ここまでのあらすじ。
白の同級生とも言える青が、神くらいの強さになったからDに喧嘩を売った。
こんな感じです。
完成はさせたいのでよろしくお願いします。
「これを乗り越えられるかな、彼ら」
「どうですかね、まあ大丈夫なんじゃないですか?
なんだかんだで彼のことです。」
「そうかねぇー。これ、私でもされたら詰みかねないけど。
ま、やってみるに越したことはないか!
スイッチオン!」
呆れ顔の冥土を他所に、ニヤけながらDはパソコンのdeleteキーを叩く。
それと同時に青の存在がこの世から消滅する。
「私を怒らせたのが悪い…‥なんていい草は好きじゃないけど、これを乗り越えられるか見せてみてよ。
人間の可能性を」
そういいながらも、それはポテトチップスを含みながら仕事へと取り掛かる。
「これなんとかなるんかねぇ……」
「なんとかするっきゃないでしょうが、神サマ」
暗い森の中目を覚まし、UFOを処理したオレ様たちは歩きながらも頭を抱えていた。もちろん理由はギュリにMAエネルギーを宇宙に放出させたから。よくよく考えたら、龍の群れに勝てるわけがない。
「うーむ、ゼルギズを24時間働かせたところで群れが来たら抑えられる気がしねぇ。
ワープ能力持ってるわけじゃねーしな。一応娘ども使えばできるからそこんところは気にしなくていいが」
「うむ、困ったら我がなんとかするぞ!」
「それが無理だから言ってんだよなぁ……」
「でも龍呼び寄せたのは?」
「オレ様です。すみませんでした」
どう考えてもゼッテー戦力が足りない。あの時のオレは何を思って呼び寄せたのか。こちとらバカ魔力だけ持ってるだけのガバガバ魔術師だぞ。魔力は補填されないから減るだけだし、いくら自然回復の量が多いといえどそれだけじゃこのバカ魔力の使用量は補填できない。
人より回復スピードが多いといえど生物の域を出てないんだ、物量で攻められればすぐに尽きる。
それになにか違和感を感じる。何がおかしいとか明確なことはわからないし、漠然とだが、なにかが足りない。
そもそもオレ様が主導でこんな馬鹿げた作戦は立てない。誰かに下手な干渉をされた?
ーーーーーー理屈がわからねぇから下手に動けないな。
「あー、なんもわかんねぇ。
とりま今この星に向かってる龍の処理しなきゃだな。高等魔術、『天体観測』」
うーんと下級の龍が3匹に上級の龍が1匹。おそらく本隊が来る前の偵察だな。ま、1匹以外はモブレベルの強さと認識しとこう。
低級の3匹はゼルギズに任せりゃいいか、いざとなりゃあギュリは戦力になるか?
いやならねぇな。アイツ確か龍の中でもさらに低級とか言ってた気がする。なんの地の利もねぇ素直なタイマンじゃおそらく下位の龍にすら勝てない。せいぜい弾除けにしかならないなら戦わせない方が合理的だ。
それに問題の上級の龍。このオレ様でも叩き潰せるかはわからない魔力量を秘めている。下手に魔力耐性でも持ってたら確実に殺される。そもそもこちらの情報が足りてるわけでもないし、なんなら殺される可能性の方が高い。
「ゼルギズ、体内で戦闘準備は整えてろ。
オレ様が上級のやつの処理をする」
「オッケー!予定通りだな!」
いや、ねぇな。
オレ様がこんな馬鹿げた作戦を立てるはずがないから、Dかなにかに仕組まれているだろう。
だがそれがなにかわからない、故に対処できない。厄介だ。
ともかく、アリエルがこちらになかなかドギツイ視線向けてるっていうことはこの世界ではなにかが変化したまま経過している。
ならばそれに従って行動しなきゃいけない。
はーぁ、強がりはしたけど上級のやつを処理できる自信はねぇ。だがやるっきゃねーからやるしかねぇ。白も何故かずっと考えてるし、マジでどうしようかな。
無虚空間にクイーンを万単位で入れときゃエネルギーの補填は大体出来る。自然回復じゃわけわからんほど足しにならないししゃあねぇなぁ。
強制的にMAエネルギー流し込んでサリエル叩き起こしたい。
落ち着け、怯むな。
オレ様は電脳。
最適解を追求する最強コンピュータだ。
どんな環境であろうとどうせならその名に恥じない、本気の戦闘をしてやる。
覚悟は出来た。
「行くぞ」
「おう!」
暗い森の中、ゼルギズと共に、オレ様は空へと飛び上がった。
「貴様は何を望む!!過去から何を学び、変えた!
虫ケラ風情が身の程を知れ」
宇宙空間で何故か響く声に顔を顰めながら、赤い龍から飛んでくるブレスを魔力をジェット噴射してギリギリで避ける。
うーむ、言ってることは老害の癖にステータスはあるからいかんせん厄介だ。
「あー、雑魚どもも離れるつもりはねぇか、めんどくせぇ」
「未来の芽を潰そうなんてことは感心しないな」
「そっちの未来はこっちの破滅なんでな、気にせず殺させていただく」
敢えて聞こえるように魔力の波を飛ばしても、反応がない。
まあ上位のやつの周りにいりゃ安全とでも思ってるんだろう。
それが狙ってるんだが。
龍が飛び回った後の空間が熱せられているのを確認してため息を吐きながら、ゼルギズに飛んでもらってその熱を離散させる。
それと同時に両腕にコイル状に電気を纏わせ、そのまま高速回転させる。
ゼルギズも体全体に炎を纏わせ、空気を無視して燃え上がる。
さっきまでいた星と自身がリンクして、MAエネルギーの流れが雷となって、炎となって落ち続ける。
まずいな、これ以上こっちのエネルギーが増えると星の表面が溶岩化する。くっそ、なんで龍より星が脆いんだよ。
オレ様は両腕を最も魔力量の多い龍に向け、層を成した魔法陣を龍まで展開し、
ゼルギズは燃え上がったまま龍へと突撃し、
『クロスボルト!!』
『クロスボルケーノ!!』
「ーーーッ!!」
雷と炎が空間における熱のキャパオーバーを引き起こすことで誘導させる、超火力殲滅魔術。
雷が超速で魔法陣を走り、それにゼルギズの炎が触れた。
発生する許容熱量の超過。
巨大な爆発と共にその中心では原子核が走り回り、壊され、物質がその最小単位まで破壊される。
問題点は、これを素で放てばこの星諸共消し炭になること。
だから同時に星全体を包み込むような巨大な防壁を展開し、オレ様は魔力を全て使い切る。
空中で浮遊するオレ様を急速に冷却しながら飛ぶゼルギズが抱き止め、その爆発に思わずドン引きする。
オレ様たちが選択したのは、大量の魔力を用いた超火力による殲滅。
魔力量がギリギリ勝っていても、魔力効率はおそらく長年生きてきているあっちの方が圧倒的にいい。
その上で、どう同格の相手を出来るだけ被害少なく叩き潰すか。
だから速攻を選んだ。
というかそれしかない、だって通用しなかったらジリ貧で死ぬからだ。
だが、爆発後の煙が晴れ、その龍はそれでも死ななかった。
他の龍3匹は跡形もなく消滅していたが、それだけは生き残っていた。
だが、両腕が消し飛び、脚も片方消し飛んでいて、翼も片側が消えていた。
明らかに致命傷だ。
だが、まだ生きている。
生きていれば、戦える。
部下は死んだが、自分はまだ生きている。
「ーーーせめて、」
龍の口から、熱の冷却のため動きを止めたゼルギズの腕の中にいる小さなそれに向かって魔法陣が層状に形成される。
そして口の中に溜められた極太の光の塊は、束となってーー、
「させねぇよ」
龍の背後から現れたそれによって頸を切られたことで、形を成すことはなかった。
「ってのを、毎日やります!
龍は多分毎日襲ってくるからな、しゃあない」
「「「死ぬつもり?」」」
その夜、キャンプファイヤーだというのにまずはガチギレした魔王に散々怒られて、次にゼルギズとソフィアにドン引きされながらも怒られた。
あの時は、体をふたつに分けて最初から一つだけと戦ってる様に見せた。
だからもう一つの体をオレ様と認識できずに奴も全力で抗ったんだろう。
ま、結局普通に首切って勝ったわけだが。
だが正直無理だ。
体の魔力も回復に一日かかるし、こんなの毎日はやっていられない。
いずれ、というか1週間以内にガタが来る。
だから原因解明だ。
こんな馬鹿げた計画を立てる原因を、オレ様は探し出す。