見えぬ輝きの最南星《アクルックス》   作:ヤットキ 夕一

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「──で、トレーナー。ダイユウ先輩の目標が決まって、しばらくレースを休むのは分かったけど……他の目標は?」
「ターキンはとりあえず、東京やら阪神、京都とかの大舞台から離れて、とにかくレースに慣れさせる。そして勝たせる。夏の間も走らせてな」
「なるほど。じゃあ残る2人……シオンとマンガンのデビューはいつ?」

 ターキンの予定に関して、力強く語ったオレだったが……その2人に関して訊かれ、勢いは完全になくなった。
 ため息混じりに肩を落とし──

「秋、以降だな」
「え? なんでよ!? だってロンマンはともかくシオンもなの? だって彼女は──」

 驚くダイユウサク。
 確かにオラシオンは中等部の頃から期待され、高等部に入ってからのデビューを目指して一年以上前から〈アクルックス〉に所属して準備していた。
 万全のはずだったのに──今、オラシオンは明らかに調子を落としていた。

「……ちょっと、アイツの家がゴタゴタしていてな。ここ最近、トレーニングでも集中を欠いている」
「そう、だよねぇ……」

 オレの言葉に、チームのサポートをしているミラクルバードもそれに気がついていた。珍しく苦々しい顔をしている。
 ダイユウサクは今まで自分のことで目一杯だったから、他を見る余裕がなかったんだろうな。
 そしてミラクルバードは親同士に繋がりがあって、オラシオンを〈アクルックス(うち)〉以前から知っているからな。余計に心配しているんだろう。

「ミラクルバード、お前ならそのゴタゴタの内容、少しは知ってるんだよな?」
「うん。オラシオンのお養父(とう)さんって、大きな会社の経営者だったんだけど、そこが買収されちゃったみたいなんだよね。それで会社の社長も辞めちゃったみたいなんだけど……」

 一人親の母を小さい頃に亡くして孤児院に引き取られたオラシオンを、そこを支援していた資産家が、彼女を養女にしたというのはオレも知っていた。
 その養父が大阪の淀屋橋に本社を構え、東京と静岡、岡山、福岡に支社を置く和具工業株式会社という大きな企業の社長だということも。

(そんな企業でさえ傾くんだから、会社員ってのは怖いよな……)

 そんな大企業が、最近になって“ワグ・エレクトロニクス”なんていう、とあるウマ娘(マルゼンスキー)曰く“()()()”名前になった。
 その理由は、会社名はよく覚えてないが“ナントカ電機”とかいう会社と合併をしたかららしい。
 ミラクルバードは“買収”と言ったが、表向きは“合併”であり、吸収ではないのを示すのと社員の志気の維持のために、“和具(ワグ)”の名前を残した──というのをオラシオンから聞いた渡海から又聞きして知っていた。

「オーちゃんは、競走を引退したら、そこに入社して会社を支えて恩返しするんだ、ってがんばってたからね」

 競走(レース)引退後の目標を見失い、社長を辞めることになった養父を心配し、真面目な彼女のことだから「自分がこんなことをしている場合なんだろうか」と悩んでしまったのだろう。

「でも、オレが相談に乗れるような話でもないからなぁ……」

 しがないトレーナーのオレには、企業のトップやら合併の話なんて雲の上のことでピンとこない。
 そう思いながら、この場にいる他の2人のウマ娘を見たが──ダイユウサクの家はたしか会社員だったよな。
 ……“あの方”の親戚とか、だいぶ特殊だけど。
 で、ミラクルバードはといえば、有名焼鳥屋……経営者という面ではこっちの方が相談に乗れるんだろうか?

「うん。トレーナーの言うとおり、ボクらじゃなかなか力になれないよね。家族のことでもあるし……」

 そのミラクルバードも複雑な表情になっている。

「だから、とあるウマ娘(ひと)に相談しにいける段取りをとったんだ。たぶん、その人しか相談に乗れないと思ったから」
「とあるウマ娘(ひと)? 誰だ、それは?」
「えっと……同じ人にお世話になった、オーちゃんの施設でのお姉さん? みたいな存在(ひと)だよ」

 ──そんなオラシオンが出掛けたのは、京都のとある大学だった。



第22R “無慈悲な主人に私を渡さないで”

 

「ごめんなさい。忙しいのに……ファースト姉さん」

「気にしないで。大学って自由な雰囲気だから、意外と時間作りやすいのよ」

 

 私が頭を下げると、目の前の年上のウマ娘は悪戯っぽくにっこりと微笑んでくれました。

 ファーストワグというのが彼女の名前です。

 黒鹿毛の髪の中に金髪が混じった──地毛でそうなのは本当に珍しい──長い髪。

 そして優しげな二重(ふたえ)の、濃い青に緑が混じったような碧眼は、私の知る彼女とまったく変わっておらず、つい昔を思い出してホッとしてしまいます。

 私のいた孤児院でみんなの姉代わりで、もちろん幼かった私にとってもも頼れる年上のウマ娘でした。

 そして、養父(ちち)が施設を支援しはじめ、その縁で施設から中央トレセン学園に入学できた初めてのウマ娘でもあるんです。

 

(それにスプリング姉さんや、ドリーミィ姉さん、シルバー姉さん達が続いて……)

 

 ファースト姉さんは大きなレースを制したわけではありませんでしたが、それでも多くのレースに出走して何度も勝ちましたし、掲示板に乗ったのは数え切れないほどでした。

 そんな姉さんの活躍と養父がトレセン学園に出資していた縁もあって、学園への推薦を受けて他のウマ娘も続いて活躍したり、今も活躍している姉さんもいます。

 私が学園に入学できたのも、このファースト姉さんがいたからこそ、です。

 

「お詫びというわけじゃないんだけど、これ……」

 

 私が姉さんのところを訪ねるときにはいつも欠かさず持ってきている“それ”が入った箱を差し出すと、彼女は目を輝かせました。

 

「まぁ! いつもありがとうね!!」

 

 姉さんは嬉々として箱を開けて──中に入っていたシュークリームの一つを取り出すと満面の笑みを浮かべ、さっそく食べました。

 

「あぁ、幸せ~。これをもらったからには、何でも相談に乗っちゃうわよ?」

 

 シュークリームは姉さんの大好物。こんなに幸せそうにシュークリームを食べる人を、私は見たことがありません。

 もちろん、相談に乗ってもらうために持ってきたのではなく、姉さんを喜ばせたくて名店のそれを持ってきたのですけど。

 姉さんはとりあえず1個目のそれを食べ終えると、箱を閉じて私に向き直りました。

 

「事情はだいたい知ってるわ。和具さん……あなたのお養父(とう)様のことでしょう?」

「はい……」

 

 あの人の養女になったのは私だけ。

 ファースト姉さんや他の姉さん達は支援してもらって学園に入りましたが、私のように家族にはなれませんでした。

 ほとんど一代で大企業に育て上げた社長という立場は、一族であればその会社の経営に大きな影響を与えるのは間違いなく、だからおいそれと養女にするわけにはいかなかったのだと思います。

 私が養女になれたのは、養父が高齢で、私が成長したころには養父は引退して力を持っていないだろうから、と目されたからです。

 ただ、実際には後継者に恵まれずに養父はつい最近まで現役でしたが。

 

「もうあの人とあの会社は、完全に切り離されたんだから、気にする必要はないんじゃない? あなたが貢献しようと一生懸命になっていたのは、私も知っているけど……」

 

 父からの恩を返すため、父が心血注いだ会社を支えたい。

 そう思ったからこそ私は経営学を学び、少しでも早く父の役に立とうと思っていたのですが……その前に、父は会社から去ってしまったのです。

 

「あなたのこと、縛りたくなかったんじゃないかしら?」

「私を縛る、ですか?」

「ええ。あの人はウマ娘に対してとても理解のある人だもの。会社の経営に携わるよりも、そんなことを目標にせずに伸び伸びと走って欲しい。だから合併後の会社にも残らず、身を引いたんじゃないかしら」

 

 ファースト姉さんは「もしもそのつもりがあったのなら、意地でも経営陣の末席に残ったんじゃない?」と付け加えます。

 

「それは……どうでしょうか」

 

 形的には“合併”でも、“吸収”に等しかったはずです。

 その相手も養父が経営陣に残ることは絶対に許さなかったことでしょう。

 

「でも、残る社員のために“ワグ”の名前を残した。あくまで“合併”であって残さないならその話自体を御破算にする、って覚悟だったって話だもの。ワグの名前じゃなくて自分のポストに固執すれば、同じように残れたと思うけど」

「ファースト姉さん、詳しいんですね……」

「まぁ、大学に勤める立場になると、いろんなところから情報が入ってくるのよ。特にあれだけ大きな企業の、合併話ともなると余計にね」

 

 もちろん大きな企業になればなるほど就職先として有力候補になります。

 教育機関、それも最終学歴になる(大学院もあるけど)大学にとって、大企業の情報は学生を通して入ってくるそうで、学生の就職支援としてそちらへのアンテナも張っているから極端に深い情報でなければ、大学内では情報を入手しやすいとのことでした。

 

「……だから、イヤな噂も耳にするのよ」

 

 そう言って、ファースト姉さんは頭上の耳をピクッと動かしながら、顔をしかめたのです。

 そして真剣な目で、私をジッと見つめてきました。

 

「今回はたしかに、ミラクルバード(コンちゃん)から相談にのってあげて欲しいって言われたのがきっかけだったけど、それがなくともあなたと話をしたかったのよ」

「どういうことでしょう?」

「あなた……今、きっとこう思ってるでしょ? 『養父(ちち)が社長を辞めたのに、私がトレセン学園に所属してていいのかしら?』って──」

「それは……」

 

 ファースト姉さんの指摘は、私の心の中のもやもやを的確に指摘していました。

 合併後の会社に残り苦労することになる旧和具工業株式会社の社員たち。

 吸収に近い合併となれば、相手側の社員が優遇されるのも無理もないこと。冷遇される彼らの気持ちを考えると、元社長の“娘”として胸が痛むのです

 

社長(養父)の資産に余裕があるなら、それを会社の再建に使うべきだ、と思う方も少なくないでしょうね)

 

 実際には、会社の資産と経営者の資産は切り離すべきなのですから的外れなのですが、それはあくまで“お金持ちの感覚”です。

 従業員の感覚なら、そう思うのは無理もありません。

 

「──今すぐ、その考えは捨てなさい」

「え?」

 

 ファースト姉さんが厳しい口調で言ったので、私は呆気にとられました。

 

「それにつけこうもとしている人がいるの。あなたの才能に目を付けて……」

「どういう、ことでしょうか?」

 

 姉さんの言ったことがよく分からず、思わず問い返してしまいました。

 

「少し前だけど、あなたの後援会をつくろうとした人達がいたのよ。ちょうどあなたのお養父(とう)さんが社長を辞めたころに」

「そんな!? でもそれなら──」

 

 確かにウマ娘に後援会ができるのは珍しいことではありません。他の……例えば高校スポーツ界隈でさえもよくあることですし。

 でもそれは、ウマ娘競走の世界では支援する人がいない場合に限ります。例えばメジロ家のような名門の出身者であれば、あり得ないことです。

 そして私は養女として和具の家に入っていますし、養父も資産家の範疇に入っています。後援会ができるとは思えませんし、できたとしても養父が代表になるはずです。

 私がそれを指摘すると、ファースト姉さんは目を伏せて首を横に振りました。

 

「代表は和具元社長じゃないわ。別の人なの……」

 

 姉さんが説明するには、その人は今までも何人かウマ娘の後援会を作ったそうです。その中にはGⅠを取るほどの活躍をしたウマ娘もいたそうなんですが、ただ一つだけ……ダービーだけは、そんな援助したウマ娘がとっていないそうなんです。

 

「どういうつもりか知らないけど、そこに執着しているみたいなのよね」

 

 どうにかダービーウマ娘の後援者になりたい。

 そう考えたその人は、中等部の頃から注目されていた私に目を付けたそうです。

 でも、私には養父がいます。たとえ後援会ができたとしても、その代表には絶対になれない──

 

「……シオン。あなた、今のチームにはいる前にあるチームから強引な勧誘を受けて困ってたって相談してきたことがあったわよね」

「はい。でも、それがなにか?」

「そのチームに入れて、チームの後援会をつくって、半ばどさくさに紛れてあなたの後援会にする、つもりだったらしいわよ」

「え?」

 

 私は思わず寒気がして、身震いしてしまいました。

 なんというか……とても気持ち悪いです。私の知らないところで、まるで物のように私自身がやりとりされている気がして。

 

「結果的には〈アクルックス(今のチーム)〉に入ったから、その話は御破算になったみたいだけど。ただ……それでもその人、諦めなかったのよ」

「そんな……ッ!! まさか!?」

 

 私はあることに思い至り、思わずファースト姉さんを振り向きました。

 それで私が気づいたのが分かった姉さんは、重々しく頷きます。

 

「和具工業の買収話がトントン拍子に進んだのも、その人が裏で糸を引いていたそうよ。今回の合併相手とつながっていたみたい」

「そんな!? じゃあ、養父(ちち)の会社は──」

 

 立ちいかなくなったのは、私のせいってこと!?

 ショックを受け、愕然としました。

 そんな私にファースト姉さんは、優しく肩に手を置きました。

 

「それは、違うわ。この件は私も詳しく調べたのよ。業界に詳しい人から話も聞いたけど……近年、和具工業は傾いてきてはいたそうよ」

 

 工業系の企業は今はどこも厳しく、競合相手になる東アジアの外国企業に価格競争を仕掛けられると苦戦してしまいます。

 和具工業も小さな会社ではないけれど、圧倒的な競争力を誇るような巨大な企業ではない。それで取引先を失ったりして、徐々に劣勢になっていた、と姉さんは説明してくれました。

 

(私は……なぜそれに気づかなかったのでしょうか)

 

 養父は、会社の経営で苦労していたはずなのに、それに気付かなかったなんて。

 

「和具さんを社長から辞めさせて、それから後援会を作ろうとしたみたい。でもあの人はそんなことで支援を辞めるような人じゃないわ。それにあなたは養女になっていたし」

 

 親が面倒を見るのは当然のこと。幸運なことに私は資金援助を必要としていませんので、後援会は必要ありません。

 相手は、養父が社長を辞めればそこに金銭的な隙ができて、そこを突けると思っていたそうですが、ウマ娘への支援を道楽ではなく真剣にその人生を考えてくださっている養父にそれはありませんでした。

 

「その人は、それでも諦めずにマスコミまで使おうとしたの。『負債を抱えた企業を売り払った元社長が、残った社員が苦労する中、ウマ娘を養女にして贅沢な道楽三昧』……そんな事実無根な話を週刊誌に書かせて、世間や社員たちを煽ろうとしたの」

「違います!! 養父(ちち)は、そんな人ではありません!!」

 

 私が感情を高ぶらせて言い放つと、姉さんは苦笑いしつつやんわりと言いました。

 

「ええ、分かってるわ。私だってお世話になった身だもの。幸い、それが世に出る前に教えてくれた人がいて、私はURA側の人に相談したのよ」

 

 ファースト姉さんは養父の縁を使って、URAのコンテンツ部門も担当している理事にこの話を相談したそうです。

 その理事に、「将来有望なウマ娘が存在しないスキャンダルで駄目にされる」と話したら、その人は立場上マスコミとの繋がりもあることや取材許可の取り消し等を駆使して、記事を潰してくれたそうです。

 それをきっかけにURAやトレセン学園がそういう動きに気付いて対策してくれて、どうにかこの騒動は収まったそうです。

 

「大学に勤めていて良かったわ。卒業生がいろいろ教えてくれたおかげで、今回のことは防げたんだから」

「ありがとうございます、姉さん……そして、ごめんなさい」

「あなたが謝ることじゃないでしょう? それに姉が妹のことを思って行動するのは、当たり前のことよ」

 

 そう言って、ファースト姉さんは俯いた私の頭を撫でてくれました。

 

「だから、ここで申し訳ないという気持ちだけで競走を諦めたら駄目よ。和具さんの思いが無駄になってしまうし……私だって、あなたが好きに走れるように()()()いるからこそ、したことなのよ。だからあなたは何に遠慮することなく、捕らわれることなく、自由に走って」

「ファースト、姉さん……」

 

 顔をあげた私をジッと見つめ、姉さんは微笑みながら言いました。

 

「まだ遠慮があるなら、そうすることが私や和具さんに対する一番の恩返しだと思いなさい、シオン」

「はい……養父(ちち)の、そして姉さんの想い、確かに受け取りました」

 

 私は思わず胸の前で手を組み、そして祈りました。

 そして三女神に誓ったのです。

 2人の想いに応えるためにも絶対に立派な競走ウマ娘となってその姿を見せ、2人の恩に報います、と。

 

 

 ──その通りです。オラシオン、あなたは……人々の想いを、“祈り”を乗せて、走るのです。

 

 

 私の祈りに、三女神さまの一柱が、そう仰ったような気がしました。

 




◆解説◆

【“無慈悲な主人に私を渡さないで”】
・今回は久しぶりのオラシオン回なので、『馬の祈り』から。
・  “Do not turn me out to starve or freeze(私を、飢えたり凍えさせたりしないで下さい),”
   “Or sell me to a cruel owner(残酷な飼い主に売り払わないでください)
・──という部分が元ネタで、下段部分を意訳しました。
・なかなか話に合う部分を持ってくるのも大変だったり。
・ネタ尽きたら、どうしよう……
・ちなみに今回、完全にネタがほぼ『優駿』からです。

ファーストワグ
・本作オリジナルのウマ娘。その元ネタは小説『優駿』に名前だけ登場した競走馬から。
・黒鹿毛の牡馬。でもフィクションだから鬣が金髪という尾花栗毛のような特徴を併せ持つ。目は碧眼。
・オラシオンの馬主──は実質はこの人の娘で、それを隠し子の弟に譲ってるという訳の分からんことになってるけど、名義上はこの人──である和具 平八郎という競走馬を複数持つ馬主が、最初に所有した競走馬。
・なお、小説が始まる時点ではすでに亡くなっています。
・生涯46戦走り、その間一度も病気や熱も出さなかった丈夫な馬。
・その成績は6勝、2着7回、3着3回、4着10回、5着6回。
・ただし重賞やクラシックでは勝てず、種牡馬にはなれずに引退後は京都の大学の馬術部に寄付しています。
・現役の時に和具氏が娘が訪れたときに、こっそり食べさせて以来、シュークリームが大好物に。
・そのため大学では好物のシュークリームを逆にして「ムーリクーシュ」と名付けられました。
・本作ではそういう経緯から中央シリーズ引退後は、大学で働いているという設定になっており、好物もそのままシュークリームになっています。
・──なお、『優駿』では和具社長の娘にファーストワグの逸話をしに出てきた増矢調教師の息子である騎手は、そのシーンは好青年だったんですが、その後はキャラが変わったかのようにクズに成り下がってました。

スプリング姉さんや、ドリーミィ姉さん、シルバー姉さん
・それぞれ、スプリングワグ、ドリーミィワグ、シルバーワグという架空の競走馬を元にしたウマ娘。
・ファーストワグと同じく『優駿』に登場した和具 平八郎氏の所有馬。
・こちらは作中でも現役だった競走馬たちで、オラシオンが当歳の時に次に走るレースの話題が作中で出てきていました。(具体的なレース名はありませんでしたが)。
・なおオラシオンの名前も、それを考えるように和具氏から言われた社員は冠名の「ワグ」を付けたものを考えていたのですが、社長から「付けるのはやめよう」と言われたので、オラシオンだけは付いていません。
・ちなみにファーストワグを含めたこの馬たちは、増矢という調教師に預けられています。
・ところがオラシオンの売買の際に和具氏を騙すようなことをしたので、その信頼を失い、オラシオンは別の調教師──砂田調教師に預けられることになりました。

社員たちを煽ろうとした
・これをしたのは『優駿』ではツクダ商工という会社の社長、佃 光康。
・所有馬がダービー馬になるのに執着しているという(くだり)は、ダービー欲しさに有力馬だったダイコーターを途中で購入した上田氏を思い起こさせます。
・『優駿』では同じように、なんとしてもオラシオンを手に入れたいと考えて1億円(昭和61年の作品ですのでその当時の価格とお考え下さい)で譲ってくれと和具氏に頼み込みましたが、「あれはすでに娘の馬。きっと2億でも売らないと思う」と返されてしまいました。
・それなら余裕がなくなれば手放すと考え、和具工業と三栄電機との吸収合併で暗躍。
・しかし、和具氏は社長を辞めてもオラシオンを手放しませんでした。
・合併後も残り、同じように合併時に暗躍した前社長の秘書に、「残された社員に、和具元社長は競走馬を保有して贅沢をしている、と焚き付けろ」と指示しています。
・今回は登場しませんでしたが、人間関係の簡略化(どうでもいいキャラを削減する)のため、佃社長の役目は他の馬主の役と混ぜてオリジナルの脇役になってます。

URAのコンテンツ部門も担当している理事
・はい、第一章に登場した、黒岩理事のことです。
・和具社長と黒岩理事に繋がりがあるのは、オラシオンが彼の性格まで知っていることが第一章で書かれています。
・ファーストワグも知っているようで、その性格を熟知しており、「将来有望な優秀なウマ娘(=オラシオン)が潰されて大損しそうですよ。守って」と頼んでいます。
・その依頼に「確かにURAの利益が損なわれそうだ」と黒岩理事も動き、マスコミに対し「広告を出さないし、取材も制限するぞ」と脅しをかけて記事を差し止めました。
・なお、JRAと馬主の関係と違って、URAとウマ娘の支援者の繋がりは一部を除いてそこまで強くないというのが本作の独自設定で、支援者が「ウマ娘の支援止めるぞ」と脅しても、「ウチは教育機関ですし、困りません」と突っぱねられるくらいです。
・ただしメジロ家とか、それクラスになると別ですけど。


※次回の更新は、都合により一回休みを入れて、4月21日の予定です。  

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