なにも見なかった。
マザーとグラードンのマジバトルなんて見てない。
マグマを被ってるマザーなんて見てない。
嗚呼、異世界は恐ろしい。
生まれて初めて会った、最強の蜘蛛。
それは私自身の母さんだった。
これがトップレベルの存在だと思っていた。
だけど、そのマザーがグラードンに対して防戦一方だった。
異世界の魔物の強さがわからない。
まあ、そのグラードンが放たれた原因が私っていう可能性もあるんだけど。
ウダウダ考えるのはやめよう。
だって、こんなのが出てくるんだし。
鰻。
なんだお前、こっちが考えてる時ばっかに出てくるな。
前は勝てたけど、色々犠牲にしたっぽいしなあ。
今回はなにも失いたくないので、穏便に済ませません?
ステータス私が勝ってるし。
でも私の期待とは逆に、鰻は火球を放ってくる。
あ、鑑定したし襲ってくるの当たり前か。
ある程度余裕を持って避ける。
ん?なんで余裕あるの?
『鰻の方に麻痺が入ってる。麻痺の邪眼だな。じきに動けなくなるぞ』
実際、その言葉が言い終わられる前に、鰻は完全に動けなくなった。
その隙に雷魔法をバンバン撃ち込んで鰻を倒す。
白は完全に他のこと考えてるっぽいし、舐めプが凄い。
《経験値が一定に達しました。個体、ラグ・ロアがLV3からLV4になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《熟練度が一定に達しました。『思考加速LV5』が『思考加速LV6』にレベルアップしました》
《熟練度が一定に達しました。『空間魔法LV3』が『空間魔法LV4』にレベルアップしました》
《スキルポイントを入手しました》
てか、麻痺の邪眼強すぎない?
『ある程度ステータス準拠だし、エレテクトには無効だ。あと黙って欲しいが』
『え?』
次の瞬間、白の思考が流れ込んでくる。
あれ、私覗き見してるの?
ねえ、鑑定がやっとLV10になったんだけど、なにもないの?D。流石に魔法くらいは撃てるようになりたいんだけど。
鑑定の強化版。例えば叡智みたいなスキル、あってもいいかなーって、思わない?
『ねえ、なに言ってるの?』
『Dを揺すってるな』
『いや、無理でしょ』
『そうか?でもDだぞ』
『いや、逆にDだから無理なんでしょ』
《ザ、……ザー、…ザ、ザー、ザー、……》
え?
《ザー、要請、ザー、…上位管理者権限かく、ザー、……》
《ザー、…理者サリ………ザー、…却下、ザー》
アイツ、やりやがった。本当に。Dを、動かしやがった。
《ザー、ピン!》
機械音が鋭く響いて、
《要請を上位管理者Dが受諾しました》
《スキル『叡智』を構築中です》
《構築が完了しました》
《条件を満たしました。スキル『叡智』を獲得しました》
《『鑑定LV10』が『叡智』に統合されました》
《『探知LV10』が『叡智』に統合されました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV7』が『禁忌LV8』になりました》
《条件を満たしました。称号『叡智の支配者』を獲得しました》
《称号『叡智の支配者』の効果により、スキル『魔導の極み』『星魔』を獲得しました》
《『MP回復速度LV4』が『魔導の極み』に統合されました》
《『MP消費緩和LV3』が『魔導の極み』に統合されました》
《『魔量LV9』が『星魔』に統合されました》
《『護法LV4』が『星魔』に統合されました》
沈黙した。
本当に、本当にやりやがった。
『いいサンプルになった。正直マジで受諾するとは思ってなかったが。オレ様が鰻を回収してやるからお前は白と話してろ』
『あ、うん』
「ねえ、青?鑑定していい?」
「いいけど?」
「鑑定!」
「変化なくね?」
『そりゃあそうだろうな。叡智の効果は知覚範囲全てでの鑑定。あくまで鑑定範囲が広がるだけだ。もう既に知ってればそれ以上の情報は出てこねぇさ』
「電脳!?なに言ってくれてんの!?青びっくりさせるつもりだったんだけど!」
『まあ、さっき覗き見してたしな。オレ様主体で』
「マジ?」
「マジです」
「はぁー、で、これ平気なの?」
「なにが?」
『そりゃスキル急に作られたら不安になるだろ』
「電脳、どう思う?」
私、戦力外?
いいもん。
取得可能なスキル見るし。
『まあ問題ないだろ。死んで欲しかったらあのD様がスキル作るわきゃねーに決まってる。せいぜい生き残れ蜘蛛風情がっていう励ましだよ』
「酷くない?全部が」
あ、取得出来るスキル色々ある。
しかもスキルポイント0で。
えっと、どれどれ?
取得出来るのは、えっと?
《現在所持スキルポイントは2000です。
スキル『瞬間速度強化LV1』『不意撃LV1』『魔連斬LV6』『範囲電撃LV6』をスキルポイント0使用して取得可能です。
取得しますか?》
強くないか?
じゃあ、全部取得!
ゴー!
《『瞬間速度強化LV1』『不意撃LV1』『魔連斬LV6』『範囲電撃LV6』を取得しました。残りスキルポイント2000です》
《『魔連斬LV6』『斬撃強化LV2』が『魔連斬LV6』に統合されました。熟練度が一定に達しました。『魔王斬LV1』を獲得しました》
《『範囲電撃LV6』が『雷魔法LV6』に統合されました。熟練度が一定に達しました。『雷光魔法LV1』を獲得しました》
《『不意撃LV1』が『影魔法LV6』に統合されました。熟練度が一定に達しました。『闇魔法LV1』を獲得しました》
おい。超強化入ったんだが?
電脳。
『あー、すまんすまん。思ったより優しくてよかった。いい方向に想定外だったな』
『私の方だけ雑じゃない?』
『いや、マジでよかった。下手なドーピングをしたら禁忌が上がるかなって理由でやめてただけだ』
『ああ、そう』
『あと、統合するとスキル消滅するかなってな』
『うん。消滅してる』
『わかってる。終わったことだし結果オーライだろ。
最高だな』
うん。本当によかった。
物語、微妙なところで切れてしまった。
瞬間速度強化は高速移動、魔連斬はきりさく、不意撃はふいうち、範囲電撃は放電から取ってます。
強くなりすぎかもしれんけど、他の魔物も強くなってるし……(墓穴)。