バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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高評価、感想、誤字指摘よろしくお願いします。



124 vs機械円盤⑤ -戦闘機-

 

熱い。

夏で暑いなんてもんじゃない、本当に焼かれているような暑さだ。

私じゃなきゃ、アリエルでさえ焼け死んでいると思う。

それほどまでに熱い空気が私の周りをまとわりつく。

ああ、HP高速回復が無ければ間違いなく死んでいる。

 

 

『フハハ、敵にあらず!

 所詮人類が作ったもの、溶岩地龍を傷つけるには至れないのだ!』

 

 

私の下にいるこの熱の元凶が、嬉しそうに吠えている自称溶岩地龍ことゼルギズ・フェクトガキア。

コイツはマグマを軽く上回る体温で無理やり周りの空気を加熱し上昇気流に乗って飛行しているのだ。

もともと飛ぶのが下手だったからこうやって飛んでるんだけど、マジで気候が変わっちゃいそう。

後で無虚空間から引っ張り出すのでもよかったか?

 

 

直線的に飛ぶゼルギズに向かって放たれる戦闘機からの射撃を、空間機動の足場を作ったり熱の壁を作ったりして無理やり止める。

そして体温の上昇や低下を繰り返すことで周囲の気流を狂わせて墜落させる。

なんつーか、普通なら絶対にできない突破法。

案の定遠くにいる白が呆れ顔をしているのが見えるし。

 

 

『てかよく飛べてるな、ヒュバン。

 我結構激しく気流掻き乱してるから、ここでの飛行は無理になると思ったが』

『うん、結構やばいよ。

 竜はともかく龍たちもみんな戦ってるし、正直めちゃくちゃ飛ぶの上手いと思う』

 

 

だって戦闘機すら安定しては空気が読めずに墜落しうる環境なんだぞ?

その中で当たり前のように飛んでいて、なんなら戦闘機の射撃をアクロバット飛行で回避なんかもしているのだ。

今のゼルギズにはそんなこと絶対無理だし、しかも環境は戦闘機の結界によって魔法が不安定。

なんで当たり前のように飛べてんだ。

 

 

まー、私たちは戦闘機の殲滅が第一だから安定して数を減らしていくのが目的。

後でGフリートの中には入るつもりだけど、それは入り口開いてから後で入るんでいいからね。

今は白たちの道を切り開かねば。

 

 

『白たちに先行しろ!

 今はあいつら攻撃回避をしているから余裕があるはずだ!

 嵐天界を積み上げる!』

『は!?

 お前が言うんなら平気か!

 温度とスピード上げるから殻に掴まれ!』

 

 

温度を上げて、さらに上昇気流を加速。

鞍のようになった殻の上で嵐天界の準備をする。

魔力は結界を貫通しないけど爆風を結界内までぶつけてやる。

覚悟しろ戦闘機ども。

 

 

ゴォォォという爆音が耳を掠めていく。

それとともに落ちていく戦闘機。

ここら辺になると近づいた瞬間に融解するとか、もうとんでもない温度になってるんじゃないか。

こんな温度なら理論上はGフリート内でも好き勝手出来そう。

流石にコア融解とかはやる気しないけど。

 

 

 

 

 

航空班は、Gフリートのコアである爆弾をいち早く分離させて機能を停止させなければいけない。

もともと勝手に飛び上がったGフリートがいつ爆弾を落下させるかわからないからだ。

ギュリが殴ったところで爆弾は投下されないかもしれないし、ゼルギズが溶かしたところで投下されないかもしれない。

だけど逆に私たちが触れる前に投下してくる可能性だってあるし、今この瞬間に落とされるかもしれない。

どんなに優れた兵器であっても4000年前に生み出された古代兵器だ、必ずガタは来ている。

急がなきゃ。

 

 

だけど、急ぎすぎたから準備不足だった。

下を見ると、今この瞬間に竜が断末魔とともに戦闘機に撃ち落とされている。

ゼルギズによって生み出された強烈な空気の対流は、竜たちのSPを一気に削るのに十分なんだ。

中位や下位の竜たちは息切れした瞬間に射撃に撃ち落とされそのまま命を絶っていく。

そして上位の竜でさえ疲労が溜まれば戦闘機の鋭い連撃を避けることはできない。

竜たちは地上の蜘蛛部隊を守るために下の方で戦闘してもらっていたけど、このままでは全滅する。

より高い位置からの射撃を受ける弾除けとしか機能していない。

 

 

だからと言ってもう止まれない。

ゼルギズの乱気流は上層の戦闘機に十分有効だ。

白たちを送り届ける上で、上層の戦闘機を削ぐのは絶対条件。

しかも戦闘機は無限に湧き出てくるから、もう乱気流を止める隙もない。

止めたらやられてしまう。

だから下層の彼らにはただ粘ってもらうしかない。

くそ、まじで時間が足りなかった。

だから一刻でも早く終わらせる。

 

 

『よし、ぶっ放すぞ!

 ゼルギズ飛び続けろ!』

『わかったって、待て!?』

 

 

私は、ゼルギズから飛び降りて嵐天界を重ねる。

私の背中には天使のような白くて巨大な羽。

羽は上昇気流を受けて私ごと大きく空を舞う。

 

 

狙うは戦闘機の出撃口。

重ねる枚数は8枚。

少ないようだけどこれでも下手すれば天候が変わる。

それだけやばい魔法だし、龍以外はおそらく余波の気流にすら耐えられない。

 

 

標準を合わせる。

直径200mの魔法陣を寸分違わず整える。

そして私は全力で発射した。

 

 

『絡繰兵器に幸運あれ!

 ”旋星咆哮”エアログレイブ!!!

 

 

私の魔法は、途中でバリアで魔力が削がれ純粋な風のエネルギーだけになる。

だけどその風のエネルギーだけでも出撃口を破壊するのには十分だ。

私はゼルギズのもとへ降り立って静かに様子を見定める。

 

 

 

戦闘機を落としながら進むドリル状の旋風はいとも容易くGフリートに激突。

その力で、大きく凹む四角形の出撃口。

下側の半分はメコメコにしたせいで詰まったのか、出撃口で起きる爆発。

よし。

なんか爆発はしたけど戦闘機の出は遅くなったから結果オーライ。

 

 

 

 

 

 

次の瞬間だった。

Gフリートの副砲であろう小さな砲台たちが皆わずかに光り始める。

キュィィンという感じで、光の粒子が集まってる。

あ、待って、これ。

いけない。





結果的に火の車

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