【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!   作:タカば

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揃う顔ぶれ

「リリィ? お前なんでオリヴァーと来てんの?」

「エスコートよ。お父様もお兄様も、王都に来られないから」

 

 控室に入るなり怪訝な顔をされた私は、いきさつを説明した。

 

「しかし……」

「あなただってそうじゃない」

 

 私は、疑問を投げかける銀髪の少年の後ろを見た。そこには、右手を包帯で吊った、痛々しい銀髪の少女の姿がある。

 

「そりゃ、婚約者が大法廷で証言するってなったら、ついてこないわけには……って、あー、オリヴァーも立場的には同じになるのか?」

 

 自分で説明していて、状況に気づいたらしい。ヴァンは首をかしげた。

 私は軽く肩をすくめる。

 

「彼のアレはただの親切心。裏はないわ」

「マジで?」

 

 王立学園での暴走っぷりを知っているからだろう。ヴァンどころか、後ろにいるクリスも不思議そうな顔だ。

 

「信じられないかもしれないけど、今回の事件くらいからつきものが落ちたみたいに冷静なの。私を助ける護衛の手が足りないからって、わざわざフランに頭をさげて協力を取り付けたりとかね」

「オリヴァーがフラン連れて助けにきたって話も、マジだったのかよ」

「今回の大法廷にも、証人として出席するって」

「えぇ……それって、どっち側で証言すんの?」

「見たままを証言する、って言ってたから、少なくとも王妃側でないことは確かね」

 

 さっきオリヴァーから聞いた言葉を伝えると、ついにヴァンは絶句してしまった。

 その気持ちはわかる。

 私だって、直接オリヴァーと話してなかったら、同じ顔をすると思うから。

 

「あ、あの……クリス様、お加減はいかがですか?」

 

 クリスの包帯を心配そうにチラチラ見ていたセシリアが、ついに声をかけた。クリスはいつもの調子でにこっと笑う。

 

「もう平気だ! 骨は繋がったし、傷もふさがってきてる。本当はもうこんなふうに腕を吊らなくてもいいくらいなんだけど……」

「殺されかけた被害者が、元気でどうするんだよ」

「……というわけだ」

 

 婚約者にツッコミを入れられて、クリスは大仰にため息をついた。

 

「クリス様がお元気になられて、よかったです」

「こんなに短期間で動けるようになったのは、東の賢者殿とセシリアのおかげだ」

「わわ、わ、私は何も……」

 

 自分の名前を出されて、セシリアはあわあわと手を振る。しかしクリスは小動物令嬢をのがさない。

 

「賢者殿から聞いたぞ。私に処方された傷薬は全部セシリアが調合したものだって。普通のものよりずっと効きがいい、って褒めてた」

「そそそそ、そんな、私はレシピ通り作っただけで……で、でも……クリス様の傷が、早く良くなったのなら……」

「そこはうれしい、って喜ぶところよ」

「……はい」

 

 セシリアは真っ赤になってうつむいてしまった。

 どうしよう、うちの聖女がかわいい。

 ふわふわの頭を撫でちゃダメかな?

 ダメだよね?

 友達をナデナデしたい衝動を抑えようと葛藤していたら、また部屋のドアがノックされた。

 

「今度は誰だろう?」

「部外者ってわけじゃないだろ。この部屋には宰相派以外いれるなって、指示が出てるし」

 

 入ってきたのは、ヴァンとクリスと同じ、銀髪の青年だった。

 

 

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