コメント、高評価あると嬉しいです。最近、蜘蛛ですがなにかの二次創作が減ってきている……。
ついにガチャリとドアが開いた。
そこから入ってきた領主さんはそのまま私の隣にある檻にスッと入っていく。
改めてこの人すごいなぁ。なんと言っても、覚悟決まってるのがすごい。
「こんにちは」
『こんにちは。ありがとうございます』
あー、一瞬引いたな?わかるけどさ。
そりゃ虫が急に喋ったら引くのもわかるけど。
知能があるっていうのも言ってあったと思うし話せるっていうのも言ってあったと思うけどね。
「こちらこそありがとうございます。どうやらアルゴ村の方々も助けてくださったようで、感謝いたします」
ふーん。あの村アルゴ村って名前だったんだ。はじめて知った。
看板とかはあった訳だし文字読む練習もしないといけないな。情報もしっかりとした武器だからしっかりと役立てないと私が不利になる。
人間が繁栄する理由も情報によるものだし、何より電脳が勿体無い。
『気にしなくて構わない。私の趣味だ』
「ーーあの、何を望んでいらっしゃるのですか?」
うーん、この人嫌いじゃないんだけどな。変なところで反感買って殺されちゃいそう。
特に私みたいな上位存在にはここはゴマ擦らなきゃ殺されかねないぞ。
別に領主さん自体が死んじゃってもまあ私は興味ないんだけど。
『人々が喜んでるのを見て楽しんでいる。身体が優れない人を見ているのは私でも心が痛む』
「ですが……。出来ればやめて頂くことはできないでしょうか」
『それは無理だ』
だよね。
言われるとは思ってたことだし、私はピシャリと言い返す。
自らの生活に、全く訳のわからない化物がいたと思えば誰だってそりゃ逃げようと思う。
だから私は逃がさない。
私のために、そして彼自身のために。
『私は卵を与えるし、人を害するつもりもない。
あなたの言いたいことはわかる。だが、私も人と対立したくない。わかってくれないだろうか』
「少しだけ考えさせてください」
領主さんは頭を抱えている。私への対応について考えてるのだろう。
考えたところで答えは決まってるし好きなだけ考えてくれ。
その私の考えに呼応するように、彼は私の想像よりも早く顔を上げた。
「わかりました。私の街ではあなたのことを神獣と正式に認めます。
さまざまな無礼を働いたこと、お許しください」
シンジュウって、なに?
ーーーーーーー
『神獣とはなにか。私はただの蜘蛛だぞ?』
「いや、神獣です。世界をお救いになった女神様の乗り物でなさった神獣です」
自分に言い聞かせるように神獣であると連呼する領主さん。
うんうん。自身の判断が間違っていれば街の人みんなを危険に晒すことになるから。不安でも信じるしかない。
ただそんなことは私にはどうでもいい。人間殺したところで得られる利益は何もないし、不安程度は実績で吹き飛ばせる。
どういうことだ?確かアリエルにも最古の神獣って称号があったはず。
女神様っていう話からも考えるとサリエルも関係してるのかな?
サリエルがアリエルと一緒になにかやって人を助けた説が濃厚。
『電脳!アリエルの発言もう一度教えて?』
『わかった。レコーダーで流す』
テープレコーダーのように流れる声を聞きながら、私は高速で考える。
うん。なんとなく掴めたけど、同時に腹が立ってきた。
アリエルはサリエルのことだけを愛しているからサリエルが人族を守るって聞いた時にも最初は賛成した。だけどそれによってサリエルが封印されるとは知らなかったから激昂している。
ただ、人族はそれを知らないからサリエルの近くにいた蜘蛛を神獣として今も崇めてるのだろう。
アホくさ。本当にアリエル被害者じゃん。
ギュリはともかくアリエルはまだ力なかったかもしれないし。
理不尽すぎるし人間が愚かすぎて目も当てられない。これは人族の殲滅すべきだわ。
マジで生かしてる意味がない。
ただ、今殺すのは勿体無い。
もっと待つべきだ。私たちの寄生が終了するまで。宿り切るまで。
なにより、サリエルとアリエルの気持ちが合致するまで。
私は人族を生かそうと思う。
そもそも私に決める権利なんてあんま無いと思うし。
今の私は根無し草。今の最終目標だって私がなんとなく決めてることだし、いつこれが変わるかなんて知ったこっちゃない。
「私にまだ望むことはありますか?あるのならば対応しますが」
『ああ、一ついい?
君の子を見せてほしい。』
「え?ーーいや、あの、ーーわかりました」
よろしい。
領主さんが引っ込んでからため息をつく。びっくりした。
最初に一瞬驚かれた時、確実に意表がつかれていたはずだ。それなのに私の要望を拒否しようという心が瞬間的に働いていた。結局のところは私が魅了を使って力づくで緩めたけど、この一瞬で抵抗を受けるとは。
よもやよもや、子供を思う親の気持ちはこんなにも恐ろしいものであったのか。
確かにダスティンは怖いけど、こんな辺境でそれに近しいものを感じる羽目になるとは。
やっぱり知的生命体の感情は恐ろしい。
私いつかこいつらの群れをまとめて相手取らなきゃいけないの?
あー、ヤダヤダ。
めんどくさいとかじゃなくて単純に勝てないんだよ。
スキつかれたら死にかねないとかマジでやめてほしい。
しかも人族の頂点の強さもわかってないしさ。クイーンくらい強いとかはないよね?あったら逃げるか、魔王とぶつけるんだけど。
まあいいや。ひとまず、あの子供の確認だ。
「この子のことでしょうか。神獣様」
領主さんが抱いてきた子供を透視で確認。
うん、領主様が抱いてきた子供はあいつであってるな。
改めて見ると変な人間だな。瞳孔も思いっきり赤いし髪の毛も真っ白だ。
まるで作り物みたい、が実際にありうるとしたらこんな感じか。
『鑑定!』
だけど、私はこのステータスに硬直することになる。
『人族 吸血鬼 LV1 名前 ソフィア・ケレン
根岸 彰子
ステータス
HP:11/11(緑)(詳細)
MP:35/35(青)(詳細)
SP:12/12(黄)(詳細)
:12/12(赤)(詳細)
平均攻撃能力:9(詳細)
平均防御能力:8(詳細)
平均魔法能力:32(詳細)
平均抵抗能力:33(詳細)
平均速度能力:8(詳細)
スキル
「吸血鬼LV1」「不死体LV1」「HP自動回復LV1」「魔力感知LV3」「魔力操作LV3」「暗視LV1」「五感強化LV1」「n%I=W」
スキルポイント:75000
称号
「吸血鬼」「真祖」』
ごめん。一つ言わせて。
はぁ?