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「これが最後の扉かな。
ここを開ければこの基地のエネルギーコアがあるはず」
ドアの前に立って、私は腕組みする。
うーん。
でもなにか違和感。
この部屋、他の部屋よりあからさまに広い。
巨大な棒状の金属が地下深くまで刺さってるみたいだし。
なんかとんでもないものがある気がする。
ま、開けたらわかるでしょ。
力をかけるとわかる明らかな軽さ。
メキメキというドアと、響く轟音。
ん?あれ、これドア勝手に開き始めてないか?
私の力以外にも力がかかってる。
開けていたドアの向こう、私の目の前に現れる砲口。
あ!?ああ!?
やば。
目の前からくる爆風と轟音。
やばい。
私でも反応しきれない。
腰から下の感覚がなくなって、体が引きちぎれる。
今はソフィアとメラゾフィスだけでも守らなきゃ。
「口閉じろ!」
吹き飛びかける意識をギリギリで保持しながら掴んだ自分の下半身をゲル状にして二人にぶつける。
盾なんてもん用意できないし、無虚空間に取り込むことも出来ない。
ああそうだ、最初から無虚空間に二人を入れときゃよかった。
こんな馬鹿げた機械出てくんだからアリエルでもパペットタラテクトでも守り切れるわけないだろうが。
思いきり、戦車の攻撃を真正面から受けて吹き飛ぶ。
危ない。
意識が途切れる。
電脳と意識を同調して繋ぎ止めると同時に、残った上半身で蜘蛛の身体を構成。
そのまま爆雷でメラゾフィスの方へダッシュ。
勢いのまま、ゲル状の身体を奪い取って再生する。
そして一呼吸。
あー、やばかった。
まじで死ぬぞこの私でも。
1年前だったら死んでたかもしれない。
顔を下ろすと、メラゾフィスやソフィアも無事なのが見えた。
ちゃんとゲルが爆発時の衝撃吸収してくれたみたいだ。
あん!?
また砲口が私の方を向いてる。
なんか私だけ狙われてねーか!?
いいよもう、もう一回放ちやがれ!
メラゾフィスとソフィアを無虚空間に放り込むとともに再び頭の中に轟音。
今回は頭がちぎれたから、抱えたまま吹き飛ぶ。
いや普通これ食らったら死ぬから加減しろバカ!
頭を首にセットして、戦車へ殴りかかっているアリエルの元へ。
そしてバコンと一緒に吹っ飛ばされる。
え、装填早くないか?
ただ今回は五体満足。
どうやら砲台がいくつもあるみたいで、さっきの2発は特に強いのを食らったみたい。
白も攻撃を仕掛けようとしてるけど近づけないって感じで手こずってる。
砲撃が凄すぎる。
えっと、やばいタイプの砲身、前面にあるのが4つ。
さっき食らったのがこれを食らうとこの私でも危ない。
次に対空向けの弱めの砲身4つ。
こっちは食らっても平気だけど装填が早いし吹き飛ばされる。
そして後ろにある砲身が4つ。
これはまだ食らってないけど前面と同じくやばい気がする。
食らったらちぎれそう。
「今までも同じ戦車相手したことあるけどこんなに火力なかったはずだし連続で撃ってこなかった。
どうしてだ?」
「わからん!この施設のMAエネルギー回収量が多いとかじゃないの!?」
避けながら、大声を出す。
そんなこと考えてる暇ないんだよ爆撃すごいんだから。
これもう爆撃だよ、本当に弾なのかこれ!?
少しでも動くのをやめたら再起不能なレベルで撃ち砕かれる。
あ、やべ。
一番強いタイプ、前面の砲口が全部こっち向いてる。
死ぬかも。
今度は体何分割するんだ。
少なくとも無事ではない。
アリエルと白も戦車の後方にいて間に合わないし無理だ。
爆発を少しでも軽減するために目を瞑って耳を手で覆って体育座り。
生き残ればいいな。
そして、過去一番の轟音と風が、私を吹き飛ばす。
ーーーーーーーーーーーーーー
この戦車は、青によって強化されていた。
青がこの世界においてMAエネルギーを増幅していたために、それを取り込んでいた施設も活性化。
その結果戦車もアリエルが処理したものより大幅に火力が上がった。
こんな砲撃の嵐が襲い掛かれば青といえども跡形もなく消滅する。
襲い掛かればな!
「待て待て待て!
我出た瞬間に両腕と両脇腹吹き飛んだんだが!?」
「ありがとう!」
砲撃は、より体の大きいゼルギズを狙う。
それをいいことに私は身体を屈めて爆雷込みで走る。
そしてMAエネルギーを拳に込めて前面4砲にそのままパンチ。
急な衝撃に耐えられずへし曲がる砲身。
だよな、防御力は変わってるわけないんだし!
私が殴った衝撃で一瞬傾く戦車。
白とアリエルを狙っていた照準がブレる。
砲身を横から鎌で4つ一気に切り落とされる。
砲身が4つ縦に潰される。
元々12砲あった砲身は、一瞬にして全て機能を停止した。
にひひ、この弾も撃てない戦車にもう戦闘力はない。
ということであとは無虚空間にいる電脳に解体をお願いしよう。
私は空間の入り口を虫取り網のようにして上から被せた。
「危なかったー」
「いや少し待て。
危ないの前に我になんか言え。
タンク役でも参加できたのは嬉しいが、なんか言うことあるだろ」
「いや元カタツムリなんだし身体再生できるし、私より硬いし」
腕を再生したゼルギズが手を頭に当ててから肩をすくめる。
なんだその呆れフルコースみたいなの。
バカにしてんのか。
「いやー、今回はさすがに青ちゃんが悪いと思うよ。
呼ばれて意気込んで出た瞬間に爆撃されたんだから。
あとゼルギズくんさすがに硬すぎてびっくりした」
それはそう……かも。
まー、ゼルギズも電脳に介入されまくって改造されまくってるしね。
脇腹と背中、手足に黒い溶岩の鎧つけてるし、頭にはツノ生えてるし。
カタツムリの名残といえばわずかに背中にある台形の塊だけだし。
あれこいつ思ったより変な見た目だな?
まあ虹彩が黄色いだけで白目とか瞳の部分はちゃんと普通の色になっただけ気持ち悪いとは思わんけど。
いやその硬さは少し気持ち悪いな。
『テメーら転移だ!
今すぐしないとこの施設崩壊する』
急に響く電脳の声に、予備の服を被りながら私は首を傾げる。
でも確かに施設で鳴ってた警報音が変化してる。
どちらかといえば警告じゃなくて、なんかの合図みたいな。
ただやばいことには変わらない。
あ、通路が爆発した。
どんどん爆発してる。
やべ。
これ施設の自爆装置か。
これはなりふり構わない、転移!
「行くよ!」
集団転移を即発動。
地上に戻ると、下から響く爆音。
これ近かったな。
しょうがない、短時間の転移じゃ無理がある。
結局爆風防がなきゃ。
『電脳完全プロテクト起動。
このくらいの風なら止めてやる』
私中心に磁場で球形のバリアを作って爆風を防ぐ。
うん、問題なく防げる。
これはプロテクトタラテクトに詰め込んであるけど今後にも使えそう。
『あ、ちょっとやべーかも。
いやバリアじゃなくてこの星が』
は?
何言ってる。
バリアじゃなくて、星?
土煙がある程度収まって視界が開ける。
だけど雲一つなかったはずの空からはなぜか光が届かない。
沈黙の中、思わず上を見上げる。
UFOとしか言いようのない何かが滞空していた。
ありし日のゼルギズ。
『ゼルギズ、役目がある!
今私の体からこっちに出てきて!』
『おうは!?
くぁwせdrftgyふじこlp!』