見えぬ輝きの最南星《アクルックス》   作:ヤットキ 夕一

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「やっぱり容易じゃないわ~。さすがクラシックレースよね……」

 クラシック三冠の中でも、最長の距離を誇る菊花賞。
 東京新聞杯で好成績を残せて、どうにか間に合ったアタシ──ナイスネイチャだったけど、結果は……う~ん、勝てませんでした。

「テイオーの分まで頑張ろうって思ったんだけど……」

 そう思ったのはアタシだけじゃなかったみたい。
 なにしろ出走メンバーみんなが、なんだかギラギラしていたもの。
 あれは三冠確実といわれていた大本命がいなくなり、自分にもチャンスが回ってきた──というわけじゃないわ。
 むしろ、彼女がいないせいで“今年はの菊花賞はレベルが低かった”なんて思われるのが悔しくて、気合いが入りまくっていたというのが本当のところ。

「そんなこと言われるのは、本当に癪だものね」

 勝ったのはレオダーバン。
 でも、他のみんなも間違いなく死力を尽くした言いレースだったと思う。

「見ていた? テイオー……」

 まさかレース場にはいないでしょうけど、どこかで見ていると確信している彼女に思いを馳せる。

「アタシ達の期は、アナタだけじゃないんだからね。そしてこの後で、アナタが復帰してからも……アナタだけの時代が来るってわけじゃないんだから!」

 今回の菊花賞を走った者として、それは実感であり──今回の菊花賞は出走者全員からトウカイテイオーへの挑戦状なんだから。

 だから……早く帰ってきなさい。

「そうでないとアタシが年末のグランプリ、もらっちゃうからね……」

 すっかり高くなった晩秋の空を見上げて──アタシはポツリと呟いた。
 そう、次の目標は……有記念。
 あの()の分まで頑張らないと。


 その後……死力を尽くして栄冠をもぎ取った代償なのか、レオダーバンは脚の負傷が判明して──年末のグランプリの出走回避が確実になった。
 ……おかげでアタシの同期ではアタシとツインターボ、それにもう一人といったメンバーが有記念に出走することになるんだけど……この時のアタシはまだ知らない。



第70R 大混戦! それでも届かぬ遠き栄光

 

 11月も半ばになれば、いくら関東だろうとハッキリと寒いと感じる日が多くなってくる。

 マイルチャンピオンシップはまさにそんな時期に開催される。

 ウォーミングアップするウマ娘たちもGⅠということで勝負服だが、服によっては寒そうなものもあるので、それに関しては可哀想だと思わなくもない。

 まぁ、逆に6月のレースであの服は暑そうだな、というのもあるからその辺りは一長一短だからな。

 なんてことを考えていると──

 

「……トレーナー、残念でしょ?」

「なにがだ? ミラクルバード」

 

 意地悪い笑みを浮かべてオレを見てくる車椅子のウマ娘に、オレはため息をつきたくなる。

 

「だって、GⅠじゃなかったら体操服だったよ、きっと」

「あのな、今のオレにそんな余裕あると思うのか? それにこの時期ならみんなジャージ着るだろ、普通」

 

 呆れ気味にミラクルバードを見てやると、「つまんない反応~」と不満そうだった。

 しかしそれに反応することも無理だった。

 なにしろ今日のオレは、まさに彼女に答えたようにまったく余裕がない。

 秋のGⅠ戦線も後期に入り──まさに勝負をかけるレースがマイルチャンピオンシップだった。

 

「そんなに余裕がなくなるくらいだったら、秋の天皇賞、出走させればよかったんじゃないの?」

 

 ジト目を向けながらミラクルバードが言う。

 それに対してオレは、思わず遠い目をして答えた。

 

「あの結果なら、一理あったかもな……」

「だよね……あのマックイーンよりも前にゴールを切れる気はしないけど」

 

 苦笑を浮かべつつ、ミラクルバードもそれに乗ってきた。

 確かにあれと2位が6バ身差なら──ダイユウサクの調子が良ければ、展開次第ではその間に入り込めたかもしれない。

 だとすれば、繰り上がって1位……なんてことが、と思わず考えてしまう。

 

「……でも、まぁ……結果論だよな。あんな結果の予想なんて誰ができるもんか」

「だよねぇ。大差の2番入線で優勝だなんて……だいぶ荒れたみたいよ」

「荒れた? マックイーンが?」

「違う違う。荒れたのは別の()だよ。あのレースで天皇賞ウマ娘になった──」

 

 ミラクルバードがスタッフ育成科で仕入れた話によれば、まったく盛り上がらなかったウイニングライブの後に控え室で暴れまくって、それはそれは大変だったそうだ。

 壁やら椅子やら机やらを壊したみたいだが、自費で直したらしい。

 まぁ、賞金も出るだろうしなぁ……

 

「……そういえば、マイルチャンピオンシップ(このレース)に、彼女の名前が無かったな」

「ああ、それね……秋の天皇賞のせいで打倒マックイーンのために、このレースそっちのけでトレーニング中みたいよ? 元々マイラーだから、中長距離で彼女に勝つために特訓中なんだって」

「……なんというか、可哀想だな。呪縛に取り憑かれちまったみたいで、な」

 

 さっきのもしもの話になるが、そうなればここまで妄執を抱くようになったのはダイユウサクだったかもしれない。そう思えばぞっとしてしまう。

 

「う~ん、激情型というよりも、物静かな感じの()だったんだけどね」

「そういうタイプこそ怒らせたら怖いことが多いからな」

 

 恨むあまり、神社で御神木に藁人形を打ち付けたりしてな。

 とはいえ例の彼女の場合は目に見えない攻撃ではなく、もっと物理的なようだけど。

 

「なにそれ? 実体験?」

「そう思うか?」

 

 興味深そうに訊いてきたので、意味深に返してやったが、ミラクルバードは笑顔で首を横に振った。

 

「ううん、全然……」

「あのな、少しはオレがモテた時期があったかも、とか思わないわけ?」

「だって、ダイユウ先輩とのやりとり見てたらとてもそうは思えないよ。鈍感だし」

「たづなさんだけじゃなく、お前もオレのことを鈍感って言うのかよ……」

 

 オレはそう言ってため息をつく。

 そして歓声が上がって我に返った。出走時間はもう間もなくというところまで迫っていた。

 ふとミラクルバードを見てみれば、してやったりという顔をしている。

 

(緊張をほぐしてくれたのか。まぁ……オレが緊張しててもどうしようもないしな)

 

 オレにできるのは、もう祈ることくらいだ。

 ああ、神様……ダイユウサクにGⅠをとらせてやってくれ。

 頼む。アイツの今までの苦労を、報わせてやってくれ。

 

「トレーナーさんも、お祈りすることあるんですね」

 

 ふと気がつくと、傍らには黒髪のウマ娘、オラシオンが興味深そうに立っていた。

 さすがにGⅠレースということでチーム総出でやってきていたので、一緒に研修中の渡海君もいる。

 そして彼女は──

 

「ダイユウサク先輩に加護がありますように。そして、どうかトレーナーさんの願いをお聞き届けください、三女神さま……」

 

 オラシオンは、オレの横でひざまずくと手を組んで祈り始めていた。

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 それは少し前のこと──

 

 ……今日のレースはGⅠだから、アタシにとっては二度目の勝負服でのレースなんだから、少しはこの姿を見てなんとか言ってほしかったんだけど……あの朴念仁は何も言わなかったわよ。

 

(ちょっと悔しい……なんて思わないけどね!)

 

 そんなアタシはウォーミングアップを始める前に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()トレーナーに尋ねていた。

 

「ねぇ、トレーナー。もしも、もしもよ?」

「なんだ、ダイユウサク……」

 

 アタシが言いよどんでいると、彼は促すように聞き返してくる。

 それに乗って、アタシは訊いた。

 

「もしも、マイルチャンピオンシップを勝ったら……有記念に出られるかしら?」

「お前……」

 

 面を食らったような顔をした彼。

 やがて僅かに苦笑を浮かべて、すぐに引っ込めて──改めて答える。

 

「まあ、いけるんじゃないか? この時期のGⅠ制覇は人気投票に大きな影響を与えるからな」

「そうよね?」

 

 アタシは勢い込んでうなずくと、彼もそれに同調してくれた。

 

「今年はマックイーンへの投票が集中するだろうし。それに吸われて他の投票数が伸びないだろ」

「……どういうこと?」

「ああ、“無敗の二冠ウマ娘”のトウカイテイオーはまだ復帰は無理そうだからな。あの年代で代わりを探しても菊花賞とったレオダーバンも人気を集めそうだが、一冠だけではインパクトが低い。なにしろ競うのがマックイーンだからな……」

 

 そう言ってトレーナーは「さすがに厳しいだろ」って呟くように付け足した。

 結果はともかく、秋の天皇賞で十分な強さも見せつけているし、距離の近い京都大賞典でもレコード勝ち──ってそれ、アタシも出てるレースじゃないの!!

 もう少し気を使ってオブラートに包む、とかいろいろあるでしょ? まったく……

 

「春秋グランプリ制覇を狙うライアンも出るんだろうが、負傷明けのぶっつけ本番では厳しい。投票は集まるだろうが、やっぱりマックイーンへの期待には勝てないだろうからな。あと有力だったカミノクレッセも天皇賞(秋)(アキテン)でのマックイーンの斜行で負傷して……って、なんでお前は不満そうにオレを睨んでるんだ?」

 

 戸惑った様子のトレーナー。

 だって……アンタがマックイーン、マックイーンって何度も言うから──

 アタシが黙っていると、彼は小さく咳払いをして話を続ける。

 

「今のお前の成績だと印象が弱い。だが、ここで勝てば注目も集まって投票も入るだろ。そうすればそれも見えてくる」

「う……」

 

 言ってくれるのはうれしいけど、印象が弱いっていうのは余計じゃないかしら?

 アタシが抗議のジト目を向けると、彼は苦笑を浮かべる。

 

「仕方ないだろ? お前の重賞勝ちって言ったら、今年というよりも去年と感じるくらいに前の、金杯しかないんだから」

 

 それは分かってるわよ。

 それどころか今年の勝ちって、今のところそれしかないんだし。

 あのときは三連勝中だったけど、大阪杯以降は、一つも勝ててないのよね。

 でも、アタシにとってあの金杯は特別なもの。

 

「……ねぇ、トレーナー。覚えてる? 金杯のときのこと──ううん、その前の……去年の有記念のこと」

「金杯に向けてのトレーニング中に見た、オグリのラストランのことか?」

「ええ、そうよ」

 

 あの感動的な光景は忘れはしない。

 アタシの友人が掴んだあの奇跡は、今も一つも色褪せることなく、脳裏に残っている。

 そしてそれを目にしたアタシの気持ちも、もちろん忘れてなんかいない。

 アタシもああなりたい、と初めて思った。

 GⅠ制覇が目標になって──でも、今だから気づいたこともある。

 

(アタシが本当にあこがれているのは、ただGⅠを勝つことかしら?)

 

 ひょっとしたら、と思う。

 アタシがあこがれたのは──あの舞台。

 年末のグランプリでの栄冠に、()が惹かれたんじゃないかな、って──

 

「ねぇ、トレーナー。だから……もしもこのレースに勝ったら、有記念に出たいと思うの」

 

 そんなアタシの言葉に彼は──

 

「ああ。これが終われば、後はスプリンターズステークスか有くらいしか残ってないからな。出走できそうなら、走らせてやるよ」

 

 本気なのか冗談なのか、どっちともつかないような笑みを浮かべて、そう答えたわ。

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 ゲートが開いて、マイルチャンピオンシップの火蓋は切って落とされた。

 秋のGⅠ戦線で、2番目に短いレース。

 とはいえ──アタシは前の方にはつけなかった。

 

(きっと今ごろ、トレーナーもミラクルバード(コン助)も驚いているでしょうね……)

 

 普段のアタシなら、スタートの良さから先行につく展開が多い。それは距離が短いほど顕著。

 2000メートルのレースならともかく、1600メートルのこのマイルチャンピオンシップなら、今まで通りなら先行策をとるのがアタシのセオリーだった。

 

(でも、今回は……)

 

 前走のスワンステークスで感じたこと。

 それは──

 

(悔しいけど、アタシの走りには伸びが失われてきてるってこと……)

 

 思えば秋の復帰戦だったチャレンジカップから、勝てないレースが続いていた。

 それはアタシが思い描く自分の走りと、実際に自分ができるレース展開にズレが生じているからだと思った。

 前走のスワンステークスで先行したアタシは、思った以上に足が伸びなかった。

 

(確かにケイエスミラクルの末脚はすごかった……)

 

 レース中は突然、背後から現れた彼女に驚かされただけだったけど、レースの映像を見たら、それは明らか。

 それに負けてしまうのは、まあ、仕方ない。

 でも、それ以外にもダイイチルビーについて行くこともできなかったし、ケイエスミラクルと共にあがってきたもう一人にさえ抜かされて、アタシは4位だった。

 

(今のアタシは先行してしまったら、終盤以降で“脚”は残らない)

 

 それが結論である。

 では、どうすれば勝てるのか──

 

「答えは“先行せずに脚を残す”よ……」

 

 ゆえにアタシは中段──どころか後方から4、5人目といった辺りに位置づけ──

 

「「──え?」」

 

 あるウマ娘とはち合わせた。

 赤みがかった黒髪──黒鹿毛をなびかせ、その赤き鋼玉(ルビー)のような瞳がアタシをにらむように見ている。

 

「なッ!? 貴方、どういうつもりですか? このわたくしをマークしようとでも……」

「ダイイチルビー……」

 

 彼女はアタシに気づくや、そうやって敵意を向けてきたけど──本当のところは、アタシを意識なんてしていない。

 彼女が意識し、前回は先行していたのに今回わざわざこんな位置にまで下がってきているのは、そのウマ娘を警戒していたからだ。

 アタシとダイイチルビーの視線が、そのウマ娘を捉える。

 

 彼女の名は──ケイエスミラクル。

 

「────ッ!」

 

 そしてケイエスミラクルは、チラッとダイイチルビーに視線を向ける。

 

 ………アタシは無視ってわけですか。

 面白いわね。やってやろうじゃないの。

 アタシとダイイチルビー、それにケイエスミラクルは後方で互いに牽制しながら、抜け出すタイミングを狙っていた。

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 

 ──しかし、ここで一つだけ誤算が生まれていた。

 

 前哨戦ともいえるスワンステークスで1位、2位、4位のウマ娘達が、後方でレースをしていたがために、前方が留守になっていたのだ。

 そして彼女は──普段なら先頭切って走り、逃げることの多いウマ娘だが今日は先頭を切ってはおらず──まだ中盤といった現在、彼女自身は3人で先頭を争うといった塩梅になっていた。

 そして気がついてしまう。

 “お嬢様”は、他のウマ娘2人と警戒し合うように後方で走っている。

 そして、普段逃げている自分の速度なら──

 

「アレ? もしかして……行ける系?」

 

 ダイタクヘリオスは気付いたのである。

 逃げたときのように皆の意識が向けられているわけでもない。

 そして逃げていないので“脚”も残っている。

 なら──

 

「行くっきゃ、無いっしょおおぉぉぉ!!」

 

 ダイタクヘリオスは仕掛けた。

 脚に力を込め、「ヒアウィゴー!!」とか「ウェーイ!」なんて声をあげて、一気にペースを上げる。

 

「「「なッ!?」」」

 

 それには周囲も驚き──普段の逃げよろしく、一気に先頭に立った彼女はそのまま走った。

 やがて第4コーナーを終えた直線──

 

 

『ダイタクヘリオスが先頭か? ダイタクヘリオスが先頭です。

あと二番手にはバンブーメモリー。ダイイチルビーが来る!』

 

 そんな実況アナウンスが流れる中──

 

「~~~~~ッ!!」

「って、お嬢様!? でも、今日ばかりは……アタシが勝つ!!」

 

 恨みがましく睨んでくるダイイチルビーの視線をものともせず、ダイタクヘリオスは逃げる。

 さらにはその横に、無言で鋭く追い上げてくる人影。

 スワンステークスを制し、最近躍進めざましいウマ娘──ケイエスミラクルだった。

 

「──ッ!? さすが……」

 

 ぐんぐん迫るそれに、戦慄するダイタクヘリオス。

 そして大外からは──

 

「絶対に、絶対に、負けられない……勝つんだからぁぁぁぁl!」

 

 赤を基調にしたドレス姿の勝負服に身を包んだ、鹿毛のウマ娘が猛然と追い上げてくる。

 その気迫はまさに歴戦の猛者。他のウマ娘達とは圧が違う。

 

「んなあああ!? なんなの、アレ!?」

 

 それに気圧されて思わず悲鳴を上げ、必死で逃げるダイタクヘリオス。

 ドン底を経験し、そして這い上がってきたという経緯や、ここまで走ってきた経験量の差がまるで違うのだ。

 その圧倒的気迫を伴って追い上げてきたのは──ダイユウサク。

 

『さぁ、ダイユウサク突っ込んでくるが、先頭はダイタクヘリオス200を通過!

さぁ、ダイイチルビーが突っ込んできた。ダイイチルビーと、外からダイユウサク! あるいはケイエスミラクル!!』

 

 しかし──追い上げてきた3人は届かない。

 

『2番手は接戦だ! しかし完全に先頭はダイタクヘリオス!!!』

 

 2位争いの中でダイイチルビーが頭一つ抜け出し、それにケイエスミラクルが続く。

 しかしそれも後の祭り……

 

『ダイタクヘリオス、ゴールイン! ……ダイタクヘリオスやりました。ダイタクヘリオスです!』

 

 かくして1着でマイルチャンピオンシップを制したのは……ダイタクヘリオスだった。

 




◆解説◆
【それでも届かぬ遠き栄光】
・元ネタなし。
・しかし久しぶりの“タイトルで内容バレ”パターン。
・ウマ娘の場合、結果はほぼ決まっているのでこのパターンでも問題ないんですけどね。

レオダーバン
・元ネタは同名の競走馬。
・トウカイテイオーやナイスネイチャ、ターボ師匠と同期の1988年生まれ。
・トウカイテイオーの二冠に隠れがちですが、東京優駿(日本ダービー)も2位と好走し、菊花賞ではついに栄冠をつかんだのです。
・そして次走は有馬記念と陣営は張り切って出走──ただし、翌年の。………え?
・菊花賞を制した後に、屈腱炎が発覚して1年を超える休養を余儀なくされてしまったのです。
・そんなわけで1992年の有馬記念に出走したのですが……勝ったのは皆さんがご存じのようにメジロパーマーです。結果はトウカイテイオーの1つ下だったダイタクヘリオスのさらに下、13着でした。
・その後、翌年のアメリカジョッキークラブカップに出走しましたが、9頭立ての8着の結果になり、その後は屈腱炎が再度発症してしまい引退しました。
・なおウマ娘ですが……アニメ2期では該当するのが“リオナタール”という名前のウマ娘のモデルになっていますね。
・ですので2期1話のダービーのシーンでも登場し、初登場シーンでしっかりと説明が入った後、ゲートインで3番目(テイオーの直前)なのがリオナタールです。
・その後もレース中に度々映り、1話ラストのウイニングライブでは2着だったのでセンターのテイオーの向かって左で歌ってました。
……ところでダービーのシーンを見てて思ったんですけど、5番(史実ではシンホリスキー)のウマ娘が、勝負服から髪型までダイサンゲン(ご存じダイユウサクが元になったオリジナルウマ娘)の完全な色違いで気になって仕方がない
・2話の菊花賞のシーンではさすがに主役だったレース、仮想中のトウカイテイオーから「横にはダービーで競った“あの娘”がいる」と名指しされ、トップで走り、優勝して勝鬨をあげる等いいシーンをもらってます……一世一代の見せ場シーンが一瞬で終わった(しかも回想シーン)ダイサンゲン(ダイユウサク)とはエラい違いですが。
・それで登場終わりかと思いきや、6話でも密かに再登場。92年相当の有記念のシーン(9分50秒あたりから)でトウカイテイオーの近くを走っている姿が描かれています。セリフはないけど。
・1話でマルゼンスキーが応援し、それに親指を立てて「なにか運命的なものを感じます」と応じたのは、レオダーバンの父馬がマルゼンスキーだったから。

もう一人
・91年有馬記念に出走した4歳馬(当時表記)はナイスネイチャ、ツインターボの他はフジヤマケンザン。
・菊花賞も3着で、アニメ2期の2話では実況でケーツースイサンと呼ばれているウマ娘の元ネタですね。
・ケーツー(K2)は世界で二番目に高い山の名前なので、山繋がりで採用されたのかと。スイサンは、ケンザン→見参→推参でしょうし。
・2期2話の菊花賞で、トウカイテイオーの仮想直後にリオナタール(レオダーバン)と並び、内(左側)にいる青いベストに赤いスカートの高校の制服のような勝負服を着ているのがケーツースイサンです。
・3着だったので、ネイチャよりも前にゴールするのが一瞬だけ映ってますね。
・ちなみに2着だったブレスオウンダンス──こと史実のイブキマイカグラもまたレオダーバン同様に脚に不安があったために有馬記念を回避しました。
・──この辺りを解説してると、完全にシンデレラグレイではなくアニメ2期の時期なんだと痛感します。

マイルチャンピオンシップ
・1984年に創設された、比較的新しいGⅠレース。
・基本的に京都での開催で整備のために2020年と翌21年が阪神で開催された以外は京都で開催されています。
・距離はその名の通り、もちろん1600で開催。
・現在ではダイユサクの前走だったスワンステークスと富士ステークスは2014年から1着に優先出走権が与えられています。
・なお、スプリンターズステークスも2016年から優先出走権が与えられるようになりました。
・これを書いている時点(2021年11月末)で2021年のマイルチャンピオンシップはちょうど終わっており、グランアレグリアが昨年に続いて勝ち、連覇で有終の美を飾りました。
・今回の本作のレースの元になったのは91年の第8回のレース。
・行われたのは1991年11月17日。天気は晴れの良馬場でした。

スプリンターズステークス
・あれ? とお思いかもしれませんが、「これが終われば」というトレーナーの言葉は間違っておりません。
・↑の優先出走権のところで書いたように、“現在では”スプリンターズステークス→マイルチャンピオンシップという順番ですが、ダイユウサクが現役だったころはマイルチャンピオンシップ→スプリンターズステークスという順番だったのです。
・しかも当時のスプリンターズステークスは12月開催で年末のグランプリ有馬記念の前週というスケジュールでした。
・まぁ、普通はスプリンターズステークスに出るようなスプリンターが2500の有馬記念になんて出走するはずがないですからね~……
・……なんて思ってた時期もありました。

ダイタクヘリオス
・ウマ娘に実装済みのウマ娘。
・ただし現在(2021年11月末)では育成キャラはまだ未実装。
・というのは前も解説したのですが……↑のマイルチャンピオンシップからのスプリンターズステークスに出て、翌週の有馬記念に出たのが92年のダイタクヘリオスでした。
・そのパーマーが制した有馬記念こそダイタクヘリオスのラストランで、そのまま引退しています。最後に何やってんスか!?
・アニメでも、それ以降は登場機会がガクンと減りますし。
・ただそれもウマ娘でのパーマーとの友情を考えると、引退のその時期に自分の得意な範囲に入るスプリンターズステークスに走り、その次週に距離の合わない有記念に出走という無茶を敢行し、パーマーと一緒に“爆逃げ”してパーマーを勝たせたと考えると、実はもの凄く熱い友情物語が裏に隠れてしまった回でした。
・パーマー&ヘリオスの名シーンで、確かに「あとは任せた」とヘリオスが下がっていくのは引退(それ)を暗示しているんでしょうが……連闘でヘロヘロなはずのヘリオスとクビ差しかなかったトウカイテイオーを中心に描いたのは、いくら主役とはいえどうかな、と思います。


※次回の更新は12月1日の予定です。  

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