バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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79 ほら、仲直りのお時間ですよー

あれから丸2日。

丸2日頑張って、ついに達成した。

 

《経験値が一定に達しました。個体、オリジンエレテクトがLV2からLV3になりました》

《経験値が一定に達しました。個体、オリジンエレテクトがLV3からLV4になりました》

《経験値が一定に達しました。個体、オリジンエレテクトがLV4からLV5になりました》

 

よっしゃ!

クイーン捕食終了!

よーし、じゃあ準備だ。

 

『ゼルギズ、アース連れてきて!

 捕食終わったー!』

『やっと仕事か。わかったわかった、今行く』

 

私はクイーンタラテクトの脚で身体全体をカリカリと掻きながらゼルギズの到着を待つ。

実は電脳がスキル全ての所有権を担っているために、この身体では私自身のスキル、例えば転移とかを使うことができないのだ。

そのせいで賢姫なんていうバケモノ眷族支配も発動出来ないし、産卵も不安定にしかできない。

ただ念話だけはちゃんともとから持ってくれていたからよかった。

これが無ければたまたま近くに娘が来ない限り詰んだ筈だしね。

 

あ、そうそう、白にも連絡しないと。

『白ー!

 捕食終わったから電脳屋外の広い場所に連れてきて!』

『オッケー!あと何分くらいで来るの!』

『3分くらい!電脳の調子はどう!』

『うーん、なんかしおらしくなってるけど反抗の意思はないみたい。

 あんたのこと、本当は嫌いじゃないみたいだし従うつもりみたいよ』

『ありがと!じゃあお願い!

 連れてきたら連絡頼むね!』

 

プチっ。

念話を切り私はため息をつく。

電脳が私のこと嫌いなわけないじゃないか。嫌いになるようなことが出来るやつなら、私はこんな世界まで来る前に死んでいる。

私は私が好きだから生きてきたんだから。

私が好きだから。

もちろん、白も同じくらい好きだけど!

 

私を愛してくれるのだから。

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

「で、アース連れてきたが行く宛は立ってるのか?

 てかお前、ちゃんと食ったんだよな」

「食べたよ。ほら」

 

アースと共にゼルギズの目の前で前脚をブンブン振って、無事をアピール。

おっと危ない、腕を振りすぎてよろけた。脚が長いからその分の遠心力も大きくなってるぽい?

身体が急に大きくなるとその分扱いづらくなるもんだ。

一重に私が慣れてないだけだろうけど。

 

「お前、いくらクイーンといえども長時間我に触れたら溶けるからな?あの時は少し時間が足らなかっただけで」

「ごめんって。

 でもありがとね。急にクイーンとの戦闘に駆り出して。正直そんなに期待する戦力として出してなかった」

「フハハハッ!

 別に構わん!我だってお前の孫を狩っていたのだし、これでチャラだろう!

 

 てかお前もう少し頭良くなってくれない?

 我、はっちゃけたいのに貴様馬鹿すぎてふざけらんないんだが」

 

ああん?

コイツ私が感謝してるのに乗じて色々吐きやがったな?

エスカルゴにして食ってやろうか、マグマカタツムリ。

いくら弱体化してるとはいえアンタなら狩れるわ。

 

私が糸を発射しようと脚を構えた瞬間響く念話の着信。

くっ、命拾いしたか。

白に感謝するんだな。

 

『もしもし?こちら白。

 無事クイーンが来ても大丈夫な広場に到着。

 そちらはどう?テステス』

『こちらも全部オッケー。

 その場所、なんとなくでいいから送って』

 

うーむ。

エルロー大迷宮の下層の広場か。

みんな転移出来るしそこでいけそうだね。

 

『じゃあ行くね』

『オッケー』

 

アース、じゃあ発動お願い。

転移!

 

私は、アースの転移によって下層へと移動した。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

シュタット!

無事到着!

えーと、白と電脳は……?

 

いたいた。

電脳、白に身体簀巻きにされて歩かされとる。

これ昔の戦争捕虜の扱いじゃない?

まあいいや。

 

『白、先にやることやっちゃっていい?』

『うん』

 

じゃあ、遠慮なく。

 

私は自身の身体に触れる。

そしてぬるりとところてんのように魂を身体に入れた。

 

あー、やっぱり居心地がいい。

いくらステータスが下がってるとはいえ懐かしい温度がして落ち着く。

精神空間が狭いのも気が楽だ。

ただ、言わなきゃいけないことは言っておかないと。

 

『で、電脳。

 アンタが私にやろうとしたことわかってるね?』

『ああ』

『ならいいよ』

『!?』

『今回の件に私はすごく理解があるつもりだ。

 私だって転生前は家出しかしてない。

 それでなんか変わったかといえばなにもないけどね』

 

 

『電脳が私の軌跡を辿ったのは少し残念だとも言えるけど、逆に言ってしまえばそれも私らしい。

 ま、結論としては私が悪かったのもあるから。

 チャラってことで』

『いやお前、あのまま放置されてたら死んでたんだぞ!?

 魔王だってそっちに飛んできてだんだから!』

『スキルポイントだってあったんだし、念話なんてのはいつでも誰でも獲得出来るやつだからいいの!

 あとアンタだって自分の手で殺せなかったクセに悪い子ぶらないの!』

『……』

『ね?』

『すまなかった』

『よし!』

 

しばしの沈黙。

え?なんで私、和解したはずなのに気まずいの?

なんか悪いことした?

 

 

「で、この後どうするの青」

「うーん、今まで通りアリエル対策はしていくつもり。

 あ、またちょっとだけ待って」

 

 

『1つ電脳に指令を出す。

 これは君の罪滅ぼしの意味も含んでいる。

 「歪」を即解除しろ。

 どのくらいで出来る?』

『たく、お前にゃ敵わねーな。

 1日でやる。てかお前、よくオレ様が歪解除できるってわかったな。

 腐っても「歪」は支配者スキルに匹敵する最重要スキルの扱いなんだからな?

 Dがオリジンに課した枷なんだからよ』

『でも所詮システム上の枷でしょ?

 体内にMA原子炉持ってる奴が言っても信用ないって』

『ッ。

 そこまで知ってんのかよ。

 バケモンだな』

 

すっごい嫌そうな声出すじゃん。

私だってアンタの考えなんてわかってるのよ。

オリジンになったら最初に作りたいってずっと思ってたじゃんか。

カマかけてみたら、まさか弱体化中に手に入れてたとは予想以上だけど。

 

『クイーンはどうするんだ?』

『うーん、もうスキルも抜き出せないただの抜け殻だしな。

 暴食地獄にでも突っ込んどいてもらえば?

 アイツらも腹減ってんでしょ』

『ほんっと、趣味悪いよな。

 あの地獄作るとか』

『対アリエルの兵器に文句言わんでくれない?

 アンタだって賛成したんだから』

『いや、あれはまだ人の情がほとんどーー』

 

 

 

「そろそろあの機械について説明してくれない?

 わたしも想像できてるし、簡潔にでいいからさ」

 

『『すみませんでした』』

 

コイツ、仲違いのことばっか話してたの?






もともと卵を実質無限に産めた時点でMAエネルギー的にはバグってはいるんよな、この蜘蛛。




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