それを見送り、さぁ、自分の仕事を……と思った矢先に、同室のトレーナーが声をかけてきた。
「……ハッキリ言ってあげなくてよかったの?」
「なにを?」
巽見が真面目な──どこか非難するように鋭ささえ感じさせる目でオレを見ていた。
「いいことばかり並べ立てて……ある意味、騙してるようなものじゃないの?」
「騙してなんかいないさ」
オレは──その視線に耐え切れずに、視線をそらして話を続ける。
「……見たくない現実から逃げたいのは、オレも一緒だからな」
もしも──このレースに勝てなかった場合、オレの計画はかなり厳しいものになる。
次や、その次で勝ってオープンクラスになるのは可能だろう。
だが、それが遅くなればなるほど、厳しい現実が襲ってくる。
「ひょっとしたらアイツ自身も気が付いているのかもしれないけどな」
だからこその焦りなのかもしれない。
トレセン学園に所属していれば必然的に見ることになる、栄光──その落日を。
「体力の限界……か」
どんなウマ娘だろうと、その日はやってくる。
月が満ちた後、必ず欠けていくように。
昇った太陽が、正午を過ぎ──夕方には地に沈むように。
やがて
その波が──自分の同級生達を飲み込み始めているのに、ダイユウサクとて気づいているだろう。
もちろんそれは自分だって例外じゃない。
もしも、今年のうちにオープンクラスに昇級できなければ──
アタシが9月の頭に出走したレースは、G3のセントウルステークス。
短距離の1200っていうのは今までと同じで、わざわざ格上挑戦にしたのも、「負けても気にすんな」っていうトレーナーの気遣いだと思ったわ。
(だからって──負けられないのよ!!)
さすがに3回目にもなれば、重賞の空気にも慣れてきてる。
でもね。これを負ければ7連敗になるのよ。
いくら格上挑戦だからって、簡単に負けるわけには──
「ま、仕方ないわな」
セントウルステークスの結果を見て、オレはつぶやいた。
もちろん、悔しさはある。
それよりなにより、ダイユウサクに申し訳ないという気持ちの方が強い。
(連敗している中でこんなやり方はアイツには厳しいとは思う。それはわかっているんだが……)
これに関しては、オレの方が焦っていた。
準オープンですでに7戦。秋シーズンをなるべく早い段階でオープンクラスで迎えたい現状としては、次の一戦に賭けるしかない。
「やっぱりダイユウ先輩に1200は短い、かもね」
「だな。阪神のレコード出したんだから、適正が無いわけじゃないんだろうが」
今回は先行でレースを組み立てたダイユウサクだったが、最後に後方から“追込み”のウマ娘に抜かれ、“逃げ”たヤツにも追いつけず、結果は3位。
どうにも中途半端だった感は否めない。
(去年までならともかく、今の自己条件や格上の連中を相手にすると、それが露骨になっちまう……)
それでも、ここ3戦ともに1200を走らせたのは、1レースでの体への負担を少しでも軽くするため、だ。
短距離なら逆にペースが上がるので必ずしも負担が軽い訳じゃあないが、それでも長距離走らせる方が、長時間体に負担がかかり続けることを考えると、抜けにくい疲れが体にかかることになる。
「だが、次こそ本命だ」
次のレースは9月29日のムーンライトハンデ。
距離は2000。アイツの適正は短距離よりもこれくらいの方が向いていると思う距離だ。
そしてここを制することができれば──いよいよオープンクラスへの道が開ける。
その日──中京レース場は小雨が降っていた。
おかげでバ場状態は
秋雨が落ちるその空を見上げたトレーナーは、アタシにポツリと言ってきた。
「お前、雨女か?」
「は? そんなわけ無いでしょ?」
「そうか? 結構、大事な局面の時、天気が悪いことが多い気がするけどな」
「それって、初勝利の時がそうだったから、その印象が強いだけじゃないの?」
そう言いながら、アタシもまた空を見上げた。
あの時も天気は悪かったけど、コースが芝じゃなくてダートだった。前を走るウマ娘の足下から泥が飛んできたもの。
「雨降らなくても、曇っていたときもあったしな……」
「いつよ?」
「去年の高松宮杯」
ああ、あの時ね。
確かにレース中は曇りだった。レース後にコスモと歩いているときに日がさしてきたのをよく覚えてるわ。
「ま、雨……というかバ場が悪いのを苦手にはしてないみたいだな」
「あら? トレーナーはアタシのこと、『雨が得意かもしれない』って言ってなかったっけ?」
そう言って、フフンと得意げに笑みを浮かべたアタシに、トレーナーは「ああ、そんなこともあったな」と苦笑を浮かべた。
「オレの目が、確かだったってことだな」
「なんでそんな理屈になるのよ。あの時はアタシが『走ったこと無い』って言ったら、『得意かもしれないだろ』って返しただけよ?」
胸を張った彼にアタシが半ば呆れながら言うと──彼はニヤリと笑みを浮かべる。
「よく覚えていたな」
「当たり前じゃない。でも……そう言うってことは、アナタも覚えてるってことじゃないの?」
「当たり前だろ。なにしろオレの方から頼んだんだぞ。トレーナーやらせてくれってな」
彼がアタシを見つめて言った意外な言葉に、思わずきょとんとしてしまう。
……なんで、今頃になってそんなこと言うのよ?
「だから、こんなところで止まってられない。この先を──見させてくれよ」
そう言った彼にアタシは──
「ええ、やってあげようじゃないの」
勝ち気な笑みを浮かべて返した。
ゲートが開く。
それと同時にダッシュ。いつも通り、順調なスタートをきったアタシ。
(コスモはこれが苦手って言ってたけど……なんでなんだろ?)
ゲートが開いたら飛び出せばいいだけなのに。
そんなことを考えながら、アタシは順調に速度を上げる。
細かな雨粒が顔に当たるけど──それを気になんて、してらんない。
(今日は……今日こそは…………)
絶対に勝つ。
そう決めたアタシが採った作戦は──先頭から三番目に位置する先頭集団でレースを
展開する。
今までもっとも多くのレースで採用して、結果を出してきた──“先行”よ。
レース前にトレーナーが言った言葉が脳裏をよぎる。
『作戦は、完全にお前に任せる。今のお前なら何が最適か、判断できるだろ? そうなるように指導してきたし、それができるとオレは確信してる』
“逃げ”や“追込み”の選択肢はない。
まず“追込み”は未経験。しかも仕掛けるタイミングが難しくて、ぶっつけ本番でどうにかなるようなものじゃない。
“逃げ”はやったことが無い訳じゃないけど、だいぶ前の話。おまけに逃げきれたなんて記憶もないし、今の“逃げ”の経験の浅いアタシがその作戦でレースをコントロールするのは無理。
(“先行”と“差し”……確かにレコードを出したり、“差し”のイメージも悪くないけど──)
でも、今日は天気が悪い。
前を走るウマ娘が多ければ多いほど、彼女たちが巻き上げた泥や飛沫を被ることになるし、それはけっして気持ちのいいものじゃないわ。
さらには──
(稍重だと、しっかり芝を蹴られるかどうか……)
もしも、足に力を込めて地を蹴ったときに滑ったら──加速は著しく鈍る。
勝負掛けのところでわずかな遅れを生み、それが致命的なロスとなることだってある。
ただし“重”や“不良”ではない以上、それほど影響を気にするような場面ではないかもしれない。
それでも……いざ最後の加速をするときに良バ場のように、何も心配しないでいいのとは違う。
全面の信頼を置けない今日のバ場で、“差し”という賭をするのは──心理的にイヤだった。
──そうして“先行”を選んだアタシは、3番手のままレースを展開する。
いよいよ第4コーナーを回って、最後の直線……
前の二人のうち、限界を迎えて下がってきた一人を追い抜き──さらに前のウマ娘の背中が見えた。
「──ッ!!」
ここが、勝負どころよ!!
足にグッと力を入れる。
ここまでの道中に使ったせいで“差し”のときよりも力強さは少し劣る。
でも──
(──雨中なら、これくらいがちょうどいいわ!)
アタシの体が、グンッと押し出される。
雨粒の勢いが増したのが、あきらかに分かる。
そして──先頭の背中は一気に近づいてきた。
『ここで先頭が変わるのかッ!? ダイユウサク、先頭に並んだ! そして……一気にかわす!! ヤマヒサボーイはついていけない。突き放したー!』
先頭に立った。
でも──気はゆるめない。
アタシの背中に目はない。差しや追込みの誰かが、迫ってきているかもしれないんだから。
そうしてアタシはゴール板の前を駆け抜け──
『ゴール!! 2位に3バ身以上の差を付けてダイユウサク、ムーンライトハンデを制しました!!』
──アタシは一着で駆け抜けた。
その速度を落とし……ジョギング程度の速度になると──
(……勝った。ついに、勝った!)
その実感がこみ上げてくる。
『ダイユウサク、ほぼ一年ぶりの勝利! これでついにオープン昇格ですが──』
『ええ、ついにやりましたね。デビューしたころを考えたら、彼女がここまでになるとは思いもしませんでしたが……これも彼女自身の努力の結果です』
スタンドからは大きな歓声が上がっている。
今日の人気は、一番人気だったのよね。
その大きな歓声にアタシは──手を振って応えた。
一段と大きくなる歓声。
さらに手を振って応えながら──アタシはある人を捜した。
スタンドの最前席。チームの関係者の特等席ともいうべきそこには、アタシ達の陣営はほとんどいない。
だって、《
そして、その唯一の正式なチーム関係者が、笑顔でこちらを見ていた。
遠目からだったからハッキリしなかったけど……その腕で目の周りを拭っているように、アタシには見えた。
「よくやったな、ダイユウサク……」
ウイニングライブまで終えて、控え室に戻ってきたアタシを、トレーナーが出迎えてくれた。
そんな彼に、アタシは勝ち気な笑みを浮かべて──
「当然よ。アナタの指導するウマ娘を信じなさい」
──そう答える。
そして意地悪く笑みを浮かべて……
「そういえば、ゴール直後に涙拭っていたみたいだけど?」
「……バーカ、小雨で顔が塗れたから、拭っていいただけだ」
答えるのにちょっと躊躇ったところを見ると、図星だったのかしら。
誤魔化すにしても、もう少し上手くやりなさいよ、もう。
察したアタシがニヤニヤと冷やかすような笑みを浮かべていたら──彼は、降参とばかりにため息をついた。
「あのなぁ……ここまで辿り着いたんだから涙の一つも浮かべるだろ」
「やっぱり泣いていたんじゃないの」
「うるせぇ。泣かせろよ……確かにデビューの頃はオレが担当していた訳じゃあないが、あのころのボロボロだったおまえが、ようやくここにたどり着いたんだぞ」
「そうね……本当に、ありがとう。トレーナー」
「感謝するのはこっちの方だ。どのウマ娘に見向きもされなくなったオレをトレーナーに選んでくれて……それで、オレなんかの指導でここまで来てくれて……」
「謙遜するなんて、気持ち悪いわよ」
「お前が珍しく素直に感謝の言葉を言うから、釣られちまったんだよ。だから、オレはこの感謝を……」
トレーナーが感極まった様子で──アタシの両肩を掴んだ。
「──ッ!?」
ちょっと! アタシ、ウイニングライブ直後で勝負服着てるんだから、そこは素肌なんだけど!?
肩で直に感じる、彼の手のひらの熱に、思わず胸がドキドキする。
「と、トレーナー?」
「ああ、感謝を──前に言った“とっておきのお祝い”って形でお前に示す」
「ぅエッッ!?」
ちょ、なんか、変なところから声が出た。
(え? ちょっと、まさかホントに……)
彼が言ってた“とっておきのお祝い”って、本当に“アレ”なの?
でも、ちょっと待ってよ。こっちにだって心の準備というものが……
──すると、彼は両肩からあっさりと手を離した。
「………………え?」
アタシが、呆気にとられていると──彼は良い笑顔で親指を立てる。
「オープンクラスになっての初出走のレース、それがオレからのお祝いだ」
「──はい?」
アタシの目が点になった。
しかし彼は気が付いた様子もなく、興奮した様子で話す。
「聞いて驚け、GⅠレースへの出走だ!」
「じー、わん?」
「ああ、M-1でもR-1でもなく、GⅠレースだ!!」
なんでそこでよりにもよって芸人のコンテストを出すのよ。他に『
アタシがコメディエンヌってこと?
我に返って少しだけムッとしていると──
「ダイユウサク、お前の次のレースは……秋の天皇賞だッ!!」
「………………え?」
天皇賞?
それって──GⅠの中でもとびっきりに格が上のレースじゃないの!?
「えええぇぇぇぇぇぇッ!?」
「なッ!? お前、驚くのは分かるが、声がデカい!! ちょ、落ち着け、な、人が来るだろうが! やましくも何ともないのに──」
──で。
結局、アタシがあげた素っ頓狂な声のおかげで、控え室に警備員さん達があわてて飛んでくる事態にまでなった。
トレーナーはやってきた人達に慌てて頭を下げていたけど。自業自得よね。
アタシを驚かせたのももちろんだけど……
「……乙女心を弄んだ
アタシはひたすら謝っている彼をジト目で睨みつつ、小声でつぶやいた。
「──あれ? ダイユウ先輩、なにがあったんですか?」
「ひやああァァァァッ!?」
突然声をかけられ、アタシは飛び上がらんばかりに驚く。
アタシの声に驚いて、トレーナーも、彼から話を聞いていた警備員も一様にこちらを見た。
そして、声をかけてきた車椅子のウマ娘──ミラクルバードもビックリした顔で、アタシを見ている。
「と、突然、声をかけるんじゃないわよ、コン助!!」
「ご、ごめんなさい……」
八つ当たりのようなアタシの声に、ミラクルバードは申し訳なさそうに頭を下げる。
その姿を見たトレーナーは、「あんな感じでした」と説明して──「なるほど」と警備員は納得しているけど……それにはアタシが納得できないんですけど?
ともあれ、警備員は「勝って嬉しいのはわかりますが、騒ぎすぎないように」と釘を刺して去り……アタシはため息をつき、そしてコン助──ミラクルバードをジト目で睨んだ。
「……アンタ、なにしにきたのよ?」
「それはもちろん祝勝と、一つお願いしたいことがお二人にありまして……」
「オレ達に?」
トレーナーと思わず顔を見合わせる。
そんなアタシ達にミラクルバードは車椅子に座ったままながら、もぞもぞと動いて立てないなりに居住まいを正す。
そして深々と頭を下げ──
「ダイユウ先輩、乾井トレーナー……ボクを、《アクルックス》に入れてください」
「「え……?」」
さすがに戸惑うアタシとトレーナー。
そっか、そういえばミラクルバードって外部協力者って立場だったんだっけ。
「1チームにオープンクラス1人」という制約案が却下されてからも、ずっとその立場のままだったんだけど──アタシがオープンになったから、言ってきたのね。
「……律儀なヤツだなぁ。お前は」
小さくため息をついて、トレーナーが苦笑する。
アタシも同じ気持ちで──トレーナーを見て、アタシと同じ考えなのを確認する。
「とっくに、メンバーだと思っていたわよ」
「ああ、お前のサポートは、《アクルックス》にはもう不可欠だ。これからも……よろしく頼む」
アタシ達が言うと、ミラクルバードは勢いよく顔を上げ、その顔に喜色が広がっていく。
「《アクルックス》へ、ようこそ。ミラクルバード」
「うん! よろしくお願いします!!」
アタシが差し出した手を、ミラクルバードは笑顔でしっかりと握りしめた。
◆解説◆
【月の光に導かれ──】
・今回の元ネタは、『美少女戦士セーラームーン』の主題歌「ムーンライト伝説」のワンフレーズから。
・今回のメインとなるレースが
・はい、それだけです。それ以外に意味はありませんでした。レースも昼間だったし。
・と思っていたら、月齢が10.1と“十日余りの月”で月の出は14時33分。出走時刻は15時45分なので、空に月はありました。
・……もちろん光は太陽の方が強いし、そもそも雨が降ってたので──さすがに導けるほど見えなかった、かな。
・まぁ、この時期のレースにムーンライトハンデという名前をつけた理由でしょうけど、「中秋の名月」が空に輝く9月のレースですから。
【体力の限界】
・“引退”と言えばこのフレーズ。元ネタは“昭和の大横綱”千代の富士の引退会見から。
・涙を堪えての「体力の限界……気力も無くなり、引退することになりました……以上です」という短い言葉から、その潔さと相反する無念さを感じます。
・実は千代の富士、横綱昇進決まった日の夜に、師匠から「辞めるときはスパッと潔く辞めような。ちんたらちんたらと横綱を務めるんじゃねえぞ」と言われていたそうな……今のモンゴル系横綱に聞かせてやりたい。
・なお、千代の富士の引退は1991年5月場所──モデルになっている年よりも一年後になります。
・オグリキャップの引退(1990年12月)と意外と近かったんですね。
【セントウルステークス】
・ダイユウサクの記念すべき第20走目のセントウルステークス。
・“セントウル”ってなに? というと……ケンタウロスのことだそうです。
・阪神競馬場にはセントウルガーデンというところがあり、そこにセントウルの像があるほど、阪神競馬場にとってセントウルはシンボルだそうな。
・しかし、ダイユウサクが走ったころはまだ歴史が浅いレースで、創設されたのは1987年のこと。
・開催場所はもちろん阪神競馬場。
・馬場は芝。距離は開設当初1400で、例外的に1990と翌91年だけ1200でしたが、2000年から1200に。
・その際に9月末から10月末の時期に開催が変更になったスプリンターズステークスの前哨戦という位置付けになりました。
・当初はGⅢだったグレードも、2006年にはGⅡに格上げ──あれ? なんか同じ年に同じ距離でGⅡからGⅢに格下げされた
・開催時期は、1994と1995年だけレース場が違う関係(95年は阪神大震災の影響)で10月の頭に開催した以外は、基本的に9月の第2週に開催。
・──あれ? 調べたら86年以前にも同じ名前のレースがあるじゃん、と思うのも当然なのですが……
・86年以前のセントウルステークスは同名ながらJRAが本レースの前身とはしていません。
・1960年に創設された旧セントウルステークスは条件戦やオープンクラスで、距離も1600~2200と、現在の短距離ではありませんでした。
・今回のレースは、ダイユウサクが走った1990年がモデル。
・そのためグレードはGⅢで、距離も2000年以前ながらも例外的に短かった1200です。
・開催日は1990年9月9日。天気は晴れの良馬場。
・レース結果を本文中に書き忘れましたが、ダイユウサクの結果は3位。
・優勝したのはエーコーシーザー。“
・2位がセンリョウヤクシャ……千両役者かよ。乗ってたの武豊だし、勝っていれば「確かにな」って言えたのに。
・で、3位がダイユウサク、と……変わった名前ばっかりだなぁ。
【ムーンライトハンデ】
・毎日3回(たまに6回)出走できるデイリーレースのうち、マニーをたくさん獲得できる方。
・……ウソです。それはムーンライト賞。
・実際に存在するのがこちらで、ムーンライトハンデキャップというのが正しい名前。デイリーレースの方は、きっとこれが元ネタなんでしょう。
・1967年10月10日に阪神競馬場の芝1900で350万下の条件戦で始まったムーンライトハンデキャップ。
・その後は条件を1969年に500万下、1970年に600万下、以降は条件が1000万まで上がったのにその後下がったりして、1984年から1400万下の準オープンになってからは、準オープンの条件のまま現在に至っています。
・距離も開設翌年にはいきなり1600に短くなって、翌年には2200に伸び、さらに翌年に2000に戻って──以後は基本的に2000、思い出したように1600で開催し──1400万下条件戦になったら2200で固定され、1991年から2000になり、その後は2200、2000、1800、1600とちょこちょこ距離を変えながら現在に至ります。
・今回のモデルになったのは1990年のムーンライトハンデキャップで──1500万以下の条件戦でした。
・芝で距離は2000。そして阪神ではなく中京での開催でした。
・開催日は1990年9月29日の土曜日。天候は小雨。馬場は稍重。ダイユウサクが生涯2度しかなかった雨でのレースの一つです。
・9頭立てで、ダイユウサクは1番人気でレースに挑んだのです。
【ヤマヒサボーイ】
・本作名物になった名前だけ登場する史実馬モデルのオリジナルウマ娘。
・ウマ娘なのにボーイ……とか言わない。トウショウボーイとか有名なのが実装されるかもしれないんだから。
・実は前走のセントウルステークスでも一緒になってます。
・今回、逃げだったから前回も──と思ったら、前回は
・今回のレースでは、ダイユウサクの後の2着に入りました。
・史実馬はダイユウサクやオグリキャップよりも一つ下の世代の牡馬(ボーイなんだからそりゃそうだ)。
・戦績見ても、逃げか追い込み、たまに差しというイマイチよくわからない馬でした。
・ちなみにこの2着の後は入賞できなかったものの、1992年まで走っています。
【ムーンライトハンデを制しました】
・ダイユウサクはムーンライトハンデでついに勝利して、21戦目にしてようやくオープンクラスに上がることができました。
・勝ち時計は2分01秒3。現在の中京競馬場の芝2000のレコードが1分58秒3ですので3秒も遅いですが、時代の変化や悪天候なことを考えれば仕方がないと思います。
・21戦めでやっと6勝目と書くと、ここでオープンになるのもなんとも納得する成績ですけどね。
・生涯11勝ですから、勝ち数にすればこの時点で折り返り地点くらい。
・オープンになってからも5勝するのに……そのうちの1勝の印象があまりに強すぎるから“一発屋”と呼ばれてしまうのは悲しいですね。
※第一章の4部──めざせ! オープンクラス編──は、これで終了です。
・アクルックスもついに二人目のウマ娘が加入……って、
・さて、次の第5部はいよいよオープンクラスを主戦場とし、他の有力ウマ娘と本格的に競い始めます。ダイユウサクは重賞制覇を目指して走ることに。
・そして同級生たちはさらに次々と