バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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19 鰻、決着

啖呵を切った以上、オレ様に負けることは許されていない。

ならば、切り札を切ってでも安全に勝つべきか。

 

 

勝ち方は2通りある。

Dに完全にバレるであろうやり方と、Dには怪しまれるかもしれないというやり方。

流石にバレないという可能性があった方がいいか。

 

 

『白。共生を利用してMPとSPを共有する。タイミングを見て跳びやがれ』

『!!』

 

 

念話じゃ情報伝達が間に合わない。

直接脳に情報を送る。

 

 

『出来た。跳べ!』

 

 

 

 

白がしっかり跳んだのを見て、オレ様は鰻に雷槍を数発撃ち込んだ。

 

 

《経験値が一定に達しました。個体、ラグ・ロアがLV1からLV2になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。『HP吸収LV9』が『HP吸収LV10』にレベルアップしました》

《『HP吸収Lv10』が『HP大吸収Lv1』に進化しました》

《熟練度が一定に達しました。『火耐性LV1』が『火耐性LV2』にレベルアップしました》

《スキルポイントを入手しました》

 

 

 

《経験値が一定に達しました。個体、ラグ・ロアがLV2からLV3になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。『破壊強化LV2』が『破壊強化LV3』にレベルアップしました》

《熟練度が一定に達しました。『命中LV8』が『命中LV9』にレベルアップしました》

《スキルポイントを入手しました》

 

 

 

そして鰻はズンと地響きをたてながら地面に沈んだ。

 

 

ここからどうする。

無事勝った。

だが、その代わりにDにバレている確率は大幅に高まっている。

ここまできたら白がどう行動しても関係ないだろう。

ならオレ様から行動するべきか。

 

 

『落ち着いて聞け。白。初めて会ったな』

 

正直言っても言わなくても同じだろうが、念のために言っておくことにした。

 

『並列意思が感情を持った。あと並列意思が電脳を使ってるだけだ』

 

実際は逆なんだが、別にこう言っても齟齬はないだろう。

 

『わかった。青は?』

『いまは並列意思を発動したショックで意識を飛ばされた。じきに目を覚ます』

『無事なの?』

『無事だろう』

『本当に?』

『ああ』

『ちょっと、青が起きるまで待とう』

 

 

なかなか愛されてるじゃねえか。

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

私は夢を見た。

地球で暮らしている夢だ。

 

 

今までに体験されたことが一度に思い出される。

悲しみ。喜び。怒り。

そして、懐かしい全てのものが私の記憶の中に強く突き刺さった。

 

 

ああ、私、私として生きてきてなかったんだ。

抜け殻だったんだね。

寂しいな。

 

ーーーーーーーーー

 

 

「おはよう」

「青!大丈夫!?なんか魂崩壊したらしいんだけど!?生きてる!?意識ある!?」

「あるある。喋ってんだから大丈夫だよ」

 

 

「よかった。マジでよかった」

『まあ無事なら良い。問題なく思考はあるんだな?

 

 

『誰だお前!?』

『電脳だ。並列思考はもらったが許して欲しい。そうしなければお前は少なくとも廃人、最悪死んでしまっていた』

『わかった。私を助けようとしてくれたんでしょ。ありがとうね』

 

 

『だが、お前にはだいぶ迷惑をかけることになる。魂が損傷しているうえ、人格も変わっちまったぽいからな』

『大丈夫。今のところおかしなところはなにもないし』

『少なくとも注意力は低下してそうなんだが』

『まあ、大丈夫でしょ』

 

 

電脳が溜息を吐くのが聞こえる。

気にしてるのかな。

この後はどうしよう。

 

 

「「じゃあ、鰻食べよ!」」

「そうだね。食べないともったいない」

「うん、食べよう!」

 

 

 

 

凄く美味しかった。

ギャラドスよりも肉が柔らかい。

それこそ地球の鰻みたいだ。

問題なのは。

 

 

 

『そんなことがあったのね』

『アンタのいない間だけだけどな』

『別にいいでしょう?少し出かけても』

 

 

 

サヤと白、2人が喧嘩してる。

別にいいんじゃないの?

生き残ったんだし。

 

 

そもそもサヤがどうであろうと私たちのやることは変わらないんだから。

サヤは食べ物の面でも私たちのを奪っているわけじゃないんだしね。

そんなにどうこういう事じゃなくない?

 

 

『やっぱオレ様が見ておいた方が良さそうだな。知能退行してないか?』

『なんてことをいうのさ。私は正常だよ』

『その発言が正常じゃないんだがな』

 

 

あの後、2人をなだめるのに体感1時間かかった。

 

 

ーーーーーーーー

 

ある空間。

 

 

アルセウスは画面を見つめていた。

それに対して、Dは机に向かって仕事をしている。

Dの隣には、監視するようにメイド姿の女性が立っていた。

 

 

「なにが起きているんですか?」

「ワレに聞くな。あれが最適解なのだろう。こちらが口出しすることではないわ。そもそもお前は聞かなくてもなにが起きているのかはわかるだろう」

「スキルに並列意思を譲渡するのは流石に考えてませんでしたね。スキルの心を読み取るツールも作るべきでしょうか」

「作れるのなら作れば良いのではないか?この世界はあくまでお前のものなのだから、知りたければ作れば良いだろう」

 

 

「冥土、コイツは忙しいのか?」

「はい。まだまだたくさん仕事が残っています。いくらかアルセウス様に処理して頂いたのに、この馬鹿はまた仕事を溜めたのです」

「まあそうだな、頑張れ」

「ひどくないですか?」

「さあな。仕事を溜めた方が悪い」

 

 

 

アルセウスは画面に向き直り、思わぬ成長にほくそ笑む。




電脳のイメージは、dr.stoneの石神千空とグラブルのカリオストロ(カリおっさん)を組み合わせたようなかんじです。

声はガッチガチの青年ボイス。石神千空に近いかも。
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