バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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タイトルナンバー9と10の内容が関係します。読んでいない方は読んでいただけると光栄です。

9の最後の部分と、10の称号の部分です


25 魔王、飛来

そうやって外道無効を獲得して数日。

私たちは中層を少しずつ進んでいた。

 

そして今。

最悪のことが起きている。

 

『今はどこに向かってる!?』

『道が入り組んでいる方。逆向き側』

『わかった。ありがとう』

 

 

 

 

 

私は一人、中層を歩く。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

事の発端は子供たちからの念話だった。

 

『母さん!』

『何があった、娘よ』

『女が飛んできた!』

『え?』

 

 

『ああ、そう言うことか。ありがとう』

 

 

 

私は通話を切り、ため息をつく。

 

『電脳、どういうことだと思う?』

『あくまで推測だが、厳しい現実を突きつけていいか?』

『うん。電脳が言うってことは多分そうなんだよね』

 

 

 

 

『『オリジンがきた』』

 

 

 

 

 

「白、別れの時だね」

「どう言うこと?ちょっとまって!」

 

白は引き止めようとしてくれる。

だから私は、彼女から離れる。

 

 

「オリジンが来た。私を捕食したがってるオリジンだ」

 

お尻から糸を放つ。

素早く、確実に。

ほどけるように白の脚に結びつける。

 

 

 

そして私は、彼女が見えなくなるまで走り続けた。

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

そして今に至っている。

私は探知と電脳をフルで働かせて、それに子供たちからの目撃情報を組み合わせていく。

 

すると、一つの解にたどり着いた。

 

 

クイーン四天王の方に進んでる。

どういうことだ?

 

ちなみにクイーン四天王は、マザーにくっついていた4匹のバチュルだ。

それぞれにアナ、アニ、アネ、アノと名前がついている。

 

『アナ、今はどう言う状態?』

『特にここ数日は変わりがありません。クイーンタラテクトが瀕死ということも変わらないです』

『待って。マザー生きてた?』

『生きてましたよ。腕が2本完全に吹き飛んでいて、体も一部無くなってる。だいぶ重症だとは思いますが』

 

 

じゃあマザーに関係することが最優先事項。

ついでに私を殺しに来たって感じなのかな。

 

 

最悪から遠のいたように見えて実は変わらない。

オリジンにとって、私は片手間でも十分殺せるから。

 

 

しかももう人の姿になっていると言うことは、オリジンの最終進化まで辿り着いているということだ。

そんな奴にまだギャラドスにも一人で勝てない私が勝てるわけがない。

まずい。

出くわしたら本当に死ぬ。

 

 

『とりあえず4人で下層に飛び降りて』

『待ってください。何があったんですか?』

 

『クイーンに向かう上位存在が現れた。おそらくオリジンだと思う』

『勝てないですかね』

『無理だ。もう人の姿をしてるってことは、強さがおかしいっていうことだし。逃げてほしい』

『わかりました』

 

 

 

『おい、電脳だ。お前ら、クイーンにはバレてるのか?』

『バレてます』

 

マジか。

だからといって何も言えはしないけど。

 

『今クイーンには意識はあるのか?』

『ありません。仮死状態で昏睡中です』

『何日前から意識はないんだ?』

『4日前です。その時、クイーンは中層に行って見るも無残な姿で帰ってきました』

 

 

見るも無残って最近言わないよね。

 

『その後、緊張状態から解放されたのかすぐに意識を失い今の状態に至ります』

『今の状況はよーくわかった。

 中層への道はわかってるか?』

『クイーンでもこんな状態なんですけど中層に向かいますか?』

『大丈夫だ。

 アイツが死にかけなのはグラードンが原因だ。

 襲われていた様子を見ていたが自分からは襲いかかってこない』

『攻撃されたら仕返してくるってことですか?』

『そうだ。中層と下層への抜け道は連結してる。

 飛び降りれば下層にそのまま行けるから、火耐性がなくても問題ない。

 だから飛び降りろ』

『わかりました』

 

 

 

これでクイーン四天王に対しての警告は終わった。

 

 

 

 

 

あとは、私が逃げ延びるだけだ。

 

 

 

 

娘たちの情報と、電脳が私の記憶から生み出したエルロー大迷宮の地図を用いてオリジンの位置を特定し続ける。

 

『電脳、私を生き残らせるために最善を尽くして』

『もちろんだ。

 本気出すぞ』

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

よくわからない蜘蛛が何匹かいる。

私は一匹だけ優しく捕まえて、鑑定を行う。

 

 

 

スキルが多い。

ステータスはこんなに低いのに。

なんだこの虫は。

 

わけがわからない。

 

うっ。

鑑定を逆に行われた。

こちらは鑑定を阻害できる。だから、情報は伝わらない。

 

私は、Dに課せられた約束を思い出す。

 

『この出来事の元凶を、殺してはならない』

だったか。

 

おそらく、この出来事の元凶は世界を裏から見て笑っているのだろう。

腹が立つ。

悔しい。

 

 

でも、同時にこの世界には存在するとはわかっている。

どんな怪物なのだろう。

少なくともレックウザ、そしてクイーンを襲った魔物を従えている。

 

そんな怪物に、私は勝てるのか?

 

私はアースエレテクトという魔物を、地面に投げ捨てる。

 

 

 

 

 

わかった。

わかってしまった。

 

中層にいる。

確かにその怪物は中層にいる。

私のオリジンが疼きだした。

スキルなのに、ゾクゾクする。

なんだろう、この興奮は。

 

行こう。中層に。




グラードン……でかいゴジラ。めちゃくちゃ熱を持っていて熱いのに炎属性はついていない。
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