【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!   作:タカば

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仲良くしましょう?

 私と婚約者たちの緊張した空気に気づいているのかいないのか、ケヴィンはにこにこと笑っていた。

 

「俺も君と知り合えてうれしいよ、リリアーナ嬢」

「リリィでいいわよ。あなたとは親しい付き合いがしたいから」

 

 ほぼオブラートが破けた状態の宣戦布告を聞いて、エヴァ、ライラ、フローラの三人の顔が固くなる。侯爵家の娘がアプローチかけてきたら慌てるよねー。

 最初に切り込んできたのは、強気少女ライラだった。

 

「リリアーナ様? もうすでに親しい方のいるケヴィン様に、『親しく』なんてはしたないんじゃないかしら」

「そうなの? もうすでに3人も仲良しがいるんですもの、4人でお話しても構わないんじゃないかしら」

 

 みんなで仲良くしましょうよ、という提案にライラの顔がひきつる。その隣でエヴァがおっとりと笑った。

 

「リリアーナ様は、ずいぶんと心が広い方なのね。ふふ……でもみんなでずっと仲良くできるかどうかはわかりませんわよ」

「あら、どうして?」

「だって、私たちはそれぞれ、侯爵様やエルマ様に推していただいて、ケヴィン様と親しくしているんですもの。おひとりでは、私たちほど親しくはできないんじゃないかしら」

 

 婚約者になるには、親族からの推薦が必要、と。

 婚姻は家と家を結ぶ問題だから、彼女の指摘はおおむね正しい。

 ただ、君たちの目の前にいるのは、ハルバードの我儘令嬢だ。その程度で引くようなら、こんなちょっかい出してない。

 

「まあ! それならお父様にお願いしてみようかしら。騎士団と侯爵家、両方から推薦してもらえれば、いいわ!」

 

 後ろ盾が必要というなら、いろいろ手段があるんだよねー。

 家格はモーニングスターと同じ侯爵家だし。

 本当にその手段を使っちゃうかどうかは別として。

 

「え? 俺と仲良くするのに、特に資格はいらないよ? 普通に遊べばよくない?」

 

 ケヴィンはきょとんと首をかしげる。

 わかっているのか、いないのか。

 ゲーム通りの性格なら、婚約だ推薦だってややこしい問題に発展しそうなのを察して、わざとはぐらかすくらいはやりそうだけど。

 

「あ……あの……リリアーナ様……ひとつ、質問いいですか」

 

 フローラがおずおずと声をかけてきた。うむ、美少女の上目遣いかわいい。

 

「私に答えられることなら、なんでもどうぞ」

「リリアーナ様は雷の魔法をお使いになると聞きました。本当なのですか?」

「よく知ってるわね」

 

 3つも年下の子に雷魔法のことを聞かれるとは思わなかった。

 ライラが苦笑する。

 

「フローラは魔法が好きなの。私たちもよく、魔法を見せてってせがまれるわ」

 

 まだ11歳のフローラは、彼女たちにとってもライバルというよりは妹のような存在らしい。普段から彼女のちょっとした我儘を許容しているようだ。

 

「俺も雷魔法には興味があるな」

「ケヴィン様のお願いというなら、お見せしましょうか」

 

 この3年で雷魔法の利用方法は研究が進んでいる。

 怪我しない程度のパフォーマンスなら、できるようになったんだぞー!

 

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