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「おーおー、荒れてる荒れてる。
サリエーラ国だけでなくまさか真言教本山である聖アレイウス教国まで揺らせるとは。
女神教様様だね」
女神降臨祭の次の日、私たちは最寄りの街に向かって歩いている。
私自身は白の上に腰掛けながら新聞とかを見てるだけで一歩も歩いてないけど。
「そりゃそうだ。
人族にとっては今までの4000年のうちいちばんすんごい大革命だからね。
彼らの生活水準だってメキメキと上がってる。
正直、君が味方で良かったよ」
肩をすくめながら呆れ顔で歩くアリエル。
でも確かに中世の世界観とはかけ離れた手段で革命をやっていこうとしている。
大量生産とか中世でやることじゃないだろうし。
「でもいちばんとっておきは昨晩サリエーラ国に叩きつけた通達。
ダスティンの反応が楽しみだ」
「どんな通達?わたし嫌な予感」
「スキル大量獲得からの自己防衛をオーケーにしろっていう通達」
「「うっわ」」
女神教最大の欠点、スキルによる自己防衛禁止をここで撤廃する。
申し訳ないけど真言教は完全に潰してしまいたい。
だけど今までありがとう。
この宗教がなければこの星は4000年絶対に持たなかった。
「青、とんでもない禁止カードを切っちゃったけど、それ平気?
これからの世界情勢が崩壊するよ?」
「へーきへーき、私が手を下さなくても崩壊する予定だったし。
もうとっくに女神教と真言教の優位性は逆転してんだから。
でも、政教分離されてないからどうなるかだな……」
蜘蛛が行き渡り始めているし、食糧不足とか魔物から人間を守ることは容易だ。
だけど真言教がシステムとして組み込まれている国は多くある。
内乱は私どっちに味方すればいいんだ?
いやできんよな。
女神である以上どんな人間であれ殺すことはできない。
私が関与すると正義は悪を潰していいんだぜっていう風潮が拡大しちゃいそうだし。
本当なら穏便に済ませたい。
「あと数年は血で血を洗う戦争が起きると思うよ。
私には関係ないけど。
あと明日には街に着くと思うけどどうする?
青は布教活動するの?」
「え、明日着くの?」
「着くけど」
着くけど、か。
ソフィアも私が色々やってる間に少し話せるようになったんだな……。
感慨深い。
でも業務は基本あっちでやってるしこっちでは旅行したい。
あくまで仕事は仕事よ。
「布教するつもりはないかな。
してもいいんだけど、真言教の街だしグダグダしそう。
ならまた今度ゆっくり浸透させていけばいいし個人的にホテルとか泊まって見たいしね」
「「人の心とかないんか」」
え、ネットミーム白とアリエルで被った。
おい白の体担当アリエルになんてこと吹き込んでるんだ。
当たり前のように出てきた白はともかく。
あとなんでホテル泊まったらいけない感じ?
「わたしどこ泊まるよ」
確かに。
白、泊まる場所がない。
私たちがホテルとかに泊まったとして白に残される場所は街の近くの森の中だ。
無虚空間に入れれば街の中は移動できるけど結果的に体の大きさ的にホテルに入らない。
いかんせん身長3m幅3mあるんだもん。
あーあ、蜘蛛の部分無ければ入るんだけど。
「うーん、やっぱり森の中いてくれない?
私たちはホテル泊まるからさ。
大丈夫、プロテクトたちとかパペットもおいていくから寂しい気持ちにはさせないよ」
「白ちゃんはそれでいいの?」
「別に平気」
いーや、本当に平気か?
でも平気な顔はしてる。
私も本当なら白街の中まで連れて行ってあげたいんだけどいかんせん体の大きさがね。
じゃあ街にわざわざ行かなくていいんじゃねという考えもあるだろう。
残念ながらそれは無理だ。
というのも、食材が全く足りん!!
メラゾフィスも血を飲まなきゃいけないからそれの補給が必要。
ソフィアはまだ幼いからかもしれないからいらないけど結局もらいにいかなきゃなぁ……。
あと調味料。
蜘蛛とかも食べられるから食糧には困らないけど塩胡椒がない。
QOLを維持するためにもそういう食べ物を補給しなければ。
『あー白連れていきゃいいんじゃねぇの?
だってテメー、一目見ただけで女神って分かるじゃねえか。
女神と一緒にアラクネがいることはもうとっくに確認されてんだからもう女神として開きなおろうぜ』
『でも仕事したくないんだけど』
『めっちゃ弱く覇気でも放ち続けてればいいんじゃねえかな。
それかテメーが酒屋でチャランポランになって威厳を完全に無くすか。
ま、確かに白連れてかねーのも一つの手だな。
単純にモンスターだからビビられるだろうし、そんな女神とか女神じゃないとかそれ以前の騒ぎになる気がするわ』
うん、私もそんな気がする。
街中にモンスター連れてくるのはどう考えても駄目だ。
白には申し訳ないけど本当に大惨事が起きかねない。
本人がいいって言ってんだし素直に安全策を取ろう。
「街の中に入ったらソフィアのことメラゾフィスに見てもらっていい?
私色々見ておきたいし、市場とかで揉まれる体力はまだないと思う」
「わかりました。お嬢様もよろしいですか?」
「全然平気よ。メラゾフィス、おねがいね」
「わかりました」
よーし、ソフィアをメラゾフィスに押し付けることにも成功。
これで私は自由。
街の中を自由に散策出来そうだ。
待ってろ街中ライフ!
真言教、敵認定。