バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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高評価、感想お願いします。

一応注意書きです。
主人公の内面、過去、および激しい感情に対する描写があります。
主人公の性格が良いわけでは決してないので、不快感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、読んでくださると光栄です。



第2章 特異点
75 愛してドッペルゲンガー


どうして。

なんで電脳何処か行ったの?

 

『電脳、戻ってきて。

 私帰れなくなるから出来るだけ早く』

『……』

 

反応がない。

元来、私と離れてても念話出来るはずなんだけど。

試した事はないけど電脳も出来るって言ってたもん。

おかしい。

 

『ねぇ、そっちでなにが起きてるの?』

 

万里眼!!

 

えっと、電脳はというと……。

いた。

 

私が行くつもりだった場所で、思いっきり交戦しとる。

でも別にそんなヤバい相手じゃないはずだからなぁ。

だから連絡しないって訳でもないんだろうし。

 

 

それに、いくらなんでも死んだ施設なんだから普通に勝てるでしょ。

生きたところだったら私でもだいぶ警戒するけど。

生きた施設じゃないから魔法も使えてるし、なんで私に連絡よこさないで勝手に行くの?

ねぇ?

なんで。教えてよ。電脳。

 

 

魔王も近づいてきてるし。

ただ遠くにはいるから、来るのにあと1週間くらいは猶予ありそうだけど!

 

 

てか、なんで念話が通じない?

別に電脳側の調子がおかしい訳でもないし、状態異常にかかってる訳でもないし、やっぱり故意にやってるよね。

私なんか嫌われるようなことしたかなぁ。

いやしてないって言ったら嘘になるけど、それ以上に仲良かったとも思うんよ。

だからなんでこんなことするのかわからない。

 

 

 

あれ?

もともと私、電脳にその場にいてって言ったよね。

その上で、なんの状態異常にもかからず、おそらく自分の意志でこの場を離れた。

 

あっそう。

そうなんだ。

私のこと、忘れることにしたんだ。

『ひとまず、反乱と見させてもらっていいんだね』

『……』

ほんと、馬鹿なやつ。

 

 

私の最も恐ろしい欠陥を知らないお前が、私に勝てるわけないじゃないか。

私から全てを奪った欠陥を知らないくせに、自殺行為じゃないか。

首を長くして待っててね。

 

私の愛しの、ベストフレンド。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

オレ様のなにがおかしかった?

わからない。

ただ異常の原因である可能性が高い青からは離れることが出来た。

やつの色に染まってしまっていたと言うのならば、これで改善されるはずだ。

何より、変なあいつとあれ以上関わっていたらオレ様の脳が壊れきってしまう。

 

転移で施設の真上に移動。

よし、死んでる割にはエネルギーが残ってるな。

よく見つけてくれた。

 

エレテクト種は電気とエネルギーの扱いに長けている。

そこで、大量の蜘蛛に探知させながら世界中を走らせたら、地下奥深く、普通なら絶対発見されない場所にロクでもなさそうな施設が大量に発見された。

生きてそうなのと死んでそうなの合計10個ほど。

 

生きてそうなのでもいけるかとは思ったが、まずは死んでいるところ。

別に数はあるのだし望めば後でいくらでもいける。

なんと言っても、まだギュリエディストディエスは気づいていないのだから。

 

アースたちが掘った穴を進んでいくと、銀色の壁が現れる。

鑑定できないらしいが、一応オレ様もやっておくか。

 

『鑑定不能』

 

ま、ダメだな。

しっかりと魔法耐性が組み込まれてる。

もう死んでるはずなのにこれだから厄介なんだよ。

自動兵器っていうのは。

 

だが別に構わない。

オレ様の本来の目的はこの中に侵入することだし、入り口もわかっている。

なんなら探知で中の様子や、どこに何があるかまでわかってるしな。

 

壁伝いにアリの巣のように掘られた穴を進んでいくと、分厚い金属の扉が現れる。

ここまではアースたちにやってもらったことだ。

そしてこれからはまだオレ様も知らない、未知の世界。

 

楽しみじゃねーか。

唆るぜ、これは。

 

 

重い扉に手をかけ少しずつ開いていく。

金属で超硬加工も施されてるからか、鬼のように重い。

それでもまあ開くんだが。

 

中にあったのは、まるで研究施設のような空間。

死んでしまっているから真っ暗なんだが、暗視で確認すると非常灯のようなものや大量の機械があるのが見える。

特に気になるのは壁に立てかけられているロボットだ。

なかなかの性能を持っているようだし、軍事利用したとしても役立つはずだ。

 

 

おっすげー!

起動した!

そして結構な数がこっちに銃乱射してきた!

まじでないわ、それは。

 

弾を避けながら探知を発動させ、全ロボット個体の保存状態を確認。

生きている施設なら魔法の妨害もされると娘たちから聞いているが、あいにくとここは死んだ施設。

魔法も全部使えるし正直敵じゃねぇ。

結局、多く見えたが生きてるの20体ほどしかいなかったしな。

5分の1も生き残ってるなら上出来かもしれんが。

 

『青、さっさと処理して次のステップに行くぞ』

『……』

 

そうか。

念話をこちらから切っているのを忘れていた。

忘れていた。

関係ない、進もう。

 

一体一体のステータスは10000越えくらいだが、こちらの身体強化も考えればオレ様の3分の1くらいにしかすぎない。

だが持っている武器が危なっかしい。

4本ある腕のうち、2本は短剣と銃を合わせたみたいな武器を持っていて、残り2本の腕にもしっかりと大口径の銃が。

しかも頭の位置に小型の銃ついてるし。

草。

 

 

いやいやいや。

わけわからん。草って言葉どっから出てきたんだよ。

オレ様、マジで侵食されてきてるじゃねーか。

とりま戦闘を終わらせなければ。

急げ。

 

 

 

爆雷を発動、前にダッシュして銃弾を避ける。

そのまま突進して腕を蹴り上げて、そのまま万歳をした状態で糸で拘束。

そしてそのロボットを遠くに投げる。

 

なかなか面倒臭いステップだが、これでようやく一体のロボを完全なる資源とできる。

まあ結構弾直撃するがほぼ無効だし一方的に終わらせよう。

 

ここからはほぼ作業だった。

前半は知識収集とかもあって楽しかったが、後半はほぼ作業ゲーだった。

正直つまらなかった。

まとめたロボたちを施設の端にまとめて、探検を開始する。

 

 

なんだろうな。

施設探索がつまらんわけじゃないんだが、正直面白みもない。

なんと言っても理屈がある程度思いついてしまうのだ。

わからないことも結構あるんだが、それもまあいいやで済ませてしまう。

 

別に仕組みについて考えたいなーとも思うが、他に考えなくちゃいけないこともたくさんある。

ギュリエディストディエス然り、魔王然り。

ゼルギズにもどんな反応されるかわからんし、それも考えなければ。

魔法について考えてる暇、ねぇな。

 

 

てか、寂しい。

これからこの世界でオレ様一人で生きていかなきゃいけねーのかよ。

青は死んじまうし、白はいるけど話してくれるかわからねーし。

オレ様、一人で生きなきゃいけねーのかな。

ああ、寂しい。

 

寂しい。

ああ。ああ。

オレ様のなにが悪かったんだ。

ごめん。許して。

私が悪い。

オレ様が悪い。

寂しい。

 

誰か愛して。

お願い。誰か、誰か、愛して。

お願い。見捨てないで。愛して。ごめんなさい。愛して。

愛して。

 

 

ロボを20体まとめて引きづりながら地上へと這っていく。

きつい。

苦しい。

オレ様はなんてことをしてしまったんだ。

なんで青を捨てたんだ。

オレ様の、一番大切な友達を。

自分の、人格が崩れていくという理由だけで。

もう嫌だ。

自分が嫌だ。

許してくれ。

 

地上にたどり着くとともに、ロボの銃に噛み付いてそのまま噛み砕く。

そのまま、腕も。コアも。胴体も。足も。

寂しい。辛い。耐えられない。

 

そのまま、二体目、三体目と食いちぎる。

ごめんなさい。私が悪いんです。

こんな心を持った存在として生まれてごめんなさい。

社交性があれば、私は愛された?

ちゃんと、同じ家の人として愛してくれた?

あなたたちと一緒に、住むことができたのですか?

 

でも、いたよな。

私を愛してくれた人。

たしかにーー。

 

 

 

何考えた、オレ様。

いいから喰おう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

そろそろかな。

クイーンを削りながら万里眼で電脳の様子確認。

私だったら、そろそろ病む時間だけど。

 

 

おーと。

近くにある穴広がってるってことは施設襲ったんだね。

あの精神で凸ったとは尊敬に値する。

 

 

さてさて、肝心の私の体はどこいったかなー?

お、草むらにキラリと光るもの発見!

さては機械食ってるな?

えらいえらい私の意志受け継いでるね。

私も金属は食うつもりだったし。

 

 

あれ?

これ、私だよな。

え?た、探知!

あ、合ってる。

 

なんだこの機械に囲まれて仰向けで寝る全裸の少女。

 

 

これ、放置しちゃ色んな意味で不味くない?





紡ごうとする、理不尽な愛の記憶。

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