【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!   作:タカば

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何故なのか

「なぜそう言い切れる?」

 

 説明できるものなら、してみろ。

 言外に問われて、ローゼリアは顔を青ざめさせる。

 

「私が王宮のあらゆる場所に出入りできる権限を手に入れたのは、ひとえに自分自身の力によるものです。信用を得るために誠実を装い、巧妙に王妃様に取り入ったからにほかなりません。私が皆を欺いていたのです」

 

 王妃の忠実な暗殺者は、その主を利用していたと主張した。

 

「薬物の入手も、罠の手配も、私ひとりでやったことです。あさましくも王妃づきになったその立場を利用して、裏社会に働きかけ人を引き入れ、悪事を働いたのです」

 

 ローゼリアは宰相閣下ではなく、置物国王に訴えかける。

 

「お疑いになるなら、関わった者すべてをお調べください! 取引の場に現れたのも、罠を用意したのも、脅迫したのもすべて私です。私しか目撃されておりません。王妃様が関わったなどという、おぞましい証拠はどこにもないのですよ!」

 

 断言するからには、実際そうなんだろう。

 用心深い王妃が直接取引の場に現れることはない。すべて、代理人であるローゼリアを通していたはずだ。

 目撃証言のないなかで、彼女が『ひとりでやった』と言えば、それ以上追及できなくなる。そう見越して、最初からローゼリアだけに行動させてたに違いない。

 

「取引については、それで通せなくもないかもしれない。だがひとつ、疑問が残るだろう?」

 

 じい、と宰相閣下がローゼリアを見据えた。

 

「王家の抜け道については、どう説明をつけるつもりだ」

「そ……それは……」

 

 ローゼリアの目が泳ぐ。

 当然だ。

 それは彼女自身の秘密に関わることだからだ。おそらく、この秘密も抱えたまま地獄に行きたかったに違いない。

 しかし、黙っていては王妃共犯説が成立してしまう。

 背に腹は代えられない。

 ローゼリアは、震える唇でついに秘密を告げた。

 

「王家の抜け道は……私自身が元から知っておりました……」

 

 観客に困惑が広がる。

 王妃に近しかったとはいえ、一介の侍女が王家の極秘事項を知っていたのか。まったく理屈にあわないからだ。

 でも、彼女は知り得る立場だった。

 なぜなら……。

 

「父から……聞いておりましたので」

「それはおかしい」

 

 宰相閣下はしらじらしく、ローゼリアに問いかけた。

 

「貴様は書類上、王国西部で織物を扱うシュヴァインフルト家の三女となっている。織物問屋の主人に王家と関わる縁があったとは思えないが」

「わかっているくせに……」

「何の話かな」

「……っ、私の本当の父の名前は、ヴォルフガング・マクガイア。書類上の父は、本当は祖父にあたります!」

 

 ローゼリアが叫ぶように宣言する。

 謁見の間は大きくざわついた。

 

「そんなまさか……!」

「あの一族はすべて処刑されたはずだ!」

 

 彼らが動揺するのも無理はない。

 マクガイアとは王国騎士団第一師団長の地位にありながら、数々の汚職に手を染め、敵国アギトと手を組み、国を売り渡そうとしていた逆賊の名前だったからだ。

 




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