バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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50 電気蜘蛛VS水龍ミドラ③

細長い縦穴となったドーム。

足場となる床は無くなったけどまだ戦える。

ポケモンでだってバチュルは壁に張り付くのが上手いんだ。

こんなところでやられてたまるか。

 

 

再び私を撃ち抜くように飛んでくるブレス。

走ってかわしながら雷光槍を展開して、ブレスに撃ち返す。

狙いはミドラの口の中。

正直意味ないと思うけど、小手調べ。

 

 

槍はブレスを開くように進んでいくけれど、同時に少しずつ速度を落としていく。

そのまま途中で力尽きたように消え去った。

散乱するブレスを予見で回避して、再び飛んできたブレスを躱す。

 

 

槍一本でブレスとある程度戦えるのか。

なかなかやるな槍。

じゃあこっちの槍に関してはどうだ?

雷光魔法の魔法陣をしまって、私が展開するのはそう、暗黒魔法だ。

 

 

 

雷光槍から暗黒槍へのチェンジ。

わはははは!

電脳のおかげで闇魔法から暗黒魔法に進化しているのだ!

だから相手によって使い分けるのも出来るのだよ!

 

 

そのままミドラに発射。

回避出来ずに背中にくらってるね、どうだ。

暗黒槍は前のスキルが影と闇だったからか、撃った後もある程度操作が出来る。

それは一本に限るから本当に当てたい時しかやらないけど。

 

うーん。

予想はしてたけど、暗黒槍だとダメージはイマイチ。

もともと暗黒槍のほうが雷光槍よりも魔法ダメージは少ない。

その分与える衝撃は大きいという差別があるけど。

 

 

でも奴が弱いのは衝撃じゃなくて魔法攻撃。

そんなミドラに暗黒槍を撃ってもあまり削れないのは当然だろう。

検証出来ただけよしとしよう。

 

 

暗黒槍から雷光槍に戻して再び撃っていく。

縦穴になったから戦闘が不利になったかというと実はそうではない。

ミドラもミドラで行動範囲が狭まっているからね。

私は床が使えなくなった。

ミドラは高い部分にはブレスしか届かなくなった。

 

 

本当に、お互い決め手に欠けている。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

私は雷光槍を撃つ、かわす、逃げる。

ミドラはブレスを放つ、避ける、岩を崩す。

 

 

展開が前とは逆になった。

私は上へ上へと移動しながら天井近くにとどまっている。

それに対してミドラは天井をブレスで砕くことによって水位を上げて私を追い詰めようとする。

 

 

これの繰り返し。

私は岩に何度か当たったせいでちょうど体力が半分くらい。

でもミドラも同じで、繰り返しの雷光槍で半分近くまで削られてる。

 

 

さっきまで天井のすぐそばにあった壁は今ちょうど沈んだ。

もうもともと戦っていたドームはとっくに岩に埋もれてるはず。

それほどまで、私たちがいる空間は上がり続けてる。

 

 

拉致が開かないと思ったのか、マグマの底に潜り込むミドラ。

突き刺しか。

さっきまでとは違ってこの縦穴は全然細長い。

だから大丈夫なはず。

1番上までは届かない。

 

 

なら、なんで沈み込んだ?

思考加速を使って考える。

ヤバい。思いつかない。

 

 

 

 

私の目の前に迫るミドラの身体。

急いで躱すけど、私のスピードはもともとミドラと比べものにならないくらい遅い。

吻についていたかまいたちに思いっきり触れる。

切れ味は完璧。

私の腹に刻まれる切り口。

 

 

内臓の重みで切り口は拡大していく。

痛いとかじゃない。感覚が、身体から離れてってる。

コレはヤバい。

下手すると死ぬ。

 

 

切れた2本の脚でお腹を押さえながら、吻を振り回すミドラから逃げるためにそのまま自由落下。

下はマグマだ。

それでも背に腹は代えられない。

今のミドラは全身凶器だ。

 

 

壁に糸をつけて一瞬で着地。

そこから、万能糸でお腹を修復。

やられた。

ここまで技巧派だったとは。

 

 

 

 

水魔法を空中で撃つことでそれに乗って加速するとか。

チートかよ。

初見でこんなこと出来るとか、まじでお前は天才なのか。

高速遊泳と水流感知があったところで簡単に出来ることじゃない。

 

 

内臓はやられてない。

だけど皮はやられたから、今処置が出来ていなかったら内臓が出て死んでた。

正直、内臓がやられずに済んだのは奇跡だ。

たまたまその時そこに内臓が無かったから無事だったのに過ぎない。

ここまでの怪我は私の治癒魔法では治せない。

応急処置は出来るしHPも治癒魔法で回復できるけどもう一度傷口が開いたら死ぬ。

 

 

空間機動を解除したミドラが下に下に落ちてくる。

これも水魔法で加速して。

 

 

私も空間機動の足場で、ミドラを弾き飛ばす。

そしてすれ違う。よし。行けた。ギリギリ。

脚が6本だったけどなんとかなるとは。

 

 

天井への猛ダッシュ。

下からブレスが飛んでくるけどこれは予見で回避。

ブレスで上からも岩を落としてくるとか。

どんな天才肌だ。

 

 

壁に沿って撃たれるブレスは私の背中を掠っていく。

さらに削れるHP。

もう、体力はほとんどない。

なにかが直撃すれば本当に死ぬ。

 

 

でも何故だ。逃げる気にならない。

気分はどんどん高揚してる。

なにより全力でやらないとミドラに申し訳ないという気持ちが湧いた。

よし、決めた。

私は逃げない。貴様を殺して全てを終わらせる。

ミドラ。ありがとう。

私はあなたを殺す。

 

 

天井近くに空間機動の足場を作る。

下にはブレスを吐くミドラ。

いくぞ。

 

 

『電脳!ツール解放を許可する!本気出せ!』

『よし来た!』

『それから同調レベルを最大まで引き上げる。調整しとけ!』

『任せろ』

 

 

私の心が再び一つになる。

なんだ、この全能感は。

これが電脳にとってのこの世界なのか。

 

 

もう手加減しない。私の今の全力を出す。

全身に電流が一気に廻るのを感じる。

あまりのエネルギーで、意識がイッてしまいそう。

それでもワクワクは止まらない。

 

 

『雷光魔法・改  LV1  爆雷』

 

 

『目ぇカッ開け!此が貴様の走馬灯だ!』

 

 

私は叫びながら、電気を纏って空を舞う。






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