バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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答え合わせかも


38 管理者

鰻たちは全て食い尽くした。

もったいないし。

 

そして、余ったHPで賢姫を使ってマグマックたちを十数匹確保した。

やるべき仕事があるからね。

 

 

で、今は中層を歩いてる。

白は上層で暴れ回ってるみたい。

 

別に上層だし死なないよね。ほっとこう。

 

 

『空間が歪んだ。来るな』

『え?なにが?』

『神話だ』

 

私もやっと理解した。

直感だけどこれは転移だ。

誰かが来ようとしてる。

電脳が言うことを考えると禁忌の関係者?

 

すると今の私に抵抗は難しい。

まず戦って勝てない。

 

魔王すらも転移は使ってきてない。

だと最悪魔王以上の実力者となる。

 

誰だ。

狙いは私のはず。

じゃなきゃここにわざわざ転移しに来ない。

 

一年ほどでここまで強くなった私に警戒を示したか?

それとも、一定のなにかを満たしたからか?

私は身構える。

戦うためじゃなく、逃げる為の体勢で。

 

最悪、D本人、またはアルセウスが出てくるかもしれない。

すると運だ。

 

でもいい。

生き残るんだ。

 

 

 

出てきたのは1人の男だった。

黒い鱗に身体を包まれた、黒い服を着た男。

ただただ黒い。

 

その目には疲れの色がはっきりと映っている。

 

私はこの男について知っていた。

なにも思い出せないのに、なにもわからないのに、知っている気がする。

 

 

 

「@@@@@@@@」

 

すまん。またか。

 

あいにく私は異世界語がわからない。

電脳に魔王との会話を調べてもらったりもしたけど、ほとんど不明。

途中からアルセウスが全翻訳しちゃったしね。

 

 

「日本語でお願いします」

「@@@@@@」

「私もわからんのよ」

 

通じてないことで通じてる気がする。

通じてないんだろうけど。

 

でも、私を倒すっていう算段はないのかな。

あっちも困惑してるってことは多分意思疎通したくて来たんだろうし。

 

 

 

 

カタリ。

 

男と私の間の地面になにか落ちてきた。

 

スマホだ。

またか。神たちはどんだけスマホが好きなの?

 

ただ今回はアルセウスの装飾がない。

するとD?

わからない。

シンプルだし、Dのかな。

 

『もしもし。こちら管理者Dです』

 

スマホからいきなり声が聞こえた。

 

 

 

ビンゴ!!

いや別に嬉しくないけどね?

たまたま当たっただけだし?

私のたまたまはなかなかないことだけど?

 

Dは2つの言語を重ねてしゃべってる。

一つは日本語で、もう一つは聞いたこともない言語で。

 

これはこの世界の言語か。

 

「*******!?」

 

おお男ビビってる。かわいそうに。

 

 

 

 

 

『思っても口に出すなよ?

 絶対にだ』

『電脳?なんで?』

『いや、相手神だぞ?

 下手なこと言うと殺されるだろ。

 今だってDに命握られてんだし』

『じゃあどうすればいいの?』

『穏便に話せ』

 

 

 

いいからそうしろ。ヤバくなったらオレ様が交代してやる。

ただし、交代したら絶対に口を挟むな。

任せろ。

 

いや、それ解決策じゃないじゃん。

どうすんのよ。

 

男が消えゆくのを見て、私は向き直る。

どうしよう。

次は私の番だ。

地球でも会話は苦手だったのに。

 

 

『お待たせしましたー。全てを一任されてしまった青さん。彼には説明したので大丈夫です。気にしないでくださーい』

 

 

いや、しっかり心読まれとる!

無理でしょ!穏便に話せなんて!

 

 

 

『助けて電脳!』

『オレ様を巻き込むな!』

 

ため息をつかれた。

文句言いたいのはこっちなんだけど。

 

 

『はい、もしもし。こちらクソ寄生虫です。寄生されたくないのであれば帰宅して頂けるとあなたの身のためになると思いますが』

『あなたが電脳さんですねー。相当機嫌悪いみたいですねー』

『当たり前です。この女に頼んだのにすぐ代わって来ましたからねー。なんの用事でしょうか』

『やろうと思えばあなたを汚い花火に出来るんですよ?』

『わかりましたすいませんマジで反省しています』

 

『本当に反省の色が見えるので今回はいいでしょう。許します』

 

 

こわっ。頼むから、変なこと言わないで。

てか電脳まじめになって喋って。

 

『でも驚きましたー。まさか禁忌がインストールされる前に世界の秘密を知ってしまうなんて』

『探求が好きなもので。ありがとうございます』

 

 

『ですから、私からはなにも言いません』

 

え?

 

『あなたがどんどん知っていく。その限界を見てみたいんです』

『わかりました。任せてください。

 世界を救ってみせますよ』

『大口を叩きますね。

 楽しみに待っています。では』

 

え?え?

 

待って。いや、電脳。

なに言ってんの。

 

 

スマホが消えた。

なんの予兆も無しに。

 

私はただ1人、中層に残された。

 

 

 

 

 

『どうすんのよ、電脳。そんな大口叩いて』

『今生き残るための最善の手を突き詰めたらそうなったんだよ』

『しょうがないな、もう』

 

それでも無駄なこともたくさん言ってたけどね?

 

ーーーーーーー

 

龍を倒したあと私は歩き続けた。

たった3日ほど。その3日は長かった。

 

 

 

見えた。

長い上り坂に続く暗闇が。

この暗闇が、私にとってここまで心地の良いものとは思わなかった。

素晴らしい。

マグマがないって素晴らしい。

 

 

 

ただいま、上層。






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