バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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もう2人ともだいぶ強いんだよなぁ


18 並列意思

鰻が火の玉を吐いてくる。

それを予見で見ながら回避して雷槍で反撃する。

進化したからか、余裕がある。

 

だけど楽勝ってわけじゃなさそう。

思ったより白の黄色ゲージの消費が激しい。

しかも、俺の魔法も龍鱗のせいで威力が落ちている。

正直戦闘終了まで持つかはわからない。

 

鰻も鰻でこっちの動きを予想して撃ってきてるし、何より確率補正で当てようとしてくる。

こっちは予見と思考加速も使って気合いで避ける。

そして俺は雷槍をぶっ放して鰻を削り続ける。

 

正直、鰻もだいぶ追い詰められてるんだと思う。

当たり前のように火炎ブレスを放ってきてるし。

さすがに雷槍をくらい続けるのはまずいって気づいたのかな。

 

鰻のMPはまだ余裕がある。

それこそ火球なら何十発も打てるくらい。

対して俺の雷槍もまだ大量に発動できる。

長期戦になるのはわかるけど、サヤは呼び寄せても間に合わないくらいに離れてる。

 

白の体力だけが問題だ。

当たったら死ぬっていう状況で体力がないのは命取りになる。

 

 

 

 

ならやりたいことは決まった。

 

 

鰻のHPを先に削り切る。

 

「白、避けるのに専念!SPの消費を最小限に!」

「やってる!」

「担当二人とも回避に専念!俺が殴る!」

「「わかった!」」

 

 

 

だから、俺は本気でやってみる。

 

多分勝てる。

そんな計画を立ててきているからな!

 

『電脳!魔法の常時展開は可能か!』

『可能です』

『わかった!雷槍を打ち続ける!MPなんて気にしなくていい!』

『わかりました』

 

 

 

次の瞬間、大量の槍が魔法陣から構築される。

我ながらギルガメッシュみたいだ。

 

《熟練度が一定に達しました。『並列思考Lv5』が『並列思考Lv6』にレベルアップしました》

《熟練度が一定に達しました。『並列思考Lv6』が『並列思考Lv7』にレベルアップしました》

《熟練度が一定に達しました。『並列思考Lv7』が『並列思考Lv8』にレベルアップしました》

 

勢いでどんどんレベル上がった。

正直嬉しい。

でも今はそれどころじゃない!

 

「影縫い!」

影魔法。レベル4では影の変形。レベル5で影の固形化。そしてレベル6で影の操作。

これはやっと使えるようになった影攻撃。威力も低いし攻撃力も低い。

ただし、面白いことが出来る。

 

次の瞬間、作り出した矢が勢いよく飛ぶ。

そのまま方向を転回して鰻を囲む。

 

「ゴー!」

 

そしてそのほとんどが鰻に突き刺さった。

うん、ほとんど効いてないね。

でも面白いのはここから。

 

「黒鞭!」

 

叫ぶと、影の矢の尾から細長い糸のようなものが飛び出す。

同時に現実でも糸が構成される。

そのまま地面の影と交わって、テントのように鰻が固定された。

 

これが影縫いの真骨頂。影の実現化。

 

電脳に聞いたら、研究を行なってくれた。

いわくこれは生み出されたスキルのバグ技らしい。

 

影の矢を当てると、現実のものに傷がつく。

その原理を応用して現実に影を具現化させてしまったのだ。

万能糸のスキルがないと作ることも出来ないみたいだけど。

 

影から作ってるから、もちろん火では燃えない。

そのかわり持続時間も短いし力にも弱いけどね。

でも鰻は騙されてくれた。

 

 

鰻が炎を纏う。

もちろん、糸を断ち切るために。

火には燃えない糸を。

 

これで、今までの火球でよっぽど削れてるはずの鰻のMPとSPをさらに削れる。

同時に俺は第二陣の影縫いを発射。

 

無限(エンドレス)電槍群(サンダースピア)!」

 

《熟練度が一定に達しました。『並列思考Lv8』が『並列思考Lv9』にレベルアップしました》

 

その間にも、電脳が同時作成した槍を一気に飛ばし続ける。

大量の槍が鰻に突き刺ささった。

 

鰻が暴れて黒鞭が剥がされていく。

でもまだ火は関係ないことに気づいてない。

もうMPが切れるけど、いいのか?鰻。

 

鰻は暴れてこちらに火炎ブレスを吐いていく。

それを白はギリギリ、でも確かに避けていく。

 

鰻は雷槍を受けきれてない。

ちょうど雷耐性を獲得したみたいだけど、この攻撃は抑えきれない。

 

 

 

鰻の体力ゲージは一気に減っていく。

これなら、あと数秒で落ちる。

俺たちの勝ちだ。

 

 

 

「だめだ!」

「きつい!」

白2人が叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

そして、切れた。

()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

その瞬間、全ての槍が消滅する。

全ての魔法陣と共に消えてゆく。

 

 

 

この瞬間を鰻は見逃してくれなかった。

予見で、地面を薙ぎ払うように最後の火炎ブレスを吐こうとしているのが見えた。

あと数発。体力、15。

削れなかった。

俺も鰻もMPはもうない。

白は、もうほとんど動けない。

 

油断していた。

この世界で起きた出来事が走馬灯のように頭をよぎる。

進化したから、余裕で勝てると思っていた。

これがこのザマだ。我ながら恥ずかしい。

でも、恥じたってなんとかなるわけじゃない。

 

 

もう正気で考えたらうつ手はない。

 

 

だから俺は賭けに出た。

 

『電脳、後は頼んだ』

『わかりました』

 

《熟練度が一定に達しました。『並列思考Lv9』が『並列思考Lv10』にレベルアップしました》

《『並列思考Lv10』が『並列意思Lv1』に進化しました》

《魂を分離します》

 

 

 

そして、俺は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()

 

 

 

《魂が崩壊します》

《スキルを還元します》

《電脳により拒否されました》

《ステータスを還元します》

《電脳により拒否されました》

《称号を還元します》

《電脳により拒否されました》

《スキルポイントを還元します》

《電脳により拒否されました》

《経験値を還元します》

《電脳により拒否されました》

 

 

『魂の再構成を行います』

『失敗しました』

『措置を行います』

『成功しました』

『電脳により、並列意思が捕食されました』

 

 

 

 

コンマ1秒、それは動き出した。

 

 

 

 

 

『あー、もういい。どんな手段を使ったとしても、100億パーセントアイツは生き残らせるぜ』

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