「……相変わらず、ゲート
いよいよスタートした秋の天皇賞。
真っ先に飛び出した1番のウマ娘に続いて、抜群のスタートで先頭に立たうとするほどのダイユウサクを見ながら、ツインテールのウマ娘──サンキョウセッツがつぶやいた。
その様子に──傍らにいたコスモドリームとシヨノロマンは困ったように微妙な表情でサンキョウセッツを見ていた。
そんな視線に気づいたサンキョウセッツは──
「……二人とも、なぜそんな顔を?」
「だって……ねぇ?」
コスモドリームは思わずシヨノロマンに話を振り、振られたシヨノロマンは細い目を苦笑に歪めながら、やんわりと答える。
「ダイユウサクさんはオープンクラスになられたんですから……セッツがなぜ上から目線なのでしょうか、とは思いますよ」
「ふん! そんなの決まってますわ! 私はオークスを、八大競走のGⅠレースを走ったのですから」
「それなら、ユウだって今まさに
「愚問ですわね……まだスタートを切ったばかりではありませんか。ちゃんと完走できるかどうかさえ、まだ定かではない──つまり、オークスをゴールまで走りきった私の方が、まだ格上!!」
そう言って、自信満々に胸を張るサンキョウセッツに──コスモドリームとシヨノロマンはそっとため息をついた。
「そこは、順位がまだわからないのだから……と言っておけばいいと思うのですけど」
「だよね。完走できないって、ちょっと不吉すぎるよ」
シヨノロマンの言葉にうんうんと頷いたコスモドリームは、サンキョウセッツにジト目を向ける。
その視線に──サンキョウセッツは「う……」と詰まり、目を伏せてコホンと咳払いをした。
「それは確かに……私が迂闊でしたわ」
その表情には理由がある。
あのオークスでは、完走できなかったウマ娘が一人いたのだ。
彼女のことを思い出し……サンキョウセッツもさすがに反省した。
だが──
「……シヨノの言うとおり、私の8位を上回らない限り私の方が格上なのですわッ!! そもそも同じ八大競走でも秋の天皇賞は2000メートル。オークスは2400メートル! 距離が長い分、走っただけでは私の方が格上……」
そんなことでへこたれ続けるサンキョウセッツでもなかった。
言い放ち、再び胸を張るサンキョウセッツの姿に──コスモドリームとシヨノロマンは盛大にため息をついた。
──いいスタートがきれた。
異様とも言えるスタンドの熱気や迫力にやや不安を感じていたアタシだったけど、影響を受けることなくスタートできたことでその不安は吹っ切れたわ。
むしろGⅠが初めてだからよくわからないけど、こういう雰囲気が当たり前なんでしょう?
なら、気圧されていたら毎回毎回スタートミスを怯えることになるし、ビビってられないものね。
スタートして第1コーナーへと走るアタシ。
そして──
「ニュートリノとはッ! 光よりも速い、最速の存在であるッ!!」
そんなことを叫びながら、意気揚々と走るウマ娘がいた。
白衣に
アタシは、横で「フハハハハハーッ!!」と狂気じみた笑い声をあげながら走る彼女を見て──
(マッドサイエンティスト……)
見たままの感想が頭に浮かんだ。
──が、彼女こそロングニュートリノ。重賞初挑戦がこの秋の天皇賞というウマ娘で、GⅠ初挑戦のアタシが話題にならなかった理由の一つ……
(まったく、なにが上位互換よ……)
そう評したトレーナーを思いだし、アタシはちょっとイラッとした。
でも──狂気じみた笑い声とともに走っている彼女の姿に……
(ぅえ……アレと一緒にとか、直ぐ後ろはちょっと走りたくない……かな)
さすがに少しだけ怖じ気付く。
というか、正直、近寄りたくない。
それに自分でペースを作る“逃げ”はやりたくない。
(正直、得意じゃないし、ね)
そう思ってロングニュートリノに
すると──外枠から来た一人がその後に続く。
現在、アタシは3番手……今のアタシは“先行”の先頭にいる。
「と言っても差はあまり無い……」
アタシだってオープンクラス。この前まで準オープンを抜けられなかったけど、それだって実力が低いわけじゃないわ。
でも──
(このレースは天皇賞。周囲はバケモノ揃いなんだから……)
去年の高松宮杯でまるで歯が立たなかったメジロアルダンもいるし、この前のCBC賞で全然かなわなかったバンブーメモリーもいる。
さらに思い浮かべたのは、アタシ自身が走ったレースではなく、コスモドリームが走った去年の宝塚記念だった。
(八代競走に含まれないけど、それと同じくらいにGⅠの中でも格が上のレース。その宝塚記念で、コスモはまったく歯が立たなかった……)
オークスというクラシックGⅠを制したはずのコスモでさえそうなってしまうほどだった。
ましてまさに八大競走──国内最高峰のレースである天皇杯はそれと同じかそれ以上のレベルなのは疑うべくもない。
それに、なにより──オグリキャップ。
こっそり背後の様子を伺えば……彼女は2位集団の中にいる。彼女もまた先行で行くつもりらしい。
(このペース、結構速い。後ろは正直怖いけど……)
後ろのウマ娘達が脚をためていると考えると、正直怖い。
かと言って、後ろに下がるわけにもいかない。
なぜなら──
(後ろにいるオグリに末脚勝負で勝てるわけがない。少なくとも最後の直線に入ったときに、その前にいなければ万に一つの勝ちもない……)
オグリキャップよりも前の位置を維持すること。それが絶対条件だった。
アタシの前には逃げをうったロングニュートリノと外枠から来たもう一人。
先行集団の前の方──いいスタートをきれたアタシは、速いペースを不安に思いながらも、絶好のポジションでレースを展開することができていた。
「さて……」
オレは観客席から、レースの展開を見ていた。
今のところ、ダイユウサクはアイツにとって絶好の位置にいた。
「スタートの良さが、好位の確保につながったね」
傍らのミラクルバードも、ホッとして笑顔さえ見せている。
そう、ここまでは理想的な展開だ。
問題があるとすれば──
「そもそもこのメンツを相手するのに、本人の実力が届くかどうか、ってところだけどな」
「身も蓋もない……」
オレのつぶやきにミラクルバードが苦笑を浮かべる。
「でも、トレーナーは最初からあきらめてるわけじゃないんでしょ? 記念出走ってわけじゃ……」
「もちろんだ」
そう答え、オレは意地悪い笑みを浮かべながらミラクルバードに言う。
「なぁ、ミラクルバード。天皇賞に限らず、
「え? 絶対条件? 速いこと? 一番にゴール板を通過しないといけないんだから……」
悩み始めたミラクルバードを
(オグリキャップ……最悪の調子の中で、どれだけ力を発揮してくるんだ? この怪物は……)
オグリキャップの調子が悪いのはほぼ確定していた。
ミラクルバードが集めてくれた情報からも、明らかだった。
そのもっとも大きな原因は──
(マスコミの取材……そんなもので調子を狂わされたのは、本当に悔しいだろうな。オグリも、六平さんも)
マスコミ取材と言っても、ウマ娘担当の記者達なら問題はなかった。
例えば──オグリのクラシック登録問題を騒ぎ立てた藤井記者も、オグリキャップ自身に直接迷惑がかかるような、彼女のトレーニングそのものに影響を与えるようなことはしなかった。
(まぁ、それでも六平さんからは蛇蝎のごとく嫌われていたけどな……)
それはウマ娘担当の記者と、オレ達トレーナーやウマ娘サイドの暗黙のルールというものがあるからだ。
しかし──
(芸能担当だかなんだかしらねえが、その暗黙のルールを無視しやがった……)
それが、オレ達トレーナーにも通達が来ていた、オグリへの密着取材だったんだ。
その実状を話してくれたのは、東条先輩。
《リギル》のメンバーが今回の天皇賞には出走していないので、「あくまで公平な立場で言うけど……」と話してくれたのだ。
「密着取材といったって、トレーニングの姿を一日中追いかけるくらいで、校舎とか寮の中にまでは入ってこないのが普通よ。それが、あの連中は……」
ところ構わず、常にオグリキャップに付き添い続けたらしい。
それに対して真っ先に抗議したのはベルノライト。
しかし取材陣は「許可を得ているから」の一点張り。
無論、それは六平トレーナーにすぐに知らされたが──その抗議に対しても「許可を得ている」の反論。
さらには──「正式な契約が結ばれており、もしも邪魔をするようであれば契約違反だ」と逆に警告してくる始末。
「両者の調停に、うちのルドルフまで駆り出されて……」
だから知っていたのよ、と東条先輩は疲れ切った様子で言った。
彼女が言うには「こんなバカな取材許可を出したのは、どこのどいつだ!!」と六平トレーナーが大騒ぎして大変だったらしい。
その剣幕に話が理事長──ひいては許可を出したURAまで巻き込んで、やっとのこと「天皇賞まで」とされていたその密着取材を途中で中断させることができた、とのことだった。
しかし、東条先輩は厳しい表情のままだった。
「──でも、手遅れだったのよ。この取材のマズさに気がついて、どうにか止めさせたときにはすでに……オグリは食欲が無くなるほどに、体調を悪くしていたの」
それが、あのとき──会見直後にうちのチームのミーティングで話題になった、オグリキャップを食堂で見かけなくなった件の真相だった。
幸いなことに、密着取材の中止から徐々に調子は取り戻したようだが──
「……オグリの調子をどう見る? ミラクルバード」
「え? う~ん……やっぱり精彩をかいているようにも見えるけど……本当に顕著に現れるとしたら、これからでしょ?」
だろうな。オレもまったく同じ意見だ。
やっぱりミラクルバードの目は確かだな、と思わされる。
序盤・中盤はウマ娘自身の地力で誤魔化せる。調子の善し悪しが顕著に現れるのは、そのウマ娘の限界ギリギリを迎えてからだ。
調子が悪ければ無理が利かず、逆に調子が良ければ実力以上の力を発揮できる。終盤での切羽詰まった攻防の中ではそれが致命的な差を生むことになるだろう。
(そもそもレース序盤や中盤から分かるほど調子が悪い状態なら、いくらオグリでも出走させないだろ)
そうしてレースは中盤から終盤へとさしかかろうとしていた。
ダイユウサクは──未だに2位集団の前の方をキープし続けていた。
(いいぞ、ダイユウサク……)
オレは心の中でガッツポーズを決める。
ここまで、本当に理想的な展開だ。
“逃げ”──ロングニュートリノのおかげで速いペースになっている。マイル戦を得意としている上に調子が悪いオグリキャップにとっては酷な展開になっていた。
これが逆に逃げるウマ娘がいなくて、牽制のし合いでスローペースになっていたら……“本当の意味でのスタート”がもっと後ろになって、実質的にマイル~短距離戦になってしまう。そうなれば、そこはオグリの得意な戦場だ。
今日の展開はそれは完全に回避できていた。ニュートリノさまさまだな。
あとは──
(最後の直線で上手く抜けられれば、いい線いくかもな……)
オレはダイユウサクに目をやり──
「──ねぇ、トレーナー。さっきの答え、教えてよ」
「答え?」
「訊いてきたの、トレーナーからだったのに!? ほら、勝つウマ娘の絶対条件……」
不満げに頬を膨らませるミラクルバードに、オレは「ああ、それか」と応え──
「決まってるだろ。答えは“出走しているウマ娘”、だぞ」
「な……ッ」
「レースに出ていなければ優勝することはできないし、そのレースを走れば確率はゼロじゃない。競艇だったら“
「……トレーナー、不謹慎だよ」
ミラクルバードは、最初はオレのニヤリと笑みを浮かべて言った正解に絶句しつつ、「その答えはズルい」と目で雄弁に抗議していた。が、さすがに“ウマ娘の競走”を競艇に例えたことにはジト目になって抗議してきた。
それにオレは「たとえが悪かったな。スマン……」と短く謝り、レースを見つめながら自分の思考に没頭する
(オグリが来なければ──他の連中は、オグリを警戒するあまり思い切った策を打てないはず。あとはオレが警戒した連中さえ押さえ込めば……)
──ひょっとしたらひょっとする。
オレの期待は徐々に高まりながら──先頭は第4コーナーを越えて、最後の直線へと入った。
……この時のオレは、オグリをまったく意識せず、他の──観客席のウマ娘のことしか考えていないヤツが走っているなんて、もちろん思ってもいなかった。
──ついに、レース最終盤。
いよいよ最後の直線を前にした第4コーナー。
先頭を走り続けていたロングニュートリノは──
「ニュー…トリノは……最速の、はず……」
なんかもう、目を回しかねないほどにダメな感じになってる。
そして、このレースの出走者全員が気にかけている相手は──
(外から来るつもりね……)
アタシのさらに外側から、葦毛の怪物がその末脚を発揮させようとしていた。
その前にアタシはスパートしようと、オグリキャップへ向けた意識を自分の前へと戻し──
「……え?」
前は二人のウマ娘によって完全にふさがれていた。
先頭を走ってバテバテになったロングニュートリノが、皆と同様に外にいる“あのウマ娘”に意識を向けていたのと、コーナーで踏ん張りがきかなくなっていたせいもあって無意識に外へ膨らんでいた。
その結果──アタシの前に二人が通り抜ける隙もなく並走する、という状況になったらしくて……
(そんな……)
一瞬の戸惑い。
前をふさがれて、どうするべきか……アタシが迷ったそのとき──
『おっと、最内から一人抜け出した! 抜け出したのはヤエノムテキ!!』
「──なッ!?」
完全に不意を突かれた。
最内にいたロングニュートリノが外へ膨らんだおかげで、そこに開いた内ラチとの隙間をヤエノムテキは突いた。
「く……」
前をふさがれて戸惑っている間に、ヤエノムテキとの差は開く。
ヤエノムテキに追い抜かれ、我に返った前のウマ娘達の後ろへの意識が無くなって──アタシの前が、やっと開いた。
「くぅおのおおぉぉぉぉぉ──ッ!!」
脚に力を込め、芝を蹴る。
でも──伸びない。
(なんで……なんでよ!?)
前にいた二人を抜いたものの、後ろからきたウマ娘たちに次々に抜かれて、順位が下がる。
気持ちは焦る。
原因は、ベストのタイミングで加速できなかったこと。そして何より──
(周囲が、速いッ!!)
アタシ以上の末脚を発揮して……
メジロアルダンが──
バンブーメモリーが──
さらにもう一人のウマ娘が──
──アタシを追い抜いていく。
(くッ! それでも、これ以上は!!)
ゴール板は見えてる。
距離はあと少し。
これ以上、順位を下げたくない。
アタシは必死に腕を振り、芝を蹴る。
それでも、大外から一人に抜かれ──
ゴール板のすぐ前で、アタシの横に追い上げてきた気配を感じた。
「負けたくないッ! でも……」
その気配に、アタシは絶望する。
そしてゴール板直前で、アタシはそのウマ娘に抜かれ──
「……え?」
ゴールと同時に驚いていた。
アタシを最後に抜いたのは──オグリキャップだった。
「なんで? こんなところに……」
アタシの前には数人いたはず。その数人──少なくとも先頭争いをしているはずの彼女が、なんでこんなところでアタシと競ってるのよ。
おまけに──苦しそうに顔をゆがめて。
(負傷? でも、そんな様子も無いけど……)
ゴールを過ぎ、クールダウンしながら速度を落としながら走る彼女の姿にそんな気配はない。
そもそも、怪我をしていたのならゴールしたんだからすぐに走るのを止めるはずよ。
(それなら、なんで……アタシだって、ベストが尽くせたわけじゃないのに)
自分でも今回のレースは失敗した自覚があった。
前を塞がれて、ラストスパートをするタイミングを明らかに逸した。
でも──そんなアタシと争うように、なんでこんなところに彼女がいるのか、と唖然とする。
アタシの末脚は、道中の先行策と最後の壁を抜けるのに酷使してしまったせいで不発。
そんなアタシの前を、オグリキャップは1バ身にも満たない差でゴールした。
国民の期待を一身に背負った彼女は、結果的には6位。
その背に半バ身届かなかったアタシの着順は、彼女の直後の7位だったわ。
そしてこの秋の天皇賞を制したのは──ヤエノムテキ。
優勝は去年4月のGⅡ・産経大阪杯だったから、一年半ぶりの勝利だったんだって。
おかげで喜びもひとしおだったみたいで、クールな彼女にしては珍しく感激してるように見えたわ。
なにしろ、珍しく勝利を観客席へとアピールしていたけど──あんなにアピールするなんて、両親とか家族でも来ていたのかしら?
◆解説◆
【はじめてのGⅠと、絶不調の
・元ネタなしタイトル。
・この時のオグリキャップが不調だった理由は本当に可哀想で、その元凶になったマスコミの取材には腹が立ちます。
・しかし、あの頃のテレビ局ならそういうことをしそうだな、と納得できいてしまいます。
・バブル景気に浮かれ、金に任せて「なにやってもいい」的な雰囲気が芸能界やテレビ局にありましたから。
・その後、レース結果で叩かれて……本当にひどい。
【いいスタート】
・元ネタの第102回天皇賞で、ダイユウサクは本当にいいスタートを切り、スタート直後では一時的に先頭に立つほど。
・すぐに最内枠の逃げ馬に抜かれますが、かなりいいスタートを切れたのは間違いありませんでした。
【ニュートリノ】
・ニュートリノは、素粒子のうちの中性レプトンの名称で、6種類あるそうです。
・2011年9月23日、欧州原子核研究機構が観測したニュートリノが光速よりも速かった、という実験結果を発表。
・質量がないと思われていた時期もあったニュートリノに質量があることは、その時点で知られており──そうすると、「質量を持つ物質は光速を超えない」とするアインシュタインの特殊相対性理論に反することに。
・だから実験をしたチームこそこの結果に疑問の抱いていて……仲間内でいろいろ検証したけど、その間違った結果が出た原因は判明せず。
・科学界に検証を呼び掛けたけど──結局、わからず。
・その後、光ケーブルの接続不良とか、ニュートリノ検出器の精度が不十分だった可能性が見つかったので、2012年5月にそれらを解消して再実験。
・その結果──ニュートリノと光速に明確な差が出なかったため、一年と経たずにその「ニュートリノは光よりも速い」という理論は否定されたのでした。
・……でもロングニュートリノはまだ信じている模様。
・そんな化学系の単語が付いている名前なので、ロングニュートリノは科学者っぽい勝負服で、しかもこんなエピソードもあったから「マッドサイエンティスト」という性格付けになりました。
・実験とか競走とか、集中すると気分が最高にハイになっておかしくなっちゃうようです。
・科学系のウマ娘……といえば、アグネスタキオンもそうですが、彼女は行動こそちょっとおかしいところはありますが、「狂って」はいないので。
・ちなみにその“タキオン”は、常に光速よりも速く移動する“仮想的な”粒子のこと。
・実在するニュートリノと違い、「光速よりも早く移動する」と仮定された仮想の粒子なので、そちらは光速よりも速いのは違いありません。
【外枠から来た一人】
・7枠14番ラッキーゲランのこと。
・抜群のスタートを切ったダイユウサクと、最内1枠1番スタートで有利なロングニュートリノが先頭をきり、ダイユサクと代わるようにロングニュートリノの後ろに付けました。
・えっと、なお……この後出番がないので言ってしまいますが、着順は17着。
・なお、
【常にオグリキャップに付き添い続けた】
・このときのオグリキャップの体調不良の最大の原因は、テレビ局の密着取材でした。
・24時間密着取材と称し、普通なら──競馬担当の記者達なら当たり前に──担当厩務員がいなくなれば自粛するはずが、1週間にわたって文字通り24時間撮影を続けたのです。
・しかも、オグリキャップが休んだり、一人になりたくなって馬房の奥に行くと──欲しい映像をとりたいという
・その結果──オグリキャップは飼葉を食べないほどに、体調を崩すことになりました。
・本当に、傲慢で、自分勝手で、その取材姿勢は許せない行為だと思います。胸糞悪いことこの上ない。
・このこともあって、オグリキャップは一日中カメラに追われたせいで、カメラを怖がるようになってしまったそうです。
・第45話の記者会見のシーンで、オグリキャップが記者の方へ嫌がるような視線を向けていたのは、彼らの傍のカメラを気にしてのことでした。
・本作ではさすがに“ウマ娘”で、24時間“おはようからおやすみまで”以上の密着取材は、女学生相手にはマズいということで寝ている間や入浴等の最低限なプライベートな時間は確保しましたが、それでも教室や食堂、寮の共通スペースくらいにまでは普通に密着取材し、それはそれは鬱陶しく、おかげでオグリキャップはノイローゼ気味になるほどに体調崩しました。
・ダイユウサクと会った時の会話が「応援しているぞ」という言葉等、おかしかったのはそのせいです。
【スローペースになっていたら】
・その展開になったレースこそ、1990年の有馬記念でした。
・2500という長距離だったにもかかわらず、超スローペースで進んだレース展開のおかげで、実質的にマイル相当のレースに。
・全盛期の力を出せる状態でなかったオグリキャップが優勝する原因の一つとなりました。
・そのため──1990年の有馬記念は結果だけは「オグリキャップのラストラン優勝」ということで印象に残って人気の高いレースになりますが、評論家からは「レベルが低かった」と酷評されることさえあります。
・実際、90年有馬記念の勝ち時計は2分34秒2。
・晴天の良馬場という条件であり、前年のイナリワンの記録は2分31秒7(当時のレコード)と比べて2.5秒遅い記録でしたし、この翌年に出た2分30秒6という記録に比べると、遅いのは明らか。
・そんな勝てる展開に持っていった、武豊騎手の手腕もすごいですけどね。
【
・競艇での「万馬券」。
・ウマ娘では
・本作独自の設定で、旧作と同じように「ウマ娘の世界では競艇や競輪、オートレースといった競馬以外の公営ギャンブルやパチンコはある」ということにしています。
・なお、やはり競艇に例えるのは好ましいことではなくトレーナーも謝罪しています。
・まぁ、ノミの賭博行為は行われているでしょうし。
【ダメな感じ】
・ニュートリノぉぉぉ!!
・ここまで先頭を切ってきたロングニュートリノ。
・最後の直線を前に後ろに追いつかれ──着順は最下位でした。
【もう一人のウマ娘】
・オサイチジョージのこと。
・結果的にこのレースの着順は4位。
・元になった競走馬は、このレースの1~3位だけでなく6、7位を占めたオグリ世代のそれよりも一つ下の世代の1986年生まれ。
・生涯成績は23戦8勝。主な勝鞍は90年の宝塚記念。
・宝塚のあとは一勝もできず──GⅠ制覇もそれだけで、ある意味ダイユウサクと似たような成績なんですけど、こっちは“一発屋”とはあまり言われていない模様。
・次のレースもオグリと同じくジャパンカップに出走しますが、そのときは13位とオグリよりも下の順位になってしまう。慣れない“逃げ”なんてやるから……
・そしてその後は……ダイユウサクにとって運命のレースとなる1991年の有馬記念に出走したメンバーだったりします。