【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!   作:タカば

245 / 588
それどんなクソゲー

「ごめん、フラン。今めちゃくちゃ不穏な言葉を聞いた気がするんだけど」

「攻略対象排除のことか?」

 

 何の罪悪感もないのか、フランはけろりとしている。

 いや排除とかどういうことなの。

 

「これはお前のためなんだぞ?」

「どこが!」

「女神の作ったゲームの中には、『悪役令嬢リリアーナ』がその立場を追われるルートがある。覚えているな?」

「……王子様ルート、だよね」

 

 聖女がオリヴァー王子と恋におちるルートだ。婚約者が別の女に心奪われたことに激怒した悪役令嬢は、あの手この手で聖女をいじめて、結局公衆の面前で婚約破棄を言い渡されてしまうのだ。

 

「王子が優秀な少女と恋に落ちたのならば、お前が婚約者である必要はなくなる。王室の問題解決にも聖女の力が必要なのだから、お前のみならずこの国全体にとって、最も望ましいルートと言える」

「だからって、聖女に『王子ルートを選びなさい』とも言えないでしょ」

 

 聖女の力の根源は、恋する乙女心だ。それは政略や契約で無理やり関係を持っても発現しない。彼女が心から好意を寄せたときにしか、世界は救えないのだ。

 だから私は今まで、彼女の行動には直接関わってこなかった。

 

「それはわかっている。聖女に好意を強制できない。だが……この先産まれるはずの恋の芽を摘むだけなら可能だ。周りの良い男が全て排除され、王子しか残されていなかったら、彼と恋する以外ないだろう」

 

 にい、とフランは悪い笑顔を浮かべる。

 確かに理論上はそうだけどさあ!

 

「なに、今までお前がやってきたことと、あまり変わらない。すでに俺はお前以外見る気はないし、アルヴィンは姉を。ヴァンとクリスは生涯の共犯者で、ケヴィンはゲイ。あと残された数名の問題を解決して、聖女と出会う前に幸せにしてやればいい」

「言うのは簡単だけど、本当にそんなことできるの?」

「すでに、カトラス家次男ルイスは国外に出した」

「はいいいいい?」

 

 カトラス侯爵家ルートが、すっぱりカットされただとう?! どんな入学妨害やったんだよ!

 

「悪いようにはしていない。本人が貿易を学びたいと言っていたから、勉強のために交易船に乗せるようダリオに進言しただけだ」

 

 ルイスが王立学園で騎士教育を受けることになったのは、兄ダリオが殺されて自分が家を継ぐことになったからだ。次男として領主以外の夢を持っていてもおかしくない。

 以前、彼がセシリアとの縁談を断った理由がわかった。地方子爵家に婿入りしてたら、商人としては生きられないもんね。

 

「他の連中も同様だ。苦労人の職人が有名工房からスカウトされたり、野心ある商人が王都に店を構える権利を得たりするだろうが、誰も不幸にはならん」

 

 フランはくつくつと笑う。

 

「言ってることは正しい気がするけど、なんか納得いかない……!」

 

 20人以上いた攻略対象がゲーム開始前に勝手に排除されたあげくに、王子ルート1本に制限されてるとか、それどんなクソゲーだよ!

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。