ヤッタゼ。
自分で言うのもあれだけど、強いスキルと称号が多すぎる。
なんだよ≪オリジン≫とか「電脳」とか……。
そのぶん「禁忌」のレベルは上がってるけど。
うん?
そういや俺は禁忌のレベルは7で白はレベル5か。
あれ、俺不味くね?
進化で今まで1レベル上がってきてるし。
禁忌Lv10でカンストで。
いや、平気だわ。
よくよく考えたら「究明者」に「禁忌」の自己解析成功してるってあったもん。
あのタイミングで手に入ってたってことは恐らくこの世界がゲームであることとか?ゲーム改造した知覚空間であることとかどうせ言うんやろ。
じゃあ別に即死するわけでもなさそうだし、このままでもいい。
なにより禁忌カンストで死亡とか管理者Dがやる気がしない。
あの人少なくとも物事を雑に終わらせるのはめちゃくちゃ嫌ってるぽいからな。
よし忘れよう。
今のところは新しく得たスキルを見るか。
「魔導の極み、発動」
身体の中で勢い良く魔力がめぐるのを感じる。
MPが流れる感覚。
冷たいような、暖かいような……。
液体を回してるのか?
「青?」
「雷魔法Lv3、雷弾」
ブゥン。
頭の中で雷の弾が浮かび上がるのを想像したとたん、魔方陣が浮かび上がった。
次の瞬間電気の弾が勢いよく飛び出し、壁に当たって弾ける。
「青?青!」
白に身体をゆっさゆっさと揺らされる。
待ってほしい。
まだ自分でも状況の整理が出来てないんだって。
「青、どうしたの!?てか良く魔法出来たね!?さっき「探知」でぶったおれてたのに!」
「鑑定してみて」
「えっ――は?」
「うん」
「は?」
「えっと、どういう状況かしら?」
サヤが帰ってきたとき、俺は壁に向かって雷弾を撃ちまくっていた。
あ、MPが無くならないかだって?
問題ない、だってMP自動回復までマックスになってんだから。
今の練度で撃てるスピードだと消費量より回復量の方が上回ってるらしいし、減るこっちゃない。
「青に魔導の極みが出来たから今めちゃくちゃやらせてる」
「怒ってるの?」
「怒ってないよ?」
白が激怒にしていることに気づいたサヤは、話題を変えることで青の救出を目論みることにした。
「青」
「どうしたサヤ?」
「マグマみたいな魔物がいっぱい出てきたからとりあえず2人に伝えに来たわ」
あ、おう、助かった。
えーと、もう出てきました?
想像よりも100倍早くてビビってるけど。
生命すげえなぁ。
「なんだった?」
「鑑定ではスモールレッサーマグマッグだったわ。そしてレベルは全て1なうえに、現れた瞬間に交尾して卵たくさん産み始めた。行動が理解不能ですごい気持ち悪かったわ」
はー、マグマッグね。
あのマグマナメクジ。マグマを纏ってるナメクジってよくよく考えたらだいぶ怖いんだけど、身体どうなってんだろう。
外気に触れたら一瞬で固まりそうだし。
《「演算処理Lv8」を獲得しました》
ん、なんだお前。
初めて見た気がするんだけど?
忘れてたのか?
あー。
てかポケモンシステム辛かったのか?ゲームの容量的に。
俺は知ったこっちゃないが、頑張れ管理者。
あとポケモンの発生についての仕組みがなんとなくわかった。
いくら少ないHPでも全ポケモンが強化産卵を持ってるなら1匹あたり5つくらいの卵を産んで死んでいけばいい。
そうすれば、ねずみ算式に5分程度で4倍ずつに増えていく。
あ、餌は死んだやつ食えばいいし。
そこでも補完できんじゃん。
Dが監修してるし一定数で止まるはず?
だよな。
止まるよね?
《熟練度が一定に達しました。「演算処理Lv8」が「演算処理Lv9」にレベルアップしました》
なら30分くらいで他の魔物と同じくらいの数にはなるんだろ。
バケモノや。
でもマグマッグかぁ。
触れた瞬間ダメージ入りそうでイヤだなぁ。
いやでもマグマって異世界だと即死じゃなかったりする?
じゃあまだマシか?
触ればわかりそうだな、やらんけど。
あ、そういえば「鑑定」させてもらお。
何だかんだまだ見てなかったわ。
「あ、そのマグマッグの件はそこまで驚異じゃないと思うから構わないぞ。サヤ、鑑定していい?」
「別にいいわ。私も一応2人の確認するわよ?」
「「「鑑定!」」」
『デトロエレテクト Lv10 名前 サヤ
HP:1435/1872(緑)
MP:1751/1964(青)
SP:1722/1932(黄)
:1845/1960(赤)
ステータス
平均攻撃能力:1855
平均防御能力:1688
平均魔法能力:1830
平均抵抗能力:1716
平均速度能力:1553
「HP大吸収Lv4」「HP自動回復Lv4」「MP回復速度Lv1」「SP回復速度Lv2」「SP消費緩和Lv1」「蜘蛛糸Lv9」「操糸Lv10」「糸合成Lv8」「斬糸Lv3」「思考加速Lv8」「予見Lv5」「演算処理Lv7」「命中Lv9」「鑑定Lv10」「隠密Lv10」「魔連斬Lv2」「無音Lv10」「影魔法Lv1」「過食Lv3」「電撃付与Lv10」「雷付与Lv4」「暗視Lv10」「視覚領域拡張Lv8」「電気魔法Lv10」「雷魔法Lv9」「雷耐性Lv9」「外道魔法Lv1」「毒耐性Lv1」「腐蝕耐性Lv1」「火耐性Lv1」「麻痺無効」「苦痛耐性Lv4」「視覚強化Lv3」「聴覚強化Lv3」「嗅覚強化Lv3」「触覚強化Lv7」「生命Lv1」「魔量Lv1」「持久Lv1」「強力Lv4」「堅固Lv4」「強化産卵Lv10」「小型化Lv10」「怠慢Lv2」「禁忌Lv4」
スキルポイント:2400
称号 「悪食」「血縁喰ライ」「糸使い」「魔物殺し」「無慈悲」』
やべえ。
スキルうんぬん関係ないほど強い。
スキルは結構偏ってるけど、ステータス違い過ぎるもん。
てか多分同じステータスの個体と比べてスキルは全然弱いんだと思うけど同じ期間で考えたら俺よりも強い。
熟練度ボーナスめ……。
「白は速度特化、青は今のところは魔物使役に特化してるのね」
「素早さあんたに負けてるけどな。わたしの素早さあんたの半分くらいだぞ」
「単体だとあんたより弱いけどな。呼ぶの時間かかるし召還まだ出来ないっぽいし」
「まぁ、行きましょう。青。マグマッグって魔物についてなにか知ってるの?」
「え?なんで?」
「いや、だって青サヤに名前きいただけなのに驚異じゃないと思うって言ってるし落ち着いてるじゃん。その意味不明な行動する魔物ってビビると思うんだけど」
「あ――。説明します。ポケモンです。正直言って俺以外のポケモンがどんな形でこの世界に出現するかいまいちわかってないんだが。あったことは全部話すわ」
俺は観念して「賢姫Lv3」に書いてあったことを2人に洗いざらい話した。
ポケモンの説明のために、サヤには前世のことまで少し話した。
この世界や白の魂については話さなかったけど。
そこは不確定要素だし、わざわざ傷つける必要もない。
なにより、それに関しては内容が酷すぎる。
一通り話終わって出てくるのは深い溜め息のみ。
「はぁ」
「青。あなたとんでもないことしてるのね。他の世界を使って世界の仕組みをまるごと変えていくなんて」
「神が望んでたんだよ。あとなサヤ、言い訳だけど俺たち2人滅茶苦茶強い精神支配かかってるからな?俺は転生者だからかたまに抗えるが、その時毎回外道耐性のレベルが上がるんだよ」
下手したら探知に影響したりしてるのか?
外道耐性上がってるし、そこらへんホントにわからんけど。
「――私は存在すら気づかなかった」
「普通気づかないように出来てるんだと思う。俺たちはあくまでポケモンとして転生させられたってこと」
「もー!!青!サヤ!また中層行こう!難しい話をすると疲れるだけ」
「わかった」
「――わかったわ」
俺はそのあんたの特訓から逃げ出すためにこの話題広げたんだが……。
真の龍族と呼ばれる男は、腕組みして考える。
ただでさえ日本の倍の面積を誇るエルロー大迷宮、中層のみといっても現れた魔物の絶滅は不可能に近かった。
「D。私が来ることを考えて仕組んでいるのか」
実をいうと、先程の青の計算はいろんな意味で間違っていた。
そのうちの一つは最初から男の処理が追い付かない程度には魔物が放たれたこと。
魔王にも牽制はされていたが、転移も使えない臆病な魔王について管理者Dはほとんど懸念もしていないようだった。
男は転移を繰り返しそのたびに魔物は消滅する。
だが増殖に間に合わない。
ずっと殺し続けているのに、だ。
「新しい風、大禁忌か。なんて爆薬をヤツは産んだんだ」
『あ、別に増えすぎてってことは無いですよ?一定数になったらちゃんと生育し始めますから』
『我々がちゃんと管理し、いざとなったら殲滅する。気に病むな』
「わかっています。ただ、試したかっただけです」
真なる龍は小さな声で呟き、エルロー大迷宮を後にした。
「マグマッグかぁ」
やっぱり、よくわからん奴が最初に出てくるとは思わなかった。
中層に現れたってことは他のポケモンでも中層から出てくるのがいるっぽいか?
てか思ったよりガチの溶岩だ。ふざけて触れたら死ねそう。
「鑑定!」
『スモールレッサーマグマッグ Lv1
ステータス
HP:3/12(緑)
MP:21/21(青)
SP:12/12(黄)
:20/20(赤)
平均攻撃能力12
平均防御能力12
平均魔法能力12
平均抵抗能力22
平均速度能力12
「毒霧Lv1」「外道魔法Lv1」「強化産卵Lv10」「小型化Lv10」「溶岩鎧」』
「外道魔法Lv1」ってなに?
『外道魔法Lv1:「眠気」。相手に眠気を付与する』
うーん……。
あ!「あくび」か!?次のターンに相手が寝るやつ。
あと毒霧は煙幕みたいな技があった気がするからそれかな。
あくまで眠気ってことはポケモンと違って即寝ることはないんだろうけど。
そしてもう卵産むの止めてるってことは一定数に達したってことなのかな。
でもコイツが増えるのは流石にやだなぁ。
「コイツ絶対触ったらマグマダメージ入るよね?」
「入ると思うわ」
はいマグマの鎧まじ悪魔。
いざとなったら猿戦みたいに腕千切れば触れんじゃねとか思っちゃったけどやりたくねぇ。
触る必要性皆無だし。
あ、そういや「賢姫Lv1」の使役でワンチャン召喚は出来なくても色々出来るんじゃ。
だってLv3で大量発生やん。
Lv1でも捕まえられるんじゃね?
『【ポケモン魔物使役】:触れることにより捕獲可能です。体力の1割以下、または1で捕獲可能。体力が少なければ少ないほど捕獲成功率は上昇します。
ポケモン魔物使役:ポケモン型魔物が従うように使役する。他の場所にいるとき、召喚することは出来ない』
うーん、ポケモン!Dはマジでポケモン好きなのか?
でも、1割以下でしかボールも投げられないってことだもんな。ラッキーパンチだけは起きないように上手く仕組まれてやがる。はぁーー。猿がいっぱいいた時なら結構な数触れて捕獲できそうだったなぁ。もったいない。
あ、2人に共有。
「賢姫もうチートだよ」
「あとで体力減らしとくから一応やってね」
うん。チートだよね。
「あ、ポケモンじゃなさそうなやつもいるじゃん!よかった!」
おい。何がいいんだ白。余計死ぬだろ。
一応仲間なんだからポケモンで素直に喜べよ!
えっと、てかなんだあのタツノオトシゴは。ふつう魚は口水面に出しちゃダメじゃね?
電脳、はい!
『エルローゲネラッシュ LV1
ステータス
HP:132/132(緑)
MP:106/106(青)
SP:128/128(黄)
:128/128(赤)
平均攻撃能力:70
平均防御能力:70
平均魔法能力:68
平均抵抗能力:67
平均速度能力:73
スキル
「火竜LV1」「命中LV1」「遊泳LV1」「炎熱無効」』
うん、こっち見てるね。
なんか無効あるし強そう。
でも、今用は無いしほっといていいか。
は?火の玉撃ってきやがった。
あぶな!
「白、大丈夫か?」
「ま、まあ。別に」
「と、取り敢えず帰りましょ!相手のことわかっていないし!」
帰ってきて下層。
あいつ1レベだったし次あったら絶対弁当にしてやる。
「サヤ。5つ卵産んでみてくれ。HPの最大値5減るけど、大丈夫か?」
「別にいいけど、どうして?」
「少し共生の適用条件を確認したい」
しばらくして、ワシャワシャと卵から出てくるバチュルたち。
「おい、青」
呼び止められ振り向くと、腕を組み溜め息をつく白の姿が。
なんだお前は。
カッコつけてるんだろうけど蜘蛛の姿のせいでただ寄りかかって休んでるようにしか見えんぞ?
「この世界ってゲームみたいだけど、実はゲームじゃない。共生ってやり過ぎると弊害あるんじゃないか?」
「「あ」」
えっと。
何匹共生出来るかっての試したかったんだけど。
おっしゃる通りです。
鋭い。
電脳、調べてみて。
『共生:経験値が分けられるスキル。レベルが上がればさまざまなものを配分することが出来る。4個体まで接続可能だが、メンバーから外すことも出来る。共生が切れたとき、すなわち共生している個体がENDしたとき、最大HPの4分の1が消滅する』
やっぱこの世界ゲームだろ。
最大HPが4分の3になるってことは、不味くね?
えっと下手に共生してそいつが死ぬと体力最大値が削られていくと。
「すまん、サヤ。バチュル食べるぞ。
産んでくれたのにスマン」
「しょうがないわ。状況が状況だもの」
皆でバチュルをつまみながらどうするか考える。
今では白、サヤと共生してる。
つまり、共生を外さない限りは2人を殺してしまうことは超絶NGってことだ。
うん、頑張ろ。
2人もわかってるだろうし。
はい!あれから暫く経過!
HP管理が出来るようになって、来ました中層!!
マグマックさんについての説明はまた今度。
地味に昔一回出した未来ネタ(S1のやつ)の制約がすげえ……。