見えぬ輝きの最南星《アクルックス》   作:ヤットキ 夕一

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第5R 大混乱! もえあがれコスモ!!

 G1のファンファーレが高らかに鳴り響き、レース──今年のオークスが始まらんとしていた。

 アタシはメインスタンド中央のゴール前最前列という絶好の場所で観覧することになった。

 コスモのチームメイトの先輩が「コスモのルームメイトでしょ? うちのチームで見に来てる人少ないし、ここでどうぞ」と入れてくれたの。

 ほとんど話したことがない先輩だったけど、とにかく絶好の位置で見られるのは間違いないし、その話にはありがたく乗せてもらったわ。

 そして、出走するウマ娘達がゲートに入り──開くと同時に走り出した。

 

 が──

 

「ああッ!!」

 

 思わずアタシは声を上げてしまう。

 

「やっぱりまた出遅れちゃったかー」

「コスモ、スタート苦手だもんね」

 

 すぐ近くで先輩たちが苦笑しながら言う。

 

(もう! あの娘は……なにやってるのよ!!)

 

 彼女たちが言うようにコスモドリームはゲートが苦手で、スタートに失敗することがよくある。

 親戚だし同室の縁もあって、彼女のデビューからアタシはレースを見ているけど──そのデビュー戦から3戦連続で出遅れるほどに苦手。

 それでも3着、1着、3着と結果を残しているのだからスゴい……いやコレ、出遅れてなかったら全部勝ったかもしれないんじゃないの? 1着だったときは後ろに大差付けてたし。

 最近は集中的に練習してたおかげでここ2戦は出遅れなかったのに。

 

(──まったく、もったいないんだから)

 

 ともかくレースは始まった。

 スタート直後に一人が先行して、2番手争いが横一線になる。

 もちろん出遅れたコスモは後方スタート、先行争いなんて無縁の場所にいる。

 

「コスモ、落ち着いてー!!」

「レースは始まったばかりよー!!」

 

 先輩方がコスモに届けとばかりに声を張り上げる。

 確かにこのレース──オークスは2400メートルの長丁場。コスモが未体験なほどに長い。

 逆に言えば、その長い距離がスタートで出遅れたミスのダメージを和らげてくれるということでもある。

 そんなことをアタシが考えている間に、集団は第1コーナーへと進んでいた。

 そこで──

 

「あれ!?」

「なんか一人、様子がおかしくない?」

 

 なにやら先輩たちが騒ぎ始めた。

 走っているウマ娘の一人が不自然な走りになって、そのペースが格段に落ちていた。

 ──え?

 イヤな予感が頭をよぎる。

 集団は向こう正面側に差し掛かっている。正直なところ遠いし肉眼ではよく見えない。

 ただ、明らかに集団の中で一人だけ様子が変だった。

 

『おっと、これは一人、競走中止か!?』

 

 実況がそれを裏付けるように言う。

 思わずドキッとする。

 もしも、それがコスモだったら──

 

『これは競走中止だ。これは……12番、スイートローザンヌが早くも競走中止です!! 波乱の幕開けとなるか──』

 

「「「ほっ──」」」

 

 その名前がコスモドリームではないことで、アタシは他の先輩方と同じようにため息を付いた。

 負傷した()は可哀想だけど、ともあれコスモじゃなくて良かった。

 というか、スイートローザンヌって、確か3番人気じゃなかったっけ?

 コスモが出るレースだから結構詳しく調べたんだけど……うん、とにかくこのレースで有力なウマ娘の一人だったのは間違いない。

 そんなトラブルもあったけど、先頭のウマ娘がとにかく一人で逃げ、それを他が追いかける展開になった。

 

「う~ん、さっきの怪我した()を避けるのに中段走ってる()たちは余計な足を使っちゃったわね」

「これは逃げ有利かな……」

 

 先輩達の解説の通り、中盤で7バ身から8バ身のリードを保ったまま先頭のウマは快調に逃げていた。

 故障を発生させた()は前から中段くらいにいたけど、もちろん先頭を逃げるウマ娘にはまったく影響がない。

 ところで、肝心のコスモドリームはどこにいるのよ?

 え~っと……中段くらいかしら?

 たしか一番人気がアラホウトクで──その二人後ろくらいにいるみたい。

 結構良い位置にいるように見えるわね、コレ。

 でも出遅れたはずなのにこんな場所にいたら、ここまで結構足を使っちゃったんじゃないの、あの()……

 ああ、もう。さっきからあのスタート間も無くで故障したウマ娘の姿が脳裏にちらついて仕方ない。

 

(とにかくコスモ、何位でもいいから、あなたは無事に帰ってきて──)

 

 ──と、アタシはもはや祈るような気持ちで、そう思っていた。

 そうこうしている間に、いよいよレース終盤。

 第4コーナー、残り600メートルくらいで逃げていたウマ娘は完全に集団に捕まった。

 というか、ひどいくらいに団子状態で大混戦なんだけど!!

 コスモ、いったいどこにいるのよ、これ!!

 

『アラホウトクがくる! アラホウトクがきた!! アラホウトクが現在3番手──』

 

 そんなのどうでもいいのよ、コスモはどこよ!?

 まさか彼女まで怪我したんじゃないでしょうね。

 ──って冷静になれば、そんなことが起こればさっきみたいに、さすがに実況が黙っていないわよね。

 まだコスモは走ってると信じて、アタシはレースを見守るしかない。

 

(なんか横一線だし、誰が誰だか──って、居たぁぁぁッ!!)

 

 やっと見つけた──っていうか、前の方じゃないの、コレ。

 アタシがそうやって見つけたとき、コスモと目があった気がした──

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 2400メートルはレースでは未体験の距離。

 確かにスタートは緊張して、つい以前みたいに失敗しちゃったけど、それでもこれだけ距離があれば十分に取り返せる。

 う~ん、ここに来るときに道に迷った影響はないと思うんだけどなぁ。

 

(あぁ、きっとユウはすごく怒ってるよね……)

 

 コスモのルームメイトはデビュー以来、一生懸命応援してくれる。

 まるで自分のことのように──未だに満足な記録が出せないもどかしさがそうさせているんだろうけど。

 もちろん、彼女自身がデビューをあきらめたわけじゃないし、コスモだってあきらめさせる気はない。

 

(いつか一緒に……大舞台で走るんだから!)

 

 そしたらきっと、お祖父(じい)ちゃんは喜んでくれるだろう。

 ともあれ、出遅れたことでスタート直後は後方からのレースになっちゃった。

 内は混んでるから外から行くしかない。

 そう思って走ったけど──前の方の誰かが怪我したみたいで、それを避けるのに、みんな少し無理をした様子。

 故障した()は内の方を走っていたみたいだけど、外側を走っていたからこっちにはそこまで影響なかったのはラッキーだったね。

 そしてコスモ自身、意識してマークしているウマ娘がいる。

 

 ──アラホウトク

 

 コスモがチューリップ杯でやらかしちゃったせいで出走さえできなかった、今年の桜花賞を制したウマ娘。

 だから今日も一番人気という期待を背負って走ってる。

 コスモの夢だったトリプルティアラを、同世代では唯一達成する可能性があるのはもちろん彼女だけ。

 だから周囲の期待は彼女に集中してるけど──

 

(もちろん……そう簡単に達成させないけどね!!)

 

 自分が逃したその悔しさを、彼女にもぶつけてやるんだから。

 そうしてマークしながら走っていると、道中でかなり差を付けて逃げていた先頭に第4コーナーでコスモやアラホウトクのいる2位集団が追いつく。

 

 そして先頭は集団に飲まれた──さぁ、ここからッ!!

 

 第4コーナーを抜けた先の直線は上り坂。

 アラホウトクも加速して坂を駆け上がり、その順位を上げていく。

 そしてコスモも負けじと加速し──正面スタンドにいるチームの先輩たちが目に入る。

 その横には──同じ時代に生まれ、同じ血を受け継いでいるコスモのルームメイトの顔。

 

(そうだ。コスモは一人で戦っているんじゃない。友情っていう彼女たちの力が、大きく加勢しているんだ!!)

 

 彼女たちの熱い視線に応えよう、いや、応えなければならない。

 自分の中の力を一気に爆発させようと全力を振り絞ったとき──ふと景色が変わった。

 

 ──真っ黒な空間

 でも完全な闇と違い、どこか安心を感じる夜のようなその空間には、無数の星が静かに輝いていた。

 そんな中にコスモは一人、ポツンと居る。

 その中でもレース中のテンションは変わらない。

 足こそ止まっているけど、闘志は燃えている!!

 

「燃え上がれ、コスモ!! どこまでも高みまでッ!!」

 

 その沸き上がるものに突き動かされるように、両足で大地を踏ん張るように立つ。

 そして広げた両手は体の前を揺らめくように動き、左手を大きく掲げた直後──爆発的に加速して駆け抜ける。

 

 

 その加速は、現実世界でも一緒だった。

 体勢を一段と低くして、一気に加速する。

 

「な、なにぃッ!?」

 

 誰が発した言葉か──ひょっとしたら前を走っていたアラホウトクだったかも──驚きの声が後ろで聞こえた。

 初めての感覚だけど、確信する。

 もう誰もコスモに追いつくことはできないって──

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 最後の直線。

 大混戦の様相を呈して、横一線で走ってくるウマ娘たち。

 そんな中でようやく見つけたあの娘の姿。

 

 ──レオタードみたいな服にプロテクターみたいなのを装着したその奇抜な勝負服には、目立つから見つけやすいという点においてだけは、一応、評価しておくわ。

 

 見つけた彼女と一瞬、目があったと思った、そのとき──彼女は口に不敵な笑みを浮かべ、眼光が鋭くなった。

 そして次の瞬間──まるで羽が生えたかのように──爆発的に加速した。

 

「な、なに、今の!?」

「あ、あれはまさか──」

「知っているの、あなた?」

 

 ……なんか隣で茶番が始まったんですけど。

 

「ウマ娘の集中力が、限界を超えてその壁を破ったときに入り込む領域(ゾーン)があるらしいのよ」

「ま、まさかコスモは──」

「ええ、その限界を超えたのでしょうね。五感や第六感さえも越えた、その先へ──」

 

 え? なに、なんでこの人たち、そんなことに詳しいの?

 というか、そんなあやふやな知識を元にトレーニングしているの? 不安になるわ~。

 トレーナーがそんなオカルトじみた根拠を元に、そこを目指してるんじゃないでしょうね。

 

 するとそこへ──

 

「ほう、コスモもついにそこへ至ったのか……」

 

 二人の先輩の背後に、ヌッと長身のウマ娘が現れ、その威圧感にアタシはギョッとした。

 …………というか、本当にウマ娘よね?

 たしかに額がでるほどに後ろへ流した長い銀髪からはヒョコっと耳が出てるけど。

 切れ長の目やまとう雰囲気や風格が只者では無い感を出している。

 腕組みをして悠然と立っていたり、彼女の存在に気付いた先輩方がものすごく恐縮していたりと、なんかスゴく大物感のあるウマ娘なんですけど。

 コスモ……あなた、こんなチームにいて大丈夫なの?

 ──というアタシの心配をよそに、一気に加速したコスモは、ついに集団を抜け出した。

 

「いけー、コスモーッ!!」

 

 アタシは無我夢中で叫ぶ。

 一番人気のウマ娘は、脚が伸びない。

 他のウマ娘たちも懸命に追うが、届かない。

 そして──

 

 ──彼女はトップでゴールを切らんとそこへ迫る。

 

 早くも歓声とともにどよめきも沸き上がる場内。

 それもそのはず、彼女の人気は10番目。出走人数が多かったからそれでも真ん中くらいだったけど、彼女のトップを予想できた人なんて少なかっただろう。

 勝利を確信したアタシも歓声をあげようと──

 

『サンキョウセッツだッ!! サンキョウセッツがきたッ!! サンキョウセッツ、クラシックのタイトルを取りましたああぁぁぁッ!!』

 

「はああああぁぁぁぁぁぁぁッ!!?」

 

 その実況で、思わず歓声じゃなくて変な声出ちゃったわよ!!

 そんな実況の間に、サンキョウセッ──じゃない! コスモドリームは無事1着でゴールを切っていたわ。

 ……まったく、連呼するから伝染(うつ)っちゃったじゃないの。

 うん、一位になったのはコスモドリーム。間違いなくね。

 

「しかも……まったく、よりにもよってサンキョウセッツと間違えるなんて……」

 

 アタシは頬を膨らませ、思わず口を突いて文句が出てしまう。

 うん。アタシは彼女を一応、知ってるわ。

 なにしろコスモの出るレースだからちゃんとチェックしてたし、パドックも見たし、そもそもクラッシックのレースに出るくらいだから同学年なんだし。

 ……それ以外にもちょっと縁があってね。

 でもね、彼女──明らかに先頭にいなかったわよ?

 それにハナ差の大混戦とかならともかく、明らかに1バ身以上の差が付いた誰が見ても分かる結果なのに。

 アタシが憤然としていると、隣の先輩方も「?」という顔で放送席のある上の方を見上げている。

 

『一番人気のアラホウトク、伸びませんでした。9番のサンキョウセッ……』

 

 突然口ごもる実況。

 

『……コスモドリーム、コスモドリームか?』

 

 ──あ、やっと気が付いたわ。

 というか、今の今までサンキョウセッツが勝ったと信じて疑ってなかった感じ。

 うん、やってしまったわね、これは。

 

『いやあ、コスモドリームだったようですね、これは』

『コスモドリームですね』

『そうですね。失礼しました……』

 

 冷静にツッコむ解説者に、謝る実況。

 いや、アンタ。失礼ってレベルじゃないでしょ。

 ウマ娘にとってG1制覇っていえば一番の晴れ舞台よ?

 しかもクラシックレースで、一生に一度しか走れないレースなんだから。

 

『──いや、ビックリしました』

 

 こっちは、アンタの実況にビックリしたわ!!

 と怒りを露わにするアタシに気がついた先輩方が──

 

「まぁまぁ、ビックリしたのはコスモの走りに、でしょ?」

「そうそう。あの直前の混戦の中だったら、間違えても仕方ないし」

「──あの奇抜な勝負服でも、ですか?」

 

 アタシのツッコみに二人は固まり、気まずそうに視線を逸らす。

 

「それはその……」

「ほら、実況席は高いところにあるから、上からの視線になってよく分からなかったんじゃないかな……」

 

 そんな感じで誤魔化す二人。

 なおも憮然とするアタシを、二人の先輩は──

 

「ほらほら、機嫌直して」

「そうよ。これからウイニングライブ、さらには祝勝会なんだから。ルームメイト、それも従姉妹がそんなじゃ、コスモちゃんも楽しめないでしょ?」

 

 そう言って“祝勝会の前祝い”と称して、レース場の売店で御馳走してくれた。

 ……うん。アタシ、他のウマ娘よりも食が細いから、あんまり事前に食べたくなかったんだけどなぁ。

 とにもかくにも、こうして今年のオークスはなんと、アタシのルームメイトのコスモドリームがとったのだ。

 そして──

 

「……ん? あれ? なんか最後はあの実況ばかり気になってたけど……ひょっとしてコスモ、G1とったってことじゃないの?」

 

 G1のウイニングライブ。その巨大な舞台を見たアタシはそんな重大なことに遅ればせながら気が付いて──親戚でもある身近な彼女が果たしたとんでもない成果に、突然、アタシの脚がガクガクし始めたのだった。

 

 

 ──なお、実況の赤坂さんはこのあとこっぴどく怒られたそうな。




◆解説◆

【もえあがれコスモ!!】
・今回のタイトルも分かりやすい……というか本文中にも出てるし。
・もちろん『聖闘士聖矢』から。特定の場面の台詞とかではなくよく出るフレーズです。
・完全に『聖闘士聖矢』回だなぁ、今回は。

スイートローザンヌ
・一応、本作のオリジナルウマ娘……扱いになるんですかね。このシーン限りのウマ娘。
・モデルは同名の実在馬。青鹿毛。
・シンボリ牧場出身で1987年の7月に3歳(当時表記)で新馬戦デビューして1着。
・その後も勝利を重ねて翌年の桜花賞に出走するもアラホウトクに敗れて4着。
・直後のG2のサンケイスポーツ賞4歳牝馬特別(現在のフローラステークス)でもアラホウトクに敗れて4着。
・同レースが優駿牝馬(オークス)の優先出走権が付与されるトライアル競走で、当時は5着までに優先出走権を付与していたのでオークスにも出走登録される。
・連続4着の雪辱をアラホウトクに果たさんとしていたのだが……レースの序盤で負傷し競走中止。
・負傷は深刻で予後不良と判断されてしまう。生涯通算成績は6戦3勝。
・ウマ娘の世界は現実とは異なるので、この後、治療して見事に復活した──ということにしておきたい。

アラホウトク
・これまたモブな本作オリジナルウマ娘。
・こんな登場しているからモブ扱いになってるが、元の競走馬は立派な1988年の桜花賞馬。
・同厩舎のシヨノロマンとワンツーフィニッシュをしており、次走のサンケイスポーツ賞4歳牝馬特別も同じくシヨノとワンツーフィニッシュの1位(4位も同じ馬だけど)。
・しかし、ここが彼女のピーク。以降は着順を落としていく。
・──というか、それまで1200~1600メートルで勝利を重ねた馬なのに(2000でも一勝してるけど)、2400で負けて以来、負けが込んでも2000以上のレースに出し続けるのはどうかと。明らかに距離適性があってないんじゃないだろうか。
・ともあれ同年のエリザベス女王杯で4着を最後に引退。
・まぁ、牝馬だから引退早いのも仕方ないか。↑のローザンヌみたいなことになったら大変だし。

──真っ黒な空間
・それ以降の描写は、ゲームのウマ娘で固有スキルが発動した時の演出と考えてください。
・彼女──コスモドリームの固有スキル名は【競走者(ソルジャー・)神話(ドリーム)
・その効果は──同じ星の下に生まれ、心を通わせた戦友(とも)との友情を感じたのを発動条件とし、それによって積み重ねた努力の成果が爆発的に効果を(あらわ)し、勝利を掴む走りとなる。
・──という、ゲームではありえない観客を含めたその場にいる相手が発動条件になっているスキル。
・動きのモデルはアニメの“ペガサス流星拳”を放つ前のあの動き。あのモーションから一気に駆け抜けるシーンは複数の雑兵相手に繰り出した第1話終盤の流星拳がモデルです。
・その名はもちろん、アニメ聖闘士聖矢の第2期OPテーマより。

「な、なにぃッ!?」
・聖闘士聖矢ではおなじみのセリフ。
・主に初見の技を出されたときとか、驚いたときに頻出する。
・これを言ったのはおそらくアラホウトク。
・ここまで強キャラだったのに、このセリフと共に受けた一度の敗北でその座から転がり落ちるあたりが、まさにその通りである。

壁を破ったときに入り込む領域(ゾーン)
・シンデレラグレイでタマモクロスにそのような描写がありますが──それと同じかは不明。
・今作でのこの“領域”は↑で説明した通り、演出の出る固有スキルが発動した証。
・ゲームで育成キャラが強いのはこれがあるおかげです。

スゴく大物感のあるウマ娘
・あ、コイツのことは気にしないでください。
・今後、登場予定のあるキャラなんですが、次の章以降で登場予定だったり、そこまで重要じゃない役だったりするので。
・もちろんオリジナルウマ娘ですが、非実在系ですし。
・その後、先輩二人はダイユウサクと会話しているのに入ってこないのは、彼女自身、ダイユウサクに潜在的で無意識な苦手意識があるから。決して書き忘れたんじゃあありませんよ?

その実況
・元になったレース、1988年の優駿牝馬(オークス)といえばコスモドリームの勝利とセットでこの実況。
・当日のスーパー競馬での実況を担当したの堺正幸アナがゴール直前で叫んだのは3枠()番サンキョウセッツの名。
・もちろん優勝したのは3枠()番コスモドリーム。
・一応、同じ3枠なので騎手が赤い帽子を被っていたのは共通しているのだが……
・推測にはなるが、この3枠にはもう一頭、2番人気だった7番シヨノロマンが入っており──
   赤い帽子+シヨノロマンじゃない⇒サンキョウセッツ
という思考になってしまったのではないだろうか。
・とまれ、思い込んだ堺アナは勝ったのはサンキョウセッツと信じて疑わず、サンキョウセッツの名を大きな声で連呼した。
・が……ウイニングランをする馬を見れば、ゼッケンに“9”とデカデカと書いてある。「9番のサンキョウセッ……」と言いかけたところで、サンキョウセッツが8番とそこは覚えていたのか、誤りに気が付いた。
・なお、あるサイトで「解説の大川慶次郎が「コスモドリーム!」と大きな声で訂正した」と書いてあるのがあったが、今見られる動画を見るとそんなシーンはなく、自らの誤りに気が付いた堺アナに「コスモドリームですね」と冷静にツッコんでいる程度。(おそらく90年有馬の「ライアン!」の背景とごちゃごちゃになった人の勘違い)
・ちなみにこの堺アナ御乱心の兆候はその直前にも表れており、18着のシノクロスが先頭と間違えて連呼している。
・──確かに一連のレース展開を見れば、いきなり3番人気のスイートローザンヌが故障発生して競走中止で動揺し、最後の直線では本命が馬群に消えた上に、横一線での大混戦と混乱するのもわからなくもない。
・このレースと同じような展開(有力馬に故障発生→最後の直線で大混戦)は1989年のエリザベス女王杯もそんな感じ(故障発生が最終コーナーな分、よりひどい)だったが、担当した杉本清アナはさすが「おお?なんとサンドピアリスだ! サンドピアリスが先頭!」と言ったあとは冷静に追いかける他の馬の名前を挙げたうえで、最後に「これはゼッケン番号6番サンドピアリスに間違いない!」で間違えずに実況しきった。
・その間違えなかった杉本アナがそのレースを後日、「よくわからない馬ばかりが来て焦って焦って焦りまくった」と語っており(実際、4位までが20、10、14、15番人気と不人気馬ばかり)、1988年オークスの堺アナはまさにそんな状態だったのでは? と推測される。

サンキョウセッツ
・間違えられたサンキョウセッツは9着。
・そのサンキョウセッツだが、本作では彼女のことをダイユウサクが「縁があるから」と知っている。
・それというのも競走馬サンキョウセッツの母の父は、本作で「あの方」と呼ばれているシンザン。
・それどころか母の名前もシンザンからとって「ネバーシンザン」。そんなわけで本作のウマ娘・サンキョウセッツはダイユウサクよりもよほどシンザンに近い親戚という設定です。
・そのためダイユウサクはサンキョウセッツを知っているけど、その一方で、ダイユウサクとシンザンを繋ぐ馬主の縁がない関係で“二人は親戚ではない”と複雑な関係になってます。
・そんなわけでサンキョウセッツは「あの方」のコネで入ったダイユウサクを嫌って目の敵にしており、ダイユウサクは苦手にしている、という設定になっています。
・元になった競走馬のサンキョウセッツは生涯通算成績は43戦3勝。重賞勝利は無し、と非常に地味な戦績な馬。牝馬なのですが仔にも著名な馬はできませんでした。
・成績をみると、このオークス出走が一番の華だったようです。
・でも本当にすごいのは現役で43戦も走ったことじゃないのかなぁ、と。
・1987年8月に新馬戦でデビューし、91年7月まで走り続けた。43戦も走ったのは本当にすごい。
・牡馬で比較できないけどダイユウサクもデビューの1988年からから引退の1992年までで38戦だったので。

実況の赤坂さんはこのあとこっぴどく怒られた
・実際、このレース(1988年優駿牝馬(オークス))の実況でやらかしてしまった堺アナは、この後しばらく競馬実況から離されている。
・──それが罰かどうかは知りませんけど。
・なお、この年の年末の有馬記念は実況を担当しているので、そこまで長期間干され──解説を外されたわけではない。
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