バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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123 vs機械円盤④ -出陣-

「だがそんなことを言っている時間はない。

 見ろ」

 

 

ポティマスが指指す先に宇宙船から放たれる大量の黒い点。

万里眼で見てみてわかったけど、黒い点は全部ロボか。

うん数がヤバいしちょっとだるいかも。

 

 

 

「あれは地上部隊だな。

 10万いるから人的被害を出したくなければ兵を出せ。

 移動速度的に数日で人里まで到着するはずだ」

「なんと!

 うむ、どうするか……」

 

 

頭に手を当てて考える素振りをする教皇に目を細めるポティマス。

あ、これヤバい。

まさかだけどこれ、ダスティン兵を出す余裕ないな。

とりあえずポティマスに悟られる前に助け舟を出さねば。

 

 

「私が10万兵全てを出す。

 相手の強さはおそらくロボレベルだろうし全く問題はない。

 ポティマス、アンタも兵出したくないなら出さないでいいよ。

 ただGフリートには一緒に来い」

「わかりました。

 お言葉に甘えましょう」

「了解した。

 ならば私も兵は出さない。

 無駄な被害は出したくないのでな」

 

 

ダスティンはともかくポティマス、お前無駄な被害とかいう一言無駄すぎる。

なにコイツ、なにかしら一言追加で言わないと気が済まないの?

だから嫌われるんだよ。

 

 

「あとは航空部隊がいる。

 我々がGフリートに潜入しようと飛び立てば返り討ちにあうだろうな。

 その対策はどうする」

「そこは我に任せて先に行け。

 上手くやる。

 あ、もちろん飛龍どもには手伝ってもらうが」

 

 

腕組みしながら言うゼルギズ。

いや、無理じゃねコイツには。

そもそも飛べないだろ。

 

 

「いや、我飛べるし!

 1年間伊達に引きこもってたわけじゃないんだ、ちゃんと龍の姿にもなれる」

 

 

そう。

ならとりあえず好きにさせてみていいか。

どうせ連れて行くんだし。

 

 

「ならばとりあえずこの問題は解決だな。

 では青、貴様は蜘蛛を10万匹呼べ。

 本当に出来るならな」

「問題ない、今やる」

 

 

私は高台からひょいと飛び降りて、平原に着地。

そこから召喚を発動。

クイーン2万、アース8万匹でいいか。

本当はクイーンの方が多いけど場所取りすぎちゃいそうだし。

 

 

地獄の蜘蛛たちは共食いの性質があるから、呼び出す奴らだけ賢姫で共食いの性質を解除。

その代わりに機械を襲わせるように仕向ける。

ポティマスはわからんけどぱっと見機械じゃないから襲われないと思う。

 

 

『召喚』

 

 

ぽとぽとと地面に落ちた小さな蜘蛛たちは、本来のサイズを取り戻すために巨大化して行く。

見上げるサイズになるけどクイーンはまだまだ大きくなる。

なんだって、あのマザーと同格の魔物だ。

スキルはほとんどないけどステータスの暴力はできる。

しかもロボ相手だったら魔法バリアとかもあるしスキルの有無はあまり関係ない。

 

 

『お前ら、地上にロボがこれから降りてくる。

 それを一匹残らず殲滅しろ。

 出来るだけ星にダメージは与えるな』

 

 

この言葉を聞いて、蜘蛛たちはずもももと移動を開始する。

移動先は地上部隊の着地地点。

戦車が出てこない限り殲滅できるだろうし問題なし。

 

 

「ソフィア、メラゾフィス」

 

 

白に指差されて、私は考える。

いかんせん無虚空間より安全な場所はないしなー。

私が死ぬ可能性は考慮したくないけど、死んだら詰むよな。

それだけは避けたい。

 

 

よし。

ケレン領に預けよう。

シュンと転移して、ポイと二人を出して戻ってくる。

私が昔住んでたログハウスの中に入れてきたし大丈夫でしょ。

ケレン管理担当のプロテクトもそこに住んでるし、高速念話で話したからオールOK。

 

 

「私はこのことについて各国に伝えに行きます。

 最悪の事態は考慮せねばなりません」

 

 

そう言ってダスティンも帰って行った。

まあありがたい。

変に弱い人がここに残っていても巻き込んで殺してしまうかもしれないしね。

 

 

「あー嫌な予感がする-!

 どうして俺がこの役に-!」

「アンタら飛龍生命線だからね」

 

 

私たちに近づいてきた飛龍の主、ヒュバンは頭を抱えてる。

背中に白がくっついてるしアリエルには絞られてるしで大変そうだ。

ポティマスやアリエルも龍に乗る準備をしてるあたりみんな飛龍に乗っていくんだな?

 

 

「じゃ、我も龍になるとするか!」

 

 

いつの間にか離れていたゼルギズが腕伸ばしをするとともに、現れるのは巨大な炎の球体の渦。

え、何するつもりだこいつ。

地龍がモデルの龍は羽無いはずだし、なんで龍になるんだ?

響く轟音に、思わず皆が見つめていた。

 

 

「よし、この世界で龍化するのは初めてだったが、案外気持ちの良いものだな!」

 

 

現れたのは、体長20mはあろうかという、巨大な翼を生やし黒い溶岩を鱗として体を包んだバハムート。

いや、いや。

ちょっと待て。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「待って、どうして翼生やした。

 てか飛べないだろ」

 

 

昔のカタツムリ形態どこにいった。

今も甲羅はサドルみたいになって残ってるけど、翼とか角なんてもん生えてたらもはやカタツムリでもない。

あと大きさ負けてるヒュバンが固まってるだろ、飛龍の主可哀想。

 

 

「翼生やしたのは飛べると便利だからだ。

 まあ気流に煽られれば飛べないのだがな。

 だから無理やり飛ぶ。

 電脳にも聞いたが、ちゃんと安定して飛ぶにはバハムート体型でなくヒュバンのようなワイバーン体型でなければいけないようだ。

 だから少しインチキして一気に進んでいく。

 ヒュバン、お前らガン無視して飛ぶから努力しろ。

 気流は完全に掻き乱す」

「あー、やべーよこいつらまじやべーよ。

 しょうがねぇ、俺ら飛龍だからマジで気にせず飛べ!」

「我と電脳、青は優先して航空部隊を殲滅する、だからお前らは侵入最優先だ。

 白、バズーカの確認しとけ」

 

 

白は手に持ったバズーカをもう一度見る。

ポティマスお手製の、超威力バズーカ。

これでGフリートの壁を破壊して内部に侵入するみたいだ。

そしてコアを破壊してゲームセット。

 

 

よし、問題ないな!

 

 

「たく、貴様はとんでもないものを毎度見せてくれる。

 私はGメテオの破壊に行く。

 誰一人欠けずに帰ってこい」

 

 

ギュリがアリエルの頭に手を乗せる。

その手を静かに取って降ろすアリエル。

なんだコイツら、本当に愛し合ってるじゃないか。

絶対に全員生かしてやる。

 

 

「アンタも早く全て終わらせてね。

 Gフリートの後処理しなきゃいけないんだし」

「もう終わったつもりになってるのか……。

 まあいい、そんな気持ちで最後まで終わらせてくれ」

「ん、気をつけて」

 

 

アリエルと私の言葉を背に受けて転移していった。

よしGメテオは多分これで大丈夫。

あとはこちらの番だ。

 

 

「ポティマス、裏切るなよ」

「善処する」

 

 

いや善処ってなんだ、そこ誤魔化すな。

まあでも、ここで爆弾が落ちたら私の積み上げてきたものはパーか。

人類滅ぶし。

だから世界を救うために本気でやらなきゃ。

ゼルギズに乗ってGフリートを見定める。

私の、みんなの全力をかけて。

 

 

”豪火絢爛”ゴウカケンラン

 

 

ゼルギズが体表の溶岩を融解させたことで周囲に激しい気流が発生する。

これなら風を少しでも受けただけで空に打ち上げられる。

だけどお前ら飛龍だろ、ゼルギズの暴走にも耐えて頑張って飛んでくれ。

 

 

出撃しゅつげき!!』

 

 

吹き荒れる上昇気流のもと私たちは一気に空へ舞う。





ゼルギズの見た目がガキアからだいぶ変化しているのは、もともとあった龍に対してゼルギズが持っていた理想像と青や電脳の龍に対するイメージが無虚空間内で混ざり合った結果です。
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