バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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久しぶりです


136 神展開よくない、私も神だったわ

どうするかねぇ……。

私はGフリートを喰らいながら考える。

これからのことを考えると言ったはいいけど正直過去最高にこちらが不利だ。

いくら星羅族の法で縛ってたとしてDがガン無視して突っ走ったら終わりだからね。そうでなくても今の私がやってるようなことをDにされたら詰む。

それを考えると冥土の入れ知恵が怖いな。私の策略を行った上で冥土がどう動くかはこちらにとっても想定不能だけど。

 

「そういやお前、今大切なのってなんなんだ?」

「おおどうした電脳、もちろん白たちだよ」

 

それを聞いた電脳は一息ついてこちらに語りかける。

どうやらなにか物思いに耽ってたみたいだね。私もそういう時頻繁にあるからわかるよ。

 

「人間とか、今はどう思う?」

「大切な存在だよ。絶滅したら立ち直れないかも」

「はぁぁぁ。そうなったか。オレ様の精神がこうも元ネタから離れてきちまったか分かったわ」

 

 

もうそういうレベルじゃない気はするけど、電脳はまだやさしいんだなぁ。そんなことを思いながら彼の話の続きを促す。

残念ながら私はもう人を辞めてるからね。ヒトには敵対されなきゃなにがあってもよかったのですよ。

 

「オレ様のガワの元ネタは石神千空、お前が好きだった漫画の主人公だ。

 そいつは一度終わった世界を自身の知能、記憶力、計算能力で元に戻そうとした。それをお前は奴の第一印象として思っている。

 全人類救うという奴の馬鹿げた、それでいて美しい理想を歪んだ信条に変えてな」

 

ああ、歪んでいる。

彼の純粋な善意による目標を私は歪んだ自己防衛のための理由として採用した。

人間を殺さなければ人に敵意を向けられないという、ふざけた理由で。

 

 

「その心を受け継いで生まれたのがオレ様だ。

 だからオレ様は石神千空というガワで生まれながらその意志だけはガラクタの化け物になってる。

 はは、尊厳破壊としては100億%ネタでしかねぇな。

 ーーそしてお前は、今もそれを思ってる。

 もう一度聞こう。お前にとって人間は何だ?」

「獣の1種。いくら減ろうが増えようが構わない。

 例えば戦争が起きたとしても、私の大切な人が無事で、人類が絶滅しないのならそれもいい。

 どんなにゴミみたいな国が世界の中心になったりしても、大量の人が拷問や凌辱をされて死んだとしても、それを非人道的だと訴える気にはならない。

 だって獣だ。ウサギやイヌが殺されているような嫌な気持ちはあるけど、それは嫌なものを見たという気持ちであって不快感であって悲しみじゃない」

 

その点白はすごいよね。自身を大切にしてくれた人間側で戦争に走ったんだから。

いくら恩義があるとはいえ、そんな単純作業私はやりたくない。めんどくさいもん。

 

「ただ、さすがに絶滅しそうってなると話は別かな。

 今のところ数は少しずつ増やしてるし、正直普通の獣よりも多いから気にしていないけど、絶滅の危機に瀕したらちゃんと疲れてあげるつもり。

 そんなもんだよ、私の意志は」

「お前だな、やっぱり。

 オレ様もおまえだからそういうクズみたいな性格嫌嫌いじゃねーわ。

 まー、そのおかげで元ネタの一番のお魅力さんは吹っ飛んじまったんだけどな」

「魅力なんてもの人によって違うんだ。

 Dしかり白しかり、私しかり。

 それが神だよ」

「確かにな。だからこれは神展開で、盤上の上だ」

「頭痛が痛そうだね」

 

ケラケラと話しながら笑う壊れた私たちは、未来へと歩く。

食らい続ける。

寂しさに全てを破壊されないように大切な人だけを抱えて。

それに絡みついたものを、すべて引きちぎりながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

困った。

ポテチを食べる手を止めてメモ帳にいろいろ書きこんでみる。なんの予測も立ちはしないが。

手の打ちようがない。いや、考えれば打てる手はあるんだろうけれどあいにく今は思いついてない。

どうしようか。おそらく私が考えた作戦で青は星を作るはずだ。馬鹿げた理屈だけど、私が絶対手を出せない作戦。原生生物に関与できない限り私がそれを抑えることはできない。

ほんと馬鹿だ、彼女。

 

「だから面白い」

 

私も腹の虫を全力で動かして見せよう。

神の力のその一端、思い知るがいい。

そして思い知れ、井の中の蛙よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つーかお前、そもそも龍に勝てるのか?

 ギュリが呼び寄せたのはいいが、もしまけたら元も子もねぇ。

 負けたらこの星ごと全部パーだぞ」

「大丈夫。絶対に私は負けない」

「どうしてだ」

「みんな、元人間をなめすぎてる。

 そしてその怒りを負った人間の強さをなめすぎだ」

「そうは、あんまり思えねぇんだがな」

 

確かに私は勘違いしているのかもしていない。

案外龍が強くて、私はボコボコにされるのかもしれない。

そしたら、もう終わりだな。そんな運命だったと受け入れてあきらめてしまうのだろう。

けれど、残念ながら、本当に残念なことだけれど、これが私だ。

これが私の悲しい本質で、おそらく白も、Dも同じなんだろう。

ただリスクをどこまで考慮しているかの違いの、悲しき不死身のモンスターたちの空っぽな中身だ。

 

 

「とりあえずは、Gフリートを食うだけだな。

 それ以外のことは今度考えようぜ」

「確かに」

 

美しい荒野の中で、金属を削る鋭い音だけが響いていた。





蜘蛛ですが何かの二次創作、私はなんだかんだで最後まで残りたいですね。
生き証人になれたら。
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