バキュム。
バキバキバキバキっ。バゴン!
ガガガガガガ!!!!
強い光を放ちながら、光り輝く粒子たちは潰れていく。
そして形を成していく、巨大な巨大な星。
そう、不可能は可能になる。
「凄まじいな、貴様」
「でしょ?」
ポティマスと私、ゼルギズは宇宙にいた。
星を作ると私たちが言ったら、見たいとポティマスがついてきたのだ。
やつも宇宙用のボディがあってびっくりしたけど考えればあそこまでの技術があれば持っているわな。
で、今それが出来ていくのをやつも含めて見ているわけだ。
私がポティマスの研究所で作った大量のダイヤモンドが押し固められて、自身の万有引力によって潰されて丸くなっていく。
私は、その間にもせっせとバチュルを出して星に放り投げる。
星にぶつけられたバチュルは接着剤のように潰されて、さらに熱を込められて原型をなくす。
そして、いつしかその体も炭素となって濁ったダイヤモンドと化す。
「こっからが本番。『無虚空間』!」
100mほどの星に、思いっきりバチュルをぶちまける。
もちろんこの空間は宇宙丸ごとをこの空間内に収められる体積は持っていないけれど、設定上無限だ。
だから、太陽系くらいは収められる体積がある。
ならば十分だ。
太陽系ほどの体積を持つバチュルたちの群れを、思いっきり星にぶちまける。
そして星の中心に、MAエネルギーを大量に保持した電脳をあらかじめ配置してある。
MAエネルギーは重力となりうる。
燃えながら星はバキリバキリと砕け、さらに新しいバチュルたちが補充されて固まる。
その上にさらに新しいバチュルが乗って、燃えて、固くなって、石になる。
うん、ちゃんと機能している。
「ほお、これが貴様の目的か。ふざけた生物だ」
「そそ」
うん、綺麗。
まだ手順があるからやらないと。
体内に溜め込んでいた機械を、1割ほどだけ放出する。
ボトボトと沈み込む金属が溶けているのを見ながら、次は宇宙産の龍の死体を数十体ほど投下。
それらも溶けて、沈んでいく。
よし、これくらいでいいだろうか。
「金属元素を入れたのか。そうでもしないと密度が終わった星になってしまうしな。
まあ、入れたところで焼石に水な気がするが」
「大きさ的に地球以上の大きさの球にはなるからね。
絶対に足りないんだけど、時間がないのも事実だから……」
そもそもそんなことを言ってしまったら完成までに数億年かかってしまう。
Dとのバトリは転生者が生きてるうちにやるのだからそんな時間はない。
そもそもあの星が滅びそうだし、数億年待ってたら。
「ほい。
これで星の形成はひとまず終了。
あとは冷やすだけだ」
いつの間にか電脳が隣にいた。
もう戻ってきたのか、大丈夫?
「平気だ。重力の元としてMAエネルギーを込めた神化石を中心に置いてきた。
これで星にそれなりの重力が生まれるから、あとは自動的に固まってくれる」
見ると、電脳が離れた後も相変わらずバチュルたちは星へと吸い込まれ、言葉通り固まっていっている。
確かに機能しているみたいだ。
それにポティマスも動いていない。
この星に突っ込まないあたりリスク管理できてるのか、昔よりも賢くなったんじゃない?
「お、じゃ、我の出番だな」
私の隣で腕を組み、傍観していたゼルギズが飛び出す。
体を数百メートルほどに巨大化させ、その体を星に横たわらせることで延焼性ガスを吸収し、その炎をゼルギズの体に燃え移らせる。
うん、不安だったけれど、ゆっくりと確かに星の燃焼力は弱まってきている気がする。
「もともとは星を冷やすためにゼルギズが冷却龍だったらよかったんだけどね。
冷却には鎮火するだけでもそれなりの意味があると思う」
「ほお。まあお前の星だからな、勝手にすればいい」
いや知ってるよ?
だけど、本当に冷却できたら一番いいんだけど、それが無理だから今燃焼性ガスだけ吸い取ってるわけで。
そもそもこの星炭素の割合がすごい高いんだから脆いんだよ、あんたが思ってる普通の星の作り方はできないの。
徐々に星が鎮火していく。
うん、改めて見ると大きさは地球の2倍くらいだろうか。
すごい大きいというわけではないけど、それなりの対処は必要だろう。
表面上の重力が地球にだいぶ近しいことだけは及第点かな。
「よし、できた。これから、この星を恒星の周りに周回させる。
これで完了だ」
「おい貴様、ドルトンヘイアとは話をつけたのか?
そうでなければ権利侵害になると思うが」
「もちろんしてるよ、そりゃやんなきゃ怒られるから。
もちろん恒星持ってる人にも許可はもらってるよ」
細マッチョのサウナが好きな男性神だったな。
なんで許してくれたのかはわからんけど、まあ許可くれたからよし。
ちゃんと星羅族も絡んでるから下手なことはできないしね。
「じゃあこれを無虚空間の中に突っ込んで、と。
空間内に残ってるバチュルもついでにくっつけながら行こう。
ゼルギズごと突っ込ませてもらうよ」
「そういえばなぜわざわざ宇宙でやったのだ?」
いやだって自分の中でやって変に爆発とかしたら怖いんじゃん。
一応電脳がシミュしてくれてるけど下手に大爆発とかしたら悲しいし。
空間内汚れたらそれ掃除するのは私なんだもん。
「クズいな」
「ブーメラン」
「「フッ」」
まあいい、完成はもうすぐだ。
「えいっ」
転移した私は、思いっきり星を蹴った。
それとともに起きる大爆発。
危な、もうちょっと冷えてなかったら普通にも脆くて内部から崩れ去ってるわ。
星はクレーターをこさえながらゆっくりと回り始め、そして止まる。
止まるたびに何回も蹴って、そのあと何回も電脳と一緒に微調整をして、なんとか自転と公転をさせることに成功した。
おしまいおしまい。
「おい待て」
なんだ、もう回してるぞ。
ちゃんと自転と公転してるから昼と夜はあるぞ。
四季?うーん、なさそう!
「おいおい、さっきまで作ってたのに対し軌道に載せるまでが雑すぎだろうが」
「いやだってこれで解決だもん、星作るまでの方が星回すよりも圧倒的に難しいし」
Dや冥土だって、実はバンバカ星を砕き壊してたりする。
思いっきり蹴って割れてない時点でまだ力不足だし、それでこんな一つの星のために苦労してるわけにはいかないのだ。
え、なんでDや冥土が星をバンバカ壊してったって?気分らしい。
罰せられるべきだろあいつら。
星羅族が真面目に働くようになったの、あいつらが暴れ回ったからじゃないかな……。
と、ともかく、これで星が生まれたわけだ。
ここからは今帰ってきたゼルギズと一緒に、生命の導入について考えたい。
どうしようかねぇ……。
「生命の追加、か。やっておけ。
今あの星には炭素と引火性の気体しかないが、生物の導入で新しい気体が代謝で産生される」
「ほお。そもそもなんで気体を産生した方がいいの?
新しい気体」
「バカが。気体でもなんでも、種類が増加した方が多様性が大きくなる。
そうなれば可能性はもっと広がっていく。
そうすれば研究の幅も広がるだろうが」
うーん、研究とかしてるのは私でなくて電脳なんだけどな……。
てかコイツそういやアリエルとか龍の改造とかもやってたわ。
それ考えたら生物実験とかについて私より詳しく知ってるのは当たり前か。
不快だけど正論だ。
「今回はコイツに従おう。
事実だし、実際多様性は増加した方が有用なものも増加してくるし、いずれ生物を住まわせるとしても多様化しやすくなる。
例え毒ができたとしても問題ない、酸素だって猛毒だ」
そうだなー。
それは事実、じゃあ適当に冷え切ったらぶち込むかー。
MAエネルギーを少し減らして今は冷やしとくんでいいかな。
「で、私の星はいつできる」
いやいやいや、あと10年くらいはこき使いますよ、エルフさん。
細マッチョのサウナが好きな男性神:今後出てくる予定はない。美しい……、これ以上の芸術作品は存在し得ないでしょう。
高評価、感想お願いします。
星。