バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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高評価、感想よろしくお願いします。




82 2人目の暴食者

『システム、アンロック。

 処理が終了しました。

 デバイスを再び保護します』

 

 

やっーーーと、終わった!

スキル歪で起きてた制限の破壊!

これで私も自由だ。

めいいっぱい遊ぶぞー!

 

というわけには行かない。

ちゃんと力を取り戻した上でやらなきゃいけないこともある。

 

『白、ステータス取り戻したから機械のとこ行ってくる』

『オッケー!

 うーんと、魔王はエルロー大迷宮の上層らへんにいるのか。

 方角は違うから大丈夫だと思うけど気をつけてね』

 

あれ?

なんでアリエル、エルロー大迷宮なんかにいるの?

用事なんてなかったはず……。

 

『そういえば私、マザー統合したの』

『あ、そういうことか』

 

白、地味に私がクイーンでのところにいた時にマザー統合してたのか。

ならアリエルが向かっていったのも理解出来る。

手札の所有権が変わったなら早めに処理しなきゃだしね。

それに追っててもどうせ転移で逃げるって学習しただろうし。

 

 

ま、どっちにせよアリエルがこっちに来ないのは好都合。

来ちゃえば私だって舐めプできないし、何よりまだ準備不足だし。

エルロー大迷宮で時間使っててくれ。

 

 

じゃあ、転移!

シュタッと研究所の上の地面に着地する。

そのまま近くの穴を潜っていくと山のように積み上がっている機械類。

おお、ありがたいことに白ちゃんとしまってくれてたみたいだ。

やっぱ白って結構ちゃんとしてるよね。

 

 

着ていたワンピースを脱ぎ、電脳を発動。

なんだかんだ電脳も服作ってくれてたんだしお礼言わなきゃな。

最下層から帰ってきた時も、ずっと考え事してたおかげであまり話せてないし。

 

 

さて、再び全裸になったわけだけど、私が痴女ってわけではないと思う……。多分。

暗い穴の中だし見てるような人もいないわけで、私は別にいいと思うんだ。

とりあえずステータスは取り戻してるわけだし、こっからこの体の本領発揮だ。

 

 

背中の辺りで腕の成分を生成して、肩甲骨の下あたりから腕を2本生やす。

それと同時に金属のサメのような歯を一瞬で生やす。

今あった子供の歯は生え変わる時に一瞬で溶け落ちたし、地味に人外になったんだという実感が湧いて来てるなぁ。

 

 

そのまま元からあった2本の腕で機械の情報収集、新しい腕では調べた機械や鉄屑を掴んで口に持っていく。

うん早い。

マルチタスクできる脳の容量があるからやって正解だった。

 

私は機械を見たことでこの世界でも使ってみたいなと思うようになった。

ただ私が前世から持っている知識には限界があるわけだし、いくら電脳で計算したとしても机上の空論に過ぎない。

だから目で見ながら機械をバラすことでこの世界での理を理解していく。

そして、電脳も叩き込みながら解析していく。

 

だけど同時に銃火器を作るとなると金属を摂取しなければいけない。

ただ解析した後に食べるとなると時間がかかる。

腐っても世界の癌だから早めに処理しておきたいし、ギュリに勘づかれたら面倒臭そうだから早く作業を終わらせたい。

 

 

その結果思いついたのが腕を2本追加で生やすことだ。

追加で生やしてしまえば食べながら機械をバラすことも簡単だし、なにより私と電脳でストレスなく役割分担出来る。

せっかく仲良くなったのにまた仲悪くなるの嫌だし。

ま、もう大丈夫だとは思うけど。

 

 

歯も実は簡単な仕組みで生やすことができる。

作り方は単純。

金属に超電圧をかけて熱を加え、好きな形に加工する。

それを体の表面上に露出させるだけだ。

体内で作業を行うのが難しいって言われたらぐうの音も出ないけども。

 

 

ガキンという音が地中に響く。

バキバキという音とともに銃弾が砕かれる。

地上までプラズマが走り、木々が焦げる。

それも無視するかのように、地中から金属が砕かれる音は響いていく。

 

 

10分後には、私が地上に持って来ていた分の武器や金属は影も形も残していなかった。

 

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次は研究所そのものだ。

実際はエネルギー採掘所って言った方がいいのかもしれないけど。

とりあえず食べていこう。

 

 

シェルターの外壁に噛み付くと響く、ガキンという歯がぶつかる音。

これ硬いな。

壁が厚いからか噛み砕ききれなかった。

それどころか力を加える場所がなくて、歯が滑ってしまう始末。

 

 

しょうがない。

もう少し本気を出す。

 

『爆雷、死音、カミゴロシ、発動』

 

もともと死音(シオン)は平均防御能力を低下させるスキルだけど、原理から操って仕舞えばそんな仕様は関係ない。

金属とかの無生物であっても、原子から揺れ動かして仕舞えば硬度を低下させられる。

Dも余裕ぶったもんだ。

魔法を補助ありで使わせるってことは、その原理全て公開するようなものなのに。

原理から再現してくる生き物が現れるとは想定もしなかったんだろう。

 

そして歯にはカミゴロシを付与する。

元々連続斬だったのが、いつしか魔連斬となって、そのまま魔王斬へと変化して、カミゴロシと至った。

つまり言うならば斬撃属性の最高威力物理攻撃魔法。

正直私も無機物に使ったことはないから、どんな切れ味なのかは想定がつかない。

 

それに加えて、平均攻撃能力と平均速度能力を倍近くまで引き上げる爆雷。

顎周りに発動することで、頬の辺りをバリバリと電流が走っているのを感じる。

ピリピリという感覚とともにSPも減っていくけど、戦闘中でもないし困るもんでもない。

ここまでバフデバフかけまくるとどうなるか、いざ!

 

 

するっ。

金属のものではない感触。

まるでプリンのように柔らかく抉れ、口の形にそのままの形で削り取られる金属。

そして口の中でそのまま溶解して飲み込む。

思ったより柔らかいし簡単に切れる。

何より電脳が体内で処理するから私は食べるだけでいいのが本当に便利だ。

 

これを繰り返してどんどん外壁を削っていく。

壁の厚さが50cmくらいあるのは大変だけど問答無用で削り取れるのはすごい楽。

体内での処理も無事進んでるみたいだし、そのまま食べていけばいいか。

口の大きさが中学生並みだからキツいけど!

 

 

がちん。

歯がぶつかる音が響く。

うーんと、おそらく貫通したか?

 

『あ、少し待て。

 貫通したとしても、建物を食い切る前にまず中を確認させてくれ。

 オレ様が一度侵入した時は中の探索雑にしか済ませてないしな。

 MA原子炉に使える素材もあるかもしれねぇ』

 

あー、オッケー。

私も色々知識を蓄えて損になることないしね。

全て食い尽くす前にまずは探索しよう。






食事パート前半終了
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