バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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閑話です。



閑話 ゼルギズ・フェクトガキア 〜プロニートの1日〜

朝7時、白が目を覚ますと同時に我は無虚空間内で目を覚ます。

目を覚ましたら、家の外に出て陽の光を浴びながら朝のストレッチ。

無論無虚空間内での話である。

 

というのも、我はいくら地龍を名乗っているとは言え長期間光を浴びていないのはなかなかに精神に応えるのだ。青も光を浴びていないと結構簡単に病むとは言っていたし、我も光を浴びるのは大事だと思ったから電脳に頼んで仮想太陽を作ってもらった。

なんか青が色々地球でやり取りをしたらしく、特にここ最近で核廃棄物?というのを貰って来ていた時は電脳もすごいホクホクした顔を見せていた。我には危険だから近づくとはやめとけと釘刺されたが。

 

そして我はストレッチを終えてから電脳が仕事をしている筈の工場へ向かいインターホンで呼び出す。ストレッチを20分もかけてしているのだ、いくら我のエネルギー効率がいいとはいえ腹が減る。朝飯もまだ食ってないし食わねばならぬ。

 

「あ"ー、もう朝飯の時間か。オレ様も食ってないから今食うかな。

 外で青が飯作ってるしそれに色々加えるか。

 今日はなんかいるか、毒とか鋭利なものとか」

「うーむ、より強固なドラゴンになりたいからな、全部突っ込んでくれない?

 ちなみに献立ってなんだ」

「カレーらしい。米は貴重だからパン的な物が炭水化物枠だ」

「わかった。最近は毒に強くなって来て美味さを感じるから、好きなもんで良かった」

 

こんな話をインターホン越しにして少しすると作業着姿の電脳が出て来て小さなゲートのようなものを開けてくれる。今日は電脳も一緒に食うらしいが、たまにゴーグルをかけていたり装備していたりでそのまま帰っていく日もある。我が言うのもなんだがちゃんと飯は食って欲しいものだ。

 

外に置かれたテーブルのもと電脳が色々な毒物などを入れ、共に飯を食う。我はカレーが好きだからとても嬉しい。だがこんなパンみたいな薄い物は初めて見た、なんだこれは。

 

「これはなにだ?」

「なんだよ」

「だからなにって聞いている」

「んだからナンだよ」

「だからなんだ」

「ナンだって言ってるだろ!」

「なんだ貴様、その物言いは!」

「いや——」

 

紆余曲折あったがナンという食べ物だったようだ。後半は我もなんかも知れないと察した部分もあったが、引き返せなくなってしまった。

強情というのは罪だし毒だと思う。

まあお互いがなにを勘違いしていたかは理解できたし、結局は和解出来たから問題ないだろう。なんもかんもナンというよくわからん名前が悪い。味は良いからまた今度食いたいと思う。

 

 

 

飯を食い終わってからはテレビでエレテクトたちの撮った映像を見ながら内職をする。内職というのは、ただただ我自身の鎧を剥がして積み重ねていくこと。

どうやら電脳によれば、鎧は鎧を剥がすほどにより強固に、より美しさを増していくらしい。

我が目指しているのは完全に黒光りした、黒龍などとはレベルの違う美しい鎧、美しい鱗を持った龍なのだ。それになるためならこの作業は絶対に欠かせない。

鎧をある程度剥がしたらテレビの隣にある専用のゴミ箱に全て突っ込む。どこぞのく◯寿司のように突っ込んだらそのまま自動で電脳の工場まで送られるから、アイツも我の身体を素材として使える、WinWinだな。

 

 

 

そんなことをしていると午後になっている。

家の外が暑くなってくる頃だが、こんな時間になると電脳の方がインターホンを押してくる。お、今日も来た。

 

「いるかー?エネルギー源になれ」

「わかった、我に任せろ!」

 

そんな会話をしてから行くのは工場の最下層。エレベーターで降りて、小さな窓のついた小部屋に入る。ここは10000度でも耐えられる本当に丈夫な部屋で、天井にさまざまな機械がくっついている。上に直接タンクがあるらしいが、機械でも熱は吸収しているようだ。

 

「よーし、じゃあ頼む!いつも通り最高温度でいけー」

「任せろ!いつもの頼むな!」

 

体温をどんどん上げ身体の鎧を完全に溶かす。

身体は赤く光り、部屋の中はサウナのように超高温になる。

だが我はそんなことを気にも留めない。

 

電脳は我がこの部屋の中にいる間だけ知識を共有してくれるのだ。

だから我は頭の中でその知識を探り龍についてのイメージや情報を集めていく。神話とかサブカルあたりを特に見ているから、その知識なら青に負けないくらい知っていると思う。

 

「じゃあ終わりだー、帰れー。

 あと飯、夕飯な」

「サンキュー」

 

そんな会話を終え工場の目の前にある家に帰る。熱エネルギーになってる時間6時間近くあるから、工場出たら人工太陽もなくなってるんよな。

そして電脳からもらった飯を食いながらテレビ視聴。

どうせ流れる映像は大抵エレテクトたちが撮って来た星の風景とか人の暮らしぶりとかだが。

あー、青が地球に行った時はあの星のテレビの映像が映ったからまた見たい。真新しいものたくさん見れたしなー、あの時は。

 

飯も3食食えたし地球いいよなー。なんでこの星1日2食なんだろう、やっぱ食料少ないからか?

どちらにしろ外には出てないが。

 

電脳も電脳だ。

あいつ、1日1食しか食ってないよな。

日光もビタミンDが得られれば十分とか言って、全然光浴びないし。

 

 

うーむ。

そんなことを考えながら我はベッドに入る。

いつか、本物の美しき、強きドラゴンになるために。

 




読了ありがとうございます。
7月2日23時59分を過ぎたため、アンケートを締め切らせていただきました。

結果としてはリメイクを作るということに決定しましたが、僅差であったためこの小説は残させていただきます。

私もリメイクを書いて整理したいと考えていたのでご容赦ください。
少し時間はかかるかも知れませんがいずれ神化顕現祭の部分まで戻って来ます。

リメイクの第一話は7日までに上げさせていただきます。
これからもよろしくお願い致します。
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