無事書き終えられたので投稿します。
高評価、感想よろしくお願いします。
称号「特異点」「運命の神獣」
あのあと、私は最下層に行ってさまざまなことを調べた。
自身の体についてや世界の仕組みについて。
私が体をどうやっていじったかについては大したことではないし省くとすると、下層に行った上での結論としてはDの性格がすごい悪いというのが大きい。
いや前からわかってたけどさ。
というのも、サリエルをしばっていたのが案外簡単な魔術だったのだ。
流石に私がそれを作ることはできないけれど原理自体はわかるくらいの簡単な魔術。
のはずなんだけどなー。
あの邪神敢えてこんがらせてきやがった。
さまざまないらない魔術を挟み込んで、魔術の簡潔化を可能にするコードを導入した上で簡潔にさせなかったり。
一つの魔術のために五つの言語で書き込んでいたのはいくら私でも閉口した。
で、システムに囚われるサリエルを見て思ったのは、サリエルが囚われた当時はかなり緊迫した状況下だったということ。
それこそ今にも世界が滅びますって感じだったのだろう。
じゃなければ、私でもわかる胡散臭さマックスの魔法陣に足を踏み込むなんて考えないはず。
まるで振り込め詐欺のような手口だ。
ほんとにタチが悪い。
あとそういえば、最下層に面白い龍がいた。
たしかガキアだっけな。
あの龍自体はステータス一万くらいで脅威じゃないんだけど、面白かったのはその周りにいる奴ら。
体表にバチュルやマグマックの進化系がいっぱいくっつけながら歩いてたのよ。
しかもおそらく故意につけていた。
身体の見やすい位置にも普通にくっついてたし。
てかマグマック、体表マグマなのになんでつけられるのん?
ともかく、今までの龍の行動を踏まえるとモンスターなのに知能が高すぎる。
少なくともスキルを育てるために敵をわざと体につけるのは知能がないと絶対に出来ない。
ただ、四足動物である以上進化の過程でそこまで賢くなるはずはない筈だ。
地球の環境と大きく異なるわけでもないのだし、龍という存在自体が歪つ。
もちろんスキル云々でどうにかなる問題でもないし。
やっぱり、龍族は人為的に生み出された種族か。
となるとアリエルと生まれは同じなのか?
アリエルもアリエルで蜘蛛とは全く違う姿をしているのだから、生物としては歪だ。
一番構造バグってるのは絶対私だと思うけどもね。
『そう、歪だ。
まるで今のステータスを奪われオレ様たちのようにな。
オレ様はこんなスキルの存在自体が怪しいと思うが』
『まるでなにか言いたげな口調だね。
私とアリエルの共通点……?
そうか。オリジンであること!
オリジン種は皆、歪に苦しむのか!?』
『あくまでオレ様の予想だがな。
すると、アリエルもオリジンになりたての頃は歪に弱ってたんじゃないか?』
『そうだねー』
『『だからといってもなにもわからん!』』
「はい、アンタら!
ご飯作りの手伝いしなさい!
貧しい人の分も作るって言ってたのにいいの?」
白、お母さんみたいになってきてない?
ーーーーーーーーーーー
ちなみに、私によるボランティア活動は再開されている。
なんだかんだステータスが戻るのは明日だし、戻ったらやりたいこともあるけれどひとまずは人を助けようという感じだね。
水竜の肉を巨大な鍋でグツグツと煮ながら考える。
人の姿になった以上、吸血少女のとこに挨拶しに行った方がいいのかな。
まだまともなコミュニケーションは怪しかった訳だし。
『そうした方がいいと思うが。
まあお前が嫌だというなら行かなくてもいいけどな。
言葉は無くとも、事実この街はオレ様たち無ければ成立しない』
そう。
私たちは、なんだかんだ1ヶ月ほどはこの町に留まっている。
私たちが卵で栄養を与えることで、人族は飢餓から抜け出した。
そして今に至っては全ての状態異常が解除されている。
街の人がほぼ全員かかっていた毒状態も無事に解除されていて、私のお陰で助かった人は100人はくだらないだろう。
それほどこの街は一変した。
だけど、同時に人族の身体も一変した。
もともとは強かった免疫もたった3週間ほどで弱体化。
流石に地球人とは比べ物にならない程度は維持できてるものの、元の身体と比べれば免疫力は半減近くに低下している。
特に黒斑病に対する耐性がなくなったのが不味い。
黒斑病というのは下水から水を摂取することで発生する寄生虫型の感染症で、症状が現れてからたった1週間で致死率3割を上回る恐ろしい病気だ。
だけど元々は免疫があったお陰で症状が発生することは稀だったし、精々かかるのは生まれて間もない赤子くらいだった。
その病気が、私の街を出た人には頻発して発現している。
しかも、赤子に薬を与えても致死率が高いからかまともな薬すら発明されていない。
今はアースを派遣して治癒魔法を撃つことで解決しているけど、このままだとこの街の成長に対応出来なくなる。
まさか、たかが中世の情報伝達能力で、飢えがないという理由だけで1ヶ月で人口が2割増えるとは。
それだけ、人族の生活が困窮しているとは。
こんな時代、誰だって終末世界に苦しんでるに決まってる。
はぁ。
ごめん、アリエル。
やっぱり私、アンタの考え打ち砕いてやるよ。
歴史如きが今の人族を傷つける権利なんてないんだよ。
ああ。
認めてやるよ。
確かに、サリエルはこの世界から奪われた。
お前が中層で言ったこと、確かに認めてやる。
だけどな。
奪い返さなかったのは、貴様だ。
引っ込み思案の臆病馬鹿が。
私だったら、白を何があっても奪い返す。
相手が、神でも、Dでも。
それは貴様の、怠慢だ。
それから目を逸らして。
目を逸らして来て、今にも崩れ落ちていく一つ一つの意思を、何千年も放置してきてよくそれを恥ずかしがらずに言ったな。
人は、神と同じく死ぬんだぞ。
貴様がサリエルに持った、愛のような感情は一つ一つ宿ってるんだよ。
私は腐っても特異点で、腐っても
私が運命を決める。
それだけの可能性を、力を、私はすでに掴んでいる。
だから
黙ってろ。
私が貴様の1番したいこと、全部叶えてやる。
あとD。
私は、貴方の殺害は望んでいない。
だから1つだけ。
一発、殴らせろ。