【書籍⑧巻&コミック②巻、7月31日発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる! 作:タカば
「なんだったの……」
とっさに許可を出したものの、展開の意味がわからない。
「あ! いつものノリで許可出しちゃったけど、今のジェイドはダガー伯爵でフィーアもセシリアの護衛の仕事とかしてるんだった! 勝手に休暇とらせちゃって大丈夫だった?」
私が慌てて振り向くと、セシリアは笑い出した。
「お気になさらず。私に許可を求められても、同じことをしたと思いますから。今のふたりには、話し合う時間が必要だと思います」
「だ、だよね!?」
「スケジュール等の調節は、あとで俺がやっておく。あのふたりのことは気にするな」
フランが冷静に付け加える。
持つべきものは寛容な主君と有能な恋人である。
「でも、なんでいきなり私の名前がでてきたんだろ?」
私はふたりの口論を思い返す。どうも、フィーアがずっと頑なだったのは私が原因っぽいんだけど、覚えがない。
ずっと傍観者に回っていたヴァンが呆れ顔になった。
「そのまんまの意味だろ。ジェイドの初恋はリリィで、フィーアはずっとジェイドの気持ちがお前にあると思い込んでたってことだ」
「えええええ……そんなことある?」
「あるも何も」
ふ、と恋人が笑う。
「ハルバード城に出仕している少年の初恋はだいたいお前だぞ」
「はああああああ!? そんなの聞いてないんだけど?」
「当然だ。言ってないからな」
フランはしれっとした顔で断言した。
これはあれだな? 君、わかってて言ってなかったな?
「へえ、リリィってモテてたんだ」
のんきなクリスが感心したような顔になる。フランはあきれのため息をついた。
「まあこの見てくれで、愛想のいい領主のお嬢様だからな。医療魔法使いのディッツについて、負傷兵の治療をしていることもあったし」
「あ~それは惚れられるな~」
ヴァンまであきれ顔になった。
なんでだよ。真面目にお勉強してただけなんだけど。
「そんなことが原因であのふたりがこじれてたってこと……? え、お城の男の子たちの初恋が軒並み私ってことは、もしかしてジェイド以外に拗らせてる子とかいたりする……?」
「ああ、そこは気にしなくていい。ジェイドたちの一件はレアケースだ。ほとんどの連中は、早めに失恋するよう仕向けておいたから」
なにそれ。
仕向けるってなに。
十一のときからずっと隣にいた元補佐官はにやりと笑う。
「ジェイドも言っていただろう。俺と並んでいる姿を見て諦めたと」
「ああ、なるほど。フランが隣に立って牽制しててくれたんだ。……あれ? そういえば、ディッツと一緒に医局で治療をしていた時って、決まってフランが迎えにきてたわね……」
せいぜい、十二か十三の時の話だったはずだ。
「あれ?」
何か計算がおかしいぞ?
私って、いつからフランに囲い込まれてたの……?
「クソゲー悪役令嬢コミカライズ②巻」
「クソゲー悪役令嬢書籍⑧巻」
2026年7月31日に2冊同時発売されます!
コミックも小説もめちゃくちゃ面白いので、よろしくお願いします!
コミック版はすでに予約がはじまっています!
できれば予約して、買って!!
詳細は活動報告に!
皆さまの応援が作品の寿命を延ばします!!!