ミドラを倒した後……やることはただひとつ。
再び海へと帰還。
あー、真昼間だけど中層と比べたら全然涼しい。
マグマが無いとこんなに違うのか。まあ当たり前だけど。
じゃあ水竜狩りを再開しよう。
ミドラっていうイレギュラーがいただけで海は安全な経験値の宝庫だからね。
こんなに竜が大量にいて、しかも頭がいいわけじゃないから簡単に倒せる。
なんだこのパラダイスは。
てかこれ絶対白のレベル上げよりも効率いいよね。
うーむ。この世界ステータスよりもスキル頼りっていうのはわかるから白のレベル上げの方法に反対するわけじゃ無いんだけど。
白は今どんな感じかな。
共生の感知システムを使って確認。
そこに映される死にかけの蜘蛛と、それを追う地龍。
地面は炎が燃え盛ってる。
ヤバくない?
パッと見でめちゃくちゃ死にそうなんだけど。
もう忍耐発動してるし私行った方がいいか?
忍耐というのはHP0でもMPが尽きない限り死なないという壊れスキル。
そのかわりMPは減っていって、尽きたら本当に死ぬ。
MPも半分くらいは残ってるけどこれ先に白死ぬんじゃ。
『だけどアイツが覚悟したことでもある。一度舞台から降りたお前にはできない勝負だ』
『でも、白が死ぬかもしれない』
『考えてみろ。アイツ、並列意思あえて使って無いんだぞ』
電脳は呆れたように言うけど私は賢いわけじゃ無いからわからない。
『舐めプ?』
『そうでもあるが違うとも言える。並列意思の中でアラバに直接出会ったのは情報担当だけだと思ってるから、情報担当だけで戦おうとしてるのかもな。実際は全員が会ってはいるんだが』
『でもアラバに固執してるの情報担当だけだよね』
『まあな。他の奴らはそれぞれの役目を全うしてるし、それで情報にのみ残ってるアラバをずっと見ている情報担当だけが強い思いを持ってたんだろうな』
『なんだか難しいね。白は助けなくても死なないの?』
『死なないとは否定できん。だけどお前が入れる舞台ではないな。白本人も、共生を一時的に外してきてる』
『それ本気じゃん』
共生のデメリットとして共生相手が死んだ時にHP最高値がごっそり減るというものがある。もともと私たちは遠くにいるから今は共生が発動してないけど、近づいても発動しないようにオフにしたみたいだ。地球でいうBluetoothみたいな感じだね。
うーん。結論としては助けにいくべきじゃ無いってことか。
白本人から拒絶されてるとなると、故意にアラバと戦ってることになるんだしな。
正直私は人の覚悟なんてどうでもいいし白の覚悟もどうでもいい。
白が生きてれば他のこともわりかしどうでもいい。
白の身のためなら、私は覚悟なんて関係なく白を助けたい。
ただ。
それと同じくらい私は彼女に嫌われたくない。
私が白の覚悟を踏みにじったことで、白から嫌われるのは嫌だ。
だから私は助けられない。
助けたくても助けられない。
私はなにも選べない。
ーーーーーーーーーーーーーー
あれから10分。
白はアラバに勝った。
でもギリギリだった。
いつ死んでもおかしくない体力で走り回っていたのを想像するとその健気さにジーンとくる。
どうやって勝ったのよ、あの状況から。
でも、本当に良かった。
私にとっても白にとっても、最良の結果だ。
私は今なにやってるかだって?
電脳とそれについて話しながら海に浮いている。
理由?水竜狩るために決まってる。
マジで効率良すぎるんだ。
10分で1レベル上がるぞ。
水竜たちがすぐに周り泳ぎ始めるのが悪い。
確かに私も脚からわざと血を流して集めてるけど。
かんたんすぎでしょ、このレベル上げ。
確かに水竜は雷光槍一発では死なない。
でも、電流を海に流しながらやれば4発くらいで確実に死ぬ。
これを10匹やっただけでレベルが1上がる。
なにこれ。
さっきまでLV19だったのがもうLV25になってる。
竜パラダイス。
サイコーだ。
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あれから3時間くらい狩りをやってLV30まで来た。
結構時間かかっちゃったな。
水竜たちも後半は頭が良くなったのか、狩りの効率が悪くなったのが原因だ。
今日は結構湾内で狩りしてたのもあるし明日からは湾外で狩りしよう。
こんなに成長スピードが速いならオリジンエレテクトまで進化してから人と会うっていう考え方でもいいかもしれない。
最初は蜘蛛の身体で会うことを考えてたけどね。
だって楽すぎだよ?
1ヶ月以内にこれはオリジンエレテクトまでいけるんだよ。
こんなに楽なのに、レベル上げとかない理由なんてある?
今日はとりあえずLV30になったし寝る時ついでに進化しないと。
進化分岐についてはご飯食べてから確認しよう。
とりま転移。
上層のマイホームの近くに水竜を山にしておく。
てかなんだこの家は。
新築二階建て屋根ありとか洞窟内に絶対いらんだろ。
瓦に竜のウロコが使ってあるし、私の子供建築ガチ勢か?
でもアルセウスも上手くやってるなぁ。
上層にはポケモンかまだちゃんとは出ていない。
下層とかだと結構増えてきてるんだよね。
クリムガンとかイワークとか。
メレシーも前行った時には見つけた。
もちろん片っ端から眷属にしておいてある。
上層に現れてないのは人にバレないためだと思う。
バレたら後々大変だろうし。
ほんと上手くやってるよ。
私は浜辺に戻ってキャンプファイヤーの準備をする。
あたりはもう暗い。
子供たちにも招集かけてるから、今に来るはず。
転移で次々と帰ってきてる。
だけど。私はそれとは違う空間の歪みを感じ取った。
この精密さ、アイツだ。
なんで来る?
私が今日1日やったことと言えば……。
あ。
言い訳の準備しとこう。
クリムガン……顔が真っ赤で身体が青い、二本足の小柄なドラゴン。大きさは1.6mほど。身体が冷えると動けなくなるので中層と下層の中間あたりに生息している。
イワーク……9m程の巨大な岩ヘビ。いくつもの岩が連なった身体をしており、時速80kmで移動できるが、なぜか平均攻撃能力は雀の涙(ポケモン本編でも攻撃力は小鳥程度である)。
メレシー……ウサギの頭に鉱石の原石を付け、それが宙に浮いている不思議なポケモン。大きさもウサギほど。鉱脈から湧くらしいので、青が見つけたのはなかなか運がいい。