少し短いです
中層攻略で考えなきゃいけないことは幾つかある。
その中でも一番キツイのは、
「なんかおらん?」
「おらん」
食糧事情。
なんか、マグマックが増えたせいかほかの魔物を全然見ない。
蜘蛛の身体だからか飢えには強いけど、流石に疲れるくらい歩いてちゃんとした生物を見てないのは辛い。
「疲れた。青歩け」
「ヤダ」
「歩け」
「なんか上がりそうだしいいやん」
「それはそう」
「いいんか……」
下層では何も言わずに乗っけてくれていた白も、こんな感じでたまに話しかけてくるようになった。
会話の内容以上にヤバいのは、この会話が一日に何回も行われてること。
俺はまだマグマックをキャラとして知ってるから面白いけど、白にとってはただマグマとナメクジしかいない風景が延々と続いてるんだし、もう三日は何も食べてない。
そろそろ精神的にもマジでやばくなるのはわかる。
「サヤ、なんかいない?」
「見渡す限り何もいないわよ。洞窟で見渡すもなにもないけど」
「サヤはどういう感じ?」
「身体のサイズの関係かまだ問題はないわよ」
「うらやま」
サヤはサヤでずっと天井を歩いてる。
降りてくればいいのに。
このまま地面に落ちると落下ダメージ食らうんじゃないか。
知らんけど。
「てか、青もゆっくりしてないで歩いたら?」
「「電脳」あるしトレーニングはいいや」
「歩け」
「歩きなさい」
「はい、歩きます」
なんやこれ。
ちょっと前も歩くかの話はしたと思うんだけど。マグマック多すぎておかしくなったんか。
数が多いし、食糧も残ってないから仲間にすることも出来ない。
ただ邪魔でハイリスクノーリターン。
詐欺に注意!的な?
「あっ、でもタツノオトシゴいた!」
「「マジで?!」」
うーむ、でもなあ、いくら手に届きそうなところにいると言ってもアイツ火の玉撃つんだよなぁ。
でもほかに手段もないし、目の前にスタンバイして飛んでくるのを待つ。
来た!はっ!
エイムエイムエイム!はっ!
頑張れ白!はっ!
頑張れ!
はっ!っていってるけど俺は白にしがみついているだけ。
だってそりゃそうじゃん素。
早さ白より遅いんだから降りる意味ないでしょ。
頑張れ白!
負けるな白!
当たるな白!
たぶん当たったら二人まとめて消し炭になる!
「なんか糸撃てないの!?」
「はい!青、撃ちます!」
バシュッ!
いやこれはダメだわ。
マグマックの時もそうだったけど糸はすぐ燃えちゃうか。
まあいい。
「雷弾」!
ドンッ!
『エルローゲネラッシュ LV3
ステータス
HP:131/140(緑)』
微妙に火力低いなおい。
うん、でも火の玉にもMP使ってるぽいし、下の白に頑張ってもらってMPが切れるまで耐えて見ても良さそう。
まじ白頑張れ!多分当たったら灰も残らず燃えると思うから!
はいっ!ジャンプ!
よし!
あっそれは!
平気だったわ。
最後、避けて!
「よし、グッジョブ!」
「青なんかした?」
「いや、焼け石に水だし……。サヤだって何もしてないでしょ」
「ニート二人いると大変なんだけど?」
「すまん」
「……」
おいなんかしゃべれサヤ。
天井にいるけど聞こえてるだろお前。
えっと、MPはこれで切れたはず。
どうくる?頼むから初見殺し的な攻撃はしてこないでくれ。
ええ……。
安全地帯のはずのマグマから出てくんのお前。
俺たちのこと舐めてる?
遅いし。
「白、狩るか」
「さっきサボってたんだし触りたくもないから分け前もらいたい人は殴ってくれ。私は触れないようには動いてあげるから」
「はーい!!」
結局、白にとってはすごい遅い突進を避けながら、俺が雷弾をぶっ放しまくって勝った。
「なんでサヤ攻撃しないの?」
「さっきからなにもやってないじゃん」
「私はまだお腹は空いてないから。あと、色んなスキルレベル上げるためには私が手伝わない方がいいでしょ?育てとかないといざというときに詰むわよ」
だけどさ、それ俺たちと一緒に行動する意味なくない?
タツノオトシゴ美味いな。
モキュモキュと食べながら俺たちは話す。
てか、別にそれはそれでいいとしてもサヤはどこで食べるんだ?
タツノオトシゴ美味い。
「私は暇な時とかに移動して食べ物取ってくるから気にしなくていいわよ」
うわ。なんで聞いてないのにわかったんだよ。
テレパシーか?
「てか戦闘に参加しないのにいてもらわれると厄介な時もあるんだけど?一回わたし敵と見間違えてギョッとしたし」
「だから私はあくまで保険よ。常にちゃんと働くとか考えないでもらっていい?」
「でもプラマイゼロならともかく邪魔だからマイナスなんですが?」
「保険に入ってるか入ってないかで戦闘面にプラスな点はないんですかね?」
うわあ女子の言い合い怖い。
なんだお前ら。
その言い争いマジで無駄だからやめろ。
てゆーか怖いしサヤなんで保険とかわかるの?
俺そんなこと言ってたっけ?
「青もなんか言ってよ。戦わないのに居てもらうのは邪魔なだけでしょ」
「青、あなたは王なんだからちゃんと強くなりなさい。私のことはどうでもいいけどあなたは死んじゃいけないから、保険は必要でしょう」
あー、助けて。
「マジでどうでもいい。
いや、どうでもは良くないけど、マジで言い合いは止めろ。
心にデバフかけんな。
いざという時に悪影響を及ぼしたくない」
まあでも、少しは対処をしてやろう。
『サヤ、少し離れてくれないか?白の目に入らないところ。出来れば、そこで飯とか取っててくれていいから』
『わかったわ。助けられる位置にはいるから。あと「共生」は一応切っておくわね。私の生存に青の生存が関わるのは癪でしょう?白も嫌だろうし』
『いや』
『いいわね』
『えっ』
考えてるふりをして念話を使う。
サヤだけに伝えて。
あっ、行っちゃった。
でも遠くまでは行かないらしいし大丈夫かなぁ。
別に少し離れた所であまり関係ないでしょ。
「青、サヤは?念話使った?」
「使いました。なんでわかるんだよ」
「ずっと黙ってるし。うーん、まあいいや。上層への道探していこう」
「うん」
タツノオトシゴは、美味かった。
でも骨ばっかだったから、もっと柔らかいものを食べたいかも。
あーあ、なんでこんなに暑いんだろう。
リハビリタイム