見えぬ輝きの最南星《アクルックス》   作:ヤットキ 夕一

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 ──勝てなかった。

 アタシは足を止め、膝に手を付いて呼吸を整えながら、愕然としていた。
 もちろん、マイルチャンピオンシップ(このレース)1位で(とれて)当たり前、なんて思ってなかったわ。
 でも、心のどこかで「秋の天皇賞を諦めたんだから……」という甘すぎる期待があった。
 確かにメジロマックイーンは強敵。まともにやったらアタシがかなわなかったのは京都大賞典でも明らかだったし。
 でも、彼女がいない短距離・マイル戦だって強敵がひしめいていたんだから。
 ダイイチルビーやケイエスミラクル、そして──

「ダイタクヘリオス、か……」

 視線を向ければウイニングランの最中で、彼女はスタンドに向かって手を振り、ときおり立ち止まって「ウェーイ!」とハンドサインを出している。
 毎日王冠で2着だった彼女。マイルを得意にしているのは分かっていたはずなのに……

「く……」

 じゃあ、大きな失敗をしたか、と言えば……アタシには心当たりはない。
 ダイイチルビーやケイエスミラクルへのマークは正解だったと思ってるし、仕掛けるタイミングを間違えたとも思っていない。

(力負け、よね……)

 顔を上げて掲示板を見つめる。
 アタシの着順はダイタクヘリオスよりも下なのはもちろん、ほぼ同じ位置で競っていた2着のダイイチルビー、3着のケイエスミラクルの下──でもなく、その中に一人挟んでの5着。
 競っていた2人との間に他のウマ娘が入ってしまったのも、アタシにとってはショックだった。

「……ダイユウサク。大丈夫っスか?」

 うつむいていたせいで頭上から声が聞こえ、アタシは顔を上げた。
 そこには「夢」と書かれた鉢巻きをしたウマ娘の姿があった。

「バンブーメモリー……」

 彼女もまた、今回のマイルチャンピオンシップに出走していたウマ娘の一人。
 そして着順はアタシよりも後ろ……のはずなのに、なぜか妙に晴れやかな顔をしている、とアタシには思えた。

「掲示板、おめでとうっス」
「一応、ありがとう、とは言うけど……正直、悔しいわね」

 アタシが複雑な顔で答えると、バンブーメモリーは「そうっスか」と妙にあっけらかんと返してくる。
 ……おかしいわね。
 彼女はアタシよりも実績を残してきたウマ娘。その彼女がアタシよりも後ろの順位だったら、もっと悔しがっていいはずなのに。

「そう思える気持ち、ちょっと羨ましいっス」
「……え?」

 バンブーメモリーは笑顔でアタシに言う。
 なんだろう。バンブーメモリーの様子は明らかにおかしい。
 そんな彼女はキッパリと言った。

「アタシはここまでっスね」
「それって、どういう……」
「このレースを最後に、バンブーメモリーは引退するっス」
「ええッ!?」

 晴れやかな顔で宣言したバンブーメモリーに、アタシは驚きを隠せなかった。
 ちょ、ちょっと待ってよ。なんで……

「悔いはない、なんては言えないっスよ。でも、これ以上続けていても、その“悔い”を解消できないと気付いたっス」

 バンブーメモリーが振り返る。
 彼女の視線の先にはダイタクヘリオスの姿があった。
 そしてダイイチルビーの、ケイエスミラクルの姿があった。

「秋の競争(レース)が始まって、彼女たちにはまったくかなわないっス。認めたくないけど、アタシの今の力では……もう勝てないってことっスよ」

 そのとき浮かべた寂しげな自虐的な笑み──そこに、“くやしい”という本音が僅かに見えた気がした。
 そして彼女はアタシを振り返る。
 そこには僅かな“悔い”さえ振り切った、完全な晴れやかな笑みがあった。

「ダイユウサク……“悔しい”って素直に思えるんだからキミは心が折れていないっス。まだ走れるっス。だから……」

 バンブーメモリーは、頭に巻いていた鉢巻きを外し──アタシに差し出した。

「アタシ……いや、アタシたちの分まで、“夢”を掴んで欲しいっス。これが残り少なくなった同世代への、エールっス」

 笑顔で『夢』と書かれた鉢巻きを握りしめた手を付きているバンブーメモリー。
 そして笑顔のはずの、その目から──大きな滴が流れ落ちた。

「──ッ」

 アタシは──感極まりながら、それをしっかりと受け取った。
 グッと握りしめられたその鉢巻きを、アタシは何物にも勝る宝物を受け取るように、両手で包むように受け──アタシの目からもまた大粒の滴が流れ落ちる。

「……うん、絶対に、“夢”を掴んでみせる。その姿……アナタに見せるわよ」

 泣き崩れそうなアタシの頭に、笑顔でポンと手を乗せるバンブーメモリー。
 彼女は少し困惑した様子で──

「うん、待ってるっスよ。また号泣する姿を、楽しみに──」
「もう! こういうところで茶化さないでよ!!」


 …………こうしてまた一人、同期がトゥインクルシリーズから去っていった



第71R 大英断! 決意──

 

 ──負けた。

 

 その結果を突きつけられ、オレは愕然としていた。

 決して、マイルチャンピオンシップを侮っていたわけじゃあない。

 秋のGⅠの中で、ダイユウサクにとってはもっとも確率の高かったGⅠだという認識は、レース後の今でも変わっていない。

 距離的には2000メートルの秋の天皇賞が最も適正があったかもしれないが、メジロマックイーンの存在を無視できなかった。

 

(もしも天皇賞に出走していても、やはり1位入線は無理だっただろ)

 

 そしてステイヤーなら翌週のジャパンカップに出るために絶対に出てこない。

 だからこそ選んだマイルチャンピオンシップだったというのに──

 

「いや、違うな……」

 

 オレは思わずつぶやいていた。

 選んだんじゃない、逃げてしまったんだ。

 2000メートルという中距離で現役最強ステイヤーのマックイーンと戦うのと、1600のマイル戦でダイイチルビー達の強豪スプリンターと戦うのを比べ、マックイーンにはかなわないと逃げただけ。

 その結果が、今回の5位という結果だ。

 

(……ダイタクヘリオスだけじゃない。ダイイチルビーとケイエスミラクルには、完全に負けたしな)

 

 ダイタクヘリオスの作戦勝ちだった今回のレース。

 レース中はほぼ同じ位置にいて、同じような展開をしたにも関わらず、2人の前どころか、その間に一人が入られてしまうくらいに“負け”たのだ。

 

(少なくとも、彼女たちには……短距離やマイルでは、ダイユウサクは勝てない)

 

 それがオレの結論である。

 その結論を、トレーナー室で噛みしめていたオレは、傍らにいるミラクルバードを振り返った。

 マイルチャンピオンシップは昨日のこと。今日、ダイユウサクには休養を言いつけているが、チーム部屋ではアイツが顔を出しかねないので、こっちにいたのだ。

 

「なぁ、ミラクルバード……」

「なに? トレーナー」

 

 オレは僅かな躊躇いの後、彼女に尋ねた。

 類まれな才能を持ったものの運に恵まれなかった彼女の、その慧眼を信じて。

 

「ここのところのダイユウサクの敗因……なんだと思う?」

 

 手元のデータを見ていたミラクルバードは顔を上げた。。

 

「ハッキリ言ってもいい?」

「そのためにお前がいるんだろ。仲良しサークル活動が目的なら、お前じゃなくてコスモドリームを誘ってるさ。それに、お前の目を信用しているからな」

「……ありがと」

 

 照れ笑いを浮かべたミラクルバードだったが、すぐに表情を引き締めた。

 

「実力は……マックイーンは別格にしても、他と伯仲はしていると思うよ。まぁ、ダイタクヘリオスはよく分からないけど」

 

 毎日王冠やマイルチャンピオンシップのような強さを見せたかと思えば、まるでダメなときもあるし、ホントに予想できないし、実力も分からないんだよね、とミラクルバード。

 

「でも、どうしてもスワンステークス(ケイエスミラクル)マイルチャンピオンシップ(ダイタクヘリオス)に勝てなかったのは、適正距離と……年齢、かな」

「確かにな」

 

 ミラクルバードは苦笑を浮かべ、オレは厳しい表情になる。

 順位は4位と5位。どちらも最後の一伸びが足りなかったイメージだ。

 そんなオレに気が付いたミラクルバードは意外そうな顔をした。

 

「やっぱりトレーナーも気づいてるんだ?」

「ああ。秋になってアイツが勝てない理由……ここまでくればイヤでも疑うぞ」

 

 オグリキャップが引退してまもなく一年になる。

 この一年でそれ以外にもダイユウサクの同期はだいぶ減った。オグリの前にはディクタストライカ、サクラチヨノオーといった面々がターフを去り、オグリと同じ有記念を最後にヤエノムテキがやはりいなくなっている。

 

(ダイユウサクと仲のいい連中も、だ)

 

 コスモドリームは復帰の目処が未だ立たず、シヨノロマンもとうに一戦を退いている。がんばっていたサンキョウセッツもついにレースに出るのをやめていた。

 それだけじゃない。

 次なるスター、メジロマックイーンが頭角を現したし、さらに下の世代のトウカイテイオーが、怪我こそしてしまったものの大きな注目を集めた。

 世代交代の流れは確実にやってきている。

 どんな晩成型であろうとも、その波には逆らえない。

 

「今までがんばってたバンブー先輩も、引退するみたいだしね」

 

 少し寂しげにミラクルバードがつぶやいた。

 ダイユウサクだって以前なら先行でついていけたはずが、終盤になってそのまま伸びないのは、衰えがきて余力がなくなってしまっている証拠だった。

 

「トゥインクルシリーズってのは、本当に厳しい世界だな」

「だよね……」

 

 活躍できる期間というのはそれほど長くない。

 だが……だからといって、諦めるわけにはいかない。

 

「でも、勝たないとね」

「ああ……」

 

 とはいえ、だ。

 残ったGⅠは今度の週末のジャパンカップ、年齢的に出走できない阪神と朝日杯のジュニアステークスを除けば、もうスプリンターズステークスと有記念しか残っていない。

 

「スプリンターズステークスに行けば、マイルチャンピオンシップで走ったダイイチルビーとケイエスミラクル、ダイタクヘリオスがくるだろうね」

 

 再び、あの快速三人娘と戦うことになる。

 その姿を思い浮かべながら──オレはミラクルバードに尋ねた。

 

「……勝てるか?」

「う~ん……」

 

 苦笑して言葉を濁すミラクルバード。

 スワンステークスやマイルチャンピオンシップの焼き直しのようになってしまうのではないか、と考えているのだろう。

 そしてそれはオレも同じだ。

 

「ましてスプリンターズステークスは1200メートルだしね……」

 

 GⅠ最短のレースであるスプリンターズステークスは、やはり何よりも速さがものをいう。

 加えて言えばダイユウサクは短距離の経験は豊富だが、結果を残してきたとは言い難い。

 ミラクルバードが不安を抱くのも当然だろう。

 

(今のダイユウサクのスピードで、あの三人娘に勝つには1200じゃ距離が絶対的に足りない)

 

 じゃあ、別のもう一つ……ということになるのだが、それはそれで問題がある。

 それは──

 

「でも、スプリンターズステークスが難しくても、有記念はそもそも出走できないんじゃない?」

「……アイツ、今年は金杯しか勝ってないもんな」

 

 まさに気が付けば、である。

 大阪杯は惜しいところだったが、そこから休養に入り──復帰後はGⅠ制覇に照準を合わせて重賞戦線を戦ってきた。

 ……が、本番も合わせてそのことごとくに勝てず、今年だけの成績を見ればこれまで6戦して1勝である。

 

「票が集まるはずがない」

「マックイーンがどうとか、それ以前の問題だよ。だからスプリンターズステークスにかけるしか──」

 

 ミラクルバードが言い続けるのを余所に、オレは考えにふけっていた。

 

(スプリンターズステークスはまず勝てん。マイルで勝てなかったのに、生粋の短距離ウマ娘(スプリンター)・ダイイチルビーをはじめ、あの3人に勝てる要素がない。しかし……)

 

 もしも、もしもだ。

 出走資格の問題ははさておき、有記念に出られたとして、立ちはだかるのはメジロマックイーンという高い壁。

 

「どっちにしても、容易じゃないな……」

「どっち? ダイイチルビーとケイエスミラクルのどっちをマークするかって──」

 

 オレの無意識のつぶやきにミラクルバードは首を傾げた。

 が、オレはそれに気付くことなく考えを巡らせる。

 

(むしろ、これは──どっちも勝ち目はないと言える。それなら……)

 

 そう。スプリンターズステークスも有記念もGⅠ制覇を狙うダイユウサクにとっては、2000メートルという適正距離からも外れているし、勝ち目がないことでは変わらないんだ。

 ならばいっそのこと……

 

(……アイツが走りたい方を、走らせたい)

 

 そのときに脳裏に浮かんだのは──マイルチャンピオンシップの直前にダイユウサクがオレに言った一言だった。

 

『ねぇ、トレーナー。だから……もしもこのレースに勝ったら、有記念に出たいと思うの』

 

 久しぶりのGⅠ出走。アイツが一番映える、アイツの勝負服に身を包んでいた姿は、本当に魅力的だった。

 そんなアイツが珍しく殊勝な態度で言った言葉は──オレの胸の奥に刺さっていた。

 結果は勝てなかったが、それでもアイツの有記念に対する思いは、間違いなく本物だろう。

 なぜなら、去年の年末のあの日──

 

『……ねぇ、トレーナー』

『羨ましい……なんてアタシが思うのは、おこがましいかしら?」

『オグリと……彼女とアタシはまるで違う。アタシの方が断然恵まれた環境だったのに、実力がまるで無かった。もちろん実績だって比べるのも恥ずかしいくらいだし……』

『でもね。こんなに……人の気持ちを震えさせる。感動させられるレースができるのが、本当に羨ましいわ。そして、そんな姿に憧れるのよ! どうしようもなく……』

『……アタシも、なりたい。オグリキャップには到底及ばないのは分かってるわ。でも、それでもアタシは、少しでも彼女に近づきたい!!』

 

 ──あのラストランがアイツの意識を変えた。

 勝てないと思われていた彼女(オグリ)が見せた最後の強烈な輝きこそ、アイツがあこがれたもの。

 

(アイツのGⅠを勝ちたいという気持ちは、パーシングとの賭けが原因なんかじゃない。あのレース……有記念が原点なんだ!)

 

 だからこそオレは──アイツを()()に走らせてやりたい、と思った。

 いや……オレはウマ娘の夢を叶えるために存在している“トレーナー”なんだ。その夢を、叶えてやれなくてどうする!!

 それに──アイツには悪いが──来年、有記念の舞台にダイユウサクが果たして立てるだろうか?

 

(マックイーンはまだ衰えるような歳じゃない。ケガで泣く泣く三冠挑戦を逃したトウカイテイオーは復帰する)

 

 それだけじゃない。

 トウカイテイオーの同期達もシニアになってさらに力を付けてくるだろう。

 そして来年クラシックレースを走るヤツらもまた台頭してくる。

 それらを相手に、今でさえ勝てなくなってきているダイユウサクが立ち向かうことができるのか。

 

(それに比べたら──今年は、チャンスだ)

 

 ダイユウサク本人の実力もだが──マイルチャンピオンシップのときにアイツに言ったように出走候補に隙がある。

 明らかにマックイーンが頭一つ抜けており、他はドングリの背比べ状態。

 

(そうなれば、出走を狙ってみる価値はある!)

 

 そしてスプリンターズステークスはその前週だ。

 両方なんて走れるわけがないんだから、この瞬間にオレの頭の中からスプリンターズステークスという選択肢は消えた。

 

「まして相手は、強敵だからな……二兎を追う余裕はない」

「そうだよねぇ……どっちかのマークに絞るべきだよね」

 

 あとは最大の問題として──どう出走させるか、だ。

 これが一番頭の痛いところ。これから票を集めようにもGⅠは残っていないし、重賞を一つ勝ったところで、ダイユウサクの人気が爆上がりするわけがない。

 

(これに関しては、いったいどうすれば……)

 

 有記念に出走したウマ娘達の姿が思い浮かぶ。

 古くは“消えて”伝説となった、オレも直接お会いした“あの方”。

 勝てはしなかったものの、オレのあこがれだった“初代国民的アイドルウマ娘”

 そして……その2代目ともいうべき──昨年、強烈な印象を残したオグリキャップ。

 

(オグリは2回勝っているからな。去年と、その前々年……)

 

 去年のレースではない方の、彼女が制したレースが頭に浮かぶ。

 あれもまた凄いレースだった。

 秋の天皇賞、ジャパンカップに続き、三度目の勝負となったタマモクロスとの激闘。そこにその年に菊花賞を制したスーパークリーク、さらにはディクタストライカが入り交じった四つ巴に……

 

(まぁ、クリークは斜行になったんだけどな。今年の天皇賞(秋)(アキテン)みたいに……ん?)

 

 今年のマックイーンと違い、後着制度が無かったのでクリークは失格になっている。

 そういえば、あのときの有記念、スーパークリークは確か……

 

「そうか! その手が、あったか……」

 

 一筋の光明が見えた気がした。

 確かにあの手を使えば──投票が集まらなくても、有記念に出走できる。

 もしもそれが得られれば、ダイユウサクでもいけるはずだ。

 

「あれ? どうしたの、トレーナー。なにかいい作戦でも思いついた?」

「ああ。ちょっとした思いつきだが──試す価値はある。ちょっと留守にするが……本来ならチームは休みなんだから、お前もちゃんと休めよ」

「う、うん……でも、それならボクも──」

 

 オレはミラクルバードをその場に残し、一目散に駆けだした。

 確認する相手は──理事長だ。

 アポこそ無いが、理事長室にいるのなら会うことは可能だろう。それでこれが可能かどうか確かめてやる。

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 ──そして、どうにか理事長に会えたオレは自分の考えを話した。

 驚いた様子だった理事長だけど、難色を示した。「さすがに金杯の一つだけでは……」と。

 だが興味を持ってくれたのも確かだった。

 そして、ある条件を示してきた。

 

「提案ッ! あのレース場のこけら落としを記念して開催されるレースに、盛り上げるためにも出走して欲しい。そして見事に勝てたのなら……私から彼女の名前を委員会に推挙しよう」

 

 1勝では無理でも、もう1勝すれば候補にすることはできる。

 そのためのレースを、理事長は指定してきたのだ。

 そしてオレに拒否する選択肢はない。二つ返事で引き受け──理事長室を後にする。

 

 

 そしてオレにはもう一つ──アイツの後顧を憂いなくするために、やらなければならないことがあった。

 




◆解説◆
【決意──】
・ここはシンプルなタイトルにしたかったのでこうなりました。
・バンブーメモリーの決意、ダイユウサクの決意、乾井トレーナーの決意が今回の肝なので。
・本当は「大英断」さえ余計に感じていたのですが、さすがにここで「大○○」シリーズを途切れさせるわけにはいかなかったので。
・逆に「大英断!」だけでもよかったかな、と。

トゥインクルシリーズから去っていった
・史実のバンブーメモリーが引退したのは91年のマイルチャンピオンシップ。
・GⅠになった初めてのスプリンターズステークス(1990年)を制す等、短距離~2000以下で活躍しました。
・91年の5月までは活躍していたのですが6月の2200メートルの宝塚記念の4着を最後に、CBC賞、毎日王冠、スワンステークス、マイルチャンピオンシップと得意の短距離~マイル戦にもかかわらず掲示板にのることなく低迷していました。
・ダイユウサクにとっては、重賞初挑戦になった89年高松宮杯(コスモドリームも出てたレース)で顔を合わせて以降、90年のCBC賞、天皇賞(秋)、91年スワンステークス、マイルチャンピオンシップと、重賞経験が少ないその中で、同期の中では数多くレースで顔を合わせた相手でした。
・それは本作でも同じで──彼女の引退は、ダイユウサクにとって本当にショックだったんだと思います。

阪神と朝日杯のジュニアステークス
・史実の阪神3歳牝馬ステークスと、朝日杯3歳ステークスのこと。
・現在は年齢換算方法が変わったのもあって、それぞれ阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティステークスと名前を変えています。
・ゲーム版では現在表記のために問題無いのですが……シンデレラグレイでは高松宮杯など当時のレース名をつかっているので問題が。
・ウマ娘では3歳(現在でいえば2歳ですが)という表記も、牝馬という表記も使えないために、サクラチヨノオーやディクタストライカの紹介時にはこのような表記をしていました。
・ちなみに1991年の阪神3歳牝馬ステークスの開催日は12月1日、朝日杯3歳ステークスは12月8日でした。
・そして12月15日がスプリンターズステークス、12月22日が有馬記念になります。

あの方
・シンザン伝説の一つで、第10回有馬記念でのこと。ちなみにシンザンのラストランです。
・第4コーナーで逃げていたミハルカスがシンザンの末脚を殺すために荒れた内側を走らせようと、極端に大外──外ラチ付近にまで振ったのですが……
・シンザンはそのさらに外を回ってミハルカスをかわし、見事に制覇したのでした。
・つまりはゴルシワープの逆。
・小賢しい手を力でねじ伏せるこの勝ち方が、本当の本気でカッコよすぎるんです!
・あまりに外側ギリギリを走り過ぎたため、テレビカメラから見えなくなり、実況が「シンザンが消えた!」と叫んでいます。

クリークは斜行
・89年の有馬記念で、スーパークリークは3着入線していますが、メジロデュレンの進路妨害を取られて失格になっています。
・そのせいで4位入線だったサッカーボーイが3位に繰り上がり。本作はシンデレラグレイ準拠なのでサッカーボーイはディクタストライカ扱いですが。
・あ……そういえばシンデレラグレイがヤングジャンプでの連載で今まさに(2021年12月頭)やってるレースでした。ネタバレ……
・ちなみにアニメ1期の6話で描かれた、感謝祭のドーナツ早食い対決(タマモ、クリーク、オグリ)はこの89年の第33回有馬記念がモチーフになっており、クリークが反則負けしているのはそのせいです。
・この時のクリークは、まだキャラが固まっていなかったのか今のクリークとはだいぶイメージが違いますね。クリークと気付かないレベルです。


※次回の更新は12月4日の予定です。  

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