見えぬ輝きの最南星《アクルックス》   作:ヤットキ 夕一

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 スプリンターズステークスの開催を前に、セレモニーが開催されていた。
 居並ぶ出走者に対し、インタビュアーのマイクが向けられる。


 ──今回のレースに対する意気込みをお願いします。


「当然、この私──キングに相応しい栄冠、春秋短距離(スプリント)GⅠ制覇以外にありません」

「今年このレースの連覇を狙えるのは去年勝ったあたしだけ。高松宮は節操なしに走るウマ娘(ヤツ)に持って行かれたけど、こっちにも短距離専門(スプリンター)としての矜持(プライド)があるんで。なんでも屋に好き勝手させる気は無い」

「去年は他に持って行かれたけど、今年こそその座を奪還して一昨年以来の座に返り咲くよ。捲土重来ってヤツだね」

「ニホンのウマ娘として海外でGⅠをとってるのに、地元(ニホン)のGⅠをとってなかったらカッコつかないじゃない? 誰が芝1200の最速記録(レコード)を持ってるか、教えてアゲるワ」

「4連勝中で調子も良い。セントウルでは強敵も下しているし、勝つ自信はある」

「重賞の中でもGⅠは別格さ。年に二度しかない短距離走者(スプリンター)の最強決定戦、ノドから手が出るほど欲しいのは誰も同じ。当然、貪欲に狙っていく」

「名前からしてまさに短距離走者(スプリンター)の為のレース。まして今回は周囲もオールスターのようなメンバーで、短距離走者(スプリンター)の1人としてあこがれの舞台に立てただけでも光栄です」


 そして…………


「勝ちたいですね。自分の憧れる先輩が、どうしても取りたがっていたレースですから」

 ──憧れの先輩?

「はい! そのウマ娘(ひと)が憧れたウマ娘と名前を並べたくて、どうしても勝ちたかったレースだそうです。翌週の有記念にも出走する予定だったのに」

 ──それはハードなスケジュールですね。

「今年からはそうはなりませんけどね。残念ながらその方は栄冠を掴めなかったんですが、その想いを受け継ぎたい……誰かがそれをやらねばならないと、期待されるウマ娘でありたいと思っています」


◆  ◇  ◆  ◇  ◆


 例年と変わった年間スケジュールの影響でかなり早い開催になった短距離ウマ娘の祭典を前に、世間の注目も集まっていた。

「やっぱりキングヘイローだよな。高松宮記念制覇も感動したけど、今までの努力が報われたのはやっぱり嬉しいわ」
「いやいや短距離専門(スプリンター)のウマ娘からしてみれば、あのレース結果は忸怩たるものがあっただろ、絶対に。死にものぐるいで取り返しに来るだろうから、さすがのキングも厳しいんじゃないか?」
「出走メンバーが豪華だもんなぁ。去年と一昨年ののスプリンターズステークス覇者に、去年と今年の高松宮記念ウマ娘が揃い踏みだぞ?」
「それに加えてジュニアとクラシック限定とはいえGⅠウマ娘がそれぞれ1人。さらには海外GⅠを制した現在(いま)の芝1200記録保持者(レコードホルダー)まで……他の出走者だってほぼ重賞勝利経験者しかいない。こりゃあ本当に誰が勝つか分からんぞ」

 そんな強者しかいない、まさに短距離走者(スプリンター)最強決定戦となった今回のレース。
 そんな中で…………

「オイ。この人気薄になってるウマ娘って、たしか……」
「ああ、()()〈アクルックス〉所属だよな、たしか」
「ゲエェーッ! ってことはヤバいんじゃないのか? もしも人気が下位も下位になったら割と本気で」
「落ち着け落ち着け。『ビックリ箱(ジャック・イン・ザ・ボックス)』がガチで勝ちを狙ってるときは目立たないように当たり障りのないコメントさせているんだぜ」
「じゃあ、今回は?」
「思いっきり“勝ち”を意識してるコメントだな、コレは」
「ってことは……なるほど、トレーナーも本気じゃないってことか」
「短距離ウマ娘なら誰でも出走したいレースだしな。とはいえ高松宮でも完全に力負けしてたし、春から夏にかけて好走もしていたとはいえあれはメンバーが弱かったから」
「確かに。で、セントウルでの良いところなしの7着だからな。望み薄──というか、まぁ、勝ちはないだろ」
「そもそも、オラシオン以外の〈アクルックス〉メンバーによる“驚愕(ビックリ)GⅠ制覇”なんてタケノベルベットのエリ女が最後だぞ。何年前の話だよ?」
「だよな~。《ビックリ箱(ジャック・イン・ザ・ボックス)》もネタ切れになって今や完全に《空き箱(エンプティ・ボックス)》だもんな」
「そうそう。それに“絶対的一強”相手ならともかくこれだけ豪華メンバーが揃っていたら“万が一の勝利”なんて起こりえないって……」

 向き合って「アハハ」と笑い合うファン達。
 その考えはどうやらほとんどのウマ娘競走(レース)ファンは同じだったようでネットの掲示板でも同じような会話が繰り広げられていた。
 その結果、レース当日の出走メンバーの人気は1番人気のアグネスワールドに集まりつつも、上位伯仲といったところ。


 そして……誰も勝つとは思っていないダイタクヤマトの人気は、出走メンバー中で最も低いものになってた。



第28R ヤマト、あの太陽を見よ!

 

 ──10月頭。

 

 スプリンターズステークスが開催される地にに〈アクルックス〉メンバーはやってきていた。

 もちろんトレーナーであるオレも同伴し、そのメインスタンドの最前列に陣取っている。

 そして、その前の走路側には今日の主役側のウマ娘が立っていた。

 

 

 青と灰色の配色にされた、海軍制服をイメージした勝負服。

 上からぴょこんと耳が飛び出た軍帽は彼女の真面目な性格を顕しているかのよう。

 そしてそれは一直線に切りそろえられた前髪もまた同じであり……

 長く伸ばした後ろ髪は、10月の爽やかな風になびいている。

 

 

 ダイタクヤマト。

 オレが担当している競走ウマ娘であり、師匠(おやっさん)が残したチーム〈ミモザ〉の現トレーナーである(あか)子矢(しや) (れい)()トレーナーから預かったウマ娘だ。

 当時は条件ウマ娘で、オープンクラスまであと少しといった場所にいた彼女も無事に昇格して約1年。

 全力を尽くして昇格したせいで去年は見送るしかなかった短距離走者(スプリンター)の夢の舞台に、今年はこうして立つことができたことはオレも感慨深いものがある。

 その一方で──

 

「ああ、どうしてこの舞台に、(わたくし)が立てていないのですか……?」

 

 チーム(〈アクルックス〉)メンバーの集まっているすぐ横に陣取った、緩く波打った髪を後頭部で束ねてウマ娘の尾のように垂らしたウマ娘がもどかしそうに、そして悔しそうにこの舞台を見つめている。

 そんな彼女、メジロダーリングは直前までオープン昇格のために頑張ったがために披露を考慮してこの大舞台を回避したのは、皮肉なことに去年のダイタクヤマトと同じであった。

 

「こんなことなら去年ではなく、今年に出走したかったですわ!」

「まぁまぁ、ダーリング。来年の高松宮とかこのレースで競い合えばいいじゃない」

 

 そう言って苦笑しながら彼女をなだめているのは、同じメジロ家のウマ娘のメジロパーマー。

 彼女を含めて、彼女の同期の某マックイーンやらそれ以外にも某モントレーを相手に大事な大事なGⅠレースで“下克上”をやらかしているウチのチーム(〈アクルックス〉)

 そんな経緯でメジロ家にはたいそう評判悪いらしく、メジロのウマ娘達からは“御婆様”と慕ったり恐れられるような最重鎮であらせられる存在から、オレは蛇蝎のように嫌われているらしい。

 さっきメジロパーマーから挨拶されたとき、彼女がこっそり『実はダーリングってば、〈アクルックス〉に入りたいと言い出して御婆様に大反対されて断念したんですよ』と苦笑いしながら教えてくれた情報だ。

 

(メジロダーリングも「さすが御令嬢」と思えるくらいに気遣いのできる、()()()ウマ娘だからな。先輩達に気を使ったところもあるんだろ)

 

 メジロパーマーはレッツゴーターキンに秋の天皇賞を持っていかれたのを気にしていない様子だが、メジロモントレーはサンドピアリスに負けたのを悔しがっているのは聞いたことがある。

 

(だが一番の問題はやっぱり……アレだろうな)

 

 奇しくも今日の舞台である中山レース場で開催された()()レース。

 オレの隣に立つ、茶髪(鹿毛)の長い髪を後ろに流しておでこが強調された髪型のウマ娘、ダイユウサク。

 彼女が一躍有名になったレースもまたこのレース場で行われたのである。

 重賞勝利こそしていたものの推薦枠で出走した不人気ウマ娘に、圧倒的な人気を受けて本命視されていたメジロマックイーンが負けたレースであり、メジロダーリングでなくともそこは気を使うことだろう。

 むしろウチのチーム(〈アクルックス〉)に入りたいとか言ってる時点で、だいぶアウトな気がするけどな。

 

「うぅ、でも人気が一番下だなんて……誰からも期待されてないんでありますかね?」

「人気なんて気にする必要ないわよ、ヤマト」

「珍しく意見があるじゃねえか、ダイユウサク。そうだぜヤマト。あんなもん、どんなに高かろうが何の意味もなねえ。人気でハンデがつくわけでもなければ、枠が外や内に変わるわけでもねえんだ」

 

 一方、そんなメジロ家の方々を気にすることなく、チームメンバーの前に立っているダイタクヤマトに声をかけたダイユウサク。

 そんな彼女同調したのはギャロップダイナだった。年齢的には一番上だがダイタクヤマトと同じようにチーム〈ミモザ〉から移籍してきた形になっているのでチーム最古参というわけではない。

 まぁ、オレとの付き合いが一番長いのは間違いなく彼女になるけど。

 

「……とか言ってる割に、なんでダイユウ(ねえ)さんもダイナ(ねえ)さんも楽しげに満面の笑み浮かべてんスかね?」

「それは御二方のGⅠで一番低い人気が下から2番目(ブービー)で、ヤマトさんがそれを下回ったから、でございましょう」

 

 先輩二人に遠慮なく胡乱げなジト目を向けていたロンマンガンに、律儀に答えた後輩ウマ娘は案の定、ダイナから「あ? おタケ、お前──」と怒られている。

 

「言ってることはその通りなんだけどね。人気が高くても有利なワケじゃないし……」

 

 小鳥の尾羽根のように後頭部で束ねた髪がピンと延びた髪型のウマ娘が、目元を覆う黄色い覆面の奥で苦笑気味に目を細めていた。

 今も車椅子に座った彼女──ミラクルバードは将来を有望視された競走ウマ娘だった。

 

「オイ、聞いたかダイユウサク。あの焼き鳥娘、事故るまで負けたことがねえからって上から目線だぞ」

「コン助……」

 

 ウチのチームのウマ娘では少数派である『GⅠで一番人気になったことがある』側からこその、そちら目線での感想といったところだろう。

 

「そ、そんなことないけど……」

 

 2人の先輩に詰め寄られて苦笑するミラクルバード。

 彼女が競走ウマ娘であることを失うことになった事件の現場もまた、奇しくもこの中山レース場であり、ここで開催された皐月賞だった。

 

(見たところ、心的外傷(トラウマ)もなくなったようだな……)

 

 スタッフ育成コースへ転科した彼女の助力を受けながらダイユウサクを担当していた頃は、あの有記念まで中山でのレースを選ばなかったのは……ま、偶然ってヤツだな。そういうことにしておいてくれ。

 ともあれ、ミラクルバードにとって辛い思い出の場だった中山のイメージを払拭して、こうして元気にこの場にいられるのはダイユウサクの有記念と──

 

「お二人とも、バード先輩をいじめないでください。それに人気なんて意味がないと自分で仰っていたじゃないですか。私もそう思いますよ……勝ってしまえば関係ない、と。ねぇ、ピアリス?」

 

 後ろからの聞き覚えのある声に、メンバー全員が振り向く。

 

「え?」

「今の声……」

「ええ、あっしが聞き間違えるはず無い。紛れもなくヤツです」

「えぇ!? まさか……」

 

 彼女に名前を呼ばれたサンドピアリスが驚いた様子でそのウマ娘を見つめる。

 服装こそ大人びたスーツスタイルだったものの、艶やかな美しい黒髪(青鹿毛)をボブカットにした在籍当時のままの髪型で現れたのは──

 

「オーちゃんッ!?」

「シオン!!」

「シオンちゃん!?」

 

 彼女と一番つきあいの長いミラクルバードと、共に切磋琢磨したロンマンガン、サンドピアリスから名前を呼ばれ、彼女はかけていたサングラスを外す。

 オラシオン。

 かつて〈アクルックス〉に所属しており、間違いなくウチのエースだったウマ娘。

 他のメンバー達が数少ないGⅠ出走の機会をつかんで一躍名をとどろかせたのと違い、天与の才をさらに伸ばして多くのGⅠを制した“時代を創った”側のウマ娘。

 その中の一つに皐月賞があり、それをミラクルバードの目の前で見せつけたことで、彼女の心的外傷(トラウマ)克服に貢献していた。

 今回、ここまでサングラスなんかをかけて顔を隠してきたのも騒ぎになるのを避けるため。ブームを起こし、そして短期間で風のように競走(レース)界から去った彼女の存在は一部では伝説的にまでなっている。

 彼女の名前にあやかって名付けたウマ娘の親も多かったらしい。

 

「こ、この方が、あの……」

 

 緊張するダイタクヤマト。

 早々と引退し、養父の家業を手伝って広告塔として活躍している彼女は多忙だった。

 おかげで今の今までOGであるにもかかわらず、ダイタクヤマトとの面識がなかったのだ。

 

「はじめまして、ダイタクヤマトさん。活躍は拝見させていただいているし、遠くからながら応援させてもらっていました。今日もがんばってくださいね」

「は、はい……」

 

 オラシオンが差し出してきた手をダイタクヤマトがつかみ握手をする。

 そして手が離れると、オラシオンは胸の前で手を組んでスッと膝を付いた。

 

「彼女に、三女神の祝福があらんことを……」

 

 目を伏せ、祈りの祝詞を呟くオラシオン。

 その姿にダイタクヤマトは感激した様子だった。

 

「あ、ありがとうございます! オラシオンさんに必勝祈願していただけるなんて……」

「いえ、むしろ略式で申し訳ありません。あまり時間をとるわけにもいきませんでしたし。()()祈願と言われるほどでは……」

 

 彼女のレース前のルーティーンとして有名だった“祈り”。

 それがポーズなだけではなく彼女は正式な三女神教の神官位を受けた修道女(シスター)であり、現役時代の勝負服も修道服を元にデザインされたものだった。

 

「忙しいところ悪かったな、オラシオン。来てくれてありがとう」

「まったくです、と言いたいところですが、かわいい後輩のためですからね。それに連れてきてほしいと言われれば……」

 

 オレが礼を言うと、オラシオンはそっぽを向きながら答えた。

 その様子を見てミラクルバードは苦笑を浮かべる。

 

「まったくオーちゃんは相変わらずトレーナーに素直じゃないんだから……」

「そ、そんなことありません!」

「ところでトレーナーは誰を連れてきてって言ったの? トカちゃん……はいないみたいだけど」

 

 ミラクルバードの言う「トカちゃん」とは、オレの下で研修生としてついていた渡会(とかい)というトレーナー候補生だった人のこと。

 トレセン学園のスタッフ育成コースに所属していたのだが、卒業するとトレーナーの道には進まずにオラシオンと一緒に彼女の養父の家業を手伝うことになったのだ。

 

「あの人のことなんて……知りません!」

「あれ? 喧嘩でもしたの?」

「おおかた、トレーニングと称して若い別のウマ娘に浮気してるのがバレたんだろ?」

 

 オラシオンの反応に首を傾げるミラクルバードに、ニヤリとからかうような笑みを浮かべたギャロップダイナが加わる。

 

「違います!! それに相手は“若い”どころか“幼い”ですよ!? 学園に入る前の年齢なんですから……手を出すなんてあり得ません!」

 

 それにムキになって否定してしまったら、肯定しているようなものだぞ?

 特にダイナが相手なんだから……案の定「しっかり嫉妬してるじゃねーか」と呆れとからかい半々の笑みを浮かべている。

 

「と・に・か・く、違いますから。連れてきたのは彼ではなく──」

 

 相手にするとドツボにハマっていくのは現役時代の経験から学んでいたらしい。

 話題を強引に変えるべく、オラシオンはそう言って足下に視線を向けた。

 全員がつられて視線を下げる。

 

 

 ──そこには、段ボールが1箱置いてあった。

 

 

 それもそれなりの大きさである。

 具体的に言えば、身を屈めた人が一人入れそうな程。

 しかも微妙に動いているようで……

 

「……なんか、ものすごく見覚えのある光景なんだけど」

「奇遇スね、パイセン。あっしもそうですわ」

「ったく、相変わらずだよな、アイツは……」

「ボクはむしろ懐かしいって思っちゃうよ」

 

 

 ダイユウサクとロンマンガンにギャロップダイナ、さらにミラクルバードがそれぞれジト目、呆れ顔、イラつき顔、苦笑を浮かべてそれを見つめている。

 一方、他のメンバー……連れてきたオラシオン以外はピンとこない顔でこの不審物を不思議そうに見つめている。

 あぁ、そういえばサンドピアリスがチームにきたのはアイツが出た後で、在籍が重なってなかったな。

 一方で、もう一人のこれが何か分かっていないウマ娘はといえば、サンドピアリスがどこか警戒しているのとは対照的に、飄々とした様子で無警戒に近いていく。

 それが唯一、近づいた存在なわけで──

 

「お久しぶりですッ! トレーナーさん!!」

 

 ──誰かが近づく気配を感じたダンボール箱の中にいた存在が勢いよく箱を開け、バッと飛び出した。

 両手を挙げて立った彼女と──近づこうとしていたウマ娘の目が合う。

 だが……面識のない2人は、お互いにポカーンとした様子で見つめ合うしかなかった。

 

「あの、その……あぅ……ええと、どちら様……でしょうか?」

 

 あたふたしながらも尋ねる、箱から出てきたウマ娘。

 オドオドした様子は「相変わらずだなぁ」と思ったが、自分から声をかける姿には「成長したなぁ」と思ってしまう。

 それに対して、尋ねられたウマ娘はといえば、いつも通りの様子で慇懃なまでに優雅に頭を下げて──

 

「問われて名乗るも烏滸(おこ)がましいですが、乾井トレーナー様の最終兵器彼女とはワタシのこと。その名をタケノ──」

「……おい、アイツ自分をしれっと“彼女”とか言ってるぞ」

「相変わらず命知らずッスね。どうします? ダイユウ(ねえ)さん」

「なんでアタシに振るのよ……」

「なんでって……一番怒りそうなの、ダイユウ先輩なのにねぇ」

 

 よりにもよって歴代ナンバー1の変わり者と接触してしまったそのウマ娘が救いを求めるように知っているメンバーを見たものの、その連中は完全に他人事の傍観者と化している。

 その状況に今にも泣き出しそうな表情になった彼女にオレは──

 

「久しぶりだな、レッツゴーターキン」

「と、トレーナーさぁぁん!!」

 

 ──声をかけるや、一杯一杯になったウマ娘に無我夢中で力一杯に抱きつかれることになったオレは、危うく担当ウマ娘の晴れ舞台が始まる前に病院送りにされそうになった。

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

「これで〈アクルックス〉メンバー勢揃いだな……まぁ、渡会(とかい)がいないのはもちろん分かっているが、ウマ娘は全員揃ったな」

 

 居並ぶウマ娘達を前にトレーナー殿はそう言いました。

 普段のメンバーに加えて、私が初対面な方が2人。

 とはいえ、どちらも名前と顔は知っているのです。

 オラシオンさんは活躍時期が短いとはいえ一時代を築かれたウマ娘ですからね。

 

「そういえば、オーちゃんのことを映画にするって話はどうなったの?」

「え? そ、それはその……」

「あ~、それ知ってるわ。たしか某テレビ局の開局周年記念作品で撮影するヤツっスよね? 主演は女優やってるメリーナイス先輩と発表したら、熱烈なシオン信者から『オラシオンは黒髪(青鹿毛)なのに、茶髪(栗毛)選ぶとかありえない!』『原作ならぬ現実改変!』とか散々言われてた気が……」

「そうなんです。撮影は始まっているみたいですけど、先輩には本当に申し訳なくて」

「それならシオンちゃんが自分で出ればいいのに」

「そんなの無理です!! 演技なんてできませんし、そもそも私を題材にした映画がつくられると聞いただけでもどれだけ恥ずかしいことか」

「なら、なんで許可したんだよ?」

「あまりにも熱心に話を持ってくる方がいたので、断り続けるのも申し訳ないと思って、つい……」

 

 尋ねられ、申し訳なさそうに答えるオラシオン先輩。

 

「でも、忙しそうなのによく来られたわね」

「“後輩の晴れ姿を見に来てくれ”とトレーナーさんから頼まれましたから」

「トレーナーに?」

「はい。それとターキン先輩のことも連れてきて欲しい、と。同じ北海道にいるから頼むと言われまして……」

 

 そう言って先輩は、居並ぶ中で端っこの方にまだどこかオドオドした様子で立っているレッツゴーターキン先輩をチラッと見ました。

 

「あぅ、その……すみませんでした。お手数をおかけして……」

「先輩は気にする必要ありません。しかしトレーナー、貴方は簡単に“同じ北海道”と仰いますが、道内は広いんですからね? 他の県と一緒の感覚で言わないでください」

「それは、すまなかった」

 

 オラシオン先輩に詰め寄られ、トレーナー殿は申し訳なさそうに頭を下げていました。

 

「しかしビジョウ、なんでまた優等生やらターキン呼び寄せて“全員集合”なんてさせたんだ? ひょっとして……なにか企んでやがるのか?」

 

 トレーナー殿を()ジョウ()と呼ぶダイナ先輩が楽しげにニヤリと笑みを浮かべて問いました。

 一方、問われたトレーナー殿はといえば──

 

「なにも企んじゃいないさ、ダイナ。短距離専門のコイツ(ダイタクヤマト)が出られるGⅠはスプリンターズステークスか春の高松宮記念くらいだ。だけど高松宮記念は中京開催。中山開催の今回の方が集まりやすい……ただそれだけさ」

 

 ──そう言って、皆の注目を避けるように視線を逸らしながら答えます。

 

「なるほどなぁ。そりゃあ確かに理屈は通ってる。全員で名古屋にお泊まりできるほどウチのチームもビジョウも(ふところ)は熱くは()えのは確かだ。最近は随分と世間様を“驚愕(ビックリ)”させるのをサボっちまってるからな」

 

 苦笑を浮かべたダイナ先輩がロンマンガン先輩、ピアリス先輩、おタケ先輩といった面々を「オマエらがだらしねえからだぞ?」と言わんばかりに一瞬だけ厳しい目で睨みました。

 ……もちろん、私もその中に入っていたわけですけど。

 

「わかったぜ、ビジョウ……ま、そういうことにしとくわ」

 

 そんなトレーナー殿の答えにさも楽しげに、そして意味深にニヤリと口を歪めるダイナ先輩。

 その様子をにトレーナー殿は苦笑を浮かべます。

 

「学園から近いというのはなにもオレ達(〈アクルックス〉)を集めやすいってだけじゃないからな。他のゲストも呼ぶのにも中山なら気軽に声をかけられる。まぁ、東京程じゃあないが……」

 

 そう言ってトレーナー殿が向けた視線の先にはウェーブのかかった髪を後頭部で束ねた、チーム外のウマ娘──ダーリング殿の姿がありました。

 

(わたくし)出走()られないのは本当に無念ですが……がんばってくださいまし。(わたくし)の分までも」

「当然でありますよ、ダーリング殿」

 

 む? ということはダーリング殿を呼んだということでしょうか?

 今まで他の〈アクルックス〉メンバーに気を使って声をかけてきませんでしたが、確かにダーリング殿は観客席のチーム関係者ゾーンにいます。

 でも、ダーリング殿なら声をかけずとも見に来てくれたような気がしますが……

 

(それこそ中山レース場という近場の開催ですし)

 

 そしてその横には……場違いなところにいる様子で落ち着かないような、どこか気まずげな苦笑を浮かべたメジロパーマーさんがいらっしゃいます。

 レッツゴーターキン先輩を見かけた彼女は少しだけホッとした様子で話しかけていました。

 

「久しぶりだね、ターキン。元気そうで安心したよ」

「ぱ、パーマーさん!? あ、あの、その……そちらもお元気そうで、なにより……です」

 

 話しかけられた先輩は、驚いた後は消え入りそうな音量へと下げていきつつペコリと頭を下げると──側にいた別の先輩の影に隠れてしまいました。

 その影に入ることになったのはウチではパーマーさんと縁のあるもう一人の先輩──ダイユウサクさんでした。

 

「ちょ、ちょっと人を盾にしない……あぁ、もう。ターキンは相変わらずね。で、パーマーはどうしてここに? ウチのトレーナーに呼ばれたの?」

「理由は2つ、かな。1つはダーリングの引率」

「引率? 連れてこられないと中山(ここ)にたどり着けないほど方向音痴なの? この()

「そんなお前やコスモドリームみたいなのが他にいてたまるか……ッ!?」

 

 すかさずツッコんだトレーナー殿のわき腹に先輩が繰り出した拳がいい感じに(クリーン)ヒットして、黙らせれました。

 

「違う違う。どうしてもスプリンターズステークスを見に行きたいと言うダーリングが御婆様から厳命されたんだよ。『十把一絡げの有象無象ではなく“勝者”の走りを見て学んでくるように』って。そのお目付役というか……」

 

 そう言ってパーマーさんは苦笑し、トレーナー殿をチラッと見ます。

 

「アナタのところの“御婆様”には、ウチのチームは随分と嫌われてるから」

「まぁね。その原因の一端は私にもあるんだけど……」

「で、もう一つは?」

「それは、そちらのトレーナーさんが呼んだ“ゲスト”から一緒にいこうって誘われたからなんだけど……」

「「ゲスト?」」

 

 思わず声が重なる。

 

「うん。現地集合にしたから少し遅れてるみたいだけど……ああ、来たみたいね」

 

 パーマーさんがそう言って振り返る。

 そこには──彼女に向かって大きく手を振って笑顔を浮かべているウマ娘がこっちへ向かってきていた。

 

「え……?」

 

 思わず、私の口から声が出てた。

 黒髪に青の差し色を入れたその特徴的な髪をサイドポニーにした姿を、忘れるわけがない。

 そのどこまでも明るい太陽のような満面の笑みを、この私が見間違えるはずがない。

 だって、なぜならそのウマ娘(ひと)は私にとって──

 

「ウェーイ、パマちん。遅れてゴメンね」

「全然オッケー。ちゃんと時間に間に合ってるし」

 

 駆け寄ってパーマーさんとハイタッチをする。

 

「あ、パイセン。どーもッス。ダービー前はお世話になりました」

「お~、ロンちゃんじゃん。最近どーよ? 爆逃げしてる?」

「いや~、あっし逃げ専じゃないッスからね。なんでも屋(オールラウンダー)なもんでなかなか……」

 

 ロンマンガン先輩がオラシオンさんに対抗するために、ダイユウサク先輩の伝手を使って逃げの指導を受けた方であり──運命的なものを感じて憧れ、私がこの世界にくるきっかけになったウマ娘なんですから!

 

「ヘリオス、さん……?」

 

 思わずつぶやきのような小さな声が私の口からこぼれていた。

 それに彼女の耳が反応するようにピクッと動いて、それから彼女の視線がこちらへと向けられる。

 

「お? おぉ!! 今日のレースに出走するウマ娘って、キミだよね!?」

「は、ハイ!!」

 

 そんな憧れのウマ娘──ダイタクヘリオスさんが近づいてきて、私の両手を奪うように掴み、握ってくださったのです。

 

「会見見たよ! ありがとね。お嬢がとったこのレースをとれなかったのはガチで心残りだったし。ヤマちの言葉、マジでエモかった」

「こ、光栄で……あります」

 

 や、ヤマち……ヘリオスさんから、あだ名を付けていただけるなんて……

 私がガチガチになりながら答えると、ヘリオスさんは不思議そうに首を傾げました。

 

「あれ? ひょっとして緊張してる系? ダメじゃん、大事なレース前なのに」

「いや、パイセン。その原因、あなたなんスわ……」

「ガチで!? それ困る……ええと、あたしいない方がいい系?」

「せっかく来てくれたのに、そいつは困るな。ダイタクヘリオス」

 

 ワタワタし始めたヘリオスさんを落ち着かせたのは、トレーナー殿の言葉でした。

 

「ロンマンガンの時といい、なんかことあるごとに頼みごとをして悪いな」

「全然問題無し! 言われなくても今日のレース、鉄で応援来ようと思ってたし。さっきも言ったけど会見でヤマちが言ってくれたの嬉しかったから。むしろ良い席を用意してもらえてこっちが助かるくらい」

 

 そう言って笑みを浮かべるダイタクヘリオスさんの笑みは──やっぱり私にとっては太陽のようにまぶしいのでありました。

 

 

 そして──スタート時間が迫り、ゲートへの集合の合図がかけられたのでした。

 

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 

「………………」

 

 ゲートに入った私は、目を閉じて集中を高めていました。

 その脳裏によぎる、直前の光景。

 

『確かに今回のレース、お前はファンからの人気は一番低かったかもしれない。でも、お前のことを期待する人はこうしてちゃんといる』

 

 トレーナー殿……ありがとうございます。

 先輩方はもちろんのこと、私のためにヘリオスさんまで呼んでくださっていただなんて……

 

『それは人数の問題なんかじゃないんだ。お前の走りを、勝利を見たいと願うその人達のためにだけに走ればいいんだ』

 

 トレーナー殿の言葉にダイユウサク先輩やミラクルバード先輩たちチーム所属の先輩方に、オラシオンとレッツゴーターキンのチームOGの先輩方、そしてダーリング殿(宿命のライバル)にパーマーさんが頷き、そして……ヘリオスさんが満面の笑顔で親指を立ててくださいました。

 

『他の出走ウマ娘のファン? そんなもの気にする必要なんて微塵もない。お前は〈アクルックス〉のウマ娘なんだぞ』

 

 そう言ってトレーナー殿は不敵にニヤリと笑みを浮かべます。

 

『──そんな連中(世間)驚愕(ビックリ)させてやるのが、オレ達のやり方だろ?』

 

 それは“ビックリ箱(ジャック・イン・ザボックス)”を仕掛けた子供のような表情で……

 それを思い出しつつ目を開く。

 そして間もなく──

 

 

 ──目の前のゲートが開いたのでした

 

 




◆解説◆

【ヤマト、あの太陽を見よ!】
・今回のタイトルは『宇宙戦艦ヤマトⅢ』の第25話のタイトル「ヤマト あの太陽を撃て!」より。
・ここの「あの太陽」はもちろん、ダイタクヘリオス(太陽)のこと。

ほぼ重賞勝利経験者
・出走した中でそれまでに重賞制覇していないのは、外国馬でデータが不明なベストオブザベストを除くとダイタクヤマトとタイキブライドルのみ。
  ①ビハインドザマスク:直前のセントウルステークス(G3)
  ②ブラックホーク:前年のスプリンターズステークス等
  ③タイキブライドル:無し
  ④キングヘイロー:同年の高松宮記念等
  ⑤マイネルラブ:前々年のスプリンターズステークス等
  ⑥スギノハヤカゼ:97年のCBC賞(G2)等
  ⑦ベストオブザベスト:海外馬(香港)のため不明
  ⑧マイネルマックス:同年のマイラーズカップ(G2)、96年の朝日杯3歳(ステークス)(G1)等
  ⑨アグネスワールド:前年CBC賞等(英・仏のG1勝利有り)
  ⑩マサラッキ:前年の高松宮記念等
  ⑪ユーワファルコン:同年の中日スポーツ賞4歳(ステークス)(G3)(現ファルコンステークス)
  ⑫ブロードアピール:同年のシルクロードステークス(G3)
  ⑬シンボリインディ:前年NHKマイルカップ(G1)
  ⑭ジョーディシラオキ:同年のチューリップ賞(G3)
  ⑮ダイタクヤマト:無し
  ⑯タイキトレジャー:同年の函館スプリントステークス(G3)
・クラシック重賞だけの制覇者も入っていますがそれも2頭のみ。これだけ揃うのは豪華メンバーであることは間違いありません。
・同年の高松宮記念を同じ条件で調べたところ、それでも17頭中9頭でした。
・なお、ベストオブザベストは残っているデータを見つけられませんでしたが、香港から来るくらいだから実力もあったのでしょう。当日も5番人気でしたし。
・その結果、ダイタクヤマトは……

人気は、出走メンバー中で最も低い
・2000年スプリンターズステークスで、ダイタクヤマトの人気は16頭中16番の最下位。
・でも同じ重賞未勝利のタイキブライドルは12番人気なんですよね。
・そちらは5月のスプリングカップ(GⅡ)で3着で好走していますが、それ以降は春はともかく秋レースも未出走でぶっつけ本番。調子の良し悪しを見る以前の問題です。
・対してダイタクヤマトはセントウルの7着でも1着で今レース3番人気だったビハインドザマスクと0.4秒差しかなかったのに最下位人気。

GⅠで一番低い人気が下から2番目(ブービー)
・ダイユウサクの人気が下から2番目(ブービー)だったのは「これはビックリ」な1991年の有馬記念ですが、ギャロップダイナの人気が下から2番目《ブービー》だったのは1985年の「あっと驚く」天皇賞(秋)……ではなく、翌86年の有馬記念。
・85年の天皇賞(秋)では17頭中13番人気でした。単勝88倍は現在(2023年開催まで)でも天皇賞(秋)としては最高配当になっているのは変わりません。
・書いてる人はこれを勘違いしていた時期があったので、今までの作中で間違ったことを書いていそうなので、気付いた方がいたら教えていただけると助かります。
・そしてそんな86年の有馬記念はギャロップダイナの引退レースで、下から2番目(ブービー)人気ながら2着に入っています。
・なお第二章で留学から帰ってきた本作のギャロップダイナは、その時点でこのレースがモデルになったレースはなかったので、GⅠでの下から2番目(ブービー)人気を体験していないはずなのですが……
・今回ダイユウサクと一緒になって笑顔を浮かべているところを見ると、第二章から第三章までの間にそれがモデルのレースがあった模様。
・ちなみに勝ったダイナガリバーも公式ウマ娘化はしていないのですが、実はこのレースで実装済みのウマ娘が出走したりします。
・それがよりにもよってメジロラモーヌだったりして……彼女も引退レースだったのですが12頭中9着。
・史実通りにダイナガリバーの記念撮影にギャロップダイナもちゃっかり参加しているので、またいらないところでメジロ家の怒りをかっていそうな乾井トレーナーでした。
・…………あれ? 下から2番目(ブービー)人気でGⅠ制覇したメンバー、もう一人いなかったっけ? たしかエリザベス女王杯で──

彼女の名前にあやかって名付けた
・“オラシオン”の名前がつく馬名、実はかなり多いです。これまでに40頭強もいます。
・一番古いのは1982年生まれの馬まで遡り、その年に小説の『優駿』の第1章が発表されていました。
・競走馬として名前が付くのは当歳の時ではないとはいえ、かなり早いですね。
・その一番最初の現実の“オラシオン”、牝馬なんですよね。原作は牡馬なのに。
・ちなみにその父はハイセイコーだったりします。
・その後は1985年、1999年、2013年にそれぞれ“オラシオン”がデビューしていますが、いずれも大成していません。
・もちろん小説の人気もさることながら、やっぱり1988年に公開された映画『優駿 ORACIÓN』の影響が大きいです。
・それを物語るように1985年生まれから爆発的に増えます。3歳になるのが1987年ですし、86年や87年生まれは本当に多い。
・とはいえ、映画のブームも終わったあとも、まるで冠名かのように“オラシオン”の名前が付いた競走馬はコンスタントに出続けています。
・まぁ、その理由の一つに「親の名前を引き継いだ」というのがあるので、これに関しては小説や映画の影響とは言えませんが……
・それでもそういうのも無しに“オラシオン”の名前が長年にわたって付けられるのは、本当に大きな影響を与えたと言えると思います。
・なお現役にもその名が残っており、サトノダイヤモンドの血をひいたサトノオラシオンが走っています(2024年現在)。
・また“DMMバヌーシー”のDMMドリームクラブが所有するラオラシオンもいます。
・“ラオラ・シオン”の可能性も考えたのですが英語表記が「La Oracion」なので、ちゃんと“オラシオン”の系譜(?)と言えるでしょう。
・サトノオラシオンと同じ2021年生まれの馬です。
・頑張って勝利を重ねて“オラシオン”の名が付いた競走馬の重賞制覇を見てみたいですね。応援しております。


※次回の更新は3月29日の予定です。          

※ただし時間が午後7時ではなく午後3時35分となります。

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