バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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オリ設定、オリキャラがいます。
だが蜘蛛ですがなにかの原作と齟齬は起きてないはず。



131 平凡

目をパチリと開く。

そこに広がっていたのは、はるか昔にはあった気がする壁や天井、床の部屋。

今の中世的な感じは一切なくて、4000年前のあの時代のものにも見える。

あれ、てか私なんも考えずに起き上がったけどバキバキに砕かれてたはずなのになんで今五体満足でいれてるんだ?

手もあるし足もあるしでわからない。

 

 

「ああ、起きたか。

 お前が一番最初だな」

 

 

そんな声がして、振り向くとそこには椅子を回転させてこちらを見下ろしている青年がいた。

なんの特徴もない、ただの黄色い長髪を持つ青年。

僅かにポティマスに見た目が似てるから不快だ。

いや観察するような目も似てるし白い服も似ている部分がある。

なんだ、なんだ、なぜこんな嫌な感じがする。

 

 

「ま、まだ一人起きてないしもう少し待つべきか。

 ギラティナお茶」

「え」

 

 

まさかの放置。

いや私はどうすりゃいいんだ。

え、この部屋について物色していいのか?

 

 

「急に連れて来られて驚いているだろうからな、別に自由にしていていいぞ。

 しばらくいれば落ち着くはずだしな」

 

 

お、おう。

振り向かずにパソコンをカチカチと叩きながらそんなことをほざくソイツ。

謎の空間から出てきたお茶を飲んで、頭を手の後ろにやって椅子をガタガタと揺らしている。

なんか人を人として見てない感じで私の嫌なタイプ。

だけどそんなことはどうでもいい。

この場所が何かについて知るのが最優先だ。

 

 

「ここってどこですか?」

「地球の若葉姫色の家。

 とりまワレが動きたくないから連れてきた。

 みんな起きたらまたギンガ神核しんかくコアに移動していいかなとは思ってる。

 どうせこの部屋狭いしな」

「若葉姫色——」

 

 

私はその名を知っている。

白の前世での名前だ。

あれ、てことはここは違う星!?

うん確かにそうだ、なぜかスキルは発動してるのに星が違う。

なぜ、どういうことだ!?

 

 

「ときに女王、幸せとはなんだと思う」

「は、はぁ?」

 

 

なんだコイツ。

なんの紹介もなしに唐突に聞いてきた。

んだよ、変なやつ。

魔力も全くないのに私にビビらないし。

 

 

「わからない。

 ただ、私が思うにどんなに貧しい人でもお腹いっぱい食べられることかな。

 それなら他の色々なことも一気に解決するでしょ」

「そうか。

 確かにそれも一理ある。

 では絡繰、お前はどう思う」

 

 

は。

そんな言葉と共に私の隣に足から姿を現したクソ野郎。

え、マジでなにが起きてどうなって現れてる?

ホログラムみたいな感じで出てきたのにちゃんと実体はあるみたいだし。

ちょっとよくわからないことが起きてる。

 

 

「私が思うのは、夢を叶えることが幸せだということだ。

 それを否定する奴や妨害をする奴は自身の独断で排除して構わない」

「ほう、そんな考えは嫌いじゃない。

 ワレが主導して決めることでもないがな」

「てかどうしてそんなことを聞くの?」

 

 

猫かぶりしているポティマスに殺意を抑えながら私は思ったことを口にする。

幸せなんて人によって違うのになんで聞いたんだ。

聞いても無駄だろう。

 

 

「これからの会議での判断材料にする。

 会議とは言っても実際はこれからの予定決めだが。

 だけど一応星羅族スターウェイの奴にも傍聴してもらうからそのつもりで」

星羅族スターウェイってなんなのか教えてくれ」

「神の中の公務員の一族だよ。

 お前ら2人とも4000年前から生きてるから公務員って言葉は知ってるだろ。

 一言で言えば神対神の交渉及び取り決めを円滑に行うための団体さんさ」

 

 

うーむ、ポティマスがまだ猫かぶってることはともかくとして私ついていけんのかな?

神対神の会合ってことはサリエル様とかギュリエディストディエスとかがバッチバッチにやる会合ってことだよね。

間違いなく私ついていけないと思うんだけど。

 

 

「なお、この場に来てこの話を聞いた時点で参加することに対しての拒否権はない。

 なにより、というかどちらにしろお前らはあの星の未来を担っているのだろう。

 もちろんあの星の今後もかかってるんだから参加したいだろ」

 

 

そりゃまあ。

参加したいけど神様の会合だからヤバそうなんだよな。

ただもうそう言われたら参加せざるを得ないだろ。

 

 

「「参加する」」

「よし。

 彼女も準備が終わったようだし、そんな考えを持っているなら後腐れないだろう。

 ならばワレが言うことはない。

 じゃあ行くか」

 

 

そう口にした青年は立ち上がり、私たちの前で腕を組んだ。

そして一言。

 

 

「絡繰はともかく貴様もわからなかったのは残念だ。

 身体能力はワレの予想を上回っていたが魔力に関しては想定以下。

 つまらん」

 

 

そんな言葉を残されて、私はそのまま光の中に意識を失う。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

目を覚ますと私は立っていて目の前に円卓があった。

そして周りの様子はさっきの何もないように見える空間だ。

床が無ければ紫の謎の空間に浮かんでいると言えるだろう。

 

 

「やぁ、君たちが彼の言っていたお付きだね?

 とりあえず部屋の温度大丈夫?

 寒かったり暑かったりしない?」

「私がちゃんと設定してるのに、信用できないんですか?」

「いやなにいやなに、本人たちに聞くのがいちばんいーじゃん、ね?」

 

 

私とポティマスに話しかけて来たのは、私より少しだけ身長の高い赤と青の目のオッドアイの美少女。

いかにも好きな格好で来ているという感じで、オレンジのパーカー?に水色の半ズボンが映えている。

しかもその髪は金髪銀髪が混ざったような色で、快活というイメージを私にビシバシとぶつけてきて正直眩しい。

その言葉に聞いたことのある声が円卓の方から聞こえてきているけど、彼女はどこ吹く風で部屋がなんだとか言っている。

あと少なくともこの空間部屋ではないと思うんだけど。

うーんなんだったか、目の前の騒いでる短髪の少女よりそっちの声の方が気になる。

 

 

「ボクは全星羅族盟主スターウェイマスター全生命体共存管理者コズミックソウルラバーのキラ・ドルトンヘイア。軽くキラって呼んでね!

 あとあそこの女の子はDちゃんで一応君たちの星の管理者かな。

 ちなみに今日の会議も彼女の提案で開かれてるよ!

 かわいいかわいい彼女のお願いでボクも遠くから参上したってわけ!」

「私はリズムが乱されるので嫌いです。あと呼んでないです」

「いーじゃん、結局呼ぶんだしその手間省けたと思えばー」

 

 

そうか、Dだ。

青が電話していた相手。

さっきは電話越しだったけど、今の彼女の声は予想以上に澄んでいる。

わからん、なんだコイツ。

きみが悪い。

 

 

「お前——達も来たのか、とりあえず私の後ろに来い。

 席は無いから私の後ろに立っていろ、まだそっちの方が安全だ。

 あとキラ、茶化すのもいい加減にしろ」

「ちえー、おっけー。

 真面目は楽しくないよ?」

 

 

すでに座っていたらしいギュリエが、しっしと手でキラを払いのける。

ポティマスを見つけたのか思いっきりしかめ面をしたけど、すぐにその顔は元に戻った。

どうやらギュリエもギュリエなりにこの会議には思うところがあるみたい。

ただ私としてはれっきとした知り合いがいるだけで嬉しいけどね。

 

 

「じゃ、ワレは一人寂しく遠くの席まで歩くとするか。

 キラに近いのもヤダし」

「あー!?

 みんな酷くない!?

 私がせっかく来たんだよ、てか私がいなきゃ会議成り立たないんだからね!

 みんな女性は大事に扱うって学ばなかった!?」

「お前は特に強いじゃん、メンタル。

 あと猫かぶりは神には通用せんから。

 原生生物にはブッ刺さるかもだけど」

 

 

バシバシ机を両手で叩いてキラは抗議するけど、思いっきり無視して青年は離れた席まで歩いて座る。

同時に後ろからどうやってか現れる金と黒の色のドレスを着た女性。

一言も発さず、後ろにただ立っているから奇妙だ。

しかもなんか闇のオーラ放ってる気がする。

そんなことも気にせずに、笑いながらパンパンDを叩いたりしている時点でキラも相当な奴なんだろう。

 

 

「あと椅子は2つ」

 

 

ギュリエの隣に座る黄色い髪の美少女がそう静かに口を開く。

なんかこの子白にそっくりだ。

髪が青みたいに黄色くて、真っ赤な瞳孔が片目だけでも4つあることを除けば。

蜘蛛の体もないし。

 

 

「えーと、まだ来てないのはゼルギズ・フェクトガキアと青か。

 青はどうなるかわからないとして、もう一人の龍が来ないのはちょっとアレだねぇ。

 てかアルセウス彼って本当に龍?

 個体番号に存在しないんだけど、それってどういうことかなー?」

「一応未だ原生生物の扱いだろうが、一度見ればまあそう言ってられなくなる。

 お、来るぞ」

 

 

 

ア、ル、セ、ウ、ス?

待ってくれ青から聞いた話、あと私自身が直接聞いた話だと——。

思考を回そうとした瞬間、無虚空間のような割れ目が円卓の真ん中に開いて中から赤く輝いた鎧をつけた男がそのままドンと落下した。

そして木の素材の円卓の真ん中を真っ黒に焦がし、周りを見回して頭を抱える。

それを見て引きつった笑いをするD。

固まるギュリエディストディエス。

手を叩いて爆笑するアルセウスとキラ。

 

 

 

「あれ、我なんかやっちゃいました?」

 

 

 

三者三様の反応の中で、その男ゼルギズはいつものように呑気に口を開いた。

ああ変わらない、コイツはどんな時も変わらない。

なんかいろいろ緊張してたのが馬鹿馬鹿しい。

私ももうなんの考えもなしに大きなため息をついて言う。

 

 

「ああ、やった。

 やったよ」

 

 

本当に、やってくれてありがとう。




高評価、感想お願いします。


星羅族……神の中でも珍しい、繁殖をする明確な種族。神の中でも優れた記憶力を持つために交渉の傍聴などを頼まれることが多く、同時にそれを好む。ちなみに、古い慣習を重要視する穏健派と新しい可能性を探す急進派に分かれており絶賛派閥争い中。キラは急進派である。

キラ・ドルトンヘイア……全星羅族盟主兼全生命体共存管理者。肩書きの通り星羅族のトップであり、アルセウスに呼び出され快諾した。本人はどんな生命体でもパッと見は丁重に平等に扱う。年齢としてはDよりも幼く、過激な面も多々あるが様々な策を打ち出せる柔軟な面もある。
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