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ま、しょうがないよね!
えーと、まずはどうするか。
電脳の意識本体はアリエル達のところで寝てるからなぁ。
叩き起こしてもいいけどなんか可哀想だし別にいいや。
ここは地獄と呼ばれている空間。
知ってる人は私とアリエル、電脳しかいないけどね。
目の前の巨大な洞穴の中には、約20万匹のクイーンエレテクトとアースエレテクトが所狭しと詰められている。
だから、世界で一番エネルギーが溜め込まれている場所でもあるか。
万里眼と電波反射でしっかりと詰まっていること、異物が混入していないことを確認してから私はトスンと座り込む。
本当にどうしようか。
どうカスタムしよう。
ここに詰められているアースとクイーンは自我というものがない。
元々アリエルを殺すために作ったもんだし、今現在もこの中ではエネルギーの吸い取りあいの同族狩りが頻発している。
ううむ、これはただ何匹か出しても殺し合いに発展するな?
よし私には無理だ!電脳起こそう。
『電脳ー!
ヘルプ!』
『あー、起きてる起きてる。
ソフィアに絡まれてからエネルギーの消費がデケェ気がする。
で、なんだ』
『蜘蛛を明日までに20万匹用意して町中にばら撒きたいんだけど、増やせる?』
『え、マジ?』
『マジ』
あ、これまずい?
大丈夫だとは思ってるんだけど、実はキツかったか?
『あー、あの、な?
戦闘力は皆無にするっきゃねぇがそうすりゃ出来る。
だからあくまで卵のための蜘蛛になるな』
『ありがとう。
一応聞いておくんだけど、何がヤバかった?
私的にはイケると思ってたんだけど』
『そりゃまぁ、単純にエネルギーが足りねぇ。
ここで大量の蜘蛛が生きてんのは共食いで常に輪廻を回してエネルギーサイクルを高速で回してるからだ。
人の家とかにばら撒くっつー話なら共食いは出来ねーだろ?
となるとマジでエネルギーが全く足りねーんだわ。
ま、よかったな。
エネルギー源があって』
『エネルギー源?』
なんだか、とんでもない依頼をしてたみたい。
普通だったら技術者がぶん殴ってくる依頼をとって来ちゃった雰囲気だ。
けれどこの雰囲気だとどうやら補填はできるようだ。
私にも無理のない範囲のことだったら良いけど。
『ゼルギズ、テメー今からエネルギー源として働け。
最近今日は結構休んでたしいーだろ』
『え?
今我瞑想してたんだけど。
てかまたなんかエネルギー必要なことあるのか?』
『青が一気に国民に蜘蛛広げる構想立てたみてーだ。
それで蜘蛛をばら撒きてぇからそのためのエネルギーが欲しい』
『よーしオーケー!
我が動くのだ、感謝しろよ!』
あーれ。
ゼルギズ働かせるのはまだ理解できるけどなんでこいつエネルギー吸われることにポジティブなの。
電脳なんか言いくるめでもしたのか?
「ゼルギズ、あんたエネルギー吸われることに抵抗ないのー?
いやそんな仕事させる私にも問題はあるけども。
なんかごめんね」
『いやいや我がエネルギー消費してもまたすぐに勝手に生まれるから問題ない。
どうやら我の体、熱エネルギーを無限産生できるみたいでな。
このままどんどん頼れ!』
いや頼もしい。
私よりも全然弱いけどすっごい頼りになる。
さすが体表温度一万度にできるやつだ、伊達じゃない。
それを完全に利用できる電脳パワーありきだけど。
『コイツもコイツでエネルギーの生産が早くなりゃぁ龍への体内の変性も早く済ませられるからな。
体内のタンパク質の変性と鱗の作成で結構なエネルギー使うんだわ。
それも含めてさっさとエネルギー産生量は今のうちに増やしておきてぇ』
『っていうわけだ。
我の今の体は2mしかないし、昔のガキアくらいのサイズにはなってやりたいのもあるしな。
もちろん人型は今のサイズでいいが龍化する時のサイズを30mくらいにはしたい!』
相当な暴論をコイツはコイツで言っている。
体長30m分の鱗とかエネルギーどうなると思ってるんだ。
全部諸々含めたら今のコイツのエネルギーの1000倍必要なんじゃね。
まーじでこれ電脳に言いくるめされてやがんな。
でも、本人が幸せならオッケーです!
『だから、蜘蛛の増殖の方はオレ様がやっておく。
あと一応そっちの世界で今寝てやがるオレ様の分身も回収しておくわ、下手にいじられるとやだし。
てかそっちの蜘蛛じゃなくて無虚空間にいる品種のやつ増やすから地獄からは持ってこなくていい。
つーわけで、テメー糸作りの方よろしくー!』
は。
なんだぁ、テメェ……?
あんたもあんたでなかなかな要求を私にふっかけてくるな。
いや確かに、神様の作った糸(神様の作った糸ではない)を配布するのは流石にNGか。
しょうがないから私自身で糸を作ろう。
指から糸出せるようになってるし、だいぶ楽ではあるからね。
シュロロロと糸を出して生糸みたいにパンの形みたいにして丸めていく。
いくら貴族が強欲とは言っても、家族あたりワンピース1着くらい作れる量配布しておけば文句言わないでしょ。
いや言いそうだな……。
信仰心なさそうな貴族なら案外文句言ってきそうな気がする。
多分ああいう人らが文句を言うのって他の人たちと比べるからだもん。
いくら貴族だけに配布すると言っても、貴族みんなに配布するんならそれはそれで言う人いるよなぁ……。
国の外の貴族と比べてイキってもらおうそうしよう。
王様はまともだし上手く外部の人にヘイト向けてイキってもらえるようにすれば万々歳だ。
てかそうしないと無理っす。
どう足掻いてもも文句言われるエンドになる。
糸は白いものにしよう。
そっちの方が綺麗だし、どうせなら火に燃えないものを。
人の剣程度じゃ切れない、本当の神だとわかるものにしよう。
最高に美しく艶のあるものに。
これを大体1000個。
一個あたり1分だから16時間……。
あれこれダメじゃね。
全然終わらないじゃんやばい。
よーし、全部の指から一気に10個ずつ作っていこう。
これで2時間くらいでできるはず。
てかできないと終わるから頑張れ私。
シュルシュル。
シュルシュルシュル。
シュルシュル。
シュルル……。
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あ、やばい。
寝てた。
えーと、2時間くらいか?
てかなんで寝てたのに糸玉1000個出来上がってんだ。
鑑定で確認してもしっかり1000個できてるしすごいぞ私。
『今蜘蛛何匹いる?
『1万匹だ。あと20分で終わる。
少し待て』
『スキルとかって組み込んでる?』
『あー、最初は無理だと思ってたけど結局できそーだわ。
自衛できるだけのスキルはしっかりあるし、ステータスも100くらいだから普通の人間より強い。
卵も産めるし生ゴミでも食わせれば健康的な生活送れるようにはなる』
『ありがとう。
こっちはもうカゴに糸詰めとくよ。
今はえっと、4時半だからまだ納品には余裕あるね。
今日の昼は街で私のお披露目会しないとね』
『あー、いくらテメーがコミュ障でもちゃんとものだけ渡しときゃぁ大丈夫だ、とりま納品して寝とこうぜ』
朝5時前。
そしてついに全ての準備を終わらせることができた。
新聞もイキリセリフが一部あったけどもちゃんとした内容ではあったからおけ。
糸も教会に渡して、あとは正午に人前で神様の降臨を宣言するだけだ。
よーーし、世界を変えるぞー!
おー!
千里の道