないか?」

「すみませんでした」

 

 

アリエルにガチギレされました、はい。

事実勝てないからな。

いくらエネルギー自体がギュリエの100倍はあってもそれをまともに出力するだけの機能がまだ体に備わってない。

 

 

『じゃあDって奴と口論するのは?』

「出来るけどまだやだ」

『あとさ、青。

 私から見ればもうアンタも神なんだけど、アンタがいう神とアンタはどう違うの?』

「私も気になります」

 

 

ありゃ、説明してなかったか。

どうせだしこの機会に説明しておくか。

 

 

えーと、電脳は完全に熟睡してる。

まあ一番顔は死んでたからしょうがないか。

今しゃべったメラゾフィスももうすでにふらふらしている。

逆にソフィアすごいな。

赤ちゃんで一番負担すごかったくせに起きてたってことだもん。

 

 

「まぁ、私たちがソフィアの面倒見るから寝なさい。

 記憶に関しては明日の朝作り出してやる」

「なっ」

 

背中から生やした蜘蛛の足で首をとんと叩く。

それと同時にパタリと眠るメラゾフィス。

これでヨシ!

 

 

『そういう変なベクトルで優しいところとか、記憶操作とか、ヤバい脚生やすところとかね……、神くさい』

 

 

いやいや、Dなんかこんなん比較にならないくらいやばい神だぞ。

てかいつかあの人死は救済とか言いそうだし。

正直比較されるのすら心外だ。

 

「まぁ、私から神について説明させてもらう。

 神とみなされる条件は二つ。

 一つ目に、普通の生物ではありえないほどのエネルギーを溜め込んでいること。

 二つ目に、星のシステムから自立していること。

 私については二つ目のシステムから自立がまだ当てはまってないね」

「わたしゃその片方すら達成している人をはじめて見たんだけど……。

 あと一つ、1が達成されたら2は自動的に達成されるんじゃないの?

 エネルギーがあれば強さはともかく神になれるんだろうし」

「君のような感のいいガキは嫌いだよ」

「!?」

 

 

アリエル、いや、マジでやめて欲しい。

なんで1達成したら2達成されるって知ってんだ。

勘良すぎじゃないか?

もういいや言ってまえ!

どうせDは縛りあるから私をぶん殴ってくることはないだろうし!

 

 

「みんなこの世界で生存競争に苦しんでるだろうけど、実は神の世界でも生存競争があるんだよ。

 私はすぐにでも神になりたいわけじゃないし今神化をしないで下準備をしてるってこと」

 

 

『じゃあ本当は、今すぐにでも神化できるの?』

「まぁ、無理やり抑えちゃったせいでなかなかのエネルギー追加投入しないと完全な覚醒はできないけど」

『こわい……』

 

 

ビビられました。

なんか理不尽では?

神の領域だと、でも、まぁ、ビビられるのもしょうがないか。

 

 

「そんなヤバい奴がいるとはねー。

 私が保証するけど、アンタたぶんギュリエには余裕綽々へのカッパで勝てるよ。

 さっきは勝てないって言ったけどね。

 ま、それはアンタがその前にバカなこと言ったからってことで」

「いや無理でしょ、アイツ魔術妨害やばいよ」

 

 

否定する私に、アリエルがやれやれと肩をすくめる。

うーむ、でもやっぱきついんじゃね。

妨害怖いし。

 

 

「昔のアンタなら確かにキツかったかも知れないけど、私見逃してないからね?

 エルロー大迷宮と同じ規模の迷宮の最下層まで魔法一発で掘り砕いてよく言う。

 しかもあれ本気じゃないでしょ。

 今のアンタが本気でやれば、青が生まれたくらいのこの星なら無かったことに出来るんじゃない?」

「それはこの星弱いだけじゃね」

『へっ、出来るの?』

「うん」

 

 

前のクイーン叩き潰したやつのあれか。

いやー、でも前やった以上は流石に全力すぎて私も死にそう。

てか魔術無効だから相当頑張らないと龍には干渉できないし。

いくらこの星を壊せても、逆にこの星だぞ?

龍なんかより多分全然やわい。

 

 

 

「ま、なんだかんだ言ってギュリじゃなくても龍とは戦いたい。

 現時点ではともかく神になるならいずれ対処が必要な相手だし。

 まだ神よりは対処可能ではあるでしょ」

「いや神と龍の序列なんて知らないけど……。

 ーー確かにね、少しだけどそんなイメージはある。

 ただこの星を少しでも傷つけるならアンタであっても容赦はしない」

「そりゃそうだ」

 

 

あれ、話してる間にいつの間にかソフィアが反応しなくなってる?

一応起きてるけど、ビビって少し静かにしてるのか。

まあ話してる内容的にしょうがないね。

そのまま寝ていいよ。

 

 

私も、これから夜通しで女神教を根本から変える改革をしなきゃいけない。

宗教の根本にあるエネルギーの奉納まで変わるんだから大変な改革。

おそらく私が女神として表に出なきゃいけないだろう。

大変だけど、頑張るか。

 

 

世界を救うために。





愛される神になるために。
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