バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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83 全てをまた、ゼロから

穴が空いた場所を押し開き、床に飛び降りる。

まずは死んだロボたちの解析をしたい。

いくら死んだといっても、経年劣化で死んだっぽいから原型はかなり保たれている。

元々の素材の金属が頑丈なだけなのかもしれないけれど。

 

うんうん。

魔術の展開式は損傷が少ないね。

これなら、電脳が戦った時のデータも合わせて修復出来そう。

 

そんなことを考えながら工場見学のような気分で進んでいく。

ロボの整備をするロボや、施設内の空気を清浄するシステムはあったりするけど、あくまでここは死んだ施設でそれらが動くことはない。

 

やっぱりこの世界は、一度滅んだんだなとしみじみと思う。

この施設内だけは地球の技術力を大きく上回ってるんだもん。

もともと、技術力が無ければ滅ぼすことすら出来ないだろうしね。

 

一際大きな自動ドアに突き当たって、力技でドアを開ける。

そこにあったのは巨大な機械。

エネルギーはもう作られてないみたいだけど、ぱっと見であっちゃいけない存在なのはわかる。

事実、これでこの世界は滅んだはずだ。

 

MAエネルギー発生装置。

稼働していたときは、中心にあるコアに大量のエネルギーが詰められていたのだろう。

まだ稼働してるやつもこの世界にはあるんだけど……。

 

ただ、もう作動しないこの装置に用はない。

背中から再び腕を生やして上からバラしていく。

バラして、仕組みを調べて、バラしての繰り返し。

その間ももう2本の腕で引きちぎりながら喰らい続ける。

よくわからない油も、金属も、放射性物質も。

 

体内に巨大な空納を開いて、全てを飲み込んでいく。

私のMA原子炉にも使えそうな物質はある。

特にコアの部分。

MAエネルギーを蓄えた時の経年劣化が、こっちの体内にある素材より格段に少ない。

そもそも私の原子炉がどう動いてんのかは完全にはわかってないんだけど。

 

だって私のエネルギーの生み出し方星と同じだよ?

星と同じことを中学生くらいの大きさの体でやってるのに、仕組みを完全に理解している方がおかしい。

電脳はわかってるのかな。

うーんでも、わかってないんじゃないか?

そんな簡単にわかるんならエネルギー生み出してる生き物もっといてもいいと思う。

 

バクバクと食い破って引きちぎっていく。

まるで食べ物のように。

一瞬で引きちぎり、喉の奥に飲み込む。

これが暴食なのだろうか。

そんなの、私にはわからないけども。

 

部屋の中央の装置を食べ切って今度は施設全体の内壁に目を向ける。

施設の外側だけ食べなければ崩落しないだろうし、大丈夫なはず……。

 

バキッ。

うん、装置より弱い素材で出来てるみたいだ。

金属としては硬いけど弾力はほぼないから結果的に耐久は低くなってる。

てか装置、やっぱ珍しい金属だったっぽいな。

食べといてよかった。

 

部屋の内壁を食べた後は死んだ機械たちを食べる。

腕を2本追加して、電脳も活用して、どんどん解析。

いくら死んだやつといっても仕組み的には学べるんだから使わない理由はない。

新人歯科医の研修だって、歯医者で抜いた歯を再利用してるんだし。

世の中SDGSだよSDGS。

 

うん?

あ、術式の確認もしたいのか。

はい。

 

私は目の下にもう2つ小さな目を開く。

気分はまさに両面宿儺だ。

いや、腕4本で目が4つということはマジでそうなのかな?

知らんけど。

はーい、知らんけどって言葉流行してるらしいから覚えとけー!

ここテストに出るぞー!

 

てな感じで、読み取りながらさらに分解。

機械の数が多い……。

地道だけど一体ずつやってくしかないか。

 

 

 

体感1日かかった。

これ、私が悪いわけじゃないと思う。

てか誰も悪くない。

許せ。

 

 

『最後に外壁だな。そしたらこの施設があった空間は崩落してなにもなかった場所となるけど、本当にいいな?』

『もちろん私たちが選んだ道だよ。それにこんな場所、守ってる意味も必要も無いしね』

『そうだな。

 お前、失うことを恐れてた時より少し変わった。人は変わるもんだな』

『変わった?

 でも、それならあんたはもっと変わってるけどね。なんたって、思考回路の根本すら変わってんだから』

『ふっ。じゃあ食うか』

 

あーもう、話逸らしたなこのキザ!

めんどくさい!

 

グニャ。

そんな音が聞こえそうなほど柔らかく金属がねじ曲がる。

そして喉がスライムのように変形して広がり、ごくんと飲み込まれる。

今の私は人だけど人じゃない。

なんでもできる存在なのだ。

 

鋭く尖った牙で金属を噛みちぎる。

そしてまた飲み込む。

過去の産物なんて、私が全て生まれ変わらせてやる。

 

飲み込んだところの天井が崩落して半身が埋まるけど、食べながら土を持ち上げて脱出。

窒息死だけは怖いけど、もう私の体内で酸素なんて作り出せるだろうしおそらく大丈夫なはずだ。

私はそんな崩落なんて無視して食べ続ければいい。

ガキン。グシャ。グニャ。

バキッ。ガコン!ドシャ。

 

そんな解体作業は、一昼夜かけて行われた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ご馳走様でした」

青空の下、陥没した地面の前で私は手を合わせる。

過去の人たちに感謝だ。

技術以外の部分では戦犯しかしてないけどさ。

 

『この後はどうするんだ?』

『うーん、人助けでもするか。

 施設を食べ切っちゃった視点で、アリエルがちょっかい出したところでもう私は止められないし』

 

そう。

これで対アリエルの準備は十分すぎるほど整った。

もう絶対に私は止められないし、止まらない。

アリエルにとってのタイムリミットは過ぎてしまったわけだ。

 

エルフの奴らはもとからどうとでもなる。

と考えると、やはり民間人の保護が最優先なわけだ。

人権なんてクソくらえな世界だからね。

人命第一よ。

 

 

 

誰も悪くは無い。

誰もが幸せを、自由を、遊びを求めただけ。

所詮、どんな世界も弱肉強食なのだ。

政治戦争も金融戦争も、企業戦争も。

前世の私に課された重い罪も。

 

だけど私はそれが嫌いだ。

夢物語かも知れないけど、私はそれが大嫌いだ。

だから邪魔をしないで。

私が作る。

 

 

子供が屈託のない笑顔を浮かべる、新世界を。






私は最強(あくまで個人の感想です)

この小説の読者層を知りたいので回答お願いいたします。回答によっては綺麗にまとめるために数話改変させていただくつもりです。蜘蛛は、蜘蛛ですが、なにか?の略称です

  • ポケモンも蜘蛛も知らない
  • ポケモンは知ってるが蜘蛛は知らない
  • 蜘蛛は知ってるけどポケモンは知らない
  • ポケモンも蜘蛛も知っている
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