見えぬ輝きの最南星《アクルックス》   作:ヤットキ 夕一

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 ──コスモドリームのオークス制覇は衝撃的だった。

 確かに世の中は、次の週にある日本ダービーが注目されているけど、やっぱりオークスも大きなレース。
 桜花賞には出られなかった、ほぼノーマークの彼女が勝ったのは関係者の注目を集めた。
 コスモ自身が注目されるのは当然だけど、その影響で実はアタシ、ダイユウサクも瞬間的には注目された──という話は後になって聞いた。

 というのも、アタシとコスモは従姉妹。
 おまけに歳も同じなんだから、ひょっとしたら──ということで注目したトレーナーも居るにはいたみたい。
 でも……アタシのトレーニング巣している姿を遠巻きに見て、一目で去ったそうよ。

 ……まぁ、こういう扱いは慣れてるけど。

 ただ、そうやって注目を浴びたおかげで、余計な話が回ってきたのもまた事実だったわけで──なんてふり返れるのも、思い出として語れるくらいになってから、だけどね。

 とにかくこの時期のアタシは、このままじゃいけないと特に思い始めてた。
 オグリキャップやタマモクロスと交流ができたこと、そしてなによりもコスモの活躍。
 それをきっかけに思い始めたそんなとき──アタシはとあるチームから声をかけられたのよね。

 ……後から思えばそれが──歯車がズレる始まりだったんだけど。



第6R 大転機!? 見えた!デビューへの道

「あなたの努力する姿を見て、是非チームに来てほしいって思ったの。一緒に、頑張りましょう!」

 

 トレーニングでコースを走っていたアタシが、足を止めて呼吸を整えていると、その人は歩いて近づいてきた。

 そしてさっきの言葉をアタシに言った。

 一瞬、頭が真っ白になる。

 えっと……今、この人なんて言ったっけ?

 たしかチームに……

 

「……い、いいん、ですか?」

 

 アタシの問いに笑顔で頷く彼女。

 でも──アタシはかえって戸惑った。

 自分の実力は自分が一番よくわかっている。

 今のアタシの実力は、他のウマ娘と比較して明らかに劣っている。そんなアタシが所属すれば、チームに迷惑をかけてしまうのは明らかだもの。

 でも、トレーナーは──

 

「躊躇う必要なんてないでしょう? レースに出るにはチームに所属しなくちゃいけないんだし」

 

 乗り気でアタシを勧誘し続けていた。

 

「でもアタシ、まだまだ全然実力が……」

「その実力を付けるためのトレーナーよ。それが私の仕事。確かに今のあなたの姿は、小柄で痩せすぎているように見えるけど、成長期なんだからすぐに大きくなるわ」

「そういって貰えるのは助かりますけど、でも同級生はもうとっくにデビューしているし──」

「なに言ってるの、それだけ伸びしろがあるってことでしょう? もちろん早熟な子もいれば晩成型の成長をする子もいるわ。同級生が活躍してるからって焦る必要はないわよ」

 

 すでにメイクデビューを済ませたどころか、何戦も走った同級生達ばかりになりつつある。

 そんな中で、活躍めざましいウマ娘もいる。

 アタシが思い浮かべたのはもちろん──コスモドリーム。

 ルームメイトで従姉妹。

 そしてこの前、春のG1であり、その中でも八大競走の一つに数えられるオークスを制したウマ娘。

 もっとも身近でこの栄冠を手にした彼女を意識しないはずがなかった。

 他にも、コスモ以外で初めて親しくなったウマ娘──オグリキャップ。

 彼女は中央出身ではなく、地方の笠松出身。

 そこでデビュー戦こそ2着だったものの、その後は笠松で勝利を重ね、ついには中央にスカウトされたシンデレラガールだもの。

 

(普段の姿を見ると、そうは見えないんだけどね……)

 

 食堂での大食漢ぶりや、意外と天然な性格を知っているのでつい思ってしまうけど──親しくなったから見に行った彼女が出走するレースで、アタシは震えた。

 

(コースに立った途端、まるで雰囲気が変わるんだから)

 

 さらにレースを走る姿を見て、ますます魅入られたわ。

 圧倒的な速さ、強さは見ているものを虜にする。

 

 そんな二人を間近で見ているからこそ、だからアタシは思った。「彼女たちのようになりたい」と。

 不思議と嫉妬心は無かった。その生まれ持った彼女達の才能と、自分の弱い体とを比較して無い物ねだりをする──なんて発想はなく、ただただ純粋に憧れた。

 そして幸いなことに──アタシはウマ娘達の最高峰レース、トゥインクルシリーズに入門し、その入口にいる。

 そういう自分の恵まれた環境に気がついたから、努力する気構えが変わったし──今、こうしてチャンスを与えられたのなら、素直に飛びつくわよ。

 もちろんさっきまでの言葉だって嘘じゃないわ。

 自分を冷静に客観的に見たらそう思うだろうと予測できるし、その確認は絶対に必要だった。

 それを相手は理解した上で──アタシを誘ってくれている。それならアタシの答えは決まっている。

 憧れた彼女達のようになりたい──少しでも近づきたい。

 そして、このトレーナーの言葉には一つだけ救いがあった。

 ほんのわずかながらの希望と言ってもいい。

 

 ──晩成型

 

 前に、メジロアルダンと成長型について話したときに意識し始めたそれ。

 もしもアタシがそうであるのなら、未だに芽が出ないのも無理はないだろう。

 そして近い将来にそれが芽吹き、育ち、大輪の花を咲かせられれば、今、先んじて活躍している同級生達に肩を並べることができるかもしれない。

 だからアタシは、頭を深々と下げ──

 

「よろしくお願いします」

 

 アタシはその希望にすがりつていた。

 それに彼女は笑みを浮かべて

 

「ええ、よろしくね。チーム《カストル》へようこそ」

 

 と答えた。

 アタシはそれを聞いて、ホッとする。やっと一歩を踏み出せた、と。

 

 ──でも、それはすぐに不安を抱くことになった。

 

 なぜなら、アタシの手を取りながら言った彼女が言った次の一言──

 

「──貴方はあの方の関係者なんだから、このまま終わるなんてこと、考えられないしね。それにあのコスモドリームの従姉妹でもあるなら、間違いないわよ」

 

 その言葉に、アタシの手を握るその手が、酷く冷たく感じられたのだった。

 

(──この人は、アタシのことを見ていない)

(アタシを通じて他のウマ娘を見ているだけじゃないの?)

 

 そんな疑念がアタシの頭に浮かぶが、慌ててそれを捨て去った。

 願わくば、その不安は気のせいであってほしい。

 

 でも──今のアタシには他の選択肢なんて、無かった。

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 翌日、トレーナーの決定と、チーム加入の手続きを済ませ、アタシは食堂へと向かっていた。

 手続きは午前中のうちに終わったから、このことをオグリキャップや友人達に報告しようと思って。

 なんだかんだで、こんな時期──ダービーも終わった6月──になってもデビューしていないアタシのことを他のウマ娘たちもやっぱり気にかけてくれている様子だし。

 

「デビューはまだでも、それに向けての光明がやっと見えてきたんだから……」

 

 アタシは一人、つぶやきながら両手をグッと握りしめる。

 そして曲がり角を曲がろうとして──

 

「「──ッ!!」」

 

 反対から来た人とぶつかりそうになった。

 相手も直前に気がついたから、どうにかぶつからずにすんだけど──

 

「──ごめんなさい、って……あら、アナタだったの? 謝って損したわ」

 

 その相手が一瞬だけすまなさそうな顔をしたけど、すぐに蔑むような表情に変わった。

 そんな顔を見て、アタシも思わず「げ……」と声が漏れてしまう。

 なぜならその顔をアタシは知っていて──

 

「……サンキョウ、セッツ…………」

「まだ、辞めずにいたのね。こんな時期なのにデビューの目処も立っていないのに。驚いたわ」

 

 長い鹿毛の茶髪の長い髪をツインテールにした彼女は、普段からつり上がっているその目をますますつり上げてアタシを睨む──というよりは、嘲り笑ってきた。

 うん……彼女は、アタシを嫌ってるのよね。

 その理由は簡単。彼女も“あの方”の親戚だから。いえ、アタシと一緒扱いするのも申し訳ないくらいで、彼女は“あの方”の直系の親戚なんだから。

 一方、アタシは“あの方”よりも上で繋がる親戚だから、血の繋がりがない。

 にも関わらず──親戚扱いで優遇されていることが、気にくわないんだと思う。

 

(アタシだって戸惑ってるのに……)

 

 突然、このトレセン学園への入学の話を持ってきたのは父で、「もう話は通ってるから」と半ば強引に叩き込まれた、というのがアタシがここに入ることになった事情。

 なんかもう、有無を言わせずに通うことになったわけだけど、入ってからはもっと愕然としたわ。なによりもアタシが“場違い”だったんだから。

 しかも──こんな感じで、やたらと風当たりは強いし。

 

「そっちは、御活躍のようで……」

「そうね。い・ま・だ・に、デビューもできないウマ娘にはわからない苦労もあるのですけども……」

 

 うわ、ホントに変なのに捕まっちゃったわ。

 早く食堂に行きたいんだけどなぁ……

 

「ところでアナタ、チームの所属が決まったんですって?」

「え……?」

 

 ちょっと待って。なんで、知ってるの?

 昨日、トレーナーが来て、午前中に手続きしたような話よ?

 それをなんで、まったく関係ないアナタが知っているのよ。

 戸惑うアタシの顔を見て、サンキョウセッツは冷笑を浮かべる。

 それは如実に、「知っている理由なんて話すわけないでしょ?」と語ってる。

 

「とんだ物好きなトレーナーもいたものねぇ。箸にも棒にもかからないようなチンチクリンを引きとろうだなんて。ああ、それとも雑用係でも探していたのかしらぁ~?」

「く……」

 

 そう言って「オホホホ……」と蔑んだ調子で高笑いするサンキョウセッツに、アタシは何も言い返せない。

 ここはトレセン学園。実力と実績がものをいう世界。

 こんな性格だけど、サンキョウセッツはとっくにデビューして勝利や結果を残して、先月はオークスに出走したくらいだもの。デビューさえしてないアタシには反論の余地もない。

 ──というか、よくもまぁ、ここまで典型的な悪役令嬢的な言い方ができるものよね。

 おまけに口元に手をかざして、典型的な高笑いまで見せてくれたわ。

 もう、なんでこんな厄介なのに──

 

「まぁ、デビュー前のアナタには、と・う・て・い、わからないでしょうねぇ。レースに勝ったり、G1の大舞台に上がるような気分は──」

 

 

「そっか、じゃあぜひ教えてよ。G1レースで実況に勝者として名前を連呼されたときの気持ちを、じっくりと──」

 

 

「「……え?」」

 

 横から聞こえた聞き慣れた声。

 そちらを見ればそこには、笑顔を浮かべた鹿毛の茶髪を短めにしたウマ娘。

 

「う……コ、コスモ……ドリーム…………」

 

 現れたコスモドリームをサンキョウセッツは忌々しく睨んだ。

 その姿に今までの勢いはなく──そこへトドメを刺す。

 

「コスモもそんな経験無いんだよね。よかったら教えてくれないかな。“オークスを制した”サンキョウセッツさん」

 

「ぷッ……」

「……クスクス……」

 

 コスモの皮肉に、周囲から思わず出た忍び笑い。

 それがアタシの耳にも届く。ということはもちろん、彼女の耳にも聞こえたのだろう。

 その顔がカーッと真っ赤になっていく。

 

「な……な……ッ」

 

 なにか言い返そうとしたサンキョウセッツの口がわなわなと動くが、言葉は見つからなかったらしい。

 それもそうよね。

 もしも誰かがあの出来事を揶揄すれば、それは関係ないのに巻き込まれたサンキョウセッツを侮辱するものだったでしょうけど。

 でも他の誰でもない、優勝したのに賞賛を簒奪されたコスモドリームには皮肉の一つや二つをいう権利はあるし、しかもアタシをイビるという状況が状況なんだから、誰もかばいもしない。

 コスモの登場に、なにも言い返せないサンキョウセッツは憎々しげにアタシを睨む。

 

「そういえば、アナタの従姉妹だったのでしたわね……」

「おかげさまで……だから、G1経験の話は彼女から聞くから、間に合ってるわ」

「くッ──」

 

 もう一度、彼女はキッとアタシを睨みつけ言外に「覚えてなさいよ!」と主張し、それから踵を返して、アタシの目的地とは逆の方向へと歩き去っていった。

 

「ほ……」

 

 ため息をついたアタシは、傍らで笑みを浮かべているコスモドリームを振り返る。

 

「ありがと。助かったわ」

「どういたしまして。でも、別にユウのためだけじゃないよ。ああいう態度をされたんじゃ、あのレースに出走したみんなの品位を疑われるからね」

 

 コスモは半ばあきれた様子で、サンキョウセッツが去っていった方を見て、ため息をついていた。

 あのレースを侮辱することを許さないのは、自分が勝ったレースだから──ではなく、そこで大怪我をしてしまったウマ娘のことを配慮してのことだと思う。

 コスモはそういう優しい子だもの。

 

「それにしても、難儀な親戚を持ったものだねぇ」

「あら、アナタもアタシの親戚なんだけど?」

「だからさ。コスモみたいな品行方正な親戚だけだったら、ユウも苦労しないのに」

「……それを自分で言う?」

 

 呆れたようにアタシが言うと──どちらからともなく笑い出す。

 うん、やっぱりこうじゃないとね。

 コスモがアタシの従姉妹で──そしてルームメイトで本当によかった。もしもサンキョウセッツみたいなのが近い親戚だったり、ルームメイトだったかと思うとゾッとするわ。

 ひとしきり笑った後、アタシは彼女に報告をした。

 トレーナーが決まり、チームに所属することになったということを。

 

「へぇ、ホントに!? よかったじゃん!!」

 

 それを聞いた彼女は、案の定、我が事のように喜んでくれた。

 満面の笑みを浮かべ、アタシの両手をとって、痛いくらいにブンブンと上下に振った。

 

「で、なんてチーム?」

「えっと確か…………」

 

 アタシが人差し指を立てて考え込むと、コスモが苦笑する。

 

「自分のチームくらい覚えておきなよ」

「うっさい、ちょっとド忘れしただけよ。そうそう、《カストル》ってチームよ」

 

 それを聞いたとき、コスモの表情が一瞬だけ陰った。

 でも、嬉しい報告を彼女にできた喜びで一杯だったアタシは、それを──見逃してしまった。

 

「たしか女性のトレーナーだったよね?」

「ええ、そうよ」

「そっか……ちょっと厳しいトレーナーだって聞くけど、頑張ってね」

「ええ、もちろんよ」

 

 アタシは自分の細腕でガッツポーズを取ってコスモにアピールする。

 

「そうだ。今から食堂に行って、みんなにも報告するんだけど……アナタも来ない?」

 

 よく考えると、コスモをつれて一緒に学食に行ったことはなかったわね。

 彼女はチームの人と一緒に食べることが多いみたいだったし、クラスも違うからアタシと同じクラスのオグリとかアルダンとかとも接点なさそうだし。

 アタシの誘いにコスモは笑顔で「うん」とうなずきかけたのだが、急になにかを思い出したように気まずい顔になってそれを止めた。

 

「あの、さ……たしか、ユウってオグリキャップと知り合いだよね?」

「そうだけど?」

「で、今からいくのって食堂だから……当然、いるよね?」

 

 食堂だからいるって、いったいどういう基準なのよ、それ。

 …………まぁ、わからなくもないけど。

 十中八九、まだ食べ終わってなければ間違いなくいるでしょうし。

 

「ええ、たぶんそうだけど……」

 

 そう答えたアタシだったけど、実は彼女を誘ったその目的の半分以上が、コスモにオグリキャップと会わせることが目的だったのよね。

 オグリキャップといえば、クラシック登録を逃したのにダービー出走の嘆願署名が集まったりして、今、話題のウマ娘。

 ダービーに出ることは出来なかったけど、強者であることは間違いない。そんな彼女にコスモを会わせてあげたかった。

 そして一方、オグリも──ダービーに出られなくて目標を失っているような感じも見受けられたのよね。

 だからオークスウマ娘であるコスモに会うことが、なにかの刺激になったら──って思ったんだけど……

 

「なら──やめておくよ」

 

 コスモは苦笑しながら、アタシの話を断った。

 

「なんで──」

「だって、今度の高松宮杯、オグリキャップも出るみたいだからね」

 

 オグリキャップ“も”という彼女の言葉。つまりはコスモは高松宮杯に出走する予定なんだ。

 それに気がついて、アタシはバツが悪そうな表情を浮かべてしまう。

 コスモは申し訳なさそうにして──

 

「だから、オグリキャップと初めて顔を合わせたら、きっと変な空気になっちゃう。せっかくユウの“良いこと”の報告会なのに」

「そ、そんな……そんなの気にしなくても…………」

「ユウがよくても、コスモが気にするの!」

 

 食い下がるアタシに、コスモはハッキリと言った。

 そしてからかうように意地悪い笑みを浮かべる。

 

「だって……ユウってば、良いお知らせを、なかなかできないでしょ? そんな数少ないチャンスを奪うのは気が引けるし……」

「あ~、あ~、そうですか。もう、言ってなさいよ……いつか、アタシの“良いお知らせ”ばっかりで、耳にタコができた~って言わせてやるわよ」

 

 アタシがそう言い返すと、コスモは優しげに笑みを浮かべ。

 ──でも、とても真剣な顔で。

 

「うん……待ってる」

 

 そう言った。

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 ──そうしてダイユウサクは食堂へと去っていった。

 

 お祝いできないのはちょっと寂しいけど、でも、それは部屋に戻ってからでいいよね?

 さっきみたいに道中、変なのに絡まれなければいいけど……なんてちょっと不安に思わないわけじゃないけど。

 

(強いわけじゃないのに、敵が多いんだよなぁ、ユウは……)

 

 だから、コスモ以外に友達ができたのは本当に嬉しいよ。ずっと一緒にいて守ってあげるわけにもいかないんだから。

 少しの間、コスモのいる後ろを気にしていた様子のユウだったけど、少し離れたら軽やかな足取りで食堂の方へ向かっていった。

 そんな姿を見ながら、ふと思い出す。

 先ほど名前を聞いたときに思い出した、彼女が所属したというチームに関するウワサを──

 

「チーム《カストル》か……ちょっと不安だね」

 

 もしもトラブルに巻き込まれたら、コスモが助けてあげないと。

 と、気を引き締めてチームメイトが集まる部屋へと向かった。




◆解説◆

【見えた!デビューへの道】
・今回のタイトルは、特に明確なモデルはないのですが──
・強いて言えば、Gガンダムのドモン=カッシュが明鏡止水を会得したシーンでの「見えた! 水の一滴!!」の台詞。
・意識したのはそれくらいですかね。
・これ以後、元ネタのあるタイトルではなく、思い付きになっていくと思います。

八大競走
・クラシックの5競走の──
  桜花賞、皐月賞、オークス、日本ダービー、菊花賞
にシニアの
  天皇賞(春・秋)、有馬記念
の3競走を加えた8つの競走。
・クラシック三冠は全部入ってますが、トリプルティアラは一冠だけ入っていませんね。
・ちなみに、本作での現時点では菊花賞、天皇賞(秋)、有馬記念以外は終了しており、それぞれの勝者は元が1988年なので──
  桜花賞:アラホウトク
  皐月賞:ヤエノムテキ
  オークス:コスモドリーム
  日本ダービー:サクラチヨノオー
  天皇賞(春):タマモクロス
になっています。
・本作は一応、シンデレラグレイ準拠なので史実通りになるかはわかりませんが、参考として1988年では残りは──
  天皇賞(秋):タマモクロス
  菊花賞:スーパークリーク
  有馬記念:オグリキャップ
となります。

悪役令嬢
・まさかの登場となった本作オリジナルウマ娘、サンキョウセッツ。
・実在馬が元になる彼女ですが、ぶっちゃけ前話書いている時点では、実況ネタとしてしか考えていなかったのですが……
・前話の解説を書く際にサンキョウセッツについて調べて──シンザンの孫であることを知ってから、「なんか使えそうだな」とは思ってました。
・それでちょっと改変して、主人公の親戚の親戚なんてことになり、嫌ってるなんて設定つけたわけです。
・ところが、家柄(血統)はいいのに、ウマ娘になるような競走馬に比べると成績はパッとしないのを見て──血筋を鼻にかけて高飛車な態度でイビるというイメージが出来上がりました。
・そうすると──思い浮かぶのは、元祖悪役令嬢“シンデレラの姉”だったんですよね。
・そうなったら、これはもう悪役令嬢になってもらうしかないと思い──「シンデレラ」ではなく「みにくいあひるの子」である本作も主役をイジメる「あひるの子たち」が必要と思い、登場となりました。
・そんなわけで、サンキョウセッツには申し訳ありませんが、そんな役どころです。
・──無論、サンキョウセッツには悪意なんて抱いていません。調べているうちに好きになったくらいですし。
・目立った活躍こそありませんが、息長く走った名馬だと思っています。

ダービー出走の嘆願署名
・現実世界でも起こった署名運動。
・クラシック登録を逃して、クラシックレースへの出場権が無いオグリキャップ。
・そんなオグリキャップが毎日杯で勝ち、同レース4着だったヤエノムテキが皐月賞を制したことで、「オグリキャップがダービーに出られたら……」という声が高まることに。
・芸能人である大橋巨泉が「追加登録料を支払えば出られるようにして欲しい」と提言するなど、クラシック出走を可能にする措置を求める声が起こったが、実現しなかった。
・しかし、現在では大橋巨泉案が実現して、1992年から登録がなくとも「追加登録料を支払えば出走可能」になっている。その道を開いたことにオグリキャップの貢献は計り知れない。
・シンデレラグレイでも、史実同様に出走はかなわなかった。
・本話の冒頭で「次の週にある日本ダービーが注目されている」とあるのはこの論争が影響してのこと。

高松宮杯
・ゲームのウマ娘をやったことをある人なら気が付くと思うんですけど──「あれ? 高松宮杯ってこんな時期じゃないよね?」って。
・そう、ゲームでは3月後半開催のG1です。実際、今の開催もそうなっていますし。
・でも史実でそうなったのは2000年から。
・1996年にG1になって5月開催になり、その後そうなったのですが……それ以前はG2で1986年までは6月、87年から1996年までは7月で開催していました。
・距離も変わっており、ゲームでは完全に短距離のレースですが、当時は中距離にあたる2000メートルでした。
・私自身、シンデレラグレイは単行本派なので現時点(2021年6月)では単行本3巻までしか出てなくてそこまで話が進んでおらず、「これをどう処理したんだろう」と思っていたんですが……
・調べてみたら、ゲーム準拠ではなく史実準拠のダービー後に高松宮杯をやっていました。
・ちなみに、一コマで吹っ飛ばされたので、コスモドリームの姿はありません。
・……ちょっとホッとした。(笑)
・そういえば、シンデレラグレイでダイユウサクが出てくるとしたらラストラン前の天皇賞(秋)になるかと思いますが……ウマ娘になっていないから出てこれないでしょうね。
・だけど、アニメ版でのダイユウサク役、ダイサンゲンが出てきたら嬉しいな。
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