【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!   作:タカば

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ファーストコンタクト

 フランと今後の対策を話し合った数日後、私はまたドレス姿でお茶会に顔を出していた。社交に慣れるにはまず場数が必要、ということでイベント参加頻度は結構密だ。

 

 といっても、今日も今日とてぼっちなんですがね?

 

 せめてケヴィンやその婚約者のうち誰かが参加しててくれたら、強引に話しかけにいくこともできるんだけど。強気少女ライラあたりは面倒見がいいから、ぷりぷり怒りながらでも相手してくれるし。今回みたいな事情さえなければ、ツンデレかわいい友達になれそうなのになー。

 

 まあ、ぼっちお茶会にも慣れてきたし、大人に顔を売っておけばいいか……。

 

 早々に人との交流を諦めて、会場の隅でため息をついた時だった。

 

「ご主人様」

 

 近くに控えていたフィーアが不意に声をかけてきた。

 

「あちらの方々が、ご主人様にお話があるようです」

 

 振り向くと、女の子が5人固まって立っていた。年齢は私と同じか、ちょっと下くらい。どの子も仕立てのいいドレスをセンスよく着こなす、育ちの良いお嬢様だ。

 そして彼女たちは全員、顔色が真っ青だった。

 顔を引きつらせ、目にウルウルと涙をため、手足もぷるぷるさせながら、身を寄せ合って立っている。

 さながら、猛獣を目にしたハムスターの群れである。

 

 なんだこの決死の表情。

 怖がられている自覚はあるけど、さすがに何の関係もないお嬢様に喧嘩を売ったりしないぞー。

 見つめると、彼女たちはびくっと体をすくませた。

 うむ、埒が明かない。

 

「初めまして、私、リリアーナ・ハルバードと申します。お目にかかれてうれしいわ」

 

 とりあえず、挨拶してみる。私が軽くお辞儀すると、自分たちが名乗ってなかったことに気が付いたのか、お嬢様たちは次々に自己紹介を始めた。

 

「わ、私は、コレット・ローランサンですっ……! ははは、初めまして」

「私は、ミリアナ・レミントンです……! ふわぁ……お美しい……」

「わわ私、ローズマリー・ゴールドでひゅっ……」

「サラ・ハーひょ……ハートベル、です……お会いできて光栄ですぅ……!」

「ドロテア・ロクサンヌです! 初めまして!」

 

 彼女たちの家名はいずれも聞いた覚えがある。確か都市に住む伯爵家、子爵家だったはずだ。

 自己紹介がすむと、お嬢様たちはお互いにうなずき合う。そしてリーダー格の女の子、コレットが意を決して口を開いた。

 

「あ、ああああのっ、実は私たち、リリアーナ様にお伺いしたいことが……あって……!」

「何かしら?」

「ケヴィン・モーニングスター様とご婚約されるって、本当ですか?!」

「ちょっといいな、って思ってるところよ」

 

 私は今のところケヴィンの『婚約者候補』だ。だから彼らの前以外でその関係を断言するわけにはいかない。私は微妙な言い回しで答えた。

 

「おおおおおっ、おやめに、なってくださいっ!!」

「あなたも、ケヴィン様に思いを寄せるひとりなのかしら」

「ち、違います!」

 

 コレットはぶんぶんと首を振った。

 

「ケヴィン様にリリアーナ様はもったいないです!!! おやめください!」

「…………はい?」

 

 なんですと?

 

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