バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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125 vs機械円盤⑥ -いのちvs機械-

Gフリートの底面の外周が、カッと光る。

ヤバい、来る。

光線だ。

 

 

『レーザー!

 ポティマス、説明をよこせ!』

 

 

念話で叫ぶと共に回避。

だけど外周から放たれる大量のレーザーは残った戦闘機ごと龍を無差別に爆撃する。

龍の数匹がそれを喰らって断末魔とともに墜落していく。

龍の身体を軽く貫通するレーザーとか、これゼルギズが喰らっても不味いかも。

当たりどころが悪けりゃ、一撃でお陀仏だ。

 

 

『戦闘機の放出が停止したことによる対抗措置だ。

 もともとこのGフリートは副砲も数百搭載されている。

 基本的には発動しないはずが、侵略モードから戦闘モードに切り替わったから機能しているようだな』

 

 

いや、ヤバいって。

私が動き出した時に言って欲しかった。

アンタ、星が壊れたら一緒に死ぬんだよ?

もっと焦ってくれ。

 

 

『だが主砲の周りはこれで危険がだいぶ減った。

 こっちは副砲もないし、主砲が発射されるのはわずかだが予備動作がある。

 アリエルの眷族の白いほう、主砲ごとそれで破壊しろ。

 そこから侵入する』

 

 

どうやら、ロケランで主砲ごと破壊して侵入する方針になったみたい。

だけど確かに理に適っている。

ロケランにそれだけのパワーがあればの話だけどね。

 

 

『ゼルギズ、私たちも主砲の方へ向かう!

 上昇気流を起こしてみんなを引き上げる!

 だから先行する』

『了解だ!

 問題なく送り届ける』

 

 

体温を下げ、上昇気流を弱める。

そのまま一気に滑空して白たちの前へ。

私たちの役目は主砲まで安全にみなを送り届けること。

再び体温を上げ、先行しながら上昇気流を生み出す。

これで私の下にいる白たちも登りやすくなったはずだ。     

 

 

龍の数も少し減って、副砲を避けるために結構な体力は使っちゃったけれど、無事こちらまで来れた龍も沢山いる。

ここならば集まって一気に進むことが出来る。

副砲の砲撃はここまで来ないし、戦闘機もだいぶ減ったし。

 

 

 

あれ。

でも、おかしくない?

だって、私が凹ませたとは言ってもまだ出撃口は空いてるわけで。

なんならめっちゃでかい出撃口だから平面のところもある。

だけど戦闘機はほとんど出るのをやめている。

流石に変じゃないか?

 

 

 

 

『全員退避!』

 

 

白の声が響く。

高速思考を無理やり加速して考えて、私はゼルギズから跳ぶ。

私の本気をぶつける。

 

 

ダメだ、主砲の発射は抑えられない。

遅くなった世界の中、私は手をかめはめ波の形にして突き出す。

しょうがないだろ、避けられなきゃみんな死ぬんだから。

不死が発動したとしても危ないやつなんだから。

無理はさせてもらう。

 

 

合わせた両手の間で魔術を構築して機械の結界を打ち消す。

それでもまだ足りない。

腕にレールガンのような磁場を帯びさせそれで無理やり魔力を捻じ曲げる。

捻じ曲がった魔力は、直線に進むのを妨害されたために強いエネルギーを生み出す。

私の体ですら破壊するほどに。

ああ、腕の皮が吹っ飛ぶ。

 

そのエネルギーを腕に帯びさせ、さらに天雷界を10cmまでに圧縮する。

そしてそれを30枚圧縮して1cmの厚さまで薄くする。

もうこんなにエネルギーが貯まった、これだけでも地球へ何往復出来るだろうか。

ヤバい、指が千切れる。

指が千切れたら暴発してしまう。

だけどみんなを守らなきゃ。

白を守らなきゃ。

私のことは神にでも祈る。

 

 

ダメ。

私も生きなきゃ。

私も、一緒に生きなきゃ。

私が生きることが、今は選択肢として合ってるはずだ。

後悔を残さないためには。

 

 

誰も殺させない。

私も死なない。

傲慢が、この世界の答えの筈だ。

 

 

”時空貫通”ワールドトラベル

 

レーザーが発射されたのと、私が指を緩めたのはほぼ同時。

指が吹き飛んでいくのを見ながら私から翼が剥がれていく。

 

 

ごめんね。

私は少し願ってみるよ。

レーザーは、任せろ。

 

 

 

Gフリートを見上げて、笑えた。

 

 

黄色い閃光は全てを貫いていく。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

馬鹿じゃねえか。

今お前は死んじゃいけない。

我は、瞬間的に移動した青に向かって飛び降りる。

翼を消し去って人の姿になって。

世界で一番大切で、貴重で、生きがいのある奴はおまえだったはずだ。

昔から変わっちゃいねぇ、お前は自覚しろ。

我は、レーザーの向かう先へ飛び降りる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

ヤバい。

青、急にワープして閃光を放ったと思ったらボロボロになって落ちていった。

わたしの目に映るレーザーの射線に飛び込む赤黒い龍と、レーザーの真ん中を無理やり切り開いていく細い閃光。

直後回避する前に裂かれたレーザーはわたしの周囲を包み込む。

細い光り輝くチューブのような中を、ヒュバンとわたしは飛んでいる。

なんだこれ。

私の前に起きているあまりの事態に状況が飲み込めない。

青は、無事か?

 

 

『ヒュウ!上手いことやりやがる!

 とりあえず今は先のこと考えろ!

 今ので主砲もなかなかなダメージ入ったはずだし、次の発射は修復含めても時間かかるぜ!

 例のもの取り出せ!』

『うん』

 

 

青とゼルギズはレーザーの中に飛び込んでいった。

2人の状況はわからないけど生きてることを考えるしかない。

青は不死を持っているし、ゼルギズはとんでもない耐久力を持っている。

だから生きてると願うしかない。

 

 

だよな、ヒュバン。

お前はすごいやつだ。

焼け死んだ龍がいるというのに。

大切な人を後回しにして今を生きれるなんてね。

ま、あいつも前世からの腐れ縁、生きてるに決まってる。

うん、生きてる。

 

 

なによりそんなセンチメンタル、わたしには似合わないか!

わたしの回りを覆っていたレーザーが切れると同時に、わたしは空納からロケランを取り出す。

いつの間にかだいぶ主砲に近づいていた。

後は撃ち放つだけだ。

 

 

 

 

狙いを定めて引き金を引く。

光り出すロケランに、わたしはヒュバンを蹴り飛ばして上に飛んだ。

 

ああ、とんでもないミスをしちゃったみたいだ。

今までの事のせいでついこれを作ったやつがポティマスであることを忘れていた。

 

 

これ、本体も爆発するやつだ!

 

 

放たれるロケランがあまりの衝撃に耐えられず自爆する。

強い爆発に身体が吹き飛ぶ。





死ぬわきゃない。
まだ生きたい。生きなきゃいけない。
未来のために。
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