バチュルですが、なにか?   作:天廻シーカ

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85 嫌がらせが嫌すぎる

転移した私は、中層でゼルギズと合流して最下層への転移窓を開く。

そして転移窓に飛び込もうとするゼルギズの殻をガシッと抱き止めた。

 

「勝手に転移するのは禁止!

 最悪帰ってこれなくなるし、勝手に怠慢とか使って耐性持たれても困る。

 私の妥協案だから、これだけは認めて」

 

 

「わかった、お前の言うこと自体は認める。

 ならば中層でどうすれば良いのだ?

 お前の管轄下で我がなにをできるのか教えてくれ。

 このままではガギアは死ぬぞ」

 

 

ガキアだけどね。

確かにガキアは死ぬと思うんだけど、そもそも私ガキアを生かせるとは思ってないんだよなぁ。

だってもうアリエルにロックオンされてるのよ?

しかも本人が突っかかって自殺しに行ってるのに、なんで止められるのよ。

「あとそれ、ガキアが決めたことでしょ」

 

 

「すまない、無粋なことを聞いた。

 なかったことにしてくれ」

 

 

あ、口に出ちゃってた。

でも本人が納得してるならいいか。

運がめちゃくちゃ良くてアリエルがめちゃくちゃバカならなんとかなるかもしれんし。

その場合は多分アリエルは死んじゃってるけど、それはそれならまた運命。

私が悪いわけじゃない。

 

 

「じゃ、最下層にいこうか」

私はゼルギズと共に転移する。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

本体からは魔王を早く支配しろという指令が来たけど、こちとら一生懸命やっていてなにも言われる筋合いがない。

しかもいくら外道無効とは言っても、抵抗されればわたしの方が支配されかねない。

それほど魔王はヤバい。

てか、上からマグマが落ちてきたのって魔王を物理で倒すためじゃないんか?

わたし陣営以外の、第三者からの攻撃かもしれない。

となると誰だ?

 

 

だけどわたしが本格的に考え始める前に魔王は、攻めあぐねている龍への攻撃をやめた。

そして突如背後に放たれる深淵魔法。

なんで撃ったのかと思ったのも束の間、後ろからビリビリという衝撃が響く。

これは、魔法が相殺された衝撃?

 

 

魔王は振り向き、ついにその敵を視認した。

そしてわたしも悟った。

コイツらも怪物なんだと。

青、もといオリジンエレテクトとゼルギズがそこには立っていた。

 

 

 

魔王はなにか考えているのか顎へ手をやる。

おそらく地龍と青のどっちを先に始末するかについてだろう。

正直な話をすると魔王はどっちを先に始末しても問題がない。

どちらを先に攻撃したとしても、もう片方も大魔王で逃げる事は出来ないし、魔王が殺されるとも考えにくい。

ならば、本当はどっちから倒しても変化はない。

 

 

魔王は地龍の方へ向き直り跳躍する。

そこから放たれたパンチは神龍結界によって防がれたけど、それに弾かれたのをさらに利用して壁を蹴りもう一度殴って結界を破壊した。

呼応するように、再び結界を貼り直す龍たち。

 

 

どうやら地龍を先に倒すことにしたみたい。

ただ、それは同時に厄介であろう青の対処を後回しにする選択となる。

わたしだったらまだ青の方優先すると思うけどなー。

厄介な絡め手はしてきそうだし。

 

 

魔王が地龍への攻撃を再開したのを確認してか、青はゼルギズとともに次元魔法の門をくぐる。

転移は出来ないはずなのに、青はこの空間から姿を消した。

どゆこと?

 

 

でも、叡智で確認しても青の存在はそこにあるし、魔王の警戒してる様子はあるし、皆が認知している。

待ってこれほんとにどゆこと?

 

わかった。

空納の仕組み使ったな。

空納で空間に歪みを生んでその歪みの中に隠れてるんだ。

相変わらずバケモンだな。

 

 

魔王に位置を認識されてるから転移は使えないけど、魔王も空間魔法を突破できないから少なくとも引き分けになる。

とりあえず青が死ぬ事はないかな。

地龍はこのままだと死んじゃうから急がないと。

 

 

青のいる空間が金色の光を放ち始めた。

これは爆発かな。

輝きがどんどん激しくなってるのを見ると、かなり規模の大きいものになりそう。

最下層を崩されると迷宮がヤバいかもだし出来れば小規模であって欲しい。

 

魔王も注意はしながら龍との戦闘を続行してる。

空間魔法には何もできないとわかってるのはさすがだ。

しかも自身が倒れないだろうという確固たる予測のもと行動してるからか、一切の迷いがない。

ほんとに流石魔王だ。

 

 

次の瞬間迷宮内に閃光が駆け巡る。

ついに来た。

魔王は青の方へ向き直って咄嗟に腕でガード。

ただ、放たれた人のは爆発じゃなくてビームで、身体ほどの太さのそれは魔王とは反対の方向と突き進む。

そしてそのまま時空の歪みを通って真上から魔王を叩き落とした。

 

 

は?

いや、は?

 

 

ギュリギュリが使ってる類の転移でビームを転移させてるの?

わけがわからない。

いやわかるけどそんな魔法叡智込みでも作れるもんじゃないぞ。

相変わらず化け物電脳が。

 

 

マグマに触れてダメージを受けた魔王はすぐさま跳ねてまた空間機動の足場を作る。

そして結界を削ってSPを回復。

減ったHPもまた回復し始めたし今のペースだと魔王の回復の方がダメージを上回る。

だから結局、青に出来るのもせいぜい時間稼ぎ。

だけどその僅かな時間もわたしと地龍を大きく支えるものとなる。

 

 

地龍たちにとっては体勢を立て直して再び結界を張る時間。

わたしにとっては魔王の精神を削る時間。

そしてわたしと地龍はお互いに支え合ってて、相乗効果でさらにその恩恵を大きくする。

 

 

さてこれからの持久戦、キツくなるのはどっちだ?





未来に託す
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