【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!   作:タカば

196 / 588
婚約者候補に、私はなる!

『ケヴィンの第四の婚約者候補になる』という提案を聞いたとたん、フランの眉間にぎゅっと深い皺が刻まれた。

 うわー、久しぶりに見たな、この不機嫌そうな皺。

 

 でも、いいアイデアだと思うんだよね。

 

「私はハルバード侯爵家のご令嬢でしょ? 家柄、お金、それに実績もあるから、3人の婚約者たちから真っ先に狙われると思うのよ。でも、私はそう簡単に殺せないじゃない?」

 

 なにしろ、とんでもなく強い護衛を従えてるからね!

 物理《フィジカル》な攻撃はフィーアが、魔法《マジカル》な攻撃や毒物《ケミカル》な攻撃はジェイドが防いでくれる。

 

 箱入りで育てられた良家のお嬢様が、このふたりに勝てる可能性など微レ存以下だ。

 

「私が婚約者たちの殺し合いを防いで、フランが黒幕を探る。いい役割分担だと思うの!」

「またお前の縁談を利用するのか……」

 

 フランは嫌そうにため息をつく。

 

「何よー、クリスとヴァンの時だって、同じことやってたじゃない」

「だからだ」

 

 じろりと睨まれた。

 

「次期クレイモア伯とお見合いして姫に取られた、モーニングスター家の跡取とお見合いして、3人の婚約者と問題を起こした……見合いのたびに噂になっていたら、まともな縁談が来なくなるぞ」

「まあその時はその時よ!」

「……その時、とは?」

「結婚相手がいなければ、ハルバードの田舎にひっこんで、ひとりで隠居生活でも送るわ!」

「……っ」

 

 私が笑顔で答えると、フランは頭をかかえた。

 なんでや。

 

「前世の世界では、そんなに珍しい話でもないみたいよ? 人生、結婚だけが全てじゃないもんね」

「……そうだな」

 

 だからなんで、フランがこの世の終わりみたいな顔してるんだ。

 解せぬ。

 

「実は、ダリオに貸したお金の利息がけっこういい額になってるの。だから私ひとりくらいなら、生きていけると思うのよねえ」

「……」

「フラン?」

「……お前が気にしないというのなら、それでいい。邪魔者がいないのは好都合だしな」

「ん?」

 

 なんか話がつながっていない気がするけど、まあいいか。

 フランの賛成がとりつけられたのなら、作戦を実行に移すだけだ。

 

「まずは、ケヴィンが出席しそうなお茶会に参加できないか、調べてみるわ」

「わかった。あとは……オリヴァー王子とヘルムートは放っておいていいのか? あいつらも『攻略対象』とやらなんだろう」

「あのふたりはパスで。王子の問題は聖女にしか解決できないから、私がどうこうするのは無理。王子の問題に干渉できない以上、側近のヘルムートにも下手に接触しないほうが……」

「待て」

 

 フランが不意に手をあげた。ぷに、と指先が私の唇を軽くふさぐ。

 黙れ、ってことらしい。

 

 意図はわかるけど!

 乙女の唇にいきなり触れるのはどうかと思いますー!

 びっくりしすぎで心臓止まったらどうしてくれる!!

 

 睨む私の視線を無視して、フランは腰をあげた。

 そして、庭の向こうからやってくる人物に声をかける。

 

「姉上」

 

 そちらを見ると、ブラウンの髪の貴婦人の姿が見えた。

 フランの姉、マリアンヌさんだ。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。